業種と職種は、一見似ています。その分違いがわかりにくく、転職活動を始めるにあたって、意味がわからないと困っている方がいるかもしれません。
本記事では業種と職種の違いについて、具体例と共に解説しています。自分に合う仕事を選ぶための方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
業種と職種の違い
業種は「事業の種類」「企業が属する産業の種類」、職種は「仕事の種類」「業務内容」を指す言葉です。まずは業種と職種の違いについて、言葉の定義や具体例を交えつつ説明します。
業種の定義
業種とは、企業が属する産業の種類や事業の種類を指す言葉です。日本標準産業分類(令和5年7月告示)では、大分類として下記の20種類に分けています。
- 農業、林業
- 漁業
- 鉱業、採石業、砂利採取業
- 建設業
- 製造業
- 電気・ガス・熱供給・水道業
- 情報通信業
- 運輸業、郵便業
- 卸売業・小売業
- 金融業・保険業
- 不動産業、物品賃貸業
- 学術研究、専門・技術サービス業
- 宿泊業、飲食サービス業
- 生活関連サービス業、娯楽業
- 教育、学習支援業
- 医療、福祉
- 複合サービス事業
- サービス業(他に分類されないもの)
- 公務(他に分類されるものを除く)
- 分類不能の産業
業種の具体例
日本標準産業分類の大分類以外にも、さまざまな業種が存在します。転職サイトの場合、「業種から探す」といった方法もあります。下記に業種の具体例をまとめました。
業種 | 細分化した業種の例 |
IT・通信業 |
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メーカー(製造業) |
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サービス・レジャー |
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流通・小売 |
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金融・保険 |
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マスコミ・広告・デザイン |
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不動産・建設・設備 |
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職種の定義
職種は、仕事の種類や業務内容を指す言葉です。特定のスキルや知識に基づき行われる職務を意味するため、勤務先の企業や業種に左右されません。同じスキルを持つ人は、同一の職種と判断されます。在籍中の会社に「部署」が存在する場合、「営業部=営業職」「人事部=人事職」のように部署名=職種となる可能性が高いです。
「部署がない」「個人事業主やフリーランスのため、職種を判断しにくい」といった方は、厚生労働省編職業分類を活用しましょう。大分類では、管理的職業や医療・看護・保険の職業、サービスの職業など15個に分類されており、大分類の先には「小分類」「例示職業名」が記載されています。
職種の具体例
厚生労働省編職業分類による最新(2022年改定)の職種の数は、18,725です。下記に、
IT・エンジニア系技術職の一例を挙げました。
- インターネットエンジニア
- Webエンジニア
- AIエンジニア
- カスタマーサポートエンジニア
- サーバーエンジニア
- システムエンジニア(WEBサイト開発)
- ITコンサルタント
- プログラマー
営業、一般事務、人事、総務、マーケティング、広報、企画などの一般的な職種のほか、理容師、美容師、教師、医師、看護師、栄養士、税理士など特定の資格が必要な職種もあります。クリエイティブ系では、デザイナーやイラストレーター、記者、カメラマンなども職種のひとつです。
職種は時代と共に変化しています。ドローンパイロットやAIエンジニア、動画クリエイターなども新しい職種と言えるでしょう。
自分に合う仕事の見つけ方
さまざまな業種・職種から自分に合う仕事を見つけるためには、まず自分と向き合うことが大切です。ここでは、仕事選びに役立つ3つのポイントを紹介します。
- 自己分析を行う
- キャリアプランを立てる
- 業界・企業の研究を行う
自己分析を行う
職歴を振り返り、自分が持つスキルや経験を改めて書き出してみましょう。どのような仕事をしているときに楽しいと思ったか、やりがいを感じたのかといった観点も重要です。自分の強み・弱みや、興味関心、苦手なこと、ストレスを感じることなど、さまざまな角度から自己分析を進めます。
インターネット上の自己分析ツールやキャリアカウンセリングなどを活用することで、より正確な自己分析ができるでしょう。自分に適した業種・職種が見つけやすくなります。
キャリアプランを立てる
例えば10年後、どのような暮らしをしていたいのか、どういった働き方を目指しているのか、具体的な目標を考えてみましょう。ライフプランも一緒に考えると効率的です。将来像が見えてきたら、目標達成に向けて必要なキャリアやスキルを逆算します。
次に設定するのは、短期目標と長期目標です。ただし、あくまでも現実的に達成が可能であり、実際に進捗状況が確認しやすい目標を立てます。キャリアプランを立てたら、あとは実際に行動に移すのみです。必要に応じて定期的な見直しや軌道修正も行います。
業界・企業の研究を行う
キャリアプランを立てる際に、自分が希望するキャリアを満たす業界・企業、職種についてイメージができたはずです。ピンと来るものがあれば、業界の特性や市場動向、業界のトレンドや将来性についても調べてみましょう。
イメージだけで動くのはNGです。必ず説明会やセミナーなどに参加し、最新の生の情報を入手しましょう。実際に働くにあたっては、企業文化や社風も重要なポイントです。今までのスキルだけにとらわれず、興味関心のある分野は積極的に情報収集に努めましょう。
業種と職種のどちらから選ぶ?
業種と職種は、どちらを優先して選んでも構いません。業種から選ぶ場合は企業の選択肢が多くなり、職種から選ぶ場合は、働き方や年収などの条件面で絞り込みやすいといった各メリットがあります。それぞれの選び方について、解説します。
業種から選ぶ場合:企業の選択肢が多い
業種から選ぶ場合は、「自分が仕事を通して実現したいこと」を考えてみましょう。例えば「地方で暮らす子どもたちにもITの力を活用して平等に教育の機会を与えたい」と思うならば、IT系や教育系の業種を選ぶといった方法です。また、業種から選ぶことで、安定性や将来性もある程度絞れます。
特定の業種に絞ると、業界研究に時間を費やすことができるため、志望動機の熱意や信憑性が高まる点もメリットです。業界の情報を深掘りするなかで、同業他社の関係性や違いについても見えてくるため、自分が求める企業と出会いやすくなります。
多数の企業から自分なりの判断基準に沿って、最終的に志望する企業を選びましょう。特定の分野に特化したスキルを積み重ねていくと、転職の際にも有利です。
職種から選ぶ場合:働き方・年収などで絞り込める
職種から選ぶ場合は、自分がやりたい仕事、興味のある仕事を軸に選ぶと良いでしょう。また「スキルや経験が活かせるか」「希望年収・希望の働き方を満たしているか」「好き・得意分野か」といった点も併せてチェックすることをおすすめします。
どうやって絞り込めばいいかわからない場合は、下記のように表を作成してみましょう。
好き | 嫌い | |
得意 | ||
苦手 |
職歴を振り返り、上記の空欄に当てはめてみてください。「好き×得意」の職種は、確実にあなたに合っている仕事ですが、「嫌い×苦手」以外であれば、検討の余地はあります。
また特定のスキルを高めることで、職種に特化した専門的なキャリアの積み重ねが可能です。自分のキャリアプランも並行して確認してみましょう。
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業種は企業が属する産業、職種は仕事の内容です。仕事を選ぶ場合は、どちらから選んでもそれぞれメリットがあります。企業の選択肢が多いのは「業種」、条件で絞りやすいのは「職種」と理解したうえで、転職先を探してみましょう。
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