残業を毎日強いる会社は、一般的に「普通」とは言えません。残業による長時間労働を続けるとことは、労働者側のリスクが高く心身にダメージを受ける可能性が高まります。
本記事では残業を毎日行うことのリスクや残業を避ける方法、具体的な対策について、わかりやすく解説します。
目次
毎日残業させる会社の特徴とは
毎日残業が基本の会社に勤めていると「残業が当たり前」と感じるかもしれません。しかし、毎日残業があること自体、会社に問題があります。毎日残業させる会社の特徴は、次のとおりです。
- 常に人手不足がみられる
- 業務の効率化が図れていない
- 残業が当たり前だと考えている
常に人手不足がみられる
業務量と従業員の数が見合っていなければ、残業が常態化しやすくなります。離職者が続出しているにも関わらず、新規採用・中途採用を積極的に行わない会社や、現場の意向を無視して次々と新しい事業を始める会社などが当てはまります。
仮に会社が求人をかけてもすでに「あの会社は残業が多い」などと噂になっていれば、応募者自体が少なく、入社後も、人材の定着は難しいでしょう。従業員の負担が増加し、さらに離職者が増え、人手不足になるといった悪循環が発生しています。
業務の効率化が図れていない
無駄なプロセスや重複作業が多く業務の効率に問題がある場合、残業が発生しやすくなります。もちろん、個人としてテンプレートの作成や業務計画の見直しなどを行うことで、多少の効率化は可能です。
しかし、会社全体で無駄な業務が多ければ、個人の努力だけではどうしようもありません。例えば「慣習で続いている意味のない会議」「形だけの確認作業」「最新のシステムやツール導入に否定的な上層部」は、残業の常態化につながりやすくなります。
残業が当たり前だと考えている
「会社の命令は絶対」「残業は会社への奉仕」「定時で帰るのはサボり」など、残業=美徳と考える企業文化の会社では、毎日残業があることさえも当たり前といった雰囲気が漂います。
特に上司や先輩が率先して残業をしている場合は、問題です。部下は、立場上「お先に失礼します」とは言いにくく、本心では帰宅したいと思っていても従わざるを得ません。残業が多い社員ほど出世する風潮があれば、諦めて残業する選択をしてしまう人もいるはずです。
毎日残業するリスク
毎日残業すると、金銭的には残業代分がプラスになります。しかし、毎日残業することで下記のようなリスクが発生する点には注意が必要です。
- 心身ともに不調になってしまう
- ワークライフバランスが崩れる
- 仕事のパフォーマンスが低下する
- 悪化すると精神病になってしまう可能性がある
心身ともに不調になってしまう
長時間労働が続くことで、健康に悪影響を及ぼす可能性大です。例えば一般社団法人新潟県労働衛生医学協会では、長時間労働と健康との関係性として「脳・心臓疾患(過労死)、胃十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎」などを挙げています。
睡眠不足が続いて疲労が蓄積したり、多忙のあまり自分の健康管理がおろそかになり、病気の発症に気付きにくかったりということもあるでしょう。健康診断結果が「要精密検査」だとしても、毎日残業があり通院する時間が確保できないといったケースも少なくありません。
ワークライフバランスが崩れる
毎日残業しなければいけない環境下では、プライベートの時間が削られてしまいます。自分の趣味や家族・友人と過ごす時間、リフレッシュや休息、資格取得に向けた勉強など「自分がやりたいこと」から遠ざかってしまい、生活の質が低下するでしょう。
日々、寝て起きて食べて仕事をするといった繰り返しが続き、周囲とコミュニケーションが取れない状況が続くと、「一体何のために働いているのか」と辛くなる可能性もあります。
仕事のパフォーマンスが低下する
毎日残業を続けていると、必然的に長時間労働になります。無意識のうちに疲労が溜まるため、集中力の維持は困難です。また自分では「普段通り」と思っていても、判断力や思考力、記憶力などが鈍り、ミスが増える可能性があります。
さらに部署やチーム全体の士気にも影響を及ぼします。職場の雰囲気がギスギスし、お互いに助け合う・支え合うといったことはなくなっていくでしょう。人間関係が悪化すると、仕事も進めにくくなります。
悪化すると精神病になってしまう可能性がある
毎日残業が当たり前になれば、仕事中に感じるストレスやプレッシャーも増えやすくなります。ストレスを抱え続けた状態が長期間続けば、肉体的・精神的にも疲労が蓄積し、その結果、うつ病などの精神疾患を引き起こすリスクが高まるでしょう。
「仕事に行く気がしない」「やる気が出ない」といった気持ちが強くなっているのであれば、注意が必要です。適切なタイミングで適切なケアを受けなければ、より症状が深刻化してしまうでしょう。
残業を避ける4つの方法
残業が続くリスクを理解したところで、ここからは残業を避けるための具体的な方法について解説します。
- 適切な人に相談する
- 仕事の効率化を図る
- 定時になったら帰宅する
- 転職を視野に入れる
一番アクションを起こしやすい方法から、実践してみてください。
適切な人に相談する
自分や自分のチームだけが毎日残業している場合、上司は、現状を把握していない可能性があります。または「進んで残業している」「仕事熱心」と、ポジティブに受け止めている可能性も否定できません。
上司や人事など適切な立場の人に、現状の業務量や毎日残業しなければいけない理由を共有し、相談してみましょう。チーム内で抱えている業務量に大きく差がある場合は、分担の見直しを持ちかけることも効果的です。
仕事の効率化を図る
業務タスクには「やらなければいけないこと」「取りかかりやすいこと」「すぐに終わること」「苦手意識のあること」など、さまざまな種類があります。これまで、目についた順番に進めていたのであれば、優先順位を見直すことも大事です。
無駄な作業を省き、効率的に仕事を進めることで、残業時間が減らせる可能性があります。また、自分が抱えている業務量を常に把握し、余裕のないときには、新たな仕事を引き受けないことも大切です。
定時になったら帰宅する
自分の仕事を終えたのであれば「定時帰宅」を実行することも重要です。「まだ先輩が仕事をしているから」と気を使って残業し続けた結果、身体を壊してしまっては、元も子もありません。
自分の仕事をきっちりとやり遂げたうえでの「定時帰り」は、本来、問題視されないものです。「自分が企業文化を変える」といった気概を持ち、周囲にアピールしていきましょう。あなたの考えに賛同し、同じく定時帰りをする人が増えることで、会社の雰囲気も改善されるはずです。
転職を視野に入れる
上司や人事に相談したり、自らの働き方を見直したりしても、残業から逃れられない場合は、転職し環境を変えることもひとつの方法です。残業が常態化している企業を変える労力を、新しい職場で活躍する労力として活用するほうが現実的とも言えます。
「自分が求める転職先があるか不安」「スキルや実績に自信がない」という方は、転職エージェントやダイレクトリクルーティングなどのサービスの活用もひとつの方法です。プロの力を借りて、自分に合った働き方の実現を目指しましょう。
残業しないと怒られる場合の対処法
企業は、正当な理由がある場合、従業員に対して残業命令を出すことが可能です。しかし、だからといって「毎日残業しろ」と怒るのは、理不尽であり問題です。その場合の具体的な対処法を2つ解説します。
労働基準法に違反していないか調べる
労働基準法第三十二条では、働き手の労働時間は1日8時間、週40時間と定められています。これを「法定労働時間」と言い、超えた分はいわゆる「残業」です。さらに第三十六条「時間外及び休日の労働」では、基本的に月の残業時間は45時間まで、1年を通して360時間までとしています。
これまでの残業時間を計算し、法的に問題がないかどうかを確認してみましょう。法律を知ることは、自分の権利を守ることでもあります。
労働基準監督署に相談する
労働基準法で定められた以上の時間外労働(残業)を強制されているケース以外にも、「サービス残業」扱いとなり割り増し賃金が支払われないケースや、名ばかり管理職のため、残業とみなされていないケースなども少なくありません。
こういった場合は、残業の実態を示す証拠を集めたうえで、労働基準監督署に相談しましょう。パソコンの使用履歴やタイムカード、就業規則なども立派な証拠です。労働基準監督署による調査・指導が会社に行われることで、労働環境の改善が見込めます。
残業を強いてくるなら転職活動を始めよう
毎日残業を強いる会社には、人手不足や非効率な作業など、問題があることが多いです。さらに残業を毎日続けることには、心身の不調や仕事のパフォーマンスの低下、精神病の発症リスクなど、デメリットしかありません。上司や人事に相談しても改善が見られない場合は、環境を変えることもひとつの方法です。
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