企業のDX化が進む昨今、IT人材の不足が課題となっており、特にエンジニアのニーズが高まっています。実際に、経済産業省が実施した「IT人材需給に関する調査」によれば、2030年には最大で79万人のIT人材が不足する可能性があるとされています。

一方で、「未経験でのエンジニア転職は失敗することもある」との話を聞いて、転職を悩まれている方もいるのではないでしょうか。そこで今回はエンジニアが転職に失敗する4つの原因を解説し、失敗するエンジニアの特徴や失敗しないためのポイントも紹介します。

目次

エンジニアが転職に失敗する原因

エンジニア転職を成功させるには、なぜ転職に失敗するのかの原因を理解しておくことが大切です。ここでは、以下の4つの原因を解説します。

  • 将来のビジョンが明確でない
  • スキルや知識が周囲に追いついていない
  • エンジニアの働き方や開発への理解が不足している
  • 業界に対する情報が不足している

将来のビジョンが明確でない

転職活動において、将来のビジョンはキャリアパスを築くための羅針盤です。ビジョンが曖昧なまま転職すると、自身のスキルや経験を活かせない仕事に就いてしまい、転職を後悔する可能性があります。

「Webアプリケーション開発を極めたい」「AI分野で活躍したい」「マネジメントスキルを身につけたい」など具体的な目標があれば、それに合った企業やポジションを選ぶことができます。ビジョンを明確にすることで、企業とのミスマッチを防ぎ、長期的なキャリア形成に繋げられるでしょう。

スキルや知識が周囲に追いついていない

IT業界は技術の進歩が非常に速く、常に新しい知識やスキルを習得することが求められます。自身のスキルや知識が現在の市場価値に見合っていないと、転職活動で苦戦する可能性があります。

例えば、古い技術スタックしか経験がない場合、最新の開発環境に対応できない可能性があります。また、特定のプログラミング言語しか扱えない場合、幅広いプロジェクトに対応できない可能性もあります。日頃から新しい技術や知識を積極的に学び、自身の市場価値を高めていくことが重要です。

エンジニアの働き方や開発への理解が不足している

エンジニアの仕事は、個人で完結するものではなく、チームで協力してプロジェクトを進めることがほとんどです。コミュニケーションや協調性、チームワークに関する能力が不足していると、転職後に苦労する可能性があります。

また、エンジニアの働き方は企業やプロジェクトによって様々です。リモートワークを導入している企業もあれば、アジャイル開発などの特定の手法を採用している企業もあります。事前に企業の働き方を理解し、自分に合った環境を選ぶことが重要です。

業界に対する情報が不足している

IT業界は多種多様な企業が存在し、それぞれが異なる技術やサービスを提供しています。業界全体の動向や各企業の強み・弱みを把握していないと、自分に合った企業を選ぶことが難しくなります。

例えば、Web系企業とSIerでは、求められるスキルや働き方が大きく異なります。また、スタートアップ企業と大手企業では、企業文化や成長スピードが異なるでしょう。

事前に業界研究や企業研究をしっかり行い、自分の希望に合った企業を選ぶことが大切です。

転職に失敗するエンジニアの特徴

転職失敗を回避するためには、「どのようなエンジニアが転職に失敗するのか」を把握しておくことが大切です。ここでは、転職に失敗するエンジニアの特徴を4つ紹介します。

  • エンジニアとしての市場価値を客観的に把握していない
  • 継続的な学習意欲と自己成長への意欲を示せない
  • 事前に企業が求めるスキルや経験を把握していない
  • 常に最新技術をキャッチアップしていない

エンジニアとしての市場価値を客観的に把握していない

エンジニアの市場価値は、スキルや経験、実績によって大きく異なります。自身の市場価値を過大評価していると、高望みな条件を提示してしまい、転職活動が長期化する可能性があります。

一方、市場価値を過小評価していると、本来なら得られるはずの待遇よりも低い条件で妥協してしまう可能性もあります。客観的な視点で自身の市場価値を把握し、適切な企業を選ぶことが重要です。

継続的な学習意欲と自己成長への意欲を示せない

IT業界では、常に新しい技術や知識を学び続ける姿勢が求められます。しかし、現状に満足し、学習意欲や自己成長への意欲が低いと、企業からの評価は低くなってしまいます。

転職活動では、これまでの学習経験や今後どのようなスキルを習得したいかなどを積極的にアピールすることが重要です。また、面接では、技術的な質問に対して、自分の言葉で分かりやすく説明できる能力も求められます。

事前に企業が求めるスキルや経験を把握していない

企業によって、エンジニアに求めるスキルや経験は異なります。事前に企業が求める要件を把握していないと、転職後に苦労する可能性があります。

例えば、Webアプリケーション開発の経験しかないのに、組み込みシステム開発の求人に応募しても、採用される可能性は低いでしょう。企業の求める要件と自身のスキルや経験を照らし合わせ、適切な企業を選ぶことが重要です。

常に最新技術をキャッチアップしていない

受動的な姿勢でスキルアップを怠っていると、市場価値が低下し、転職活動で不利になる可能性があります。日頃から新しい技術や知識を積極的に学び、自身のスキルセットを常にアップデートしていくことが重要です。

また、GitHubなどのプラットフォームで自身の成果物を公開したり、技術ブログを書いたりすることで、企業へのアピールにもつながります。

エンジニアが転職で失敗しないためのポイント

エンジニアが転職で失敗しないために、以下の4つのポイントをおさえましょう。

  • 明確なキャリアプランを立てる
  • 入念に企業研究を行う
  • 求められるスキルや知識をあらかじめ身につけておく
  • ダイレクトリクルーティングを活用する

明確なキャリアプランを立てる

転職で失敗しないために、どのような仕事をしたいのか、どの業界、職種で活躍したいのかを明確にしてキャリアプランを立てましょう。キャリアプランは長期的に立て、将来的にどのようなポジションに就きたいのかを具体的に描いて、実現のためのステップを長期、中期、短期に分けて設定し、実践することが大切です。

ただし、エンジニアを取り巻く環境は日々変化します。キャリアプランは定期的に見直して、業界の変化や自分の興味の変化に合わせて柔軟に対応してください。

入念に企業研究を行う

しっかりと企業分析して、転職先について理解することも転職で失敗しないためのコツです。企業の公式Webサイトや財務報告書、プレスリリースから一次情報を収集してください。また、労働者側から見た企業の印象を知りたい場合は、転職者向けの口コミサイトやSNSで現職、または元従業員の評判や口コミが参考になります。

企業分析を転職に役立てるには、志望企業だけでなく、競合他社や業界全体の動向を調査することも重要です。分析した企業の中から、自分のキャリアプランに最適な企業を選定してください。

求められるスキルや知識をあらかじめ身につけておく

転職先や業界で求められるプログラミング言語やフレームワーク、ツール、開発手法などのスキルや知識を事前に身につけておくと、よりスムーズに仕事に馴染めます。最新の技術トレンドや業界動向を把握して、それらに関連する資格や認定を取得するのも良いでしょう。

転職前にオンラインコースやセミナー、ハンズオンのプロジェクトを通じて実務経験を積み、具体的な成果をポートフォリオに記載すると、採用担当者へのアピールになります。副業のマッチングサービスで案件を獲得した実績も、実務的なスキルを保持していることを伝えられるため、評価につながるでしょう。

ダイレクトリクルーティングを活用する

エンジニアが転職に失敗しないためには、ダイレクトリクルーティングを活用するのがおすすめです。

ダイレクトリクルーティングは企業が直接エンジニアにアプローチするため、企業の詳しい情報や社風、具体的な仕事内容を直接確認できます。また、企業側もスキルや経験を事前に把握したうえでオファーを送ってくるため、ミスマッチが少なく、スムーズな転職活動が期待できます。

さらに、IT業界に特化したダイレクトリクルーティングでは、IT業界の最新動向や企業のニーズを熟知した担当者がアドバイスもしてくれることもあります。

失敗を恐れずに理想のキャリアを築こう

エンジニアの転職が失敗する原因は、将来に対するビジョンや実務的なスキルの欠如があげられます。また、エンジニア特有の働き方や業界、企業への理解が不足する場合も失敗しやすくなります。

転職活動を成功につなげるには、明確なキャリアプランを立てたうえで、企業分析を行い、求められるスキルや知識の習得に励むことが大切です。

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