転職活動において、履歴書は第一印象を左右する重要な書類です。履歴書の内容や形式に不備があると、せっかくの応募機会を逃してしまうかもしれません。
本記事では、転職時の履歴書の基本的な書き方から項目別の注意点、提出後に間違いに気づいた場合の対処法まで詳しく解説します。
目次
転職希望の企業から履歴書の指示がないか確認する
転職活動で応募先の企業に履歴書を送る際は、まず企業側から特別な指示がないか確認しましょう。企業によっては、独自のフォーマットや書式を用意していることがあるからです。
指定のフォーマットや注意事項があるのにそれを見落としてしまうと、せっかく書いた履歴書が評価されない可能性があります。企業の指示を守ることは、応募者としての基本的なマナーです。
また、パソコンや手書きなど、書き方にもこだわる企業もなかには存在するので、事前に確認しておきましょう。
転職時の履歴書で気をつけるべきこと
転職時に履歴書を書く際は、以下の点に気をつけましょう。
- 黒のボールペンを使用する
- 空欄を作らないようにする
- 履歴書は使いまわさずに企業ごとに作成する
- ミスしたら修正ペンは使用せずに新しく作成する
- 略称は使わずに正式名称で書く
それぞれ詳しく見ていきます。
黒のボールペンを使用する
履歴書を書く際は、黒のボールペンか万年筆を使うのが基本です。書き直せるからといって、鉛筆やシャープペンシル、消せるボールペンを使うのは避けましょう。
適切なペンの使用により、採用担当者に真摯な姿勢を伝えられます。また、インクのかすれやにじみのないよう、丁寧に書くことも心がけましょう。万が一書き間違えてしまったら、面倒でも最初から書き直すことが大切です。
空欄を作らないようにする
転職の際の履歴書は、空欄を作らないようにしましょう。空欄のない履歴書は、誠意と意欲を採用担当者に伝えられます。
しかし、資格や賞罰など、書くことがない項目もあるでしょう。そのような項目には、「特になし」と記入すれば、単なる記入漏れではないことが伝わります。
また、現在取得中の資格があれば、取得中であることを記入するのも良いでしょう。将来的に役立つ資格を取得しようと努力している姿勢をアピールできます。
履歴書は使いまわさずに企業ごとに作成する
企業ごとに求める人物像は異なるため、履歴書は使いまわさずに企業ごとに作成しましょう。自分の強みを最大限アピールするためには、それぞれの企業が重視するポイントをふまえた履歴書を作成する必要があります。
また、使いまわした日付が古いままの履歴書は、誠意のなさを印象づけてしまいます。事前に企業研究を行い、求められる人物像を把握し、企業に合わせた履歴書を準備しましょう。
ミスしたら修正ペンは使用せずに新しく作成する
履歴書の書き間違いは、修正ペンは使用せずに新しく作成しましょう。履歴書を丁寧に仕上げることで、真面目さを採用担当者へアピールできます。
書き間違いを防ぐには、事前に見本となる履歴書を用意しておくのが効果的です。履歴書の完成度は、採用担当者への好印象につながります。ミスのない履歴書を作成するために、時間をかけて丁寧に取り組むことが大切です。
略称は使わずに正式名称で書く
履歴書を書く際は、略称を使わずに正式名称で記入しましょう。特に、以下の点に注意が必要です。
- 学歴・職歴欄の日付や企業名を「〃」などの記号で省略していないか
- 免許・資格欄は、「英検」ではなく「実用英語技能検定」のように正式名称で記入しているか
略称を使うと、採用担当者が情報を正しく理解できず、経歴や能力を適切に評価できない可能性があります。履歴書での正確な情報伝達のために、正式名称での記載を徹底しましょう。
項目別の転職時の履歴書の書き方
履歴書の書き方を項目別に紹介します。
- 学歴
- 職歴
- 資格・免許
- 志望動機・自己PR
それぞれ詳しく見ていきましょう。
学歴
履歴書の学歴の記入例は下記のとおりです。
2010年4月 | ○○中学校入学 |
2013年3月 | ○○中学校卒業 |
2013年4月 | ○○高等学校入学 |
2016年3月 | ○○高等学校卒業 |
2016年4月 | ○○大学○○学部入学 |
2020年3月 | ○○大学○○学部卒業 |
履歴書の学歴を記入する際は、以下の点に注意しましょう。
- 経歴詐称をしてはならない
- 古い順に書く
- 小学校は省略する
まず、出身大学や職歴の詐称は避けましょう。内定後に発覚した場合、内定取り消しとなる可能性があります。次に、学歴は中学校、高校、大学の古い順に記入します。小学校の記載は必要ありません。
職歴
履歴書の職歴の記入例は下記のとおりです。
2020年4月 | ○○株式会社入社 |
2022年3月 | ○○株式会社退社 |
2022年4月 | △△株式会社入社 |
現在に至る |
履歴書の職歴欄は、古い順に漏れなく記載しましょう。短期間の経歴であっても、正直に記入することが重要です。また、企業側は空白期間に疑問を持つことがあるため、空白期間が生まれた理由を面接で説明できるよう準備しておくことをおすすめします。
ただし、アルバイトは原則記入不要なので、社会人経験として重要なアルバイトのみ記載を検討してください。職歴欄は、キャリアの一貫性や成長をアピールする機会となるので、正確に記入しましょう。
資格・免許
履歴書の資格・免許 の記入例は下記のとおりです。
2018年6月 | 普通自動車第一種運転免許取得 |
2019年3月 | 日商簿記検定2級合格 |
資格・免許欄には、企業で活かせる資格を古い順に記入します。資格名と取得年月、または合格年月を明記しましょう。例えば、「○○免許 取得」や「○○検定 合格」のように書くのが一般的です。
資格・免許は、スキルや知識をアピールする重要な要素です。企業の業務に関連する資格を優先的に記載し、採用担当者にアピールしましょう。
志望動機・自己PR
志望動機では、なぜその企業を志望したのかを明確に書きましょう。企業の理念や事業に共感し、自分の強みを活かせると考えた点を具体的に述べます。
【志望動機の例文】
「私が貴社を志望する理由は、貴社の「○○」という理念に強く共感したからです。私は前職で××の経験を積み、□□のスキルを身につけました。この経験とスキルを活かし、貴社の△△事業に貢献したいと考えています。貴社の一員として、自己成長しながら社会に価値を提供していきたいです。」
一方自己PRでは、自分の強みや経験をアピールしましょう。企業の求める人材像と自分の強みを結びつけ、一貫性のある説明を心がけてください。
【自己PRの例文】
「私の強みは、粘り強く課題に取り組む姿勢です。前職では、新規プロジェクトの立ち上げを任され、困難な状況の中でもチームをまとめ、成功に導きました。この経験を通じて、柔軟な思考力とコミュニケーション力を身につけました。貴社が求める、主体性とチームワーク力を発揮し、新しい価値創造に貢献できると確信しています。」
志望動機と自己PRは、採用担当者があなたの人となりを理解する重要な情報源であるため、正確に記入しましょう。
転職時の履歴書に関するよくある質問
最後に、転職時の履歴書に関するよくある質問を紹介します。
- 新卒時と転職時での履歴書の書き方に違いはある?
- 提出方法は郵送?メール?
- 履歴書を提出後に間違いに気づいたらどうする?
それぞれ詳しく見ていきます。
新卒時と転職時での履歴書の書き方に違いはある?
新卒時と転職時では、履歴書の書き方に違いがあります。新卒の場合は中学卒業から学歴を記載しますが、転職の場合は高校入学からで十分です。職歴については、新卒では不要ですが、転職では学歴の下に一行空けて、すべての職歴を記入します。
転職の際は、これまでのキャリアを採用担当者にアピールすることが重要です。職歴欄では、各職場での役割や成果を具体的に記載しましょう。新卒時とは異なり、社会人としての経験やスキルをしっかりとアピールすることが求められます。
提出方法は郵送?メール?
履歴書の提出方法は、企業の指示に従うのが基本です。指示がない場合は、確認するのが賢明でしょう。
郵送の場合は、A4サイズの履歴書を折らずに封入できる封筒を選びます。「角形2号(角2)」や「角形A4号(角A4)」が適しています。
メールで提出する場合は、履歴書をPDF形式で添付しましょう。件名は「履歴書_氏名」など、内容が一目でわかるようにするのがポイントです。いずれの方法でも、提出期限や宛先に注意が必要です。丁寧に確認し、ミスのないよう心がけましょう。
履歴書を提出後に間違いに気づいたらどうする?
履歴書の提出後に間違いに気づいたら、速やかに応募先企業に電話かメールで連絡し、修正した履歴書を再提出するのが望ましい対応です。
メールなら相手の都合に合わせて確認してもらえますし、やりとりの記録も残ります。電話の場合は、企業の業務に支障をきたさないよう、時間帯に配慮しましょう。
間違いを正直に伝え、訂正した履歴書を郵送するか、面接時に持参するなどして、誠実な対応を心がけることが大切です。自分のミスを素直に認め、丁寧に対処する姿勢は、好印象につながるはずです。
転職時の履歴書は隅々まで丁寧に確認しよう
転職時の履歴書作成には、新卒時とは異なる注意点があります。経歴詐称をせず、学歴・職歴は古い順に漏れなく記載しましょう。資格・免許欄は企業に活かせるものを選び、志望動機・自己PRでは一貫性を持たせることが大切です。
提出方法は企業の指示に従い、郵送の場合は折らずに封入できる封筒を、メールならわかりやすい件名でPDFを送付します。万が一提出後の間違いに気づいたら、速やかに連絡し、誠実に対応することが求められます。
転職活動は手間暇かかるものですが、魅力的な履歴書を作成することは内定獲得に向けた一歩となるでしょう。効率的に情報収集や応募作業を進めたい方は、ぜひHUGANのエージェントサービスを活用してみてください。スキルや経験に合った求人を紹介し、応募書類の添削などもサポートします。