昨今の転職市場では、以前勤めていた企業に再入社する出戻り転職が増えています。一度働いていた会社だからこそ、勤務環境や人間関係に慣れやすい一方で、そのデメリットが気になる方もいるのではないでしょうか。また、そもそも出戻り転職は可能なのかと不安に感じる方もいるかもしれません。
そこで今回は、出戻り転職のメリット・デメリットを解説します。出戻り転職を成功させるコツもご紹介しますので、出戻り転職をしようかと悩んでいる方は、参考にご活用ください。
目次
出戻り転職とは?
出戻り転職とは、一体どのような転職形態なのでしょうか。近年、出戻り転職が増えている理由や、その背景について解説します。
辞めた会社に転職することを指す
出戻り転職とは、過去に勤めていた企業に再度入社することを指し、ジョブリターンやアルムナイ採用などとも呼ばれます。
独立や転職によって一度は退職したものの、事業を軌道に乗せられなかったり、転職先の企業風土や業界に違和感を感じたりすることが少なくありません。再転職活動を行った結果、やはり以前勤めていた会社の良さを実感して出戻り転職を行うケースが増えています。
一度離れた会社に戻り、新たなスタートを切ることができるのが、出戻り転職の魅力です。
出戻り転職が増加傾向にある背景
近年、出戻り転職が増えていますが、その背景には、働き方や労働市場の変化があります。従来は、終身雇用制を採る企業が多く、新卒から定年まで勤めあげるのが一般的でした。
しかし、現在では、経済情勢の変化や働き方改革などにより、働きやすさや企業文化の再評価、キャリアプランに基づいた働き方を選ぶ人が増えています。
一方で、企業側にとっては、労働人口の減少により働き手の確保が難しくなっています。以前就業していた人の人となりを理解しているために、再雇用後も円滑に仕事を進めてもらえることがメリットです。
このような就業者の価値観の変化や企業側の必要性を背景に、出戻り転職が増えているのです。
出戻り転職のメリット
出戻り転職のメリットは、以下の4つです。
- 即戦力になれる
- 選考の時間が短縮されやすい
- かつての同僚・上司のもとで働ける
- 他社の経験・知識を活かして活躍できる
各メリットについて詳しく解説します。
即戦力になれる
出戻り転職のメリットの一つが、即戦力として働けることです。出戻り転職で、以前勤務していた会社に戻る場合、過去に勤務していた経験を活かして、すぐに業務に貢献できる可能性が高いでしょう。
また、業務プロセスや社内文化、同僚やクライアントとの関係性などを理解しているため、適応がスムーズであることもメリットに挙げられます。企業側も、即戦力として働いてもらうことを期待して出戻り社員を受け入れているケースが少なくありません。
選考の時間が短縮されやすい
出戻り転職では選考の時間が短縮されやすく、転職活動の負担が軽減されることもメリットです。
以前の勤務履歴があるので採用プロセスが短縮されることが多く、面接や書類審査での不安要素も少ないため、選考が進みやすいのが特長です。
また、中途採用枠とは別枠で出戻り採用枠を設けている会社も多くあります。出戻りだから必ず内定が決まるわけではありませんが、即戦力として働けることをアピールすれば、採用の可能性は高まるでしょう。
かつての同僚・上司のもとで働ける
かつての同僚や上司のもとで働けるのも、出戻り転職のメリットです。
転職では、転職先の企業風土に馴染めるのか、円滑な人間関係を構築できるかといった悩みがつきものです。また、これらの悩みは、実際に働いて確かめなければなりません。
出戻り転職では、以前の人間関係があるため、コミュニケーションを円滑に取れる傾向にあります。再び信頼できる人々と働くことができれば、安心感を得やすいでしょう。
他社の経験・知識を活かして活躍できる
出戻り転職では、他者で新たに得たスキルや知識、経験を活かして、企業に貢献し、活躍できることもメリットです。
他社での経験をもとにした業務改善案の提案や社内のDX化などの新しい視点を提供できることも多く、社内に良い影響を与えるキーマンとして評価される可能性が高まります。
結果として、昇給やキャリアアップなどにつなげることも可能でしょう。
出戻り転職のデメリット
出戻り転職のデメリットは、以下の3つです。
- 歓迎されるかわからない
- 過去の待遇で雇ってくれるかわからない
- 再び退職する可能性がある
各デメリットについて詳しく解説します。
歓迎されるかわからない
出戻り転職のデメリットとしてあげられるのが、歓迎してもらえるかどうかがわからない点です。なぜなら、以前の退職理由や状況によっては、再雇用が難しい場合があるからです。
退職から長期間が空いている場合は、社内の人間関係や風土が変わっている可能性もあり、現職の社員や経営陣から歓迎されない可能性もあります。
また、在職当時の社員が残っていたとしても、当時は部下だった人が上司になる場合、扱いにくいと思われがちです。出戻り転職では、必ずしも歓迎されるわけではないことを理解することが大切です。
過去の待遇で雇ってくれるかわからない
過去の待遇で雇ってくれるかわからないことも、出戻り転職のデメリットです。なぜなら、労働条件は経済状況や起業方針によって変化するため、以前の給与や待遇と同等で戻れるとは限らないからです。
また、人事に関しても同様に従来の待遇であるとは限りません。退職時は部長職についていたとしても、出戻り退職により課長職からスタートする場合は、給与などの待遇が下がる可能性があります。条件のすれ違いを防ぐには、転職活動時に待遇をきちんと確認しておきましょう。
再び退職する可能性がある
出戻り転職をしたとしても、再度退職を考える可能性が伴うことも出戻り転職のデメリットです。なぜなら、一度会社を辞めてしまった場合、辞める決断をしたことには理由があるはずだからです。この理由が解消されていない限り、再び退職するリスクは避けられません。
例えば、人間関係が悪かった、労働量に給与が見合わなかった、環境が合わなかったなどが原因の場合は、再度転職を考える可能性があることに注意が必要です。
出戻り転職を成功させるコツ
出戻り転職を成功させるには、以下のポイントをおさえておきましょう。
- 辞めた理由を明確にする
- 出戻りたい理由を明確にする
- 自分のスキル・経験を活かせるか検討する
- 雇用条件が合っているか見極める
辞めた理由を明確にする
出戻り転職を成功させるには、以前会社を辞めた理由を明確にすることが大切です。どのような理由で退職に至ったのかを正直に説明できるように準備しておきましょう。
例えば、待遇や福利厚生が十分でなかった、人間関係に問題があったなどの理由が挙げられます。
理由を整理すれば、どうして自分が退職したのかを言語化でき、本当に出戻り転職をしたいのかを把握できます。また、面接時などに辞めた理由を正直に説明することで、信頼を得やすくなるでしょう。
出戻りたい理由を明確にする
出戻りたい理由を明確にすることも、出戻り転職を成功させるために大切です。なぜなら、転職にあたっては、再度入社を希望する具体的な理由を明示することが重要だからです。企業に対する愛着や成長の希望を伝えることで、ポジティブな印象を与えられます。
また、出戻りたい理由が、「転職活動に失敗し続けているから」などのネガティブな理由であれば、安易に出戻り転職を考えるべきではありません。
冷静に出戻りたい理由を整理したうえで、「転職後に元の会社の強みに気がついた」「出戻ることで自分のスキルを活かせる」などの納得できる理由があれば、出戻り転職が成功しやすくなるでしょう。
自分のスキル・経験を活かせるか検討する
出戻り転職を成功させるには、自分の持つスキルや経験を活かせるかどうかを検討しましょう。そのためには、自己分析をして、自分の強みやスキル、知識、経験を棚卸することが大切です。企業に戻ることで自分の強みやスキルがどう活かされるかを考えなければなりません。
自分が強みやスキルを活かすことでどのように企業に貢献できるのかといった内容や、自分に解決できる社内の課題などを整理することで、面接でもアピールしやすくなります。そのためには、出戻り先の企業が、どのような課題を抱えているのかを把握しておきましょう。
雇用条件が合っているか見極める
出戻り転職を成功させるには、雇用条件が合っているかを見極めることも重要です。求人情報などから、待遇や条件が自分の希望に合致しているかを確認してください。
ブランクが空くことで、労働環境や社内文化が変わっている可能性もあります。現在の企業が自分に合うかを検討することも大切です。
なお、退職後に身につけたスキル、キャリアが出戻り先企業で評価される場合、雇用条件が良くなるケースもあります。転職に向けてスキルアップを図るのも良いでしょう。
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出戻り転職とは、過去に退職した会社に再度入社することを指します。経済状況の変化や労働人口の減少などから、企業では積極的に出戻り転職を歓迎しています。
出戻り転職をすれば、選考の時間が短縮されやすかったり、即戦力として働いたりできるメリットがあります。一方で、ブランクが空く場合は、歓迎されるかわからず、待遇などの条件が変わるケースが少なくありません。
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