アプリケーションエンジニアの仕事は、スマホやパソコンなどで使用するアプリを開発・運用することです。クライアントのニーズを理解し、システムに反映させるため、やりがいも感じやすいでしょう。

本記事ではアプリケーションエンジニアの仕事内容や、主に関わるアプリ、取得すると就職・転職に有利になる資格について紹介します。未経験からアプリケーションエンジニアへの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

アプリケーションエンジニアとは?

アプリケーションエンジニアとは、ソフトウェアアプリケーションの開発、保守、運用を担当する技術者です。大きくシステム系アプリ、Webアプリ、スマホアプリの3種類に分かれます。

デジタル化が進む現代社会において、効率的で使いやすいソフトウェアは、ビジネスの成功に必要不可欠な存在です。アプリケーションエンジニアはユーザーの要件を理解し、システム反映のための設計・開発を行う重要な役割を担っています。ソフトウェアの品質確保と、企業の競争力を左右する重要な立ち位置と言えるでしょう。

アプリケーションエンジニアの仕事内容

アプリケーションエンジニアの仕事内容は、システムの要件定義や動作テストなど、主に下記の4種類に分けられます。

  • システムの要件定義・企画・設計
  • プログラミング
  • 動作テスト
  • アプリの運用・保守

各内容について、わかりやすく解説します。

システムの要件定義・企画・設計

クライアントやユーザーとのヒアリングを通じて、ニーズを理解し、システムの必要要件を明確にします。ターゲットユーザーを明確にしたうえで、具体的に必要な機能認識のすり合わせを行い、ユーザーインターフェースの設計、性能要件の定義を進める流れです。

さらに決まった要件定義をもとに、システムの構造や機能を計画し、設計図を作成します。実作業には、アーキテクチャの選定、データベース設計、ユーザーインターフェースのプロトタイプ作成なども含まれます。

プログラミング

決定した要件定義や設計に基づき、実際のプログラムコードを書くことも重要な仕事です。使用する言語は、Java、C++、Pythonなど多岐に渡り、業務系、スマホ系、Web系などプロジェクトに応じた言語を使用します。

フロントエンジニアとバックエンドエンジニアに分かれ、機能実装に努めます。また、開発を効率化するための各種ツールやフレームワーク(例: Git、Jenkins、Spring Framework)を利用するケースが多いです。

動作テスト

プログラミングを書き終えたら、各プログラムの機能が正しく動作するかを確認します。設計書通りにアプリケーションが動くかどうかや要件定義の実現に問題がないかなど、チェック内容は多岐に渡ります。

主な目的は、バグの発見と修正です。システム全体が正しく連携するかどうかを確認するため、本番環境と類似した環境での動作確認も行います。個別のプログラムで問題がなくても複数プログラムが組み合わさることによる不具合が発生する可能性を踏まえたテストです。

アプリの運用・保守

アプリケーションがリリースされたあとの運用業務には、システムの監視、パフォーマンスの最適化、ユーザーサポートなどが含まれます。保守業務とは、アプリケーションに発生した問題の修正や、新しい機能の追加、既存機能の改善です。

開発したからといって終わりではありません。アプリケーションによっては、数年から10数年使用されるケースもあります。定期的なアップデートやセキュリティパッチの適用などのケアも、アプリケーションエンジニアにとって大切な業務です。

アプリケーションエンジニアが関わるアプリは主に3種類

「アプリケーション」とは、「アプリケーションソフトウェア」の略語です。日常では「アプリ」と呼ぶことが増えています。アプリケーションエンジニアが関わるアプリは、主に下記の3種類です。

  • Webアプリケーション
  • スマートフォン向けアプリケーション
  • 業務系アプリケーション

個々のアプリの内容について解説します。

Webアプリケーション

インターネットを通じて、プラウザ上で利用されるアプリケーションです。ユーザーがインストールする必要はありません。InstagramやFacebook、XなどのSNSや楽天市場、Yahoo!ショッピング、AmazonなどのECサイトもWebアプリケーションの一種です。また、Yahoo!メールやGmailなどのメールサービスなどもWebアプリケーションに含まれます。

UI/UXを主に担当するフロントエンドでは、HTML、CSS、JavaScript、React、Angular、サーバー側の設定を担当するバックエンドでは、Node.js、Django、Ruby on Railsなど、使用するプログラム言語も異なります。

スマートフォン向けアプリケーション

iOS、Androidデバイスで動作するアプリケーションです。スマホやタブレットにインストールして使用します。iOSアプリはSwift、AndroidアプリはJava、Kotlinと、それぞれ言語が異なる点に注意しましょう。

2024年時点の携帯電話所有者のスマホ普及率は94%であり、スマホアプリのニーズは、今後も高まると推測されます。モバイル端末の特性(タッチ操作、GPS、カメラなど)を活かした開発は必須です。またAR/VR、AI、生体認証など新しいテクノロジーを活用したアプリ開発が増加傾向にあり、なかでも開発プロセスへのAI統合は注目のトレンドの一つと言えます。

業務系アプリケーション

企業内での使用を目的とした業務支援アプリケーションです。効率的な業務遂行やデータ管理、情報共有のためのツール、勤怠管理のシステム化などが挙げられます。

株式会社木村鋳造所では、AI型チャットボットの導入により、社内問い合わせ数の削減、株式会社明治では経理業務のデジタル化による完全ペーパーレスの実現と、年間約2,000時間を超えるファイリング作業を削減しました。業務系アプリケーションの導入により多くの企業が業務効率化を実現しています。

アプリケーションエンジニアに欠かせない資格

アプリケーションエンジニアとして働くうえで、重視されるのは実務経験やスキルです。資格は必須ではありません。しかし、未経験からの転職や、自らのスキルを客観視するための勉強といった点では、資格取得は必要です。下記に資格一例をまとめました。

  • 基本情報技術者認定
  • アプリケーション技術者試験
  • C言語プログラミング能力認定試験
  • Javaプログラミング能力認定試験
  • システムアーキテクト試験
  • プロジェクトマネージャ試験

各資格について、わかりやすく解説します。

基本情報技術者認定

IPA(情報処理推進機構)が主催するIT業界の基本的な知識を証明する資格です。エントリーレベルの技術者にとって、最初に学ぶべき資格といえます。令和5年度の合格率は47.1%、令和6年8月の合格率は44.0%です。試験内容は幅広く、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系に加え、基本的なアルゴリズムやデータベース、ネットワークの知識も問われます。

アプリケーション技術者試験

Android端末専用アプリケーションの設計・開発に関する高度な知識を問う試験です。基本的な知識が問われる「ベーシック」と、高度な知識が必要な「プロフェッショナル」に分かれています。

実際のプロジェクト経験を活用し、問題解決能力や設計能力をアピールすることが求められる試験です。未経験者が受験する場合は、模擬試験を通じて実戦力を養う必要があります。

C言語プログラミング能力認定試験

サーティファイ主催のC言語の基礎から応用までの知識を問う試験です。レベル設定が3段階に分かれており、初心者から実務経験者まで自分に合ったレベルが受験できます。プログラムの構造やアルゴリズム、デバッグ能力が評価されます。

資格取得は、技術力の証明です。システムプログラミングや組み込みシステムの開発に携わる機会が増えるなど、転職にも有利に働くでしょう。

Javaプログラミング能力認定試験

サーティファイ主催のJavaプログラミングに関する基礎知識を問う試験です。Javaは多くの企業で採用されているプログラミング言語のため、幅広い業界で重宝されるでしょう。試験では、基礎的な文法からオブジェクト指向プログラミング、フレームワークの使用方法まで幅広く問われるため、勉強を通して実用的なスキルが身につく点も特徴のひとつです。

システムアーキテクト試験

IPA(情報処理推進機構)が主催する、システム全体の設計やアーキテクチャに関する知識を問う試験です。基本情報技術者試験の上位資格であり、大規模システムの設計・開発に携わる技術者向けといえます。試験では設計能力だけでなく、プロジェクトマネジメントスキルが求められます。

令和5年度春期のシステムアーキテクト試験合格率は、15.8%です。難易度は高いものの、資格取得によりシステム設計者や技術リーダーとしてのキャリアが広がります。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクト管理に関する高度な知識とスキルを問う国家試験です。試験内容では、プロジェクトの計画、実行、監視、終了の全プロセスに精通しているかどうかが問われます。資格取得により、現場を統括するマネジメント能力を持ち、プロジェクトの効率的な運営が可能であることが証明できます。また、リーダーシップを発揮する能力が認められるでしょう。

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アプリケーションエンジニアは、ソフトウェアアプリケーションの開発、保守、運用を担当する技術者です。Webアプリ、スマホアプリ、業務系アプリと関わるアプリの種類も多く、将来性の高い仕事といえます。

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