SIerは、システム開発の上流工程から下流工程までを幅広く担当するため、特定の技術分野に特化したスキルを磨きにくいといわれています。しかし、SIerで培ったスキルや経験は、さまざまな業種や職種で活かすことができるでしょう。
本記事では、SIerからの転職の難易度や、おすすめの転職先、転職を成功させるコツを詳しく解説します。
目次
Slerからの転職は難しい?
SIerからの転職について、以下の視点から見ていきます。
- Slerからの転職難易度
- SlerからSlerへの転職もあり
- Slerから転職する前に考えておくべきこと
それぞれ詳しく解説します。
Slerからの転職難易度
Slerからの転職難易度は、スキルや働いていた会社の規模によって大きく異なります。大手Slerに勤めていた場合、十分なスキルが身についていない状態であっても、ある程度の年収を得ているケースが多いでしょう。そのため、年収アップを目的とした転職は難しいといえます。
一方、給与や労働条件にこだわりがなければ、ほかの企業や業種で働いている方と同程度の難易度で転職できます。コミュニケーション能力やマネジメント経験など、Slerで培ったスキルを活かせる職種であれば、転職自体はそれほど難しくないでしょう。
SlerからSlerへの転職もあり
大手SIerにいた方は、より実践的なスキルを磨くために中堅・中小SIerに転職する選択肢もあります。中堅・中小Slerでは、プロジェクト管理など、1人で任される仕事の幅が広がり、技術的な知識や経験を積めます。このような経験は、今後のキャリアアップにつなげやすいでしょう。
一方、中小SIerにいた方が大手に転職すると、給与や福利厚生、働き方などの労働環境が改善される可能性があります。ただし、大手では開発スキルよりもマネジメント業務が中心となるため、スキルアップを目指す方には不向きかもしれません。
Slerから転職する前に考えておくべきこと
Slerから転職する前に、自分がなぜ転職したいのかを明確にすることが大切です。大手Slerは、安定性や福利厚生の面で優れているため、安易に転職するのはもったいないこともあります。自分のキャリアプランを考えたうえで、次のステップに移ることをおすすめします。
例えば、将来的にマネジメントを目指すのであれば、大手Slerでのキャリアを積むとよいでしょう。一方、技術的なスキルを磨きたいのであれば、中小Slerや自社開発の企業に移るのがよいかもしれません。自分の目指すキャリアに合わせて、転職先を選ぶことが重要です。
Slerからの転職先におすすめの職種4選
SIerからの転職先は、自分のスキルや経験、目指すキャリアによってさまざまです。おすすめの職業として、以下の4つを紹介します。
- ITコンサルタント
- Web系エンジニア
- 社内SE
- 自社開発のエンジニア
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ITコンサルタント
SIerからITコンサルタントに転職する方は多くいます。Slerでの上流工程の経験は、ITコンサルタントの業務に活かせるからです。ITコンサルタントは、クライアントの課題を分析し、最適なITソリューションを提案する仕事です。
大きなプレッシャーや責任が伴う一方で、問題解決力や判断力を身につけられるでしょう。Slerで培った要件定義やプロジェクト管理の経験が、ITコンサルタントとして活躍するうえで役立つはずです。
Web系エンジニア
より開発をメインでやりたい方には、Web系エンジニアがおすすめです。Web系エンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの設計、開発、運用などを担当します。1人で企画から開発までを任されることも多く、幅広いスキルが求められます。
レベルの高いプログラミングスキルが必須なので、常に学ぶ姿勢が大切です。Slerと比べると、労働環境は忙しくなり、給与は低くなることもありますが、技術力を磨くには最適な職種と言えるでしょう。
社内SE
社内SEとは、自社の業務システムの開発、運用、保守を担当する職種です。会社の規模によっては、1人で全ての業務を任されることもあります。また、社内のさまざまな部署からの問い合わせ対応や、ユーザーサポートも担当します。
Slerの働き方と比べると、残業は少なく、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。ただし、自社の業務に特化したシステムを扱うため、スキルの汎用性は低くなる傾向にあります。
自社開発のエンジニア
自社開発のエンジニアは、自社で企画したサービスやシステムを開発する仕事です。サービス開発の経験や、柔軟な発想力が求められます。企画段階から関われるため、自分で新しいサービスを生み出したい方におすすめです。
自社サービスの成長と共に、自分のスキルや経験も成長させられるでしょう。ただし、自社サービスの企画や運営に関わる分、開発以外の業務も多くなる傾向にあります。
Slerからの転職におすすめのタイミング
Slerからの転職のタイミングは、どの職種に転職したいかによって異なります。一般的には、30歳までに転職することをおすすめします。特に、上流工程を担当したい場合は28歳頃、大手企業に転職したい場合は25歳頃までに転職するのがよいでしょう。
30歳以降に転職する場合は、マネジメントスキルや開発経験がより重視される傾向があるため、転職先の選択肢が狭まる可能性があります。
ただし、これはあくまで一般論であり、個人のスキルやキャリアプランによって最適なタイミングは異なります。自分の目標に合わせて、タイミングを計ることが大切です。
Slerからの転職を成功させるコツ
SIerからの転職を成功させるコツは以下のとおりです。
- 転職の目的や今後のプランを明確にする
- 役立つ資格を取得しておく
- ダイレクトリクルーティングを活用する
自分に合ったコツを取り入れ、転職活動に役立ててみてください。
転職の目的や今後のプランを明確にする
Slerからの転職を成功させるには、転職の目的や今後のプランを明確にすることが大切です。単に次の転職先を考えるだけでなく、10年後までを見据えたキャリアプランを描くことで、自分に合った転職先を選びやすくなります。
例えば、将来的にマネジメントを目指すのであれば、マネジメント経験を積める企業を選ぶとよいでしょう。また、特定の技術分野でスペシャリストを目指すのであれば、その分野に強みを持つ企業を選ぶ必要があります。転職の目的を明確にすることで、自分に合った企業や職種を見つけやすくなります。
役立つ資格を取得しておく
企業での業務経験が少ない場合は、資格取得でスキルアップを図ることをおすすめします。
Slerからの転職で役立つIT資格には、以下のようなものがあります。
- 基本情報技術者試験
- プロジェクトマネージャー試験
- オラクルマスター
資格取得は、自分の市場価値を高めるだけでなく、転職先の企業にアピールできる材料にもなります。資格と実務経験を組み合わせることで、転職先での活躍が期待できるでしょう。
ダイレクトリクルーティングを活用する
自分の市場価値がわからなかったり、どこに転職すべきか迷ったりする場合は、ダイレクトリクルーティングの利用がおすすめです。ダイレクトリクルーティングでは直接オファーが届くため、自分の市場価値を客観的に把握しやすくなります。
転職したいとぼんやり考え始めたタイミングで、仕事を辞める前にまずはダイレクトリクルーティングに登録するのがおすすめです。企業からのオファーや、スカウトメッセージを通じて、自分の強みや市場での位置づけを再確認できる可能性があるでしょう。
さらに、ダイレクトリクルーティングでは、通常の求人では公開されていないポジションの情報を得られることもあります。より幅広いキャリアを探ることができ、自分に最適な転職先を見つける可能性が高まります。
Slerからの転職は1人で悩まずに
SIerからの転職は、自分のスキルや経験、目指すキャリアに合わせて、タイミングや転職先を選ぶことが大切です。転職を成功させるには、転職の目的を明確にし、必要な資格の取得が有効です。
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