転職活動にはどれくらいの期間がかかるのでしょうか。事前に期間を理解しておくことで、退職時期の検討や転職準備をスムーズに進められます。ただし、在職中と退職後における転職活動では、使える時間が変わることから期間も異なるので注意が必要です。
今回は、一般的な転職活動の期間と在職中、退職後における転職活動の違いについて解説します。転職活動の流れや活動を長引かせないためのポイントもご紹介しますので、今後、転職をお考えの方は参考にしてください。
目次
転職活動にかかる期間は?
在職中、退職後を問わず、転職活動をスムーズに行うにはあらかじめ必要な期間を把握しておくことが大切です。ここでは、転職活動にかかる期間と、スケジュールを組む際のポイントを解説します。
平均的な期間は1か月~3か月
転職活動にかかる平均的な期間は、個人差や状況などで異なりますが、一般的には1か月から3か月です。
厚生労働省が実施した「令和2年転職者実態調査」によると、在職中に転職活動を始めて勤務先を離職するまでの期間は、1か月以上3か月未満が28.8%、転職活動期間なしが23.6%、1か月未満が18.3%との結果が出ました。
一方、離職後では、1か月未満が27.6%、離職期間なしが26.1%、1か月以上2か月未満が13.3%となりました。一方で、10か月以上が5.5%いるなど、長期にわたるケースもあります。
なお、転職期間は役職や業界によっても差が出ます。予定通りに進まないこともあるため、余裕をもってスケジュールを組むことが大切です。
在職中と退職後、転職活動の違い
転職活動は在職中と退職後に行う場合で大きく異なります。ここでは両者の違いを具体的に解説します。
在職中の転職活動
在職中の転職活動は、収入の不安を感じずに進められることが退職後と大きく違います。収入がなくなることがないので安心して就職活動に集中できるでしょう。
ただし、現職の合間に転職活動を進める必要があるため、スケジュール管理が大切になります。転職活動に専念したい方であれば、十分な貯蓄を確保して退職後に転職活動をするのが得策でしょう。
在職中に転職活動を進めるメリットには、思いがけず転職活動が長期化してしまっても、焦らなくても良い点が挙げられます。
また、短期で終わらせたい場合は、心身に余裕を持った状態で計画的に活動を進めることをおすすめします。現職が繁忙期のときは時間にも余裕がなく、焦りが出る可能性が高まります。繁忙期を避けることで、長期化を防げるでしょう。
退職後の転職活動
退職後は、時間に余裕ができるため余裕をもって転職活動を進められます。
活動する日程を現職の予定に合わせる必要がなく、時間が自由に使えるので、企業側の提示した日程に合わせやすいなどのメリットがあります。仕事をしていない状態なので「スムーズに退職できるのか」などの心配ごとをせずに、新しい気持ちで転職活動に専念できることも利点です。
ただし、退職後は収入がないことに不安を感じ、転職先を妥協してしまうなど正しい選択ができなくなってしまう可能性があります。貯蓄に余裕をもった状態で退職できるようにしておきましょう。
また、先述の通り、退職後に転職活動を行う場合、思いかけず長期化する可能性があります。転職活動がうまくいかず長期化すると焦ってしまい、企業選びを誤ったり面接で緊張して失敗したりと、さらに決まりにくくなるかもしれません。生活に余裕がある場合は資格の勉強をするなど、できるだけ空白の時間を作らないことも大切です。
転職活動の流れ
一般的には、転職活動は以下の流れで進めます。
- 自己分析
- 求人探し・書類の準備
- 応募・書類選考
- 面接
- 内定・退職手続き
ここからは、各流れの詳細を解説します。
1. 自己分析
転職活動にあたり、自己分析は欠かせない準備です。転職の目的や将来設計、キャリアパスなどを整理して転職活動の軸を定めることで、より自分にマッチした企業を選べるからです。
自己分析では、自分の強みや得意分野、苦手なこと、実績などを明確にし、スキルの棚卸を行いましょう。これらの内容は、具体的な数値を伴ったエピソードにして、書類に記載したり面談で伝えたりすれば、説得力を持ったアピールが可能です。
また、給与や福利厚生などの希望条件は優先順位を設定し、仕事において自分が大切にしたいことを明確にすることも重要です。
2. 求人探し・書類の準備
続いて、求人探しや書類の準備を行います。自分が興味を持っている業界や仕事内容を確認しましょう。直近の採用動向などを調べて、自分のスキルや知識を発揮できる求人を見つけます。自己分析で棚卸した実績やスキル、興味関心と企業の特徴を比較して、自分に適した企業を選定することが大切です。
さらに、履歴書や職務経歴書など必要な書類を準備します。なお、職歴や実績を伝える職務経歴書は多くの企業で提出を求められています。
3. 応募・書類選考
希望条件に見合った求人が決まれば、応募を行います。一般的には、履歴書や職務経歴書をもとにした書類選考が行われます。求人を見て気になったものがあれば積極的に応募し、面接で実際に話を聞いてみると良いでしょう。
応募者が多い人気企業などでは、書類選考に時間がかかることがあるので、複数の企業に応募するのが良いでしょう。なお、複数に応募していくつかの企業から内定が得られた場合は、落ち着いた状態で比較検討できるメリットがあります。
4. 面接
書類選考に通過すれば、面接に進みます。企業によって異なりますが、1次面接、2次面接、3次面接と複数回行われる企業もあり、期間が長くなる場合もあるので、事前に求人で確認しておきましょう。
面接では、清潔感を持った身だしなみを心がけることが大切です。また、質問にはハッキリと答えるなど、転職に前向きであることをアピールしましょう。
緊張して話せないといった事態を回避するには、入念な準備をおすすめします。自己PRや志望動機など、面接でよく聞かれる項目を書き出して整理し、回答を作っておくと、面接時に焦らずに自信をもって話すことができます。
5. 内定・退職手続き
無事に内定が出れば入社の意思を伝え、手続きを進めましょう。
在職中に転職している場合は、現職への退職の申し出が必要です。退職予定日の1か月以上前に退職の旨を伝えることが一般的です。退職の申し出のタイミングは、企業によって違うので就業規則を確認しておくと良いでしょう。
退職に際しては、引継ぎなどの準備を行います。また、転職先への入社に必要な書類も同時に準備します。
転職期間を長引かせないためには
転職期間をむやみに長引かせないためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- スケジュールをたてる
- 複数応募する
- ダイレクトリクルーティングサービスを利用する
スケジュールをたてる
転職期間を長引かせないためには、転職活動を円滑に進める必要があります。事前にスケジュールを組んでおきましょう。
スケジュールを立てる際は、準備の各工程に期限を設けて無駄な時間を作らないように手順を踏むことが大切です。
在職中に転職活動を行う場合は、希望日に退職できない、退職を引き留められる、引継ぎの準備が必要になるといった問題が生じるので、早めに退職の申し出をしておくと安心です。
複数応募する
転職活動が長引くと焦りが出て、転職先に妥協してしまう可能性が高まります。気になる求人が見つかれば、すべてチェックしておくのをおすすめします。
ただし、応募しすぎると管理しきれなくなるので、5件ほどずつを並行すると良いでしょう。
また、在職中など、時間に余裕がないなかで活動する場合は、ムリなく進められるように企業を選定する必要があります。一般的な転職活動では、企業の採用サイトなどで企業研究し、面接対策を行う必要があるので、類似した業界や業種の求人に絞り込むなども得策です。
ダイレクトリクルーティングサービスを利用する
ダイレクトリクルーティングサービスを利用すれば、転職期間が長期化するのを防げます。このようなサービスでは、転職希望者に担当者がつくので、理想や条件を相談できて、希望に沿った求人を紹介してくれるからです。
また、転職サイトには公表されてないような未公開求人や出回っていない企業情報などもわかるので、短期間で転職を進められます。
ダイレクトリクルーティングサービスと、転職サイト、転職エージェントなどを複数に登録すれば、効率的に活動を行えるでしょう。
転職活動は自分に合った方法で計画的に
一般的な転職活動の期間は1か月から3か月程度です。この期間は、希望条件や求める役職、業界によっても異なります。
また、在職中と退職後では、時間や収入の余裕が異なることから、転職活動の進め方が変わってきます。必要以上に長期化させないためにも、自分に合った方法で計画的に進めましょう。
既にIT業界での経験がある方は、IT業界に特化したダイレクトリクルーティングサービス「HUGAN」をおすすめします。専門の担当者が自己分析から面接に至るまで、転職活動を広くサポートしてくれるからです。優良求人や非公開求人の紹介も受けられるので説教的に活用して、短期間での転職を目指しましょう。