「子どもたちの成長に貢献したい」という熱い思いを抱き、教職の道を選んだものの、多忙な日々や待遇面への不安から転職を考える教員は少なくありません。しかし、専門性の高い仕事であるがゆえに、転職への不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、教員からの転職を成功させるための具体的なポイントをご紹介します。転職市場における教員の需要や、強みを活かせるおすすめの職種、そして転職活動における注意点まで、役立つ情報をお届けします。
目次
教員からの転職を考える人は多い
教員からの転職者数は年々増加傾向にあります。
平成21年度間 | 平成24年度間 | 平成27年度間 | 平成30年度間 | |
---|---|---|---|---|
公立小学校 | 1,289人 | 1,318人 | 1,501人 | 1,715人 |
公立中学校 | 1,021人 | 1,019人 | 1,142人 | 1,217人 |
公立高等学校 | 335人 | 445人 | 454人 | 559人 |
参考:文部科学省|令和元年度学校教員統計調査(確定値)の公表について
その背景には、以下のような理由から、教員が疲弊してしまっているという現状があります。
- 部活動の指導や残業が多く、仕事が激務
- 仕事量に給与が見合わない
- 保護者や生徒との関係構築が大変
- プライベートの時間の確保が難しい
近年、教育現場でも働き方改革が進められていますが、依然として教員の負担は大きく、長時間労働や休暇取得の難しさなどが課題として残っています。
このような状況から、教員が転職を考えるケースが増えています。
教員からの転職を成功させるポイント
まず、転職市場における教員の評価について理解しておく必要があります。企業で働いた経験を持つ人に比べて、実践的なビジネススキルや経験が不足しているため、教員は転職市場において必ずしも高い評価を得られるとは限りません。そのため、「教員からの転職は難しい」といわれることもあります。
しかし、教員からの転職が不可能なわけではありません。以下のポイントを意識すれば、転職活動を成功に導くことができるでしょう。
- 将来のキャリアパスを明確にする
- 徹底した自己分析を行う
- 教員の経験を活かせる職種に応募する
- 転職に必要なスキルや資格を取得する
- ダイレクトリクルーティングを活用する
将来のキャリアパスを明確にする
教員が転職活動を始める際には、将来のキャリアパスを明確にすることが重要です。どのような仕事をして、どのようなキャリアを築きたいのかを明確にすることで、転職活動の方向性や目標を設定しやすくなります。
キャリアパスを考える際には、自分のやりたいことや興味に加えて、年齢や経験、そして目指す業界の動向などを考慮することも大切です。
また、転職時の年齢は、転職の難易度や選択肢に影響を与える可能性があるでしょう。特に、未経験の職種への転職は、30代以降はハードルが高くなる傾向があります。したがって、自身の年齢や経験を考慮した現実的なキャリアプランを立てることが重要です。
徹底した自己分析を行う
自分に合った転職先を見つけるためには、徹底的な自己分析を行い、自分の強みやスキル、そして転職したい理由を明確にしましょう。これは転職後のミスマッチを防ぐためにも重要です。
教育業界での仕事にやりがいを感じている人も、異なる業種に転職するケースは少なくありません。本当に転職すべきなのか、それとも教育業界で働き続けるべきなのか、しっかりと自己分析を行い、自分の気持ちを見つめ直すことが大切です。
自己分析によって明らかになった強みやスキルは、具体的な経験やエピソードを交えて伝えることで、より説得力が増します。応募書類や面接での自己PRに積極的に活用しましょう。
教員の経験を活かせる職種に応募する
教員の経験を活かせる職種に応募することも、転職成功の鍵となります。教員の仕事は専門性が高い一方、ビジネス経験やビジネスマナーが不足しているというイメージを持たれる場合があります。そのため、教員としての経験やスキルを活かせる業種や職種を選ぶことで、企業側の懸念を払拭し、採用される可能性を高められます。
転職に必要なスキルや資格を取得する
転職を成功させるためには、希望する業界や職種で求められるスキルや資格を把握し、積極的に習得することが重要です。スキルや資格の習得は、あなたの学習意欲や成長意欲を示すことができ、企業へのアピールポイントにもなります。
また、必要なスキルや資格を事前に習得しておくことで、転職後の業務にもスムーズに適応できるでしょう。近年では、オンラインスクールやウェビナーなどを活用して、スキルや資格を効率的に習得することも可能です。
ダイレクトリクルーティングを活用する
教員の転職にはダイレクトリクルーティングがおすすめです。ダイレクトリクルーティングを使えば、教員の専門知識やスキルを活かせる機会を直接見つけられます。
例えば、教材開発会社が教科に精通した元教員を求めていたり、教育関連のNPOが教育現場の経験者を必要としていたりする場合があります。また、企業の人材育成部門や、教育系のアプリやゲームを作るIT企業が教育のプロフェッショナルを探していることもあるでしょう。
転職の選択肢が広がるうえに、自分に合った転職先を見つけやすくなります。
教員からの転職におすすめの職種
ここからは、教員からの転職におすすめの4つの職種について解説します。
- 地方公務員
- 予備校・塾講師
- 営業職
- 学校の事務職
地方公務員
教員からの転職のしやすさと安定性を考えると、地方公務員は魅力的な選択肢です。公務員採用試験では、過去の職歴よりも人物像や適性が重視される傾向にあり、ビジネス経験が少なくても採用される可能性があります。
また、教員時代に培ったコミュニケーション能力や問題解決能力は、公務員の仕事にも活かせるでしょう。教員と同様に福利厚生が充実しているため、安定した働き方を求める人におすすめです。
ただし、地方公務員になるには、公務員試験に合格する必要があります。試験対策には時間と努力が必要となるため、計画的に準備を進めましょう。
予備校・塾講師
予備校講師や塾講師も、教員からの転職先として人気があります。教員時代に培った授業の進め方や生徒とのコミュニケーションスキルを活かすことができます。
教員としての経験や実績をアピールしやすく、即戦力として採用される可能性も高いでしょう。ただし、予備校や塾によっては、生徒募集や生徒管理、売上管理などの業務も任される場合があります。
営業職
営業職も、教員からの転職先としておすすめです。多くの企業で未経験者向けの研修制度が用意されており、営業経験がなくてもチャレンジしやすい職種です。
大人数の生徒に対する授業やコミュニケーションに慣れているなら、プレゼンテーションスキルや分かりやすく説明する能力を活かして、顧客にアプローチすることができるでしょう。
学校の事務職
学校の事務職は、書類作成やデータ管理など、教員時代に培ったスキルを活かせるため、人気の転職先の一つです。業務内容は、給与計算、設備管理、学生サポートなど、学校や部署によってさまざまですが、教員経験者は、資料作成や記録管理などのスキルを活かして、スムーズに業務に慣れることができるでしょう。
学校の事務職では、WordやExcelなどの基本的なPCスキルが必須となります。即戦力として活躍するためにも、これらのスキルを習得しておくことをおすすめします。
教員から転職をする際の注意点
教員からの転職をする際の注意点は以下の通りです。
- 転職理由をネガティブに伝えない
- 年収が減少する可能性を考えておく
- 無計画に転職活動を始めない
それぞれの注意点について解説します。
転職理由をネガティブに伝えない
教員から転職する際は、たとえネガティブな転職理由であっても、そのまま伝えないことが大切です。例えば、「長時間労働が辛い」「給料が低い」といった不満をストレートに伝えると、企業側にマイナスの印象を与えてしまいます。
ネガティブな転職理由を、ポジティブな表現に言い換えることが重要です。例えば、「ワークライフバランスを重視したい」「スキルアップを目指したい」など、前向きな理由を伝えるようにしましょう。
また、面接では「なぜ教員を辞めて転職したいのか」という質問をされることが多いため、具体的なエピソードや今後のキャリアプランを交えながら、明確に答えられるように準備しておきましょう。
年収が減少する可能性を考えておく
教員の年収は、民間企業や他の業種に比べて高い傾向にあります。そのため、転職によって年収が減少する可能性があることを理解しておきましょう。特に、未経験の業種に転職する場合は、年収が大きく下がることもあります。
収入面を重視する場合は、転職先の業界や職種を慎重に選びましょう。また、収入だけでなく、仕事内容、やりがい、キャリアプランなども考慮し、総合的に判断することが大切です。
無計画に転職活動を始めない
教員は一般的に内定を得てから退職手続きを行う必要があるため、計画的に転職活動を進めることが重要です。例えば、年度末(3月末)に退職を希望する場合、遅くとも前年の11月頃から転職活動を始める必要があります。
教員の仕事は多忙なため、転職活動に十分な時間を割くことが難しい場合もあります。余裕を持って転職活動を行い、必要な準備をしっかりと行いましょう。
教員からの転職を成功させよう
仕事が激務であることや、給与が仕事量に見合わないことなどを理由に、教員から転職を考える人が増えています。
教員は専門性が高い一方で、ビジネススキルが不足しているというイメージを持たれる場合があるため、転職活動においては工夫が必要です。
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