商社は高収入で人気ですが、激務であることなどさまざまな理由で転職を考える人もいます。しかし、商社からの転職は慎重にならなければなりません。

今回は、商社からの転職を考える主な理由と、転職を成功させるためのポイントを解説します。さらに、総合商社・専門商社出身者におすすめの転職先もご紹介します。

商社からの転職を検討する主な3つの理由

商社からの転職を検討する主な理由は次のとおりです。

  • 仕事が激務
  • 専門的なスキルや知識を身につけたい
  • キャリアアップをしたい

仕事が激務

商社は国際的なビジネスに携わることが多いため、海外出張や海外転勤の機会も多く、体力的に厳しい面があります。また、長時間労働や残業が多い傾向があり、ワークライフバランスを維持することが難しいと感じる人もいるでしょう。

さらに、頻繁な接待や厳しいノルマ、上司からのプレッシャーなど精神的な負担を感じる場面も多く、心身ともに疲弊してしまうことも転職を考える理由の一つです。

専門的なスキルや知識を身につけたい

商社の業務だけでは身につけることが難しい、特定分野の専門的なスキルや知識を習得したいという理由から、転職を検討する人もいます。

総合商社はコミュニケーション能力や交渉力など、幅広いビジネススキルを身につけることができますが、特定分野の専門知識を深める機会は限られる傾向にあります。専門性を高めたいと考える人にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。

キャリアアップをしたい

キャリアアップを目指して商社からの転職を検討する人もいます。年功序列や終身雇用制度が根強い日本企業では、一つの企業に留まるだけでは昇進に時間がかかる場合があるからです。

また、希望の部署に配属されない、やりたい仕事に就けないなど、キャリアプランとのミスマッチが生じることもあります。そのため、自分のキャリア目標を実現するために転職を決意するケースも少なくありません。

商社からの転職を成功させるポイント

商社からの転職を成功させるには、以下のポイントをおさえることが大切です。

  • 商社出身者ならではの強みをアピールする
  • 年収にこだわりすぎない
  • 転職エージェントを活用する

商社出身者ならではの強みをアピールする

商社からの転職を成功させるには、商社で培った経験やスキルを最大限にアピールすることが重要です。具体的には、語学力やグローバルな視点、交渉力、マネジメントスキル、タフさなどは、商社での経験を通して培われた強みといえるでしょう。

これらのスキルは業種を問わず評価される「ポータブルスキル」です。転職先でも即戦力として活躍できることをアピールしましょう。

年収にこだわりすぎない

商社からの転職活動を成功させるためには、年収にこだわりすぎないことも重要です。総合商社の年収は日本の平均年収よりも高い傾向にあるため、年収にこだわりすぎると、転職先の選択肢が狭まってしまう可能性があります。

転職をスムーズに進めるためには、事前に転職希望業界の年収水準を把握し、現実的な年収目標を設定しておくことが大切です。

ダイレクトリクルーティングを活用する

商社からの転職なら、ダイレクトリクルーティングがおすすめです。ダイレクトリクルーティングなら、商社出身者のスキルや経験を高く評価する企業と直接つながることができます。

例えば、グローバルな事業展開や高度な交渉スキルを求める外資系企業や、専門性の高い知識を必要とするコンサルティングファームなどから直接オファーが来る可能性があります。

転職活動にかかる時間や手間を大幅に削減できるだけでなく、自身のキャリアプランに合致した企業と出会いやすくなるでしょう。

総合商社からの転職におすすめの転職先

総合商社からの転職におすすめの転職先を4つご紹介します。

  • コンサルティングファーム
  • ベンチャー企業
  • 投資銀行
  • ファンド

コンサルティングファーム

コンサルティングファームは、総合商社出身者から人気の転身先です。総合商社で培った問題解決能力、コミュニケーション能力、論理的思考力といったスキルは、コンサルタントとして大いに活かすことができます。

コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を深く理解し、最適な解決策を提案することです。そのため、高い分析力、論理的思考力に加え、クライアントとの信頼関係を築くコミュニケーション能力、プロジェクトを成功に導くリーダーシップが求められます。これらは、まさに総合商社で日々直面する課題を乗り越える中で磨かれてきたスキルといえるでしょう。

さらに、コンサルティングファームでは、多様な業界・企業のプロジェクトに関わる機会が多く、幅広い知見と経験を積み重ねることができます。自身のキャリアをさらに発展させる絶好の機会となるでしょう。

ベンチャー企業

ベンチャー企業も、総合商社からの転職先として魅力的な選択肢です。総合商社では、競合分析や市場調査などを行う機会が多く、これらの経験はベンチャー企業でも高く評価されます。

ベンチャー企業は意思決定や業務のスピード感が速く、個人の裁量権が大きいことが特徴です。そのため、主体的に行動し、成果を出したいと考えている人に向いています。また、企業の成長を間近で感じながら働くことができるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。

投資銀行

投資銀行も、総合商社からの転職先として人気があります。投資銀行では、高い語学力や金融知識を持つ人材が求められるため、ビジネス英語を習得している総合商社出身者は有利に働くでしょう。

また、財務関連の資料作成や企業評価などの経験があれば、さらに評価を高めることができます。投資銀行は金融のプロとして専門性を高めたい人にとって、魅力的なキャリアパスとなるでしょう。

ファンド

PEファンドも総合商社からの転職先として注目されています。PEファンドは、主に将来性のある未上場企業に投資を行い、企業価値向上を目指します。そのため、総合商社で培ったマネジメント能力や投資に関する知識・経験を活かすことができます。

語学力や営業力、会計知識、財務モデリングスキルなども、ファンドでの業務に役立ちます。これらのスキルや経験をアピールできれば、転職の成功確率が高まるでしょう。

専門商社からの転職におすすめの転職先

専門商社からの転職におすすめの転職先を4つ解説します。

  • 総合商社
  • メーカー
  • 外資系企業
  • 貿易会社

総合商社

総合商社は専門商社よりも幅広い商材を取り扱い、投資事業も行っているため、ビジネスの幅を広げ、スキルアップに繋がる可能性があります。

専門商社で培った特定分野の専門知識やメーカーとの繋がりは、総合商社への転職において大きな強みとなります。ただし、専門商社から総合商社への転職は競争率が高いため、入念な準備が必要です。

メーカー

専門商社からの転職先として、メーカーもおすすめです。専門商社では、取り扱う商品やサービスに対する深い理解が求められます。これらの知識や取引先企業との関係性を活かして、メーカーの営業やマーケティング部門で活躍できる可能性があります。

メーカーでは「販売」の立場になりますが、専門商社で「仕入れ」と「販売」の両方の経験があることは大きな強みとなるでしょう。

外資系企業

外資系企業への転職における最大のメリットは、語学力を活かせる点です。また、特定の分野に特化した外資系企業であれば、専門商社で得た専門知識や経験を活かして、さらにスキルアップを図ることも可能です。

特に、医療機器やITなどの分野では、高いインセンティブ制度を導入している外資系企業も多く、年収アップを目指すこともできるでしょう。

貿易会社

専門商社で輸出入業務に携わっていた経験や海外勤務の経験がある人は、貿易会社への転職もおすすめです。前職での輸出入業務経験や貿易事務としての経験は、即戦力として高く評価されるでしょう。

多くの専門商社では、海外との取引において外国語を使用します。語学力があり、グローバルなビジネス経験があることは、貿易会社への転職において大きなアドバンテージとなります。

商社からの転職の特徴を理解して準備を進めよう

仕事が激務であることや、スキルアップ、キャリアアップを目的として、商社からの転職を考える人は少なくありません。年功序列や終身雇用制度が根強い日本企業では、一つの企業に留まるだけでは、自身のキャリアプランを実現できない場合もあるでしょう。

しかし、やみくもに転職活動を行っても、すぐに希望の転職先が見つかるとは限りません。語学力やグローバルな視点など、商社で培った経験やスキルを効果的にアピールできるように、しっかりと準備することが重要です。

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