転職エージェントは、使い方を理解し活用することで、効率的に転職活動を進められる便利なサービスです。その一方、使い方を把握できていなければ、時間を無駄にしてしまう可能性もあります。

本記事では転職エージェントを利用するメリットと具体的な使い方、役立つコツについて解説しています。初めてエージェントを使う方も、ぜひ参考にしてください。

目次

転職エージェントとは

転職エージェントとは、人材紹介会社の一種です。求職者に対し、キャリアカウンセリングや履歴書・職務経歴書の添削、面接対策など、さまざまなサービスを提供しています。また企業の求人情報を豊富に持っているため、一人ひとりに合った求人の紹介が可能です。

さらに特定の業界に強い転職エージェントも存在します。非公開求人と呼ばれる、一般的な転職サイトに掲載されない求人を持っている転職エージェントも多いです。

転職エージェントを利用するメリット

転職エージェントは、単に求人紹介をしてくれるだけではありません。利用により次のようなメリットがあります。

  • 自身の職歴や能力を客観的に分析してもらえる
  • 履歴書や職務経歴書の書き方をアドバイスしてもらえる
  • 転職サイトにはない求人情報を見ることができる
  • 独自の情報を持っているため転職活動を有利に進められる

それぞれの内容について詳しく解説します。

自身の職歴や能力を客観的に分析してもらえる

転職においては、自分の職歴やスキルを客観的に分析し、強みや改善点を明確にすることが必要です。しかし、このような作業は、1人で取り組むには時間や手間がかかります。

エージェントとのキャリアカウンセリングを行うことで、第三者の視点から適切に評価してもらえる点は大きなメリットです。また、過剰に持ち上げたり卑下したりすることなく、求職者の市場価格を正確に把握してくれることから、適切な転職先が見つかりやすくなります。

さらに、自己PRや面接でのアピールポイントなど、具体的な改善内容のフィードバックを受けられるため、積極的に活用しましょう。

履歴書や職務経歴書の書き方をアドバイスしてもらえる

エージェントは、転職のプロです。これまでの経験や実績から希望する業界、職種に合わせた助言をしてくれます。自分の強みや長所、これまでの実績や取得したスキルに対し、効果的な伝え方を教えてもらえるため、履歴書や職務経歴書作成時にも活用できます。

「初めて職務経歴書を書く」といった人にも、構成や記載方法、フォーマットなどの具体的なアドバイスをしてくれるため安心です。志望する企業のカラーに合わせた表現、書き方になるよう添削してくれるため、書類選考通過率も高くなるでしょう。

転職サイトにはない求人情報を見ることができる

いわゆる中途採用の場合、基本的に企業は即戦力を求めます。一定以上のスキルを持つ人材のみ、応募してほしいというのが本音です。また、「新規事業に関する募集のため、同業他社に知られたくない」といったケースもあります。

これらは、一般的な求人サイト、転職サイトには掲載されない「非公開求人」です。転職エージェントでは、企業側と密に連絡をとり、必要な人材像を理解しています。自分のスキルとの関連性があれば、競争率も低く選考が進みやすい良い求人といえるでしょう。

独自の情報を持っているため転職活動を有利に進められる

エージェントは日常的に企業の担当者と連絡を取り合っており、内部事情や面接傾向など詳細な情報を持っています。これらは一般の求職者がなかなか知り得ない情報です。

独自情報や過去の成功事例をもとにしたアドバイスを受けられるため、戦略的に転職活動を進めることができます。市場動向や給与相場など、企業に質問しにくい内容も、エージェントには気軽に相談・質問ができるため、最適なタイミングや条件での転職サポートが受けられます。

転職エージェントの使い方

転職エージェントは、登録して終わりではなく、活用しなければ意味がありません。ここでは、最大限活用するための賢い使い方について下記の順番に説明します。

  • 転職エージェントのサイトに登録する
  • 転職エージェントと面談する
  • 求人情報に応募する
  • 面接・選考を経て内定をもらう

転職エージェントのサイトに登録する

厚生労働省「職業紹介事業報告」のデータによりますと、令和4年度に日本国内にある転職エージェントの数は29,856件です。自分に合うエージェントと出会うためにも、最初から1社に絞らず、5〜6社程度登録しましょう。

ウェブサイトにアクセスし、個人情報、職務経歴、希望条件などを入力します。エージェントは、求職者のプロフィールを確認し、適切な求人を紹介するため、入力ミスなどのないよう慎重に記入してください。登録後、エージェントからの連絡を受けたのちに、面談などの転職サポートが始まります。

転職エージェントと面談する

エージェントとの面談は、直接またはオンラインで行われます。面談の時点までに、履歴書・職務経歴書を準備しておくとスムーズに経歴が伝えられるでしょう。また、すでに応募済みの求人があればこの時点で情報共有しておくことで、紹介求人が重なるなどの時間のロスを防げます。

面談は、転職の動機や希望条件、キャリアビジョンなど、幅広く相談できる時間です。履歴書・職務経歴書の書き方、面接対策など、具体的なアドバイスも受けることができます。この段階で気になることがあれば、積極的に質問し解決しておきましょう。

求人情報に応募する

エージェントから紹介された求人情報をチェックし、自分が興味のある企業、ポジションに応募します。ただし、担当者の話す内容をすべて鵜呑みにすることは避けましょう。自分でも企業情報を調べてみることで、ミスマッチが防げます。

応募企業が決まれば、履歴書・職務経歴書を準備し、エージェントのチェックを受けます。必要に応じて修正を行いましょう。問題がなければ、エージェントが企業に対して求職者を推薦し、選考プロセスがスタートします。

面接・選考を経て内定をもらう

書類選考を通過すれば、次は面接です。エージェントは、面接日程の調整も担当してくれるため、在籍中でも、自分の負担を軽減しつつ転職活動ができます。エージェントは、企業側が求めるスキルや人物像を把握しているため、面接練習などを受け、万全の体制で面接に臨みましょう。

給与や福利厚生など、気になる点についても、エージェントが代わりに企業から情報収集してくれます。気になることは、すべてエージェントに質問しておきましょう。最終的に企業から内定通知が届けば、転職活動は無事終了です。

転職エージェントを使うコツ

転職エージェントをうまく活用することが、転職成功の近道です。押さえておくべきコツは、下記のとおりです。

  • 自分から積極的に要望や希望を伝える
  • 複数の転職エージェントに登録する
  • 転職エージェントのサポートをできる限り受ける
  • ダイレクトリクルーティングと併用する

自分から積極的に要望や希望を伝える

転職エージェントは、キャリアカウンセリングなどを通して、求職者の希望をヒアリングしてくれます。同時に、自分でもスキルや経験をどのように活かしたいか、どのような業界・職種で働きたいか、積極的に伝えるようにしましょう。

勤務地や給与、働き方などの希望はできるだけ明確にまとめます。具体的であればあるほど、エージェント側も適切なアドバイスが可能です。また転職活動の進捗状況や悩みなども共有することで、スムーズなサポートが受けられます。

複数の転職エージェントに登録する

転職エージェントによって、得意分野や強みは異なります。幅広い業種や職種に対応している「総合型」、特定の業種・職種に強い「特化型」があるため、組み合わせて5〜6社登録しておきましょう。

今、関心がない業種・職種であっても、話を聞くなかで自分のスキルや実績が活かせる求人と出会える可能性もあります。また、エージェントのネットワークを活用し、非公開求人や独自の求人情報などへのアクセスも狙いましょう。

転職エージェントのサポートをできる限り受ける

転職エージェントに登録する以上、サポートは積極的に活用しましょう。エージェントとの面談やキャリアカウンセリングを積極的に受けることで、自分の強みや市場価値が把握できます。

また、履歴書や職務経歴書の作成アドバイス、面接対策などのサポートを受け、転職活動の質を高めることが、転職成功への道です。

エージェントからフィードバックやアドバイスがあれば、素直に受け入れ、自己改善に努めましょう。転職活動に関する不安や心配ごとも、打ち明けることで、精神面のサポートも受けられます。

ダイレクトリクルーティングと併用する

転職エージェントの利用に加えて、ダイレクトリクルーティングサービスも活用することで、より多くの求人情報に触れられます。ダイレクトリクルーティングは企業が直接求職者にオファーする採用手法であり、転職エージェントとは異なる道から求人情報を得られます。

転職エージェントは、あなたのスキルや経験に合った求人を紹介してくれますが、ダイレクトリクルーティングでは、あなたのプロフィールに興味を持った企業から直接オファーを受けることができます。両方を併用することで、より多くの選択肢の中から自分に合った企業を見つけやすくなるでしょう。

転職エージェントを活用して転職を成功させよう

転職エージェントは、初めて転職する方、転職経験のある方、どちらにとっても強い味方となるサービスです。積極的に利用し、自己分析や履歴書・職務経歴書の書き方、面接対策、求人情報の収集など幅広いシーンで活用しましょう。

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