圧迫面接とは、面接官が応募者に対しあえて威圧的・攻撃的な言動や態度り、応募者の本心や能力を見極めることをいいます。あらかじめ対策ができていなければ、うまく対応できず不採用となることもあるでしょう。

本記事では、圧迫面接への理解を深めるため、具体的な内容や対策方法、ストレスを感じた場合に取るべき手段について解説します。

圧迫面接とはどのような内容なのか

圧迫面接とは、面接官の態度や質問を通して応募者に圧力をかける面接です。ここでは、圧迫面接の定義と、圧迫面接が違法かどうかについて解説します。圧迫面接への理解を高め、面接中の対応力を高めていきましょう。

高圧的な態度や答えにくい質問を出す面接

圧迫面接とは、面接官が応募者に対して高圧的な態度を取ったり、威圧感のある質問を行ったりすることです。わざと応募者にストレスがかかる環境をつくることで、応募者の対応力や忍耐力、ストレス耐性を引き出す目的があります。

また、面接対策として応募者が準備したこと以外の質問を行い、本音や素を知りたいと考えることも多いです。

ただ、圧迫面接と感じるかどうかは応募者によります。そのため、企業は通常の面接、応募者は圧迫面接のように双方の感じ方にズレが生じるケースも考えられます。

圧迫面接は違法にならないのか

圧迫面接そのものは、違法ではありません。しかし、面接内容に不適切な内容が含まれていたり、民法709条に該当したりする場合は違法となり、企業側への罰則が生じる可能性があります。

第五章 不法行為(不法行為による損害賠償)第七百九条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法 e-gov法令検索

例えば「恋人はいるのか」「太り過ぎ(痩せすぎ)だ」など、業務に関係のない質問も問題です。そのほか、「女性は結婚したらすぐに辞めるのでは」「男性なのに事務職を志望するのは問題だ」など、性別を限定した質問は男女雇用機会均等法違反として扱われる可能性があります。

どのような圧迫面接があるのか

圧迫面接には、いくつかのパターンがあります。下記は、よくある圧迫面接の例です。

  • 何度も質問をされる
  • 面接官のリアクションが薄い
  • 回答や経歴を否定する

圧迫面接、圧迫面接ではないケースの両方について解説します。

何度も質問をされる

質問に対し、応募者が何度答えても「なぜですか?」「どうしてそう思うのですか?」「もっと具体的に」など、繰り返して質問されるパターンです。主な目的は、応募者の本質を見抜くことですが、何度答えても面接官が納得してくれないため、応募者のイライラが募りやすいでしょう。

ただ、圧迫面接ではなく、応募者の回答が要領を得ていないため、面接官にうまく伝わっていない場合や、面接官が興味を持ちさらに回答を深掘りしたいと考えている可能性もあります。

面接官のリアクションが薄い

応募者の発言に対して、わざと「あ、そう」「へー」などと興味のない反応を示す面接官も存在します。首を傾げる、眉をひそめる、ため息をつくなどの反応を示し、わざと話しにくい雰囲気が生み出されていることもあるでしょう。

この圧迫面接では、目の前で面接官に無関心な対応をとられたとしても、萎縮せずに柔軟な対応ができるかどうかをチェックされています。ただ、面接官が疲労困憊の状態で反応が鈍い、普段からしかめ面をしている人物であるといったケースも想定されます。

回答や経歴を否定する

応募者の回答や経歴に対して「当社ではその考えは通用しませんよ」「その考え方には、まったく共感できません」「前職の経験は無意味だと思います」など、面接官が強い口調で否定意見を述べるケースです。

否定された内容を一旦受け入れたうえで、切り返せるかどうかをチェックしている可能性があります。しかし、単に面接官の価値観にそぐわない回答という理由で強い口調で否定された、応募者の回答自体に問題があったというケースもあります。

圧迫面接は内定に近いのか

圧迫面接を行うことで、企業イメージが悪化するリスクがあります。そのため、すべての応募者に圧迫面接を行うのは一部の企業のみであり、本来、積極的に行われることはありません。

したがって、圧迫面接をする場合、応募者は高い評価を得ており、最終選考段階である可能性が高いという考え方もあります。

ただし、あくまで推測にすぎないため、「圧迫面接されたから内定が近い」と思いすぎないことが大切です。同時に、就職を判断するために、圧迫面接が意図的なのかそうでないのかもしっかり確かめておきましょう。

圧迫面接への対策方法

圧迫面接本番の雰囲気を理解し、改めて対策の難しさを感じた方もいることでしょう。しかし、圧迫面接の対策方法は、主に次の3つです。

  • 堂々とした態度で対応する
  • 具体的な回答を心がける
  • 面接官の反応を受け入れて答える

具体的な内容について解説します。

堂々とした態度で対応する

無反応や強い口調、横柄な態度といった圧迫面接の場では、重い雰囲気に引きずられてしまいがちです。しかし、意識して口角をあげ、笑顔をつくってみましょう。脳の錯覚により、気分を落ち着かせ気持ちを上向かせる効果が期待できます。

また、自分の回答に対し自信を持ちましょう。事前に志望理由と自身の価値観を照らし合わせ、軸を明確にしておくことが重要です。面接中は感情的な反応をしないよう、ひと呼吸置いてから発言するのも良いでしょう。

具体的な回答を心がける

面接官側からすると、圧迫面接の意図なく、回答のズレを感じて質問を繰り返しているケースもあります。抽象的な回答を避け、相手への伝わりやすさを考えると共に5W1Hを意識し、具体的に話しましょう。同じ質問が繰り返されるたびに、表現方法や伝え方を変えることも重要です。

ただし、回答に矛盾が発生しないように注意してください。面接官は、発言に一貫性があるかをチェックしている可能性があります。

面接官の反応を受け入れて答える

圧迫面接では、対応力や素直さ、柔軟性をチェックされています。面接官の否定的な意見に対しても、まず素直に受け止めましょう。そのうえで、質問の意図に沿った回答を心がけることが大切です。

例えば「転職回数が多すぎる。ストレスに弱いのでは?」と言われた際にも「回数の多さのご指摘は、おっしゃるとおりです。ただ、自分としましてはキャリアアップを視野に入れ…」といった形で回答につなげましょう。

また、質問の意図が理解しにくい場合は、正しい回答になっているかどうかを尋ね、すり合わせを行ってください。また、すぐに回答が困難な質問に対しても、無言は避けます。「考えを整理したいと思いますので、少々お時間をいただけますでしょうか」のようにひとこと伝えましょう。

圧迫面接がストレスになったときの対策方法

圧迫面接の準備や対策をお伝えしましたが、面接において強いストレスを感じた場合、無理は禁物です。その場合は、次の2つの方法のどちらかを実施してください。

  • 選考を辞退する
  • ダイレクトリクルーティングを利用する

選考を辞退する

企業側には圧迫面接を行い、ストレス耐性などを測るなどの目的があります。しかし、怒鳴ったり激しく机を叩き脅すかのような暴言を吐いたりといった対応をされた場合、無理に耐えず、辞退を検討することもひとつの方法です。仮に入社したとしても、企業の社風が自分と合わない可能性があります。

面接の内容があまりにひどいと感じた場合は、法律違反の可能性もあるため、総合労働相談コーナーなど専門機関への相談がおすすめです。総合労働相談コーナーでは、募集・採用、パワハラなど、あらゆる分野の労働問題の相談に乗ってもらえます。

ダイレクトリクルーティングを利用する

圧迫面接を避けたい場合、ダイレクトリクルーティングを利用するという方法もおすすめです。企業の採用担当者と直接やり取りができるため、企業の雰囲気や求める人物像などを把握しやすく、ミスマッチを防ぐことができます。

例えば、興味のある企業に直接連絡を取り、カジュアル面談を申し込むことができます。そこで企業の雰囲気や仕事内容について詳しく聞くことができ、自分に合っているかを見極められます。

圧迫面接の対策はHUGANへ

圧迫面接には高圧的な態度を取ったり、あえて答えにくい質問をしたりすることで、応募者のストレス耐性や対応力、柔軟性を知る目的があります。最終選考の段階で行われることが多く、堂々とした態度での返答や感情的にならない心構えなどが必要です。

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