転職を視野に入れ始めた時点で「ハローワークの職業相談を利用すると、怒られるのでは?」「ハローワークには、良いイメージがない」と不安を抱えている方も多いことでしょう。
本記事では、ハローワークで職業相談をするのが不安になる5つの理由と怒られないための対策について解説しています。必要な持ち物や職業相談の流れを理解したうえで、自分の転職活動報方の見直しにもお役立てください。
目次
ハローワークの職業相談をするのが心配になる理由
ハローワークに行って職業相談をする場合に、転職経験がない人や少ない人が抱きやすい不安を、下記に挙げました。
- 職員に冷たくされる・怒られる気がする
- 求職活動の実績づくりが目的だと決めつけられそう
- 紹介された求人は必ず応募しないと怒られそう
- ブラック企業を紹介されそう
- 何を相談したらいいかわからなくて怒られそう
不安・心配を感じる原因と合わせて解説します。
職員に冷たくされる・怒られる気がする
他の求職者から「ハローワーク職員の対応が悪い」と聞いたことがある、過去に訪問した際に冷たい対応をされたといったケースがある方は、ハローワークに対して不安を抱きやすくなります。特に良いエピソードよりも、悪いエピソードのほうが記憶に残りやすいため、尚更です。
2010年に厚生労働省が行なった「ハローワーク利用者への出口調査」では、全体の83.8%が「満足」「まあ満足」との回答結果が出ています。しかし、都道府県により回答の差が大きいことや、利用者から「スタッフによって対応の丁寧さに濃淡がある」との指摘があることから、対応に不満や不安を感じている方が一定数いることは事実です。
ハローワークの相談員に対して接遇研修が行われるなど、改善傾向にあるものの、ハローワークで働く人は正規職員だけではありません。また相談員としてのスキルや経験年数にばらつきがあることも、利用者が不安視する原因のひとつと言えます。
求職活動の実績づくりが目的だと決めつけられそう
まず、求職活動の実績づくりを目的とした相談だとしても、まったく問題はありません。職業相談を行うことで、雇用保険受給資格者証に求職活動実績の証明となるスタンプが押されます。
「本当に仕事を探しているのに、不真面目と思われるのでは」「過去に実績づくりが目的と決め付けられたことがあり、今回も不安」と感じる方もいるかもしれません。しかし、相談員も、求職活動の実績をつくることも目的のひとつだと理解しています。そのため、心配は不要です。
もし、実績づくりが目的のため行きにくいと感じるのであれば、自治体などの公的機関などが行う就職セミナーに参加し、実績をつくっても構いません。自分にとって負担のない方法を選びましょう。
紹介された求人は必ず応募しないと怒られそう
職業相談をすると、相談員から求人を紹介されることがあります。「紹介された求人は、応募が義務。。無理に応募させられる。断ると働く意欲がないとみなされる」などと心配している方もいることでしょう。
しかし、紹介された求人は、企業の提示する条件や働き方を確認したうえで、自分で応募するかどうかを決めることが大事です。断っても問題ありません。ただ、一度応募すると答えた場合は、ハローワークから紹介状が発行されます。断る場合は、紹介状の返却またはハローワークと企業への断りの連絡が必要です。
ブラック企業を紹介されそう
ハローワークが意図的にブラック企業を紹介することはありません。厚生労働省では、法令に違反する内容や労働条件が明示されていない求人票は、ハローワークに受理されないことがあると述べています。
しかし、ハローワークの求人掲載料は、無料です。ブラック企業が紛れ込む可能性は、ゼロとは言えません。また、ハローワーク相談員もブラック企業を見抜けず、そのまま求職者に紹介してしまう可能性があります。
インターネット上の書き込みや口コミにて「ハローワークでは、ブラック企業が紹介される」という話を聞き、不安を感じる方も多いでしょう。
何を相談したらいいかわからなくて怒られそう
ハローワークの職業相談では、求職に関するさまざまな相談ごとに対応してくれます。何を相談しても構いません。「具体的な相談内容が決まっていないと怒られるのでは」といった心配は、不要です。
ただ、漠然とした相談内容の場合、相談員も漠然とした回答しかできません。自分の事前準備が不十分なことに不安を感じるのであれば、あらかじめ相談内容について考えておくと良いでしょう。
下記は、ハローワークの職業相談内容の一例です。相談内容のヒントにしてみてください。
- 自己分析の方法
- 希望条件の整理
- 履歴書・職務経歴書の作成方法やアドバイス
- 求職活動の進め方
- 興味のある求人に対する質問(応募数や未経験でも応募可能かどうかなど)
ハローワークの職業相談で怒られないための4つの対策
ハローワークの職業相談では、よほどのことがなければ、親身になって対応してもらえることが多いです。それを踏まえたうえで「絶対に怒られたくない」「よりハローワークを活用したい」と考える方向けに、下記4つの対策を解説します。
- 仕事の希望条件や自分の経歴を整理してから相談する
- 相談内容をあらかじめ決めておく
- 紹介された求人を断りすぎないようにする
- 実績づくりが目的の場合は迅速に対応する
仕事の希望条件や自分の経歴を整理してから相談する
ハローワークでは、全国の求人の紹介が可能です。しかし、あなた自身が希望する仕事の条件(勤務地、給与、業務内容、福利厚生、休日など)を伝えなければ、相談員は適切な求人を探すことができません。
「良い条件の仕事を探しています」といった漠然とした話では、相談員も困ってしまいます。あらかじめ希望条件を明確にし、過去の職歴やスキルを整理したうえで、簡潔に説明できるよう準備しておきましょう。それから職業相談を申し込むと、より自分に合った求人が見つかりやすくなります。
相談内容をあらかじめ決めておく
まずは、相談の目的を明確にすることが重要です。「キャリアチェンジのアドバイスを受けたい」「未経験でも採用されやすい職種が知りたい」「特定の業界の求人情報を知りたい」など、自分が知りたいことを明確にしましょう。
そのうえで相談時に聞きたいことや疑問点をリストアップしておきます。また、あらかじめ想定される質問に対する回答も、できる限り用意しておきましょう。例えば、未経験でも採用されやすい職種を知りたいのであれば、過去に経験した業種や職種、得たスキルを問われる可能性が高いです。このように適切な準備を行うことで、スムーズに相談が進められます。
紹介された求人を断りすぎないようにする
前述しましたように、紹介された求人を断ると怒られる、断ってはいけないというルールはありません。ただし、100%希望に沿わないとしても、必要に応じて妥協点を見つけるなど柔軟な対応を行うことも大切です。
また紹介された求人を断る場合は、「子育て中のため、残業がある仕事は難しい」など具体的な理由を伝えましょう。理由が明確であれば、相談員も次の職業紹介の際に参考にしてくれます。
失業保険受給中の場合、正当な理由なく紹介を拒むと給付制限などのペナルティが課せられることがあるため注意が必要です。
実績づくりが目的の場合は迅速に対応する
実績づくりが目的の場合、「すぐに相談を終えると印象が悪くなるかも」と気を回してあれこれ質問する必要はありません。数枚の求人票を提出し、応募者数を教えてほしいと述べるなど、簡潔・迅速な相談をすることで、相談員の印象を良くすることが可能です。
全国のハローワークにおける1日の利用者数は、推計17万人です。職業相談の目的が実績づくりだとしても、わざわざ叱責するようなことはありません。正直に実績づくりが目的であること、そして理由を説明することで、相談員側も適切な対応を取ることができます。
ハローワークの職業相談を利用するポイント
ハローワークの職業相談を効率的に利用するためには、あらかじめ必要なものを整理し、忘れものによる時間ロスを防ぐこと、職業相談の流れを理解したうえで活用することの2点が重要です。詳しい内容について、解説します。
必要な物リスト
ハローワークに行く際の持ち物は、利用目的により多少異なりますが、基本的には次のとおりです。
- 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 雇用保険被保険者証
- ハローワーク受付表(ハローワークカード)※2回目以降
- メモ帳と筆記用具
就職相談をする際には、最新の履歴書と職務経歴書の持参をおすすめします。相談員が、あなたの経歴を把握しやすくなり、より目的に沿ったアドバイスが受けられるでしょう。
職業相談の流れ
初めてハローワークに行き、職業相談を希望する場合は、求職申込書を受付窓口に提出します。「ハローワーク受付表(ハローワークカード)」を受け取ることで、ハローワークサービスが利用可能になります。
- 受付で職業相談を申し込む
- 初回面談で相談内容を説明
- 職員から適切な担当者に引き継ぎ
- 担当者に詳細な相談を行う
- 雇用保険受給中の場合「雇用保険受給資格者証」にスタンプをもらう
担当者への職業相談では、履歴書の書き方や面接のポイントなどのアドバイスも受けられます。また、相談後の定期的なフォローアップや追加の相談、新たな求人紹介なども必要に応じて行われます。
転職希望なら転職サービスの併用も検討しよう
ハローワークの職業相談では怒られることはないものの、意に沿わない求人を紹介されたり、適切なアドバイスが受けられなかったりと、求職活動がうまく進まない可能性があります。例えば「未経験でI T企業への転職は無理」と言われたとしても、まずはプログラミングスクール「NINJA CODE」でスキルを身につけてから転職を目指す方法があるように、転職には情報収集も重要です。
ハローワークだけに頼るのではなく、転職サービスを活用し、自分が希望する求人との出会いのチャンスを高めてみませんか。ダイレクトリクルーティングサービス「HUGAN」では、新しい環境、未経験への職種にチャレンジするすべての方が利用できるスカウトサービスの提供をしています。キャリアチェンジを検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせください。