“年収の高いイメージがあるシステムエンジニアですが、実際のところはどうなのか、気になっている方も多いことでしょう。
本記事では、令和5年度のシステムエンジニアの年収を年代別に解説しています。合わせて給料を上げるコツも紹介していますので、年収や給料アップを狙っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
そもそもシステムエンジニアとは?
システムエンジニア(SE)は、高い給与水準を目指せる職種のひとつです。ニーズが高まっていることから、未経験者を積極的に採用する企業も増えています。システムエンジニアへの転職をイメージしやすくするために、基本的な部分を押さえておきましょう。
未経験でも目指せる「給与水準が高い職業」のひとつ
システムエンジニアは、技術産業のなかでも、特に給与が高く設定されている職種です。厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」発表のシステムエンジニア(システムコンサルタント・設計者を含む)による全年代平均年収は、約684万円(※)です。
IT業界では、多くの企業が研修制度を提供しています。意欲の高い未経験者を採用し、入社後基礎から学びつつ、キャリアをスタートすることが可能です。近年、ITスキルを持つ労働者が圧倒的に不足していることも、未経験者の積極採用が増えている一因となっています。
※参照:令和5年賃金構造基本統計調査(職種)第1表 職種(小分類)性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
企業規模計(10人以上)システムコンサルタント・設計者
より「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」にて計算
今後も活躍が見込まれる職業
システムエンジニアは、IT技術を活用して課題解決を行う役割を担っています。金融から製造業まであらゆる業界で重要な役割を担っており、今後、さらに需要は高まると考えられます。
IT技術の進展や労働人口の減少に伴い、システムの開発・導入はますます急務となっています。技術は常に進化するため、積極的に学び続ける姿勢が大切です。しかし、その分、意欲的な人材にとっては、常にスキルアップを図り、長期的なキャリアを築くことができる魅力的な職業でもあります。
システムエンジニアの年代別の平均年収は?
システムエンジニアの平均年収は、一般よりも高額です。ここでは20代・30代・40代以上のそれぞれの平均年収について、わかりやすく解説します。
20代の平均年収
20代の平均年収は、下記のとおりです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代前半 | 約341.4万円 |
20代後半 | 約453.9万円 |
出典:システムエンジニア(業務用システム)|厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag
20代前半は新卒社員が多く含まれるため、平均年収は比較的低めです。しかし、システムエンジニアとしての経験を積むことで、年収は着実に上昇していきます。
30代の平均年収
30代の平均年収は、下記のとおりです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
30代前半 | 約512.6万円 |
30代後半 | 約597.9万円 |
出典:システムエンジニア(業務用システム)|厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag
システムエンジニアの年収の特徴として、経験やスキルに応じて年収が大きく上昇する点が挙げられます。30代では、リーダーやマネジメント職、フリーランスなど、キャリアパスの選択肢が広がるため、さらなる年収アップが期待できます。
40代以上の平均年収
40代以上の平均年収は、下記のとおりです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
40代前半 | 約646.9万円 |
40代後半 | 約674.6万円 |
50代前半 | 約679.5万円 |
50代後半 | 約732.1万円 |
出典:システムエンジニア(業務用システム)|厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag
40代以降のシステムエンジニアは、豊富な知識、スキル、実績を活かして、業務範囲を広げ、年収アップを目指せます。チームの統括や管理職としてのマネジメント、特定技術のスペシャリストなど、自身のキャリアプランやライフスタイルに合わせて、働きやすい環境を選択できるでしょう。
システムエンジニアとして身につけておきたいスキル
システムエンジニアは、下記のスキルを身につけておくことで、より年収アップが期待できます。
- より上流の工程に使われるスキル
- これから需要が高まるスキル
- リーダー・マネージャーに必要なスキル
- コミュニケーション能力
- 専門性の高い技術・知識
- 取得できる資格
それぞれの内容について、詳しく解説します。
より上流の工程に使われるスキル
システムエンジニアの業務は、大きく「上流工程」と「下流工程」に分けられます。下流工程は、仕様書に基づいたプログラミング、テスト、運用・保守などの実作業を指します。一方、上流工程は、顧客の要望をヒアリングし、システムの要件定義や基本設計を行うなど、プロジェクトの初期段階から関わる仕事です。
上流工程では、システムや技術に関する深い知識、運用レベルの業務知識に加え、コミュニケーション能力、論理的思考力、提案力、企画力などが求められます。これらのスキルを習得することで、年収アップに繋がる可能性が高まります。
これから需要が高まるスキル
システムエンジニアに求められるスキルは、時代の変化とともに常にアップデートしています。特に、クラウド、AI、IoT、データサイエンスなどのIT技術は、今後ますます需要が高まると予想されており、これらのスキルを身につけておくことは大きなアドバンテージとなるでしょう。
以下に、今後の需要の高まりが予想されるスキルの一例を挙げます。
- クラウドプラットフォーム(AWS、Google Cloud、Azureなど)を活用した開発スキル
- データ分析、機械学習モデルの構築・適用技術
- サイバーセキュリティ・情報保護に関する基本から応用に至る知識
- Oracle Databaseをはじめとした製品知識とNoSQLデータベースの知識
- 応用情報技術者試験など難易度の高い資格取得による知識・技術の証明
リーダー・マネージャーに必要なスキル
リーダーやマネージャーには、プロジェクトを成功へと導くためのスキルが必要です。一般的には、「リーダー=開発&現場」「マネージャー=プロジェクトの全体管轄」といった役割分担がありますが、企業によって定義が異なる場合があるため注意が必要です。
具体的には、スケジュール管理やメンバー管理といったマネジメントスキル、チーム内の問題を円滑に解決し、良好な職場環境を維持するための問題解決スキルなどが求められます。また、チームやプロジェクトの方向性を定めるための的確な意思決定力も重要です。
コミュニケーション能力
システムエンジニアには、クライアントの要望を丁寧にヒアリングし、専門用語を避け、分かりやすく説明する能力が求められます。クライアントはITの専門知識を持たない場合も多いため、相手の理解度に合わせてコミュニケーションを取ることが重要です。
さらに、クライアントとの交渉や、進捗状況・成果報告のための分かりやすい資料作成スキルも重要となります。チームメンバーとの円滑なコミュニケーションも、プロジェクトを成功に導く上で欠かせません。
専門性の高い技術・知識
システムエンジニアとして、Java、Python、C#など、広く利用されているプログラミング言語のスキルを習得することは基本です。さらに、自身のキャリアプランに合わせて、専門性の高い技術や知識を身につけていくことが重要です。
例えば、データベースエンジニアであれば、データベースの設計・構築・運用・保守に関する専門知識に加え、パフォーマンスチューニングやセキュリティ対策などのスキルも必要となります。また、クラウドエンジニアであれば、AWSやAzureなどのクラウドプラットフォームに関する深い知識と、それらを活用したシステム設計・構築スキルが求められます。
取得できる資格
IT企業の場合、特定の資格を取得しておくと「資格手当」が支給されるケースが多いです。また、一定のスキルを証明することにも繋がるため、転職の際にも役立ちます。
Microsoft認定資格や、PMP(プロジェクト管理プロフェッショナル)、CISSPやCEHなどの情報セキュリティに関連する資格など、高めたいスキルに合わせて取得する資格を選びましょう。
システムエンジニアが年収をさらにアップさせるコツ
平均年収が高いシステムエンジニアですが、さらに年収をアップさせたい場合、次の3つの方法があります。
- キャリアアップする
- 独立してフリーランスになる
- 転職する
キャリアアップする
自分のスキルを高め、チームリーダーやプロジェクトマネージャーへの昇進を目指すことで、年収アップが見込めます。高度なIT資格(例:AWS認定、Cisco認定)を取得し、他者との差別化を図り、自らの専門性を証明する方法も効果的です。
現在の仕事に直結していないとしても、最新の技術トレンドに適応した新しいプログラミング言語やツールを学ぶことで、市場価値を高める方法もあります。
独立してフリーランスになる
システムエンジニアとして豊富な実績とスキルがある場合、会社に所属せず、フリーランスとして条件の良い案件と関わる方法もあります。時給またはプロジェクトごとの契約となるため、時間や場所に縛られない働き方が可能です。
特定の技術分野に特化し、高い需要を持つフリーランサーとしての地位を確立する方法もあります。収入の不安定さをカバーするためには、複数クライアントとの契約によるリスク分散も重要です。
転職する
IT業界は慢性的な人材不足のため、自分のスキルや経験を活かすことで、転職による年収アップが狙えます。ただし、企業により求める人材や給与形態が異なるため、情報収集が重要です。
求人サイトやダイレクトリクルーティングなどを活用し、企業の求めるスキルや年収レンジを把握しましょう。自身の市場価値を理解したうえで、希望条件に合った企業に応募することが、転職成功の鍵となります。
IT業界の転職ならHUGANのサービス利用がおすすめ
システムエンジニアは、未経験からチャレンジできる「給与水準の高い職業」のひとつです。全年代の平均年収は約684万円のため、全職種の平均よりも高く、転職による年収アップを検討している方にとっては狙い目の職業と言えます。
システムエンジニアへの転職に興味を持った方は、プログラミングが学べるオンラインスクール「NINJA CODE」や、IT系の実績豊富な転職エージェント「HUGAN」への登録・相談がおすすめです。無料相談受付中のため、まずはお気軽にご相談ください。
転職エージェント「HUGAN」を詳しく見てみる”