休職中の転職活動については「実際に可能?」「リスクはある?」など、気になっている方がいることでしょう。結論は「法的には問題ない」です。十分な時間が取れる休職中は、転職活動のチャンスタイムと言える一方、トラブルが発生する可能性があります。
本記事では、休職中の転職活動を成功させるためにトラブル例や成功させるポイント、面接での伝え方について解説します。
目次
休職中に転職活動してもよい?
休職中の転職活動・就職活動を禁止する法律はないため、法律上、転職活動は可能です。しかし、会社によっては、就業規則などで「休職中の転職活動禁止」と定められている可能性があります。法的な問題がないとしても、罰則が適用されるリスクがあり、事前の確認が必要です。
また、休職とは、ケガや病気、家族の看病など従業員の個人的事情により、雇用契約を維持したまま、労働を免除されている状態をいいます。本来は、ケガや病気の完治、労働できない理由の解消に向けて過ごすための時間であり、リスクやトラブルを理解したうえで、今、求職活動を行うかどうかを判断することをおすすめします。
休職中の転職活動で起こりうるトラブル
休職中の転職活動はトラブルとなる可能性があります。下記は、起こりうる4つのトラブル例です。
- 職場の人に知られてしまうリスクがある
- 会社から良く思われない可能性がある
- 体調が悪化する
- 解雇される
各内容について説明します。
職場の人に知られてしまうリスクがある
「転職活動は、バレないように進めるから大丈夫」と思っていても、スーツ姿で面接に出かける姿を職場の人や取引先の人に見られたり、プライベートのSNSに投稿した内容から「休職中のはずなのに転職活動中?」と疑われたりする可能性があります。
職場で噂になれば、復職したあとに居心地の悪さを感じるかもしれません。特に転職エージェントの利用時に自分のプロフィールを登録する場合は、現在の勤め先や取引先などの関係者から表示されない設定をしたり、身元がわからないように配慮したりといった工夫が必要です。
会社から良く思われない可能性がある
前述したように、会社が休職中の転職活動を禁止している場合、活動が発覚した時点でトラブルに発展したり、罰則が生じたりする可能性が高いです。また、就業規則などに明確な記載がない場合も、会社側の心象は決して良くありません。
「休職の理由自体も嘘なのでは」「本来であれば、退職後に転職活動すべき」「復職してほしくない」といった思いを抱く上司や同僚もいることでしょう。仮に転職活動がうまくいかず、復職することになったとしても、コミュニケーションがとりにくくなったり、根掘り葉掘り転職活動について聞かれたりと居心地の悪さを感じる可能性が高いです。
「会社や同僚からどう思われてもいい」と、覚悟を決めている場合は別ですが、軽い気持ちで休職中に転職活動を行うと、後悔する結果になることも想定しておきましょう。
体調が悪化する
病気を理由とした休職の場合、少し体調が良くなってきたからとすぐに転職活動を始めると、転職活動のストレスやプレッシャーから、体調が悪化するリスクがあります。そもそも転職活動は、求人探しや選択、自己分析、履歴書・職務経歴書の作成、面接の準備など、やるべきことが多く、健康な人であっても疲労を感じるものです。
特に書類審査や面接の合否待ちの時間は、長く感じます。本命企業であればあるほど、不安や心配といった感情に押しつぶされそうになることもあるでしょう。
休職の本来の目的は、体調の回復です。もし、何らかの事情で休職中に転職活動を始める場合も、自分の体調を第一に無理のないスケジュールで進めることが大切です。
解雇される
休職中であることを隠して転職活動を行うと、内定後または入社後であっても、内定の取り消しまたは解雇が確定するケースがあります。例えば、休職理由が病気にも関わらず、面接や履歴書で「健康状態は良好」と述べた場合は、虚偽の報告とみなされます。
また、休職理由によっては、実際の業務に支障を及ぼす可能性や「最初から聞いていたら採用していなかった」と判断される事態も起こりかねません。「必要な情報を隠していた」と不信感を抱かれてしまうと、入社後の信頼構築も難しくなり、仕事を進めにくくなります。
解雇に対する法的な保護がある一方、トラブル回避のために当事者が注意し、対策をとることが必要です。
転職活動を成功させるポイント
転職活動を行う以上、誰もが成功したいと思うことでしょう。転職活動を成功させるためには、下記のポイントを押さえることが重要です。
- SNSに転職活動のことを投稿しない
- 会社関係者に相談しない
SNSに転職活動のことを投稿しない
SNSで転職活動に関する情報を投稿すると、現在の職場の関係者や取引先に知られるリスクが高まります。「鍵付きアカウントだからバレない」「公開範囲は、プライベートの友人のみに設定している」といった油断は禁物です。
噂は、どこから広がるかわかりません。「転職したいな」など、軽い気持ちの投稿でさえも、のちに問題となるケースもあるため、最初から転職活動に関する投稿は避けたほうが無難です。
転職先の会社も、求職者のSNSをチェックする傾向があります。転職活動に関する内容だけでなく、休職中の話題や現職の愚痴などの投稿も控えましょう。
会社関係者に相談しない
転職活動を行うなかで、誰かに相談したいと感じることもあるでしょう。しかし、現職の会社の上司や同僚への転職相談はおすすめしません。例え休職中にも連絡を取り合うほど、仲が良く信頼している人だとしても、情報はどこから漏れるかわかりません。
情報漏洩のリスクを避けるためにも、外部の転職エージェントやキャリアコンサルタントなど、信頼できる第三者への相談をおすすめします。
面接で休職中であることを伝える?
面接時に休職中だと明かすべきかどうかは、状況により異なります。伝えるかどうか、また伝える際のポイントについて説明します。
- 伝えた方がよいケースもある
- 休職理由はポジティブなものを挙げる
- 転職後は問題なく働けることをアピールする
伝えた方がよいケースもある
履歴書にあえて「休職中」と書く必要はありませんが、面接時に現在の状況を質問された場合は、正直に伝えることで誠実さのアピールとなり、信頼関係が築けるケースがあります。特に休職の理由がすでに解決している(病気やケガの完治など)場合、入社後の業務に問題がないことと共に積極的に伝えたほうが良いでしょう。
もし、休職理由が完全に解決していない場合も「休職の事実はない」など、嘘をつくことだけは避けてください。
休職理由はポジティブなものを挙げる
休職の理由を問われた際は、事実をできるだけポジティブに伝えます。復職ではなく転職を選んだ理由も説明できるように準備しておきましょう。
「留学により、自分の働き方を見直すきっかけになった」「ケガをして休職している期間に、資格取得に向け勉強していた。ケガ自体は軽いものだったが、これを機に地元に戻り働きたいと思った」など、前向きな発言が好まれます。
「会社の管理不足でケガをした」「ストレスが溜まり病気になった」などのネガティブな発言は避けましょう。
転職後は問題なく働けることをアピールする
健康状態が回復している場合や、休職の理由となった問題が解決済みの場合は、転職後、問題なく働けることを強調しておきます。特に体調不良による休職の場合、面接官は「入社後にまた体調を崩すのでは」と不安を感じる可能性が高いため、現在、健康管理を目的に行っている具体的な取り組みを伝えましょう。
「◯◯のスキルを生かし、△△の分野にて貢献したい」など、入社後の業務に対する意欲的なアピールも効果的です。
休職中の転職活動を成功させるなら転職サービスを検討しよう
休職中の転職活動は、現在の職場の人に知られたり体調が悪化したりといったリスクがあります。体調に問題がない場合も、転職エージェントやダイレクトリクルーティングなど、情報が漏れるリスクのない、信頼できる外部機関を活用しましょう。
転職ならダイレクトリクルーティング「HUGAN」の活用がおすすめです。自分のキャリアを前向きに捉え、新しいチャレンジを行う方を全力で応援します。まずは、お気軽にご相談ください。