志望動機は、転職の面接で必ず問われる質問です。しかし、初めて転職活動を行う人にとってはどう答えるのが正解かわからず悩んでしまうことでしょう。
本記事では、面接官が志望動機を聞く理由と、履歴書・面接それぞれの書き方・伝え方をわかりやすく解説しています。例文も記載していますので、アレンジしてご活用ください。
目次
志望動機を面接官が聞く理由
面接官は、志望動機から候補者の企業・職務への理解度、真剣度を把握しようとしています。数ある企業の中からなぜ自社を選んだのか、その理由を具体的に説明することが求められます。また、価値観や仕事に対する姿勢からは、入社後、社風やチームに馴染めるかどうかを考えています。
候補者のキャリアプランと企業のビジョンやミッションがどの程度一致しているかを確認し、長期的に活躍できる人材かどうかを判断することもあります。
転職時の志望動機の書き方
履歴書に志望動機を書く前に、次の準備をしておくとスムーズに執筆できます。
- 「自分軸」と「社会軸」を考える
- なぜ応募する企業に転職したいかを深堀りする
- 自身のスキルや経験と志望企業のニーズを結びつける
それぞれの内容について解説します。
「自分軸」と「社会軸」を考える
最初に、仕事をするうえでの自分のモチベーションを言語化します。ここでは、自分が大切にしている価値観やキャリア目標、ライフスタイルに合った働き方(=自分軸)と、社会や企業への貢献方法(=社会軸)のふたつの視点が重要です。
軸を明確にすることで、転職を通してどのように自己実現を図りたいか(自分軸の実現)を具体的に説明できるでしょう。自分軸はできるだけ具体性が必要ですが、社会軸に関しては、「◯◯の業界発展に貢献したい」などの漠然とした内容でも問題ありません。
なぜ応募する企業に転職したいかを深堀りする
あなたが考えた志望動機は、応募する企業のみに当てはまる内容になっているでしょうか。「どうしてもその企業でなければいけない理由」がなければ、面接官の心に響く内容にはなりません。
次の観点から、自分の志望動機を深掘りしてみましょう。
- 志望動機に具体性があるか
- 自分の価値観・考え方と一致しているか
- キャリア目標・ライフスタイルと一致しているか
家族や友人などに相談し、客観的な意見や質問を通して、さらに深堀りすることも有効です。
自身のスキルや経験と志望企業のニーズを結びつける
志望企業の業界・市場での立ち位置、同業他社との違い、企業文化、提供する製品やサービスを徹底的に調査します。そのうえで、企業のニーズと自分のスキルや経験、自分軸・社会軸との重なりを確認しましょう。企業のニーズは、募集要項などから主となるキーワードを読み取るとスムーズです。
自分軸・社会軸をベースに置くことで、語る内容に説得力が増します。企業に対し、入社後どのように自己実現できるのか、またどのように貢献できるか、具体的に示しましょう。
面接で志望動機を説明する際の伝え方
いくら思いを込めた志望動機を用意しても、説明が下手では、面接官の心に響きません。しかし、次の4つのコツを押さえることで、的確に内容が伝えられます。
- はじめに結論を述べる
- 応募した理由を説明する
- 自身のスキルやキャリアがどう役立つか伝える
- 意欲が伝わるような言葉で締めくくる
はじめに結論を述べる
応募理由や転職の目的は、冒頭で簡潔に伝えます。結論を述べることで、面接官の関心を惹きつける、最初に話の全体像を伝えることで理解度を高めるなどのメリットがあります。
エピソードから語り始めると、面接官はゴールが見えないまま、説明を聞かなくてはなりません。「結局何が言いたいのか?」と、疑問を抱かせる可能性もあるため、結論→理由の流れがおすすめです。
応募した理由を説明する
志望企業以外にも、似た製品やサービスを提供している会社はいくつもあるはずです。「なぜ自社を選んだのか」は、企業が知りたい理由であり、理由に説得力がなければ、追加質問で深堀りされます。
さらに自分のキャリア目標と、企業の提供する役割や成長機会が一致していること、企業の製品やサービスに強い関心があることを、具体的に述べましょう。
自身のスキルやキャリアがどう役立つか伝える
入社したい理由や熱い思いは大切ですが、それだけでは、企業側にとって採用するメリットがありません。「自社を気に入ってくれてありがとう。これからも良い顧客でいてください」と話が終わる可能性もあります。
過去の職務経験で培ったスキルや専門知識を具体的に挙げたうえで、入社後、どのように貢献できるのかできるだけ具体的に述べましょう。企業のニーズと自身のスキルや経験が合致していることを具体的に説明し、募集職種や配属先チームへの適性もアピールしましょう。
意欲が伝わるような言葉で締めくくる
最後に発する言葉は、面接官の印象に強く残ります。ここまで論理的に説明したのであれば、最後は、意欲や願望を明確に伝えましょう。「入社したい」と、はっきり口に出し本気度をアピールすることも大切です。
自分の価値観とビジョンが企業の目指す方向性と一致している=志望企業で長く働きたいという意思表示にもなります。入社後には貢献・活躍したいという前向きな発言で締めくくりましょう。
面接での志望動機を説明する際の例文
ここからは、面接で使える志望動機の例文を紹介します。転職パターン別に「同業界・同職種」「同業界・異職種」「異業界・同職種」「異業界・異職種」の4つを記載していますので、自分のパターンに合わせて参考にしてください。
同業界・同職種に転職する場合
志望理由は、貴社が掲げる「〇〇を重視したサービス提供」というビジョンに深く共感し、私もこれまでの経験とスキルを活かして、その実現に貢献したいと考えたためです。私は現在の職場で、プロジェクトリーダーとして〇〇システムの開発や△△サービスの導入を成功させ、チームの売上目標達成に貢献してきました。
しかし、今後はより専門性を高め、大規模なプロジェクトに携わりたいと考えていたところ、貴社の〇〇事業の拡大を知り、大変魅力を感じました。貴社であれば、私のプロジェクトマネジメント経験や〇〇の専門知識を活かし、□□や△△といった課題解決に貢献できると考えています。
同業界・異職種に転職する場合
貴社の顧客第一主義の姿勢と、常に新しい技術を取り入れようとするチャレンジ精神に共感し、志望しました。私はこれまで営業として、お客様の課題をヒアリングし、最適なソリューションを提案することで、前年比30%増の売上を達成しました。
しかし、よりお客様の課題解決に貢献するためには、技術的な知識も必要だと感じ、システム開発の知識を習得したいと考えるようになりました。貴社であれば、私のコミュニケーション能力や課題解決能力を活かしながら、エンジニアとして新たなキャリアを築けると確信しています。
異業界・同職種に転職する場合
貴社の「〇〇を通して社会に貢献する」という理念に強く共感し、志望いたしました。貴社の事業内容や社員インタビュー記事を拝見し、常に挑戦を続ける姿勢や、社員一人ひとりを大切にする社風に惹かれました。
前職では製造業の総務課で、備品発注や社員の勤怠管理、教育プログラムの作成などを通して、社員が働きやすい環境づくりに貢献してきました。総務で培った調整能力やコミュニケーション能力、課題解決能力を活かし、貴社のバックオフィス業務を支え、社員が安心して働ける環境づくりに貢献したいと考えています。
異業界・異職種に転職する場合
私は、これまでの経験で培ったコミュニケーション能力や問題解決能力を活かしたいと考え、貴社のエンジニア職を志望しました。前職は不動産営業で、お客様のニーズを丁寧にヒアリングし、最適な物件を提案することで、多くのお客様から感謝の言葉をいただきました。
その中で、貴社が開発したAIによる物件管理システムを知り、感銘を受けました。テクノロジーの力で、より多くのお客様の課題を解決できる可能性を感じ、エンジニアへの転身を志しました。現在は、オンラインプログラミングスクールでPythonやJavaなどを学習しており、基本的なWebアプリケーション開発ができるようになりました。入社後は、貴社の研修制度を活用し、一日も早く業務に貢献できるよう努めます。
面接で志望動機をうまく説明し、転職を成功させよう
面接官が志望動機を質問する理由として、事業内容や業務内容の理解、社風との一致の確認などが挙げられます。意図を理解したうえで、履歴書に書く志望動機と面接で説明する志望動機の準備を行うことが重要です。
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