上司が年下の場合、接し方に悩む方は多いことでしょう。年功序列から成果主義・実力主義への変化や中途入社が一般的になったことも、年下上司が増えた理由です。
本記事では、年下上司とのよくあるトラブルや接し方、気をつけたいポイントについて解説します。良好な関係を築きたいとお悩みの方は、参考にしください。
目次
- 上司が年下だと関係性が難しい?
- 上司が部下に気を遣ってしまう
- 上司と部下の能力差・経験差があまりない
- 偏見をもって接してしまう
- 上司の態度や指示に不満を抱えてしまう
- 上司が年下の場合に起こりうるトラブル
- 部下が上司の指示を聞かない
- 余計なアドバイスをする
- 上司から部下、部下から上司へのハラスメントがある
- 上司が年下の場合に気をつけたいポイント
- 部下として役割を果たす
- 上司と部下の間にルールを設ける
- お互いの目標(ビジョン)を共有する
- 客観的な視点を持って接する
- 年下上司の気持ちを考える
- 自分のスキルを活用して上司をサポートする
- 仕事だと割り切って接する
- 積極的にコミュニケーションを取ってみる
- メンター制度や社内外の研修を導入する
- どうしても解決しない場合は転職を検討しよう
上司が年下だと関係性が難しい?
中途入社や転職の機会も増えている一方、年下上司と働くことに抵抗を感じたり関係性の構築に悩んだりする人は少なくありません。関係構築が難しい主な理由は、次の4つです。
- 上司が部下に気を遣ってしまう
- 上司と部下の能力差・経験差があまりない
- 偏見をもって接してしまう
- 上司の態度や指示に不満を抱えてしまう
具体的な内容について、解説します。
上司が部下に気を遣ってしまう
部下は年齢を気にせず接しようとするものの、上司側が気を遣い、ストレスを抱えてしまうケースです。他の部下と同じように雑談をしようとするものの、敬語で話すべきかタメ口で話していいのかなど、細かな悩みも生まれます。
距離感がうまく掴めず、コミュニケーションが取れない状態が続くと、関係性が悪化する可能性もあります。
上司と部下の能力差・経験差があまりない
年下上司と年上部下の年齢が近い場合、能力や経験の差がほとんどないケースもあります。部下側からすると、自分と同程度の能力である相手を尊敬することは難しい、と感じる場合もあるでしょう。
一方、年齢差が大きい場合、年上部下から見た年下上司は「頼りない」「力不足」と感じるケースもあります。立場上アドバイスすることも難しく、ジレンマを抱える可能性があります。
偏見をもって接してしまう
部下側が年齢だけを見て「自分よりも経験が浅い」「年下なのに大丈夫か」といった偏見を持ち、上司を軽視するケースです。人間関係は、片方が偏見を持つとうまくいきません。
年下上司がいるということは、年功序列ではなく実力主義の会社だからです。今置かれている立場は、経験や実力が反映されていると受け止め、年齢でなくスキルや人間性に目を向けるようにしましょう。
上司の態度や指示に不満を抱えてしまう
年下に呼び捨てされたり、君付けで呼ばれたりすることに不満を感じるケースも考えられます。しかし、年齢は自分が上でも役職は相手が上です。上司の態度を改めてもらうことは難しく、部下として不満が溜まる可能性があります。
また同様に指示の出し方に対しても「命令口調が気に入らない」など、不満を感じるケースも多いです。
上司が年下の場合に起こりうるトラブル
年下上司と年上部下の組み合わせの場合、上手く信頼関係が築けていないと、次のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 部下が上司の指示を聞かない
- 余計なアドバイスをする
- 上司から部下、部下から上司へのハラスメントがある
部下が上司の指示を聞かない
「役職は上だが、自分のほうが経験豊富」「年下に命令されたくない」など、年齢や経験の差を理由に、部下が指示に従わないことがあります。
特に、人に年齢を重視する傾向があり、「年上のプライド」を理由に、指示を無視したり目に見える形で反抗したりすることも考えられます。
余計なアドバイスをする
良かれと思って行ったアドバイスが、トラブルの原因になることがあります。例えば、あまり年齢差がない状況で、年下上司から年上部下にアドバイスをした結果、部下のプライドは深く傷付きます。
逆に、経験豊富な年上部下が年下上司にアドバイスをすることで、上司は自分の方針や進め方を否定されたように感じるかもしれません。アドバイス自体が悪いわけではありませんが、過度なアドバイスは避け、伝え方には最大限気を配りましょう。
上司から部下、部下から上司へのハラスメントがある
基本的に、部下は上司の指示に従う必要があります。しかし、年下上司の言葉遣いや態度があまりにひどい場合は、パワハラの可能性も考えられます。自分は部下だからと我慢せずに、他の上司や社内の相談窓口などに相談しましょう。
また、部下から上司に対する態度に問題がある場合は「逆ハラスメント(逆ハラ)」として問題になることもあるため、お互い注意が必要です。
上司が年下の場合に気をつけたいポイント
上司が年下の場合、次のポイントを押さえておくことで、良好な関係が築けます。
- 部下として役割を果たす
- 上司と部下の間にルールを設ける
- お互いの目標(ビジョン)を共有する
- 客観的な視点を持って接する
- 年下上司の気持ちを考える
- 自分のスキルを活用して上司をサポートする
- 仕事だと割り切って接する
- 積極的にコミュニケーションを取ってみる
- メンター制度や社内外の研修を導入する
部下として役割を果たす
年齢は自分のほうが上でも、立場は自分が下です。あくまで1人の部下として対応しましょう。下記は、具体的にやるべき行動です。
- 敬語で話すように意識する
- 素直に指示に従う
- 知らないことをきちんと教えてもらう
特に敬語は、社会人としてのマナーです。年齢や役職関係なく、最初は適度な距離感を保つために敬語を使いましょう。
上司と部下の間にルールを設ける
上司と部下、それぞれの立場を理解し合うために、最初の段階で話し合うことが大切です。最初は、お互いのことがよくわからなくても無理はありません。お互いの立場や役職について理解を深めたうえで、ルールを作りましょう。
働きやすい環境を整えることで、トラブルを未然に防げます。また、業務上の不満に関しては、1対1で話し合う時間を設けても良いでしょう。
お互いの目標(ビジョン)を共有する
上司と部下というカテゴリではなく、チーム全体に目を向けることで、良好な関係を築きやすくなります。「顧客満足度◯%を目指す」「クライアントに対し△△の提案を目指す」などのビジョンを掲げ、一つの目標に向かう流れを作ります。
チーム全員で目標に向かって取り組むなかでは、自然と年齢差が気にならなくなるでしょう。
客観的な視点を持って接する
冷静に年下上司を見られない場合は、一度冷静になり、第三者の目線で上司と自分の関係性を見てみましょう。自分の言動や態度が周囲にどのような影響を与えているのか、気づく大きなきっかけになるはずです。
年下上司にだけ向いていた意識をあえて他に向けることで、ストレスやイライラといった感情も軽減されます。
年下上司の気持ちを考える
一度、年下上司の気持ちを考えてみましょう。例えば、自分に年上の部下がいたらどんな気持ちになるのか、どのように接しようとするのか、年上部下に言われて嫌なことは何か、など、リアルに想像することが大切です。
「やりづらい」「大変だ」「指示を出しにくい」など、新たな気づきがあることでしょう。その気づきを大切にしながら年下上司に接することで、相手も、あなたの気持ちの変化に気づくはずです。
自分のスキルを活用して上司をサポートする
上司と部下は、ライバルではありません。同じ目標を持ち、会社の利益を考えて一緒に働くパートナーです。自分のスキルや経験を活かし、年下上司をサポートするとの気持ちを持ちましょう。
上司を支える気持ちが伝われば、上司にも部下を信頼しようとの気持ちが生まれます。その結果、良好な関係性を築ける可能性は高いです。
仕事だと割り切って接する
年下上司との付き合いは、仕事上のみだと割り切る方法もあります。そもそも、上司は基本的に職場でしか会わない存在です。自分のプライドや周囲の目など気になることがあるかもしれませんが「年下上司と接することも、給料のうち」と割り切りましょう。
プライベートには立ち入らせないと決め、仕事だと割り切って付き合うことで、余計なストレスを感じずにすみます。
積極的にコミュニケーションを取ってみる
会社の人間関係に限らず「深く話してみたら、意外といい奴だった」というケースは、少なくありません。コミュニケーション不足が原因で、誤解が生まれていたり、認識不足でトラブルになったりしているようであれば、積極的にコミュニケーションを取り、相手を知る努力も重要です。
急に距離を詰める必要はなく、最初は挨拶や雑談から始めましょう。ただし、自分だけが我慢したり、相手の言い分をすべて聞いたりする方法は、ストレスの原因となるため避けたほうが無難です。
メンター制度や社内外の研修を導入する
当事者同士での解決が難しい場合は、メンター制度を使ったり、社内外の研修を導入したりしながら、今後に活かす方法もあります。メンター制度を活用することでお互いのコミュニケーションスキルや上司の指導スキルが高まるでしょう。
さらに悩みを相談できる場所があることで、従業員の安心感と満足感が向上します。
どうしても解決しない場合は転職を検討しよう
年下上司と年上部下の場合、最初の関係性構築が難しいケースが多いです。しかし、お互いが相手の立場を理解しようとしたり、ビジョンを共有してワンチームの意識を高めたりすることで、関係性が改善するケースがあります。
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