IT業界は成長傾向にあり給与水準が高く、リモートなど多様な働き方ができることから、就職・転職市場で人気の業界です。しかし、労働環境が悪いなど、入ってはいけないIT企業も存在します。
そこで今回は、新卒が入ってはいけないIT企業の特徴を5つご紹介します。入ってはいけない企業を見極める方法や将来性のあるIT企業の見分け方、就職方法も解説しますので、IT企業への就職、転職をお考えの方は参考にしてください。
目次
新卒が入ってはいけないIT企業の特徴
新卒が入ってはいけないIT企業の特徴は以下の5つです。
- 研修や教育体制が整っていない
- 離職率が高い
- 残業や休日出勤が多い
- 多重下請け構造の下層に位置している企業
- 単純な仕事内容が多い
なぜこのような企業に入ってはいけないのか、などの理由を交えて具体的に解説します。
研修や教育体制が整っていない
研修や教育体制が整っていない企業は、社員を育成するための人材や予算が足りていない可能性があるため要注意です。
また、昨今のIT企業では未経験OKの求人が増える中で、業務に必要なスキルや知識を身につけるには、研修や教育体制が不可欠です。しかし、そのような環境が整っていない状態が続いていることは、新人を育てるつもりがないとも考えられます。結果として、簡単な仕事しかできない可能性もあります。
このような企業に就職してしまうと、業務を通じたスキルアップが難しいため、次の転職が厳しくなるでしょう。
離職率が高い
離職率が高いIT企業も、入社を避けた方が良いといえます。なぜなら、人が辞めてしまう背景には、労働環境や業務内容、人間関係などなんらかの問題を抱えている可能性が高いからです。他の社員が辞めてしまう環境に就職すると、自身も過度の負担によるストレスや体調リスクが増大するかもしれません。
具体的な判断基準としては、就職後3年以内の離職率が30%以上だと離職率が高いので注意が必要です。
残業や休日出勤が多い
入ってはいけないIT企業の特徴には、残業や休日出勤が多い場合も挙げられます。一般にIT業界は人手不足がいわれており、激務になりがちな職種です。しかし、業務に応じて売上が伴っているホワイト企業は、残業や休日出勤は少ない傾向にあります。たとえ、残業や休日出勤があったとしても、それに見合う給料が支払われているケースがほとんどです。
人手不足で残業や休日出勤が多い場合はストレスが溜まりやすく、体調を損なう可能性もあるため、避ける方が良いでしょう。
多重下請け構造の下層に位置している企業
IT業界で注意したいのが、業界特有の構造であり、特に下層に位置する企業への入社は避けた方が良いといえます。
IT業界は三次請け・四次請けなど、多重下請け構造になっています。それぞれの上層の企業に手数料などが中抜きされる構造のため、下層になるほど低賃金で激務になるなど、労働条件が悪い可能性が高まるでしょう。
また、専門的な業務は上層企業が行うことが多いため、下層の企業ではスキルアップも難しい傾向にあります。
単純な仕事内容が多い
単純な仕事内容が多いケースも、入ってはいけないIT企業の特徴です。一言でIT企業といっても、業務内容はそれぞれ異なります。例えば、システム開発を専門とするIT企業もあれば、運用・保守のみを行ったり、そのすべてを担うところもあります。
企業によっては、システムの保守運用やデータ入力などがメインになっていたり、コールセンターのスタッフのような仕事を任されたりすることもあるでしょう。
IT企業としてのキャリアパスを検討するのであれば、入社先がエンジニアとしての仕事ができる企業なのか、具体的な業務内容までしっかり確認しておく必要があります。
入ってはいけないIT企業を見極める方法
就職・転職でIT企業に入れても、実際はブラックな働き方やスキルアップができない職場環境では、その後の転職も難しくなります。入ってはいけないIT企業を見極めるために、以下の3つのポイントをおさえましょう。
- 社員の口コミを確認する
- 有休消化率が低いかどうか確認する
- 男女比率がどのくらいか確認する
社員の口コミを確認する
入ってはいけないIT企業を見決める際は、入社前の情報確認が重要です。具体的には、職場環境がわかる社員の口コミを確認すると良いでしょう。
公式ホームページや求人サイト、転職サイトでは、外部からはわからないリアルな声を確認できます。現在勤務している人の口コミはもちろん、退職した人の口コミも参考にすることをおすすめします。
ただし、情報によっては、信頼性の低いものも存在します。すべてを鵜呑みにしないように気をつけなければなりません。
また、採用活動においてカジュアル面談など直接対話できる機会を設けている企業もあるので、積極的に活用するのも良いでしょう。
有休消化率が低いかどうか確認する
企業情報を調べる際は、有給消化率を合わせて確認してください。有給が取りにくい企業は働きづらい職場といえるからです。
有給消化率とは、年間で付与される有給休暇のうち、実際に使われた有給の割合で、次の数式で計算できます。
有給消化率=有給取得日数÷付与された有給の日数×100
一般的な目安として、有給取得率が60%以上であればホワイト企業、20%を下回るようであればブラック企業だといわれます。
極端に取得率が少ない場合は、人手不足や社内の労働環境が悪いと考えられます。
男女比率がどのくらいか確認する
入ってはいけないIT企業かどうかは、男女比率を確認することでも見極められます。
一般に、IT業界は男性の割合が多く、男性ばかりの職場は古い体質が残っている可能性が高まります。
厚生労働省が実施している「令和4年度雇用均等基本調査」によると、社員の4人に1人は女性が職場にいるとの調査結果が出ています。
企業のホームページや就職・転職サイトなど、企業情報から、女性も積極的に採用しているかどうかを確認しましょう。
将来性のあるIT企業とは?
入ってはいけないIT企業の特徴として上がっている企業は、社員が定着しにくく労働環境も悪い傾向にあるため、将来性を期待できない可能性が高いです。それでは、将来性のあるIT企業とは、どのような企業なのでしょうか。
例えば、エンジニアをクライアント先に派遣して労働力を提供するSES企業であれば、管理体制がしっかりしている企業を選ぶと良いでしょう。
一方で、クライアントの要望や事業戦略をもとにシステムを提案・開発するSlerは、下請けを主に行うのが一般的です。IT企業の多重体制を考えると、いつ無くなってもおかしくはないため、就職や転職の際は、注意しなければなりません。
入ってはいけないIT企業を避けて就職する方法
将来のキャリアパスを考える上でも、IT企業への就職・転職を検討する際は、入ってはいけないIT企業を避ける必要があります。
ここでは、3つの観点から、入ってはいけないIT企業を回避する方法をお伝えします。
- アルバイトやインターンシップに参加する
- IT業界に特化した就職・転職エージェントを活用する
- 就職四季報などを活用して業界研究をする
アルバイトやインターンシップに参加する
入ってはいけないIT企業なのかどうかを見極めるには、実際に入って働いてみることで可能です。アルバイトや長期のインターンシップを活用して実際に働き、自分で職場環境や業務内容を体感してみると良いでしょう。
なお、単発のインターンシップでは表面しか見えず、優良企業であるかを判断しにくいため、できる限り長期間関われる契約形態をおすすめします。
選考直結型のインターンでは、良い企業であれば採用につながる可能性もあります。
IT業界に特化したダイレクトリクルーティングサービスを活用する
IT業界に特化したダイレクトリクルーティングサービスを活用するのもおすすめです。間に、第三者機関が入ることで、求人など可視化された情報では把握できないリアルな情報を教えてもらうことができるからです。
また、このようなサービスを活用すれば、常に求人が載っている企業だけでなく、求人に載っていない非公開情報を教えてもらえることもあります。
自分の希望条件と相性の良い求人を紹介してもらえる可能性も高いため、就職・転職活動をスムーズに進められるでしょう。
就職四季報などを活用して業界研究をする
入ってはいけないIT企業を見極めるには、業界研究をするのも大切です。なぜなら、業界研究をせずに就職・転職活動を行うと、将来性のない企業や労働条件の悪い企業などを選んでしまう可能性があるからです。
IT業界の研究には、規模と推移、現状の課題と将来性、IT企業の種類やビジネスモデル、主な職種と仕事内容などを確認することをおすすめします。
また、企業研究をする際は、就職四季報などを利用して、業績の推移や会社の規模、将来性をしっかり研究しておくと安心です。
入ってはいけないIT企業を事前に把握して就活を成功させよう
入ってはいけないIT企業の特徴は、研修・教育体制が整っていないことや離職率が高いこと、残業・休日出勤が多いこと、単純な仕事内容がおおいことが挙げられます。このような企業では、新人を育てる人手や予算が不足している可能性が高く、スキルアップを望めないからです。
また、多重下請け構造の下層に位置する企業も、将来性が少ないため避ける方が良いでしょう。
IT業界では未経験OKの求人も増えてきていますが、全く知識がない場合は、簡単な仕事を任せられたり、給与面が低くなる可能性が高まります。
また、優良IT企業への就職・転職をお考えの方は、IT業界に特化したダイレクトリクルーティングサービスのご利用がおすすめです。「HUGAN」では、経験豊富なプロが求職者に最適な企業へのマッチングを行っています。無料で登録できるので、ぜひご活用ください。