転職活動中に企業から年収を提示されるケースは多いです。しかし、希望額を満たしていない場合、年収交渉をしても良いのか、することで印象を悪くしないか悩んでしまう方もいることでしょう。
転職で年収交渉することは問題ありません。本記事では、年収交渉を行うタイミングやコツを紹介しています。希望の年収を叶えるために本記事の内容をお役立てください。
目次
転職の年収交渉を行うタイミングと方法
転職を希望する企業に対して年収交渉を行うことは可能です。論理的な説明を行い、面接官が納得する状況であれば、交渉のステップへと進める可能性があります。
ここでは、年収交渉を成功させるためのタイミングと方法について解説します。
年収交渉するタイミング
年収交渉は、面接官から希望年収について質問されたタイミングが好ましいでしょう。また、内定後のオファー面談が設定されている企業であれば、そのタイミングがベストです。選考を終え、気持ちに余裕がある状態で交渉を行いましょう。
ただし、内定承諾書の提出後の年収交渉は困難です。企業の提示条件=現時点でのあなたの評価であるため、伝え方によっては、自分の評価を下げるリスクがある点に注意しましょう。
年収交渉の方法
年収交渉の方法は、自分だけで転職活動する場合と、転職エージェントを利用する場合によって異なります。
自分だけで転職活動する場合、最初に現在の自分の額面年収と希望する年収を考えます。伝える際には、現在の年収を100とした場合、何%増を希望するといった表現がベストです。さらに自分の実績やスキルの整理を行い、論理的に妥当である理由も考えておきましょう。
転職エージェントを利用する場合は、最初の面談時に担当者に希望額を伝えます。エージェントが探すのは、希望を満たす企業です。そのため、より自分の希望が通りやすくなります。交渉に関しても、企業と個人ではなく法人同士の話になるため、より対等な関係で話が進むこともメリットです。
転職で年収交渉が成功しやすいケース
転職で年収交渉を成功させるためには、ある程度ルールに基づく必要があります。下記は成功しやすい3つのケースです。
- 企業の給与テーブルに則って交渉している
- 妥当な範囲内で交渉している
交渉の材料として使える資格や経験がある
それぞれの内容について解説します。
企業の給与テーブルに則って交渉している
各企業には、基本的な給与水準を示す「給与テーブル」が設定されています。役職や経験、スキルなどに基づき決められているため、給与テーブルを基準に自分のスキルや実績、経験をPRすることで、交渉がスムーズに進みやすくなります。
企業側も予算内で対応できるため、求職者からの交渉に対し、ネガティブな印象を抱くことがありません。「自分の価値を明確に理解している」と判断され、信頼関係を築くきっかけにもなるでしょう。
妥当な範囲内で交渉している
企業側が年収を決める際、参考にするのが前職の年収です。市場相場や業界標準などを参考にしつつ、自分のスキルと経験に見合った適正年収をリサーチしておくことで、企業側も交渉に前向きになってくれる可能性が高いです。
未経験からの転職を目指す場合は、特に謙虚な姿勢が求められます。現実的なラインを守ることが年収アップ成功のコツです。
交渉の材料として使える資格や経験がある
企業は、即戦力が期待できる人材を求めます。入社後の仕事に活かせるような資格、スキル、実績が提示できれば、企業も年収交渉を進めても良いと考えるでしょう。
相手を交渉の場につかせるためには、自分の価値を高める必要があります。専門スキル、豊富なプロジェクト経験、マネジメント経験など、転職後に活かせる自分の強みをあらかじめ分析し、必要に応じて積極的にPRすることが重要です。
転職で年収交渉が失敗しやすいケース
一方、転職で年収交渉が失敗しやすいケースには、下記の3パターンがあります。
- 根拠に説得力がない
- 業界の給与水準とかけ離れている
無理に交渉しようとする
失敗パターンを反面教師とし、交渉方法を考えてみてください。
根拠に説得力がない
交渉の際には過去の実績やスキルを提示し、転職先企業への貢献について具体的に語る必要があります。論理的に根拠を説明できず「根拠のない自信」と受け止められた場合、マイナスな印象を与え評価を下げる可能性が高いです。
「マイホームを購入するために、100万円の年収アップを希望します」など、個人的な事情を全面に押し出すことも好ましくありません。企業が重視するのは家庭の事情ではなく仕事の成果です。
業界の給与水準とかけ離れている
年収交渉は、事前に業界の給与水準をリサーチすることから始まります。リサーチ不足の状態で希望年収を提示すると「業界の標準を大幅に上回っている」「業界研究不足」と受け止められる可能性が高いです。
また、同職種への転職において、前職の年収と大きくかけ離れた金額を提示した場合、企業側は「第三者の評価と自己評価がかけ離れている」と難色を示す可能性があります。未経験や実績不足にも関わらず、高額年収を要求するようなケースは、交渉失敗だけでなく不採用となるリスクが高まります。
無理に交渉しようとする
なんとかして年収を引き上げたいと、強引に話を進めたり、過度に攻撃的な姿勢をとったりすると、企業側の印象が悪くなります。また、企業の予算や給与テーブルを無視して高額な年収を要求した場合「常識が理解できていない」「年収ありきで動く人物。入社してもすぐに辞めるのでは」と受け止められるでしょう。
特に内定前に年収交渉をしている状態であれば、無理な交渉により、不採用となる可能性が高まるリスクを考えるべきです。
年収交渉を成功させるコツ
企業と良好な関係を築き、年収交渉を成功させたいと思うのであれば、下記のコツを理解し実践することが重要です。
- なぜ年収を交渉するのか明確にする
- 自身の考えを二転三転させない
- 一方的に話を推し進めない
- 給与だけでなく昇給や手当なども考慮する
- 転職エージェントを利用する
なぜ年収を交渉するのか明確にする
年収交渉をする際には、希望金額の根拠が必要です。「自分が持つスキルや経験が市場で高く評価されている」「特定の資格や前職での実績が、転職先企業にとって利益をもたらすことにつながる」といった内容を、データや数字を提示し、客観的な根拠として伝えます。
根拠ある理由が提示できるのであれば、個人的な生活費としての希望を伝えることは問題ありません。あわせて将来的なキャリアパスに考慮した内容であることを明示すると良いでしょう。
自身の考えを二転三転させない
年収交渉においては、自分の希望や要求に対し、一貫したスタンスを持つことが重要です。企業と話し合うなかで、妥協点を見つけて折り合いをつけることは問題ありませんが、企業の反応を見てコロコロと意見を変えていては、「優柔不断」「自分の価値が定まっていない」と、問題視される可能性が高いです。
ただ、提示金額はあくまで現実的であることが求められます。事前に自己分析や市場調査を行い、自分の希望が現実的であることを確認したうえで、交渉のテーブルにつきましょう。
一方的に話を推し進めない
例え、企業担当者が求職者の言い分を理解してくれたとしても、企業側にも立場や制約があります。一方的に求職者側の意見だけを押し付けようとしても、交渉はうまくいきません。
対話を重視し、相手の意見を尊重する気持ちが重要です。「この会社で働きたい」と本気で思うのであれば、企業側からの提案や提示条件に対しては柔軟に対応し、妥協点を探ることをおすすめします。
給与だけでなく昇給や手当なども考慮する
企業の提示年収が希望に届かない場合も、入社後の昇給を視野に入れることで、数年後に目標に達する可能性があります。「入社後、どのような成果を出すことで昇給をご検討いただけるのでしょうか」といった質問も良いでしょう。
また企業によっては通勤手当、住宅手当、家族手当、資格手当などの手当が充実していることもあります。毎月の給与だけでなく手当や賞与を考慮することも重要です。
転職エージェントを利用する
自分で納得のいく年収交渉を行うためには、業界の給与水準や最新の市場動向の情報収集を行ったうえで、自分の価値を客観視する力が必要です。しかし、転職活動と並行してこれらの作業を行うのは、簡単ではありません。
一方、転職エージェントは転職のプロであり、客観的な給与水準や求職者の価値・評価を教えてくれます。企業との交渉経験も豊富にあり、年収交渉にも長けています。すでに企業との信頼関係を築いた状態での交渉となるため、求職者にとって有利な条件を引き出してくれるでしょう。
有利に年収交渉を進めよう
転職の年収交渉を行う場合、交渉のタイミングや方法を理解しておくことが重要です。業界の給与水準とかけ離れた金額の提示や、企業側の事情を理解しようとせず無理な交渉を進めてしまうと、交渉失敗に加え、不採用となる可能性があります。
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