市場価値が高く、人気の業界のひとつであるIT業界ですが「このままIT業界で働き続けることができるのか」「IT業界をやめたら後悔するかも」などの悩みを抱えながら働いている人は少なくありません。

常に学ぶ意欲が求められることからも、向き・不向きが分かれる業種ともいえます。IT業界をやめるかどうか悩んでいる方は、やめてから後悔しないために、本記事を参考に「やめたい理由」「今後の転職活動」について向き合ってみてください。

IT業界をやめてよかった理由

IT業界は人気の業種であり、新規参入者が多い一方「やめてよかった」と語る人もいます。やめた方の主な理由は、下記の3つです。

  • 勉強し続けないといけないから
  • 残業や休日出勤が多いから
  • 職場によってコミュニケーションが大変だから

意見を参考に、自分にとっての働き方を考えてみましょう。

勉強し続けないといけないから

IT業界は成長スピードが速く、常に最新の情報を学ぶ必要があります。生成AIやメタバースなど、新技術が次々と誕生して進化しているため、勉強を苦に感じる人にとっては、辛い仕事です。

既存の知識や技術だけでは、生き残っていけません。市場価値が下がり、モチベーションの低下にもつながります。ルーティンワークを好む人や、一度身につけた技術をもとに生きていきたいと考える人は、IT業界をやめてよかったと感じやすいです。

残業や休日出勤が多いから

納期直前やトラブル発生時には、長時間残業や休日出勤などが増える傾向があります。ときには、クライアントの無茶な要望への対応が求められることもあり、労働時間の長さが辛いと感じる人もいるでしょう。

日々納期に追われるなかでストレスを溜めてしまい、病気になるケースもあります。「自分のペースで働きたい」「過度な残業はしたくない」と考えた結果、IT企業をやめる選択肢を選ぶ人は少なくありません。

職場によってコミュニケーションが大変だから

ITエンジニアの場合、パソコンと向き合う時間が多いことから、周囲とのコミュニケーション不足に悩みがちです。不明点や疑問点が出てきても、周囲に質問しにくく、不安を抱えてしまう可能性もあります。

また仕事によっては客先駐在になるケースがあり、知らない人とコミュニケーションを取り関係を築くことに対し、ストレスを感じるケースも想定されます。ただ、どちらも社風や職場環境により異なる部分のため、すべてのIT業界に当てはまる内容ではありません。

IT業界でやめておくべき会社の特徴

IT業界をやめたいと思わないためには、入社する前段階で問題のある企業を見極める力が必要です。入社後の早期退職は、経歴に傷がつき、次の転職面接で不利に働く可能性があります。ここではIT業界でやめておくべき会社の3つの特徴について解説します。

孫請ばかりで給与が低い

IT業界は、下請け構造になっているケースが多く、同じ業務であっても、発注元に近い元請や直請と、孫請(三次下請け)では、大きく年収が変わります。

下請けになればなるほど、受注案件の中抜きが行われるため、会社が得る利益も少なくなります。そういった会社にいくら長く勤めたとしても、給料も低く、昇給も期待できないような働き方が続くだけです。自ら開発する力のない企業では、簡単な業務しか任されないことも多く、スキルアップも期待できません。

ITエンジニアとして働けない

「IT業界、エンジニア募集」と聞いて入社したにも関わらず、まずは実務からと、コールセンターやヘルプデスク、事務、営業などの職種に就かせるケースです。問題のある企業の場合、何年経ってもITエンジニア以外の仕事が続く可能性もあります。

事前に見抜くためには「どのプロジェクトに参加できるのか」「(未経験の場合は)どういった研修があり、所属部署がどこになるのか」をあらかじめ確認することが大切です。その場合は話が違うとわかった時点で、すみやかに退職しましょう。

研修体制が整っていない

「未経験歓迎」「未経験OK」とうたっているにも関わらず、研修体制が整っていない企業は、多くの場合問題があります。IT研修とは名ばかりで、ビジネスマナー研修がメインであったり、参考書などによる自習が強制されたりしている状態では、スキルも身に付かず貴重な時間が無駄になるでしょう。

研修に力を入れている企業ほど、人材育成に対し真面目に考えている企業といえます。資金面にも余裕があり、年収や福利厚生面でもメリットを感じることが多いでしょう。

IT業界に向いている人の特徴

IT業界向きの人の特徴は、下記のとおりです。

  • 好奇心があり学習意欲の高い人
  • 論理的思考や問題解決が得意な人
  • 最新技術に興味がある人
  • 集中力が高い人
  • 臨機応変に柔軟な考え方ができる人

IT業界は、常に自分の知識や技術をアップデートすることが求められます。まずはIT業界に興味・関心があり、高い志を持って学べる力が必須です。興味のないことは苦痛に感じやすく、継続は難しいでしょう。

また性格においても、論理的思考力や問題解決能力などのスキルがある人や、長時間パソコンに向かい続けられる集中力がある人は、適性が高いといえます。

IT業界に向いていない人の特徴

一方、IT業界に不向きな人の特徴は下記のとおりです。

  • IT業界に興味はないが、注目の業界だから働きたいと考えている人
  • 地道な作業が苦手な人
  • プライベートの時間をしっかり確保したい人
  • 勉強が苦手な人

前述したように、IT業界は向上心や勉強意欲、積極的な情報収集能力が求められる業界です。「IT業界なら食いっぱぐれない」などの理由で目指す人は、途中で挫折する可能性が高く不向きといえます。

地道にコツコツと勉強することが苦手な人や、仕事に没頭する経験よりもプライベートを充実させたい人も、IT業界向きではありません。

IT業界をやめたいと思ったときに考えるべきこと

今、IT業界に身を置いている方でやめたいと思っているのであれば、理由を明確にし、転職を検討することをおすすめします。今後のことを考えずにやめてしまうのではなく、働きながら自分のキャリアを見つめ直しましょう。

やめたい理由を明確にする

まずは、なぜIT業界をやめたいと思うのか、理由を書き出してみましょう。ここでは「思った以上にスキルが身につかない」「職場でコミュニケーションがとれない」など、具体的に挙げます。

同時にIT業界に入った理由やきっかけも思い出してみましょう。あわせてIT業界のメリットである「市場価値の高さ」「年収が高い」などと照らし合わせ、本当にやめるべきかどうかを考えてみましょう。

仮にIT業界をやめる場合も、やめる理由を明確にしておくことで、次の転職活動の条件探しに有効です。

IT業界内での転職を検討する

「IT業界をやめたい」のではなく「今の会社をやめたい」と気づいた場合は、現在までに得たスキルや経験を活かし、同業種の別の会社に転職する方法があります。すでに1社経験しているため、経験者としての採用も狙えます。

またIT業界の求人募集は、エンジニアやプログラマーだけではありません。営業や事務などの職種で働く道もあります。特に労働環境や社風、人間関係が原因でやめたいと思っている場合におすすめです。

将来像を考える

すでにある程度の経験やスキルを身につけている状態であれば、独立してフリーランスになる方法もあります。例えばフリーランスのエンジニアであれば、仕事を選ぶ権利があり、働く場所や時間も自由に決められます。

今後の働き方を決めるのは、自分自身です。同じ職場で働き続け、プロジェクトリーダーを目指す方法もあれば、転職、独立などの選択肢から選ぶこともできます。自分の将来像を含め、改めて考えるきっかけにしてみましょう。

IT業界をやめてよかったと思える転職をする方法

IT業界をやめる以上は「やめてよかった」と言える転職が理想です。そのためにも、まずは理由を明確にし、自分の強みやスキルを洗い出して自己分析に努めましょう。さらに、自分が希望する働き方について考えることが重要です。

年収、役職、休日、仕事内容などを書き出し、優先順位をつけておきましょう。転職先を選ぶ際にも、優先順位が明確であればあるほど、入社後のミスマッチが防げます。

転職活動中は、できるだけ多くの企業の情報を収集しましょう。応募を決めた企業があれば、社風や働き方、企業理念などを詳しく調べ、徹底した企業研究を行うことも大切です。

転職エージェントを有効活用する方法もあります。スキルを活かせる転職先を探してもらったり、転職の条件交渉を依頼できたりするため、自らの負担が軽減されます。

IT業界をやめてよかったと思える後悔のない選択をしよう

IT業界をやめるかどうかの最終判断をするのは、自分自身です。向いている人・向いていない人がいる以上、せっかくならば「やめてよかった」と思える選択をしましょう。

そのためにも、やめたい理由と向き合い、次の転職に活かすことが大切です。IT業界の仕事自体に適性があり、別会社で続けたいと考えているのであれば、ダイレクトリクルーティング「HUGAN」に登録し、転職先を探してみませんか。登録は無料です。