ネットワークエンジニアとは、コンピュータネットワークシステムに関するインフラの構築や保守、管理を行うエンジニアです。安定した需要があり、エンジニア職の中でも高収入に属する職種ですが、仕事内容が理解しにくいために転職を諦める方は少なくありません。
そこで今回は、ネットワークエンジニアの概要と、具体的な仕事内容を解説します。ネットワークエンジニアに向いている人の特徴や欠かせないスキル、転職に有利な資格もご紹介するので参考にしてください。
目次
ネットワークエンジニアとは
そもそもネットワークエンジニアとは、企業や組織のコンピュータネットワークシステムに関するインフラの企画や設計・構築、運用・保守といった管理を担当する専門的なエンジニアのことです。
データ通信とネットワークセキュリティの維持を幅広く担当し、安定した通信を提供できるように社内ネットワークを設計・構築し、トラブルが発生した場合は迅速に修正対応しなければなりません。
システムエンジニアがシステムを構築・管理するのに対し、ネットワークエンジニアはシステムの接続面での環境を構築する役割を担います。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの主な仕事内容は、以下の4つです。
- 要件定義
- 設計
- 構築
- 運用・保守
それぞれ、具体的な仕事内容を解説します。
要件定義
ネットワークエンジニアの仕事は、顧客とのミーティングを通じて必要な機能を特定し、ビジネス要件を技術的な仕様に変換することです。これをネットワークの要件定義といい、ネットワークエンジニアが担うさまざまな仕事の上流工程にあたります。
具体的には、ネットワークシステムを構築する範囲や拡張性、機能、信頼性などの定義と運用のためのバックアップ、トラブルが起きた際の仕様も決定します。
設計
ネットワークシステムの要件定義に沿って、システムを設計するのもネットワークエンジニアの仕事です。具体的には、機器の選定、必要な回線速度の設計、ネットワーク構成の策定、IPアドレスの割り振りなどのインフラ設計、サーバー・クラウド設計までを行います。
設計時は、セキュリティと性能を考慮した設計を行わなければなりません。なお、これらの設計内容は、ネットワーク設計書としてまとめ、ネットワークエンジニアが管理します。
構築
設計書をもとに、スケジュールや手順を計画し、ネットワーク環境を構築するのもネットワークエンジニアの仕事です。実際にハードウェアを設置して、ネットワークを組み立てます。さらに、ソフトウェアのインストールとネットワークの設定も行います。
また、構築後は、ネットワークにかかる負荷やセキュリティチェックなどのテストが必要です。検証結果を顧客に提示し、必要に応じて修正作業を行います。
運用・保守
ネットワーク構築後の運用・保守もネットワークエンジニアが担います。構築したネットワークを監視して、定期的にパフォーマンスを評価し、顧客からの問合せに応じることも業務です。
通信障害に関する問合せがあった場合は、迅速に対応して問題を解決しなければなりません。また、ネットワークシステムだけでなく、関連機器の運用・保守も含まれるため、機器トラブルがあった場合には、交換や設定の変更、ソフトウェア更新なども担当します。
ネットワークエンジニアに向いている人の特徴
ネットワークエンジニアに向いている人の特徴は以下の4つです。
- 自己学習する意欲が高い
- 忍耐力がある
- 時間帯を気にせず作業できる
- コミュニケーション能力がある
自己学習する意欲が高い
自己学習の意欲が高い人はネットワークエンジニアに向いています。なぜなら、ネットワークの関連技術は日々進化しており、インフラを維持するために持続的に新しいネットワーク技術やツールを学ぶ必要があるからです。
主体的に情報をキャッチアップし、業界の変化に応じて知識をアップデートし続ける意欲が求められます。
忍耐力がある
ネットワークエンジニアの業務はきついともいわれ、忍耐力が必要です。ネットワークに関係する機器は多様であり、これらのシステム構築や運用・保守にまつわるトラブルは複雑で解決には時間がかかるからです。
また、プロジェクトの遅延や技術的な障害に対しても冷静に対処し、短時間で解決する必要があります。
時間帯を気にせず作業できる
ネットワークエンジニアには、決まった時間ではなく、日勤・夜勤の交代制でも働ける人が向いています。ネットワークは重要なインフラのひとつであるため、トラブル発生時はいつでも対応しなければいけないからです。
大規模なトラブルが生じた場合は、昼夜問わず呼び出しされて対応しなければなりません。また、機器交換やネットワークの切り替えは、企業の業務に影響しない休日や夜間に行われることも多いため、時間帯を気にせず作業できる人に適しています。
コミュニケーション能力がある
チーム内外の人と効果的にコミュニケーションをとれる力がある人もネットワークエンジニアに向いています。社内でプロジェクトを進行する際は、チームメンバーと連携するためにコミュニケーションをとる必要があるからです。
また、顧客などの非技術者へのヒアリングを通じて課題を理解し、技術的な解決策をわかりやすく説明できる人も適任です。
ネットワークエンジニアに欠かせないスキル
ネットワークエンジニアに欠かせないスキルは、以下の3つです。
- ネットワークに関する知識
- ネットワーク機器に関する知識
- セキュリティに関する知識
それぞれ解説します。
ネットワークに関する知識
ネットワークエンジニアには、LAN、WAN、VPNなど、各種ネットワーク技術に関する深い理解が欠かせません。ネットワークの構築や設計では、その見識が求められるからです。そのため、ネットワークプロトコルや通信規格に精通していることが求められます。
近年は、サーバーのクラウド化が増えてきているため、ネットワークを仮想化するための知見も必要です。
ネットワーク機器に関する知識
ネットワークエンジニアはさまざまな機器の設定・接続を行うため、ネットワーク機器について詳しくなければいけません。さらに、実際に機器を設定・接続するための作業についてのノウハウや技術も求められます。
具体的には、OSや機器に関する最新情報や操作方法、業界のトレンドを押さえておくと業務に役立ちます。
セキュリティに関する知識
ネットワークを利用する上で重要なのがセキュリティ対策です。近年、サイバー攻撃など外部からの侵入リスクや情報漏洩リスクが高まっているため、ネットワークエンジニアにはセキュリティに関する知識が必須です。
IPSやファイアウォールなどの知見や不正アクセスを防ぐための新しい情報を更新し続け、システムの設計や構築、セキュリティ対策に活用する必要があります。
ネットワークエンジニアに有利な資格
ネットワークエンジニアへの就職や転職を考えている場合は、以下の4つの資格を持っていると有利です。
- 基本情報技術者試験
- CCNA/CCNP
- 情報処理安全確保支援士
- ネットワークスペシャリスト試験
ここからは、各資格の詳細を解説します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITの基本的な知識全般を網羅する国家資格で、プログラミング能力も問われます。ITパスポートに続くIT業界の登竜門としての資格であり、初級から中級レベルの技術者向けです。
ソフトウェア開発やシステム設計、ネットワークの基礎知識を身につけていることを証明できます。
CCNA/CCNP
CCNA/CCNPは、Ciscoの製品に特化した認定資格です。シスコシステムズ合同会社が実施しており、レベル順にCCST、CCNA、CCNP、CCIEのグレードに分かれています。
このうち、ネットワークエンジニアに関連するのが、CCNA/CCNPで、CCNAはネットワークの設置、設定、トラブルシューティングの能力を、CCNPはより高度なネットワーク解決策の知識を証明できます。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する専門知識を有することを証明する資格です。セキュリティに関するマネジメントやインシデントの管理など、ネットワークエンジニアの業務に必須の知識や法令、セキュリティポリシーの設計、実装への深い理解が問われます。
セキュリティや情報管理に精通していることをアピールできるため、転職でも有利に活用できます。
ネットワークスペシャリスト試験
高度なネットワーク構築と管理スキルを持つことを証明する資格。
大規模なネットワークシステムの設計や運用能力を評価する。
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークの設計や構築、運用といった高度な知識と管理スキル、トラブルシューティングに関する知識を証明する国家資格です。IPAが実施する試験の中でも高度な知識が問われ、ネットワークの専門家であることを証明可能です。
試験では、システム基盤の企画、要件定義、開発、保守の他、大規模なネットワークシステムの設計や運用能力が評価されます。
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ネットワークエンジニアは、企業や組織の情報ネットワークを構築、運用する重要な職種です。業務には情報ネットワークシステムや通信に関する高度な知識が求められ、トラブル発生時には迅速に対応しなければなりません。そのため、自己学習する意欲が高い人や忍耐力がある人に向いています。
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