SES(システムエンジニアリングサービス)営業とは、システムエンジニアを必要とする顧客企業に対して、スキルを有するエンジニアを派遣するための営業活動を行う職種です。SESビジネスで大きな役割を果たすSESですが、仕事がキツいという意見もあります。
そこで今回は、SES営業の概要や主な仕事内容、キツいといわれる理由を解説します。SES営業に求められるスキルもご紹介しますので、SES営業への転職をご検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
SES営業とは?
SES(システムエンジニアリングサービス)営業とは、顧客のプロジェクトに必要なエンジニアを派遣するための営業活動を行う職種です。一般的なエンジニア派遣ビジネスでは派遣契約が結ばれ派遣先企業が指揮命令権を持つのに対して、SESでは、準委任契約が締結され、指揮命令権はSES企業に残ります。
多くの企業でDX化が進められる中、課題となっているのがIT業界や企業内におけるIT人材の不足です。SES営業は、このような顧客企業に対して、希望やニーズ、課題をヒアリングしたうえで、条件に合うエンジニアを提供して、プロジェクトの円滑な進行を支援する役割を担います。
SES営業は企業の状況に応じて最適な人材を選定、紹介する営業職であるため、やりがいがある仕事としても評価されています。
SES営業の主な仕事内容
SES営業の主な仕事内容は、以下の4つです。
- 新規取引先とのアポイントメント
- 商談・契約を行う
- エンジニアの確保・紹介をする
- フォローアップを行う
ここでは、具体的な仕事内容を解説します。
新規取引先とのアポイントメント
SES営業の仕事の一つが新規取引先の開拓とアポイントメントの取得です。エンジニアを必要としている潜在的な顧客にアプローチして、面談やプレゼンテーションの機会を設けます。
アポイントを取り付けるには、確度の高い企業をリストアップし、優先的にアプローチすることが大切です。なお、アプローチには、テレアポやメール、ビジネスマッチングサービスが活用できます。初めて接する取引先との関係構築を目指して信頼関係を築くための第一歩を踏み出すのが重要です。
商談・契約を行う
アポイントが取れれば、商談に移ります。顧客との商談を通じて、具体的なニーズや課題を把握し、最適な提案を行うことが求められます。
- 具体的には、以下の内容をヒアリングしましょう。
- 顧客候補の抱えている課題
- エンジニアの紹介によって達成したい目的
- 現状のシステム環境
- 用いる言語
- 求めているエンジニアの数や条件、人物像
- スケジュール
- 予算
契約条件や料金の交渉を行い、合意に至った内容を正式な契約書にまとめます。
エンジニアの確保・紹介をする
顧客からヒアリングした内容をもとに、その要望に合うスキルセットを持つエンジニアを確保します。自社に最適な人材がいない場合は提携しているSES企業などを活用して、社外からエンジニアを確保することもあります。
希望通りのエンジニアが見つかれば、顧客企業を引き合わせて、プロジェクトに適した人材を紹介することもSES営業の仕事です。3者で面談や条件の交渉を行い、合意が取れればエンジニアが顧客企業で働くことが決定します。
フォローアップを行う
エンジニアが派遣された後に、エンジニアと顧客企業のフォローアップを行うのもSES営業の仕事です。
エンジニアには、常駐先での悩みなどを確認し、顧客企業には、エンジニアの働き具合や満足度、トラブルの有無などを定期的に確認します。万が一、トラブルが起きた場合は、速やかに原因を探り、解決を図ります。
顧客企業がプロジェクト遂行によって目的を達成できるよう、エンジニアが業務に集中できる環境を整備するのも大切です。
SES営業がキツいと言われる理由とは?
SES営業の仕事は上記の通りですが、一部では仕事がキツいと言われることがあります。その主な理由は以下の2つです。
- トラブル対応をしなければいけない
- ITに関する知識を深めていく必要がある
トラブル対応をしなければいけない
エンジニアの派遣に関してトラブルが生じた場合、その担当であるSES営業は問題解決に向けて速やかに対応しなければなりません。
具体的にはエンジニアにまつわる以下のようなトラブルが多く起こっています。
- 勤怠不良(欠勤・遅刻など)
- スキル不足
- 業務態度
エンジニアに対して指揮命令権を持つのは、SES企業です。そのため、エンジニアと顧客企業のプロジェクト担当者との間にトラブルが生じた場合には、SES営業が調整を行う必要があり、双方の満足度を維持するためのストレスがかかってしまいます。
ITに関する知識を深めていく必要がある
SES営業に求められるのは、エンジニアとしての職務ではなくエンジニアという商材を扱うことです。しかし、潜在顧客の課題を引き出して解決するには、技術的なニーズを理解し、適切なエンジニアを紹介するためのITに関する深い知識が必要です。
そのため、SES営業には、常に最新の技術動向やトレンドをキャッチアップする努力が求められます。IT関連の動向は他の業界よりも変化が激しいために、アップデートにも労力がかかるのが、キツいと言われる理由です。
SES営業に必要なスキル6選
SES営業に必要なスキルは、以下の6つです。
- コミュニケーション能力
- 情報収集スキル
- プレゼンスキル
- 学習能力
- 精神的な強さ
- IT業界への興味・関心の高さ
それぞれ解説します。
コミュニケーション能力
SES営業に必須と言えるのがコミュニケーションスキルです。なぜなら、顧客やエンジニア、提携先のSES企業担当者などとの円滑なコミュニケーションが、信頼関係を築く上で重要だからです。
具体的には、以下のシーンでコミュニケーション能力が役立ちます。
- 新規開拓営業でのアポイントメント
- 商談時のヒアリング、プレゼンテーション
- トラブルが生じた際のヒアリング
各々のシーンで、関係者と対話し、明確で効果的な伝え方ができることが求められます。
情報収集スキル
顧客企業のニーズや市場動向を正確に把握するための情報収集能力もSES営業には必要です。例えば、プロジェクトの概要理解はもちろん、最適なエンジニアを選定する際に求められるスキルセットや条件を把握するために、最新情報を収集することがあげられます。
IT業界の技術は日々アップデートされており、トレンドも常に変動しています。SES営業にはそのような変化の中で効率的に必要な情報を収集し、分析するスキルが求められるでしょう。
プレゼンスキル
SES営業には、提案内容や契約条件を顧客企業にわかりやすく説明し、相手を納得させるプレゼンテーション能力も不可欠です。顧客企業の担当者がエンジニア派遣の有用性を理解できるように具体的にサービスを説明し、商談成立に導く必要があるからです。
プレゼンスキルを上げるには、必要な時に効果的なプレゼンテーションが行えるように、日々、自分の考えを整理する習慣をつけておくと良いでしょう。また、アウトプットとして提案を魅力的に伝える技術も求められます。
学習能力
日々アップデートを続けるIT技術や業界動向の変化に対応するには、継続的な学習が必要です。求められるエンジニアのスキルが高い場合には、その内容を理解できるようSES営業の担当自身も学習しなければなりません。
自ら積極的に学習する姿勢を持ち、新しい知識を迅速に習得して実務に応用する能力もSES営業に求められます。
精神的な強さ
SES営業には精神的な強さを持ち合わせていることも重要です。なぜなら、職業柄、トラブル対応やプレッシャーの多い環境で働くことになるので、ストレス耐性が求められるからです。
たとえ困難な状況であったとしても、冷静に対処して前向きに取り組める精神的な強さがある人はSES営業に向いているといえるでしょう。
IT業界への興味・関心の高さ
IT業界の最新動向や技術に対する強い興味や関心は、SES営業としてのモチベーションの維持に役立ちます。なぜなら、IT関連の知識は業務に不可欠であり、普段から勉強しておくことで日々の仕事に対するハードルが低くなるからです。
好奇心が旺盛で、新しいIT技術やトレンドを楽しんで学ぶ姿勢が求められます。
SES営業は特殊!初めてならHUGANを活用しよう
SES営業は、エンジニアを必要としている顧客企業に対してプロジェクト遂行に必要なエンジニアを派遣するための営業活動を行う職種です。
SES営業の主な仕事は、新規取引先とのアポイントメント取得や商談、エンジニアの確保、フォローアップなど多岐にわたります。場合によっては、派遣されたエンジニアと顧客企業とのトラブル解決を図る必要があり、業務にはIT知識が不可欠であるため、仕事がキツいといわれるケースが少なくありません。しかし、ITに対する興味関心を持ち、常に学習を続けられる人にとってはやりがいを感じられる仕事です。
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