転職中に複数企業から内定をもらったり、家族から反対されたりするなど、内定辞退をしなければならないケースは少なくありません。内定辞退は可能ですが、伝え方を誤ると損害賠償などのトラブルに発展する可能性があります。
本記事では転職で内定辞退をする際の伝え方やマナー、注意点についてわかりやすく解説します。
目次
転職の内定辞退はできる?
結論から言いますと、転職の内定辞退は法的に問題がありません。内定承諾書提出後の内定辞退も同様です。ただし、場合によっては損害賠償を請求されるリスクがあるため、注意が必要です。詳しい内容について説明します。
内定を承諾したあとでも辞退できる
内定を受けたあとや「内定承諾書」を提出したあとでも、「条件面で悩んだ結果お断りしたい」「他の会社への内定を決めた」などの場合、辞退することは可能です。法的には、内定承諾書の提出有無は関係なく、労働者には内定を辞退する権利があります。
ただ、辞退は問題ないとはいうものの、企業側は採用にあたってコストをかけて準備を進めています。内定を出して承諾を得たことで、他の求職者を不採用としている可能性もあります。内定辞退を決めた時点で迅速に連絡をとり、速やかに内定辞退を伝えることが重要です。
場合によっては損害賠償を請求される可能性がある
内定を辞退すること自体は、原則違法ではありません。しかし、企業側は内定承諾書の提出=入社の意思ありと判断します。家族の急病、介護などやむを得ない事情により内定辞退する場合は、誠意をもって説明することが大切です。
採用活動に多大な費用がかかっているケースや、入社日の前日に内定辞退を伝えるなど不誠実な対応に対しては、損害賠償請求される可能性があることを理解しておきましょう。「働く意欲を失った」「気が変わった」などの曖昧な理由による内定辞退も、企業側の怒りをかう可能性があります。
転職の内定辞退で気をつけたいポイント
転職の内定辞退によるトラブルに巻き込まれないためにも、下記4つのポイントを押さえておきましょう。
- 辞退することを決めたら早めに連絡する
- 担当者につながりやすい時間帯に連絡する
- トラブルに発展しないようマナーやルールを守る
- 内定辞退の理由を聞かれたら簡潔に伝える
各ポイントについて、詳しく解説します。
辞退することを決めたら早めに連絡する
内定通知や労働条件の提示が届いてから、遅くとも1週間以内に内定辞退の連絡を入れましょう。内定辞退の連絡は、早ければ早いほど、企業に迷惑をかけずに済みます。
内定辞退を決めたら、できるだけ早い段階で企業に連絡を入れましょう。企業側も、すぐに次の候補者探しに動き出せるため、トラブルになる可能性が低くなります。ただし、深夜や早朝などの電話は迷惑です。営業時間への配慮は忘れないようにしましょう。
担当者につながりやすい時間帯に連絡する
電話で内定辞退を伝える際には、担当者の都合を考えて時間帯を選びます。出社直後や退社直前の時間帯や、昼休みなどは避けましょう。一般的には14〜16時の時間帯がおすすめです。
非常識な時間帯に電話をかけてしまうと、印象が悪化するリスクがあります。「内定辞退を伝える=企業に多少なりとも迷惑をかけてしまう」と認識したうえで、相手の都合に配慮して連絡を取るようにしましょう。円滑なコミュニケーションを目指すことがトラブル軽減につながります。
トラブルに発展しないようマナーやルールを守る
内定辞退の連絡は、多少なりとも誰もが緊張するものです。「怒られるかも」と不安になり、連絡を先延ばしにしたくなるかもしれません。しかし、企業側は内定辞退の連絡に対して、ある程度慣れているものです。
だからこそ、礼儀正しく丁寧な言葉遣いで話すことで、相手の理解を得やすくなります。電話で担当者に代わってもらったあとは「今、お時間をいただいてもよろしいでしょうか」と相手の都合を尋ね、さらに内定の連絡のお礼を述べてから、内定辞退の話をするなど、マナーを守ることが重要です。
内定辞退の理由を聞かれたら簡潔に伝える
辞退する理由は、相手が質問してこない限り、自分から話す必要はありません。「検討の結果」「諸事情により」などと伝えましょう。
ただし、理由を聞かせて欲しいと言われるケースもあります。その場合に備えて、答えを用意しておきましょう。理由は「最後まで悩みましたが、同時に内定をいただいた他社への入社を決めました」「在職中の会社の引き止めにあい、転職が難しくなりました」など、簡潔に述べる形がベストです。
他社に入社する場合も、企業名を明かす必要はありません。ネガティブな理由は、できるだけ避けましょう。
転職の内定辞退におけるマナーとは?
転職の内定辞退を伝える際には、下記のマナーを守ることが大切です。
- 基本的に電話で伝える
- 返事を保留する場合は1週間を目処に回答する
世の中は、どこでどうつながっているかわかりません。誠実な対応を心がけましょう。
基本的に電話で伝える
内定辞退の連絡は、基本的に電話で担当者に直接伝えます。担当者に電話で直接話すことで、お詫びの気持ちと内定辞退の意思をしっかり伝えることが可能です。
また、内定辞退を電話で伝える場合は、本来であれば直接出向いてお伝えすべきところを電話で伝えていることに対して、一言謝罪しておくとよりスマートです。また、電話を切った後、念の為、メールを送信しておくと「言った・聞いていない」といったトラブルを避けられます。
返事を保留する場合は1週間を目処に回答する
基本的に内定を保留できる期間は、1週間程度です。保留を決めたら、まずは「◎月◎日まで返事をお待ちいただけますでしょうか」と、企業側の意向を確認しましょう。ただし、企業が提示した期間の保留を承諾してくれるとは限らない点に注意が必要です。
また「第一志望の結果を待ってから決めたい」とストレートに理由を伝えるのではなく「他社の結果を踏まえたうえで、より慎重に判断したい」など言葉を選ぶことが大切です。結論が出たら、できるだけ早く連絡し、企業側の採用計画に影響を与えないようにしましょう。
転職の内定辞退を伝える場合の例文
最後に転職の内定辞退を伝える際の例文を、電話とメールのシチュエーション別に紹介します。理由や状況に合わせて適宜アレンジしながら、活用してください。
電話で連絡する場合
「お世話になっております。内定通知をいただきました△△と申します。採用担当の◎◎様は、ご在籍でしょうか」
―――担当者が電話に出る
「お世話になっております。△△と申します。今、お時間よろしいでしょうか。(相手の許可を得てから)この度は内定をいただき、ありがとうございました。大変申し訳ございませんが、諸事情により内定を辞退させていただきたく、お電話いたしました。本来であれば直接お伺いし、内定辞退をお伝えすべきところ、取り急ぎお電話でのお伝えとなり申し訳ございません。改めてメールにて、お詫びをお伝えいたします。この度は、ご迷惑をおかけし本当に申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます」
メールで連絡する場合
件名:内定辞退のご連絡
本文:株式会社◎◎ 人事部
◯◯様
お世話になっております。
△△です。
先日は、内定の通知をいただき、ありがとうございました。
大変申し訳ございませんが、検討の結果、内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
貴重なお時間のなか、履歴書へのお目通しや面接でのご対応をいただいたにも関わらず、このようなご連絡となり、大変申し訳ございません。
また本来であれば、直接お伺いしお伝えしなければならないところではございますが、メールでのご連絡となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。
面接をご担当いただきました◯◯様をはじめ、採用に関わってくださった皆様には心より感謝しております。
最後になりますが、貴社の益々の繁栄をお祈り申し上げます。
————-
署名
IT系企業への転職活動を成功させたいならHUGANがおすすめ
転職の内定辞退を決めた場合は、できるだけ早く担当者に連絡しましょう。誠実な対応を心がけることで、相手の承諾を得やすくなります。
IT系経験者や若手ポテンシャル採用を活用したい方は、ダイレクトリクルーティング「HUGAN」に登録してみませんか。本気の企業があなたをお待ちしています。