30代は「疲れて仕事を辞めたい」と感じることが多い年代です。しかし同時に「年齢や今後のキャリアを考えると辞められない」と、悩んでいる年代ともいえます。

本記事では30代で仕事を辞めるメリット・デメリットを客観的に解説したうえで、30代の今だからこそおすすめできる働き方について紹介しています。

疲れて仕事を辞めたい30代は多い?

30代は仕事を辞めたいと考え、実際に辞める人が一定数いる年齢です。

年齢別の離職率は20〜24歳の男性24.2%、女性26.9%、25〜29歳男性15.9%、女性17.9%と高めです。30〜34歳になると男性11.0%、女性14.7%、35〜39歳男性8.8%、女性12.1%と年齢を重ねるにつれ減少傾向にあるものの、30代は20代に次いで仕事を辞める人が多いことがわかります。

参照:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」

30代は、仕事に慣れてくる一方、ライフスタイルの変化が大きい時期です。求められる役割が変わり、心身ともに疲れを感じやすくなります。ただし、近年働き方が多様化しており、会社を退職し、個人で働くといった働き方を選択するために辞めた人もいます。

30代が仕事を辞めたい・疲れたと思う理由

30代が仕事を辞めたい、もう疲れたと思う主な理由は、下記の3点です。

  • 将来への不安が募る
  • 体力が低下する
  • 家庭との両立が難しい

多くの人が心当たりを感じるのではないでしょうか。詳しい内容について解説します。

将来への不安が募る

30代は中堅、ベテランとして、社内でも責任のある業務を任される時期です。しかし、会社によっては責任が重くなり、やるべきことが増えているにも関わらず、給与や年収アップにつながっていないといったケースがあります。「このまま同じ会社で働き続けていて、将来は大丈夫なのか」といった漠然とした不安に襲われ、退職を選ぶ人もいるでしょう。

またマネジメントや後輩指導を担うことになり、自分の仕事に集中できずモチベーションが下がる、人間関係が複雑化してストレスを感じるといった声もあります。

体力が低下する

30代になると、20代の頃のような体力がなくなり、同じ業務量をこなしていても疲れたと感じやすくなる人がいます。昔は「終電で帰宅しても、次の日の朝から元気だった」という人も、年齢を重ねると無理がきかなくなります。

残業や休日出勤が多い会社や、夜勤と日勤の繰り返しのシフトなど、体力が必要な働き方の場合、より切実に変化を感じるでしょう。そのため、30代は自らの働き方を見直すきっかけになりやすいといえます。

家庭との両立が難しい

30代は子育て世代でもあり、親の年齢によっては介護が必要となる可能性もあります。20代では仕事とプライベートにすべての時間を費やすことができたものの、30代では、家庭との両立が求められるケースが多いです。

会社によっては時短勤務や育休などの制度が整っていることがあるものの、仕事を今まで通りにこなすことが難しくなり、退職の道を選ぶ人もいます。ライフスタイルの大きな変化にストレスがたまり、心身のバランスを崩してしまう可能性もあるでしょう。

30代で仕事を辞めるメリット・デメリット

仕事を辞めるのか、続けるのか、悩んでいる30代の方も多いことでしょう。辞めるメリットとデメリットを確認したうえで、選択の参考にお役立てください。

30代で仕事を辞めるメリット

30代で仕事を辞める主なメリットは、下記のとおりです。

  • 仕事のストレスや体力的な負担から解放される
  • 時間の余裕が生まれる
  • 新しいことを始めやすい

もっとも大きなメリットは、仕事のストレスから解放され、体力的・精神的にゆとりが生まれることです。特にストレスで体調を崩していた人にとっては、心身の状態を整えるチャンスといえます。

プライベートを充実させたり、子育てや介護など、今まで仕事との両立に悩んでいたことに対し、全力で時間を注いだりできます。また時間に余裕ができることで、今後のキャリアについて考えたり、資格取得に向けて勉強したりといったことも可能です。

30代で仕事を辞めるデメリット

30代で仕事を辞める主なデメリットは、下記のとおりです。

  • 収入がなくなり経済的な負担が増える
  • これまでのキャリアが無駄になることも
  • 社会との繋がりが少なくなる

仕事を辞めると収入が途絶えます。失業保険が受給できたとしても、永遠ではありません。また社会保険や年金保険料などの支払いも発生するため、金銭的な負担が増えます。

専門的なスキルを持っていたとしても、一定期間社会から離れることで、履歴書に空白期間が生まれます。再び働きたいと思った際に、これまでのキャリアを活かす転職先が見つかるかどうかは、未確定です。

さらに仕事を辞めると、人と関わる機会が大きく減少します。人によっては孤独感を感じ、精神的に落ち込んでしまう可能性もあるでしょう。

疲れて仕事を辞めたい30代におすすめの働き方

30代が仕事を辞めることによるデメリットは、決して小さくありません。しかし、疲労を軽減させつつ、社会とつながりを持つことは可能です。おすすめの働き方を紹介します。

リモートワーク

通勤時間が長かったり社内の人間関係にストレスを感じたりしている場合は、リモートワークを選択すると良いでしょう。リモートワークでは、出社する必要がなく、社内に苦手な人がいても物理的に距離をとることが可能です。

フルリモートの会社だけでなく、リモートと出社を半分ずつといった働き方を取り入れている会社もあります。通勤時間分をプライベートの時間に費やせるため、自宅で働きたい人におすすめです。

フリーランス

会社に雇われるのではなくフリーランスになることで、働く場所や時間、受ける案件など、すべてを自分で選択できます。基本的には成果物を納品することで報酬が受け取れるため、働く時間に縛られることはありません。

例えば数ヶ月徹底的に働き、子どもの夏休み中は丸々休みにするといった働き方も可能です。ただし、仕事をしなければ収入は0です。会社員時代と比べると、生活が安定しなかったり、国民年金や国民健康保険の加入など、自己負担費用が発生したりといった点にも注意が必要です。

パートタイムや時短勤務

正社員やフルタイム勤務に疲れた30代であれば、会社に相談し、パートタイムや時短勤務、フレックス制を選ぶ方法があります。特に介護や子育てなどが理由の場合、受け入れてもらいやすいでしょう。

勤務時間が短くなることで、家族との時間や休息の時間が確保しやすくなります。ただし、残業ができない状況になるため、より効率的に仕事を進める工夫が必要です。あわせて、業務量が少ない部署に異動を希望するなどの方法も検討してみましょう。

疲れて仕事を辞めたい30代が転職を成功させるコツ

今の会社を退職し、転職先を探すのであれば、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 自分の市場価値を知る
  • 必要な知識やスキルを身につける
  • 転職エージェントを活用する

転職を成功させるには、事前準備が重要です。

自分の市場価値を知る

これまでの仕事で得たスキルや経験を客観視し、自分の市場価値を確認しましょう。転職により希望の年収が確保できるのか、これまでのスキルを活かせる転職先があるのかといった点が明確になります。

「自分には特別なスキルはない」と思っていた人であっても、キャリアカウンセリングなどを使用するなかで、思いがけない強みに気づくこともあります。今後のキャリアを考えるうえでも、現在地のチェックは重要です。

必要な知識やスキルを身につける

30代の転職では「即戦力」として期待されるケースも少なくありません。もちろん、業種によっては「未経験歓迎」ではあるものの、志望する業界や職種で役立つスキルや知識を理解しているのであれば、身につけておくと転職の際に有利です。

資格取得やスキルアップに向けた勉強の姿勢は、面接でも前向きに受け止められやすい点です。「意欲的」「意識が高い」といった評価を受けやすくなるため、スキルを取得してから転職する方法もおすすめです。

転職エージェントを活用する

転職はしたいけれど、すでに疲れていて転職活動の時間が確保できないと悩んでいるのであれば、転職エージェントに登録し、プロの力を借りる方法がおすすめです。自己分析や希望条件に当てはまる企業探しなど、サポートを得ながら行うことで、進めやすくなります。

また今後のキャリアプランなども含めて無料で相談に乗ってもらえる点もポイントです。客観的な意見がもらえるため、参考になるでしょう。履歴書や職務経歴書の書き方サポート、面接練習などが受けられるエージェントもあります。

30代で疲れて仕事を辞めたいと思った時は働き方を見直そう

30代は多くの人が疲れを感じ、仕事を辞めたいと思うタイミングです。しかし、辞めることによるデメリットが大きいため、リモートワークや時短勤務、フリーランスなど、新たな働き方を選ぶことをおすすめします。

例えば、IT業界はリモートワークやフリーランスなど自由な働き方に対応しているうえ、未経験者歓迎の業界です。IT企業への転職に興味がある方は、ダイレクトリクルーティング「HUGAN」に登録してみませんか。登録は無料です。仕事を辞めたい気持ちを、キャリアアップに活かしましょう。