エンジニアが転職を考える理由は、年収や人間関係、キャリアアップなどさまざまです。しかし、転職面接では必ず転職理由を質問されるため、何と回答すれば良いのかわからないと困っている方もいることでしょう。

本記事ではエンジニアの転職理由6つと転職理由の例、転職理由説明の際に押さえておくべきポイントについて解説します。

エンジニアの転職理由

エンジニアの転職理由は人により異なりますが、主な理由は下記の6つです。

  • より良い条件の会社で仕事をしたいため
  • 現在の業務内容に不満を抱いているため
  • 今後のキャリア形成のため
  • 環境の良い職場で働きたいため
  • ワークライフバランスを改善したいため
  • 自由に働きたいため

それぞれの内容について解説します。

より良い条件の会社で仕事をしたいため

現在の職場の給与や賞与、福利厚生が市場平均に比べて低いと感じる場合、モチベーションが低下し、転職を考えることがあります。自分のスキルや実績に見合う給与や待遇が得られていないと感じる場合、より良い条件の会社を探すのは当然のことです。

キャリアアップの機会が限られている、または得られない場合や、担当するプロジェクトや求められる技術の内容が自分の興味や成長スピードと合わない場合も、転職を検討するきっかけとなるでしょう。

現在の業務内容に不満を抱いているため

「単調な作業が多い」「創造性や技術力を発揮できない」「作業環境が非効率的でストレスが溜まる」など、業務内容に不満がある場合、エンジニアとしての成長が阻害されていると感じる場合があります。

業務内容やプロジェクトの進行、管理方法への不満を上司に訴えても改善されない場合や、最新技術に触れる機会が少なく、業界のトレンドに遅れをとってしまう焦りを感じる場合も、転職を考える理由となるでしょう。

今後のキャリア形成のため

エンジニアとして成長を続けたいと考えるなら、新しい技術に触れたり、新規プロジェクトに関わったりする機会が必要です。しかし、現在の職場にそのような機会がなく、成長が難しい、またはキャリアパスが限られていると感じる場合は、自身のキャリア形成のために転職を検討することも選択肢の一つです。

大規模プロジェクトへの参加や、多様なチーム環境での経験は、リーダーシップ力やマネジメント能力の向上に繋がり、今後のキャリアにおいて大きな強みとなるでしょう。

環境の良い職場で働きたいため

厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果」によると、転職入職者が前職を辞めた理由は次のとおりです。

理由 男性 (%) 女性 (%)
労働時間、休日等の労働条件が悪かった 9.1 10.8
職場の人間関係が好ましくなかった 8.3 10.4

このことから、職場環境に不満を持つ約10人に1人が転職を選択しているとわかります。

過度な残業や厳しい納期の常態化、職場の人間関係やコミュニケーションの問題などは、精神的・肉体的な負担を増大させ、仕事の効率を低下させる要因となります。オフィス環境や福利厚生を含め、より働きやすい環境を求めて転職を選ぶケースは少なくありません。

参照:厚生労働省「令和4年 雇用動向調査結果の概要」

ワークライフバランスを改善したいため

長時間労働の常態化や過度な残業、休日出勤が続くと、心身の疲労が蓄積し、仕事のパフォーマンスが低下します。家族や友人と過ごす時間や、趣味に割く時間が減少し、生活の質低下を懸念する人は、ワークライフバランス改善のために転職を考えることが多いです。

また、エンジニアの中には、「キャリアアップのために、自己研磨の時間を確保したい」と考える人も少なくありません。

自由に働きたいため

リモートワークやフレックス勤務など柔軟な働き方を求める人や、プロジェクトやチームを自分で選べるなど裁量権の大きい環境で働きたいと考える人は、より自由度の高い職場を求めて転職を検討する可能性があります。

また、「自分のクリエイティブなアイデアや技術をもっと自由に試したいが、今の会社の保守的な社風では難しい」と感じている人も、転職によって環境を変えたいと考えるでしょう。

エンジニアが面接で転職理由を説明する際の例文

面接では必ず転職理由を聞かれるため、面接官を納得させる説明を準備しておく必要があります。ここでは、エンジニアが転職理由を説明する際の例文を、次の3つのパターンに分けて紹介します。

  • 条件面
  • キャリア
  • 環境面

条件面が理由で転職する場合

休日出勤が毎月3日ほどあり、代休も取得できない状態が3年以上続いておりました。また納期優先の案件が多く、残業も月に70時間程度発生しています。自己研磨のための勉強時間確保のみならず、家族と過ごす時間の確保も困難な状況です。長期的に就業し、自らのスキルを高めたいと転職を決意いたしました。

現在の勤務条件と問題である点を客観的な数字を含めて伝えます。エンジニアとしてのスキルアップを目指すための時間を確保したいと意欲を伝えることも重要です。

キャリアが理由で転職する場合

私は現在、◯◯として働いておりますが、エンジニア職へのキャリアチェンジを目指しております。オンラインプログラミングスクールで学び「PHP技術者認定試験初級」を取得したうえで、クラウドソーシングを活用し、◯◯や△△の案件を取得し納品いたしました。実績を重ね社内での異動を申し出たところ、前例がなく困難であると却下されたことから、今回、未経験のエンジニアを募集する御社の求人に出会い、応募いたしました。

キャリアを理由にした場合、面接官は「転職以外の方法はなかったのか。自ら努力をしたのか」を確認します。積極的に行動したが、会社の事情で実現できなかったなどのエピソードを伝えることで、説得力を高める方法がおすすめです。

環境面が理由で転職する場合

環境面が転職理由の場合、言葉の言い換えが必要です。そのまま不満を口にしてしまうと、イメージの悪化につながります。下記に言い換え例をまとめました。

言い換え前の内容 言い換え後の内容
人間関係のトラブル チーム内のコミュニケーションが困難なため、オープンなコミュニケーションを取りチームで協力して働きたい
若手の意見が採用されない・年功序列に不満 努力や実績を正当に評価してもらえる環境で力を発揮したい
異動後、通勤時間が長くなった 通勤時間をスキルアップの勉強時間に充てたい
地元密着企業で長期的に働きたい

エンジニアが面接で転職理由を説明する際のポイント

面接で転職理由を説明する際には、面接官に「また転職するのでは」と思われない回答が重要です。ここでは、転職理由作成の際のポイントを紹介します。

  • ポジティブな内容を心がける
  • 志望動機と一貫性があるようにする
  • 企業が求める人材に合わせる

ポジティブな内容を心がける

現在の会社や職場に対する不満・愚痴など、ネガティブな理由は避けます。「新しい技術を学びたい」「御社の大規模なプロジェクトに関わり、いずれはマネージャーとして働きたい」など、前向きな理由を述べましょう。仕事に対する熱意、プロの技術者としての姿勢が重要です。

自分のスキルや経験をさらに活かすためには、今の会社では実現が難しい。だから転職という選択肢を選んだというストーリーであれば、面接官も納得しやすくなります。

志望動機と一貫性があるようにする

転職理由はキャリアアップのため、志望動機はワークライフバランスの実現と福利厚生の充実のように発言に矛盾が生じると、面接官は違和感を感じます。転職理由と志望動機は必ず一貫性を持たせましょう。

転職理由を技術的なスキルアップや自らのキャリアビジョンに基づいたものとした場合、これまでの経験や成長を生かし、応募先企業入社後、どのように貢献できるかを具体的に語ることで、説得力が増します。

企業が求める人材に合わせる

まず、企業の求人情報やホームページなどを確認し、企業が求める人物像の情報収集を行います。ビジョンやミッションを確認し、自分の価値観と一致しているかどうかも確認しておきましょう。

面接では、応募先企業が求めるスキル、経験、人物像や企業文化と、自分自身がいかにマッチしているかを強調することが大事です。企業文化を理解している人は、入社後辞めにくいと思われるため、積極的に共通点をPRしましょう。

自分に合った理由を考え、エンジニアへの転職を成功させよう

エンジニアへの転職理由は、人によって異なります。そのうえで、ネガティブな理由の場合はポジティブな内容に変換する、志望動機と一貫性を持たせるなど、いくつかのポイントを押さえることで、面接官を納得させる転職理由が完成するでしょう。

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