プログラマーになるには、さまざまな方法があります。未経験者の場合、最初に必要な言語の基本をマスターし、転職後、実践を通してよりスキルを高めることも可能です。

本記事では、プログラマーの仕事内容や平均年収、必要な資格・スキルに加え、プログラマーになるための具体的な方法について解説しています。プログラマーへの転職やプログラミング言語の習得に興味がある方は、ぜひ本記事をご活用ください。

そもそもプログラマーとは?

プログラマーとは、コンピューターを動かすための「プログラミング言語」を扱い、システムやアプリケーション、ソフトウェアをつくる人のことをいいます。例えば、スマホアプリや駅の券売機もプログラミングにより動いているもののひとつです。

私たちの身近にあるものの多くは、プログラマーの仕事によって動いているといえるでしょう。

プログラマーの仕事内容

プログラマーは、システムエンジニア(SE)が設計したプログラミングの仕様書に基づき、「コード」と呼ばれる言葉を用いて、プログラミングを行います。しかし、仕様書通りに正しくプログラミングしても、バグが発生することがあります。そのため、バグの発見と修正もプログラマーの重要な仕事の一つです。

プログラミング言語は、Python、Java、C#など多岐に渡り、どのようなジャンルの仕事をするかによって、使用言語が異なります。

プログラマーの平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイトに記載されている、プログラマーの平均年収は、557.6万円です。30〜34歳は約512万円、35〜39歳は約597万円と年齢を重ねるごとに上がっており、ピークは、55〜59歳の約732万円です。

一般的な就業形態としては、正規職員・従業員が多いものの、「自営、フリーランス」「契約社員、期間従業員」「派遣社員」もあります。プログラマーは自分に合った働き方を選択しつつ、一定の年収を確保できる働き方です。

プログラマーは大きく分けて8種類

プログラマーとひとことで言っても、担当する分野によって次のように職種が異なります。

  • Webプログラマー
  • ゲームプログラマー
  • アプリケーションプログラマー
  • 組み込み系プログラマー
  • 汎用性システムプログラマー
  • オープン系プログラマー
  • 通信系プログラマー
  • セキュリティー系プログラマー

Webプログラマーは、Webサイトやアプリ、SNS、システムなどのプログラミングを行います。さらに、ユーザーの目に見える部分(デザインなど)を担当する「フロントエンド」、セキュリティやサーバーなどを担当する「バックエンド」、システム開発全般を担当する「フルスタック」に分かれます。

その他7つの職種について、簡単に下記にまとめました。

職種 仕事の例
ゲームプログラマー スマホ向けアプリや家庭用ゲーム機などのゲーム開発
アプリケーションプログラマー パソコンやスマホで扱うアプリの開発
組み込み系プログラマー 電子機器制御のためのプログラム開発
汎用性システムプログラマー クローズドなシステム構築
オープン系の逆
オープン系プログラマー ネットワークすべてのコンピューターがアクセスできるシステム構築
汎用システムの逆
通信系プログラマー 通信ネットワーク関連に関わるシステム開発
セキュリティー系プログラマー 情報セキュリティーに関するシステム運用・構築

プログラマーに必要な資格・スキル

プログラマーとして活躍するためには、いくつかの必要な資格・スキルがあります。面接で有利になり、実務に役立つ資格・スキルは、下記のとおりです。

  • プログラミング能力
  • ネットワークに関する知識
  • 情報収集スキル
  • 基本情報技術者試験
  • Ruby技術者認定試験
  • C言語プログラミング能力認定試験

プログラミング能力

プログラミングを行うには、プログラミング言語のスキルが必要です。企業によって求められる言語や技術は異なりますが、AI分野であればPython、Web業界であればJavaScriptやPHPなど、特定の言語が重宝される傾向があります。

ただし、プログラマーは「特定の言語さえ習得すれば安泰」といったことはありません。プログラミング能力には、常に言語スキルを高め続ける努力が含まれます。また、複雑な問題解決に向けた論理的な考え方も必要な能力です。

ネットワークに関する知識

コンピューターは基本的に、ネットワークに接続されています。つまり、LAN、WANなどネットワークに関する基本知識を身につけ、基本構造を理解しておくことはプログラミングの基本です。

また、ネットワークセキュリティの基本的な知識やネットワーク問題の診断・修正スキルがあれば、トラブルが発生した際の初期対応が可能となりスムーズに問題解決が行えるでしょう。

情報収集スキル

プログラミングの分野においては、新しい開発手法やフレームワークなどを積極的に活用することで、開発効率が高まる可能性があります。そのため、好奇心を持ち、常に新しい技術を学び続ける意欲が必要です。

また、トレンドや最新のプログラミングの技術に関しては、自ら情報を収集する必要があり、その方法はWebサイトや専門書、フォーラム、SNS、オンラインサロンなど多岐に渡ります。情報収集スキルが低ければ、適切な情報が見つけられず、問題解決に時間がかかってしまうでしょう。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、「ITエンジニアの登竜門」とも言われている人気の資格試験です。ITの基本知識を問われるため、IT系のエンジニアを目指す人が最初に取得する資格としておすすめします。

ソフトウェア、ハードウェア、情報セキュリティ、プログラミング言語に関する問題など、出題範囲の幅広さが特徴です。資格取得により、一定の知識・技術を有する証明ができます。結果として、就職や転職が有利になることが多いです。

Ruby技術者認定試験

Ruby技術者認定試験は、Ruby言語の専門知識を証明する試験です。Ruby言語を使用しシステム設計、開発、運用するエンジニアやRuby言語を学ぶ学生などを対象にしています。

資格区分は、Ruby言語の基本的な技術習得を示す基礎編「Silver」と、Ruby言語によるプログラム設計技術を有する証明となる応用編「Gold」の2種類です。学生の受験には学割価格が適用されます。Web開発などRubyを使う仕事を目指す人におすすめの資格です。

C言語プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験は、C言語の深い知識とプログラミングスキルを証明する試験です。C言語を使った応用プログラム作成能力を示すものであり、1〜3級から、自分のレベルに合う内容を選択できます。

1級合格の場合、言語処理系などの応用プログラムの作成能力が認められるため、システム開発などC言語スキルが求められる仕事への転職に有利です。ただし、2024年6月の試験をもって1級の公開試験(個人受験)は休止となりました。今後の1級受験は、団体受験のみ可能です。

プログラマーになるにはどうする?

未経験からプログラマーを目指す場合、まずは、次の方法で基礎知識や技術を身につけることをおすすめします。

  • 独学で学ぶ
  • プログラミングスクールで学ぶ
  • 専門学校・大学に進学する

それぞれの方法について、具体的に解説します。

独学で学ぶ

プログラミング言語に関する書籍や電子書籍、インターネット上の無料教材、動画などを活用し、独学で学ぶ方法です。自分のペースでスキルアップができるほか、無料または費用を抑えつつ学べるメリットがあります。

学習中に不明点や疑問が生じても、自分で解決する必要がありますが、実際の業務でも同様のことが求められます。また、自分で学習スケジュールを立て、日々の進捗管理を行うことで、計画性も身につくでしょう。基本を理解したら、自ら実際のプロジェクトを試みて実践力を養っていきましょう。

プログラミングスクールで学ぶ

短期間で効率的に学びたい人には、プログラミングブートキャンプや専門スクールに参加する方法がおすすめです。実践的なプロジェクトやグループワークを通じて、即戦力となるスキルが習得できます。

特に初心者の場合、初期段階で壁にぶつかることが多いものの、スクールで学ぶ場合、専門の講師から直接フィードバックを受けることが可能です。不明点をそのままにせずに済むため、学習効果が高くなります。

専門学校・大学に進学する

大学進学を選択し、コンピュータサイエンスの学位取得を目指すことで、プログラミングの理論と実践の両方を学べます。大学のキャリアサポートやネットワークを利用して、就職やキャリアアップも目指せます。広範な技術分野にアクセスでき、最新の研究や技術動向に触れることができる点もメリットです。

専門学校の場合、学位は取得できませんがプロのエンジニアが講師を務めていることも多く、即戦力となるスキルを身につけることが可能です。最短2年で卒業できるため、大学と比較し、早くエンジニアとして働けるメリットがあります。

自分に合った方法でプログラマーを目指そう

プログラマーの仕事内容は多岐にわたり、Webプログラマー、ゲームプログラマーなど、さまざまな専門分野があります。未経験からプログラマーへの転職を目指すのであれば、プログラミング能力や情報スキルの習得を目指し、本記事で紹介した資格取得によりスキルの証明を行うとよいでしょう。

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