「いちいち聞かないと何も仕事を教えてくれない」と、モチベーションが下がり困っている方もいることでしょう。教育担当者が仕事を教えてくれない場合、いくつかの理由が考えられます。
本記事では、仕事を教えてくれない理由や教えてもらえない状況を放置するリスク、具体的な対処法について解説しています。
目次
いちいち聞かないと教えてくれない理由
いちいち聞かないと仕事を教えてくれない理由として、主に次の5つが挙げられます。
- 教育体制・マニュアルが不十分
- 多忙で教える暇がない
- 仕事は見て覚える方針をとっている
- 仕事に自信がなく教えられない
- 相手に不満を持っていて教えたくないと思っている
教えてくれない相手の心理を知るために、参考にしてみてください。
教育体制・マニュアルが不十分
新入社員に対する教育体制やマニュアルが整備されていないため、どのように教えればいいかわからないといったケースです。「まずはやってみて」「わからないことがあれば、その都度質問して」と言われて育ってきた人は、自分が教える側になっても、同じことを繰り返してしまいがちです。
また、マニュアル自体は存在していても、バージョンアップされておらず使い物にならないケースも少なくありません。そのほか、教育担当者が固定されていないため、同じことを何回も説明される、必要な情報の抜けや漏れがあるといった状況も考えられます。
多忙で教える暇がない
教育担当者が自分の業務だけで手一杯のため、新入社員に手を差し伸べる余裕がない可能性もあります。新人教育をしなければとの気持ちがある一方、繁忙期は、教える時間の確保が困難です。
人手不足の企業では、よくあるケースといえます。わからないことが出てきても、先輩があまりに多忙なため、質問さえもできないといった状況も起こりうるでしょう。また、いくら質問しても「今、忙しい!あとで!」と拒否される可能性があります。
仕事は見て覚える方針をとっている
「仕事は見て覚えろ」「人に教わるなんて甘えだ」といった企業文化があり、丁寧に教えずに、自ら考えさせる職場も存在します。自分も苦労したのだから、後輩も苦労するのが当たり前といった理不尽な考え方を持つ人もいることでしょう。
一方、責任感や自立心を培ってほしいといった思いから、あえて厳しい態度にて、教えない選択をする人もいます。しかし意図が伝わっていなければ、新入社員はなぜ教えてくれないのか、戸惑ってしまうでしょう。
仕事に自信がなく教えられない
仕事ができる人だからといって、教えることが得意な人とは限りません。教育に対して苦手意識を持っている場合、積極的に後輩に関わって教えてくれることはないでしょう。
また、教育担当になったものの、自分のスキルや知識が不十分だと感じている場合、自信のなさから質問に答えてくれなかったり、「自分で考えて」「他の人に聞いて」と言われたりするケースもあります。不適切な教え方をするぐらいなら教えないほうが良い、責任を負いたくないといった判断をしている可能性もあるでしょう。
相手に不満を持っていて教えたくないと思っている
教える側が、何らかの理由で部下に対して不満を抱いている場合、教育意欲は低下します。「理解力に乏しい」「何度も同じ質問をされてうんざりしている」といった、教わる側に問題があるケースだけでなく、人間関係のトラブルや個人的感情などを理由に「教えたくない」といった感情が湧いている可能性もあります。
コミュニケーションが十分に取れていない場合にも、こういった問題は起こりやすいでしょう。
仕事を教えてもらえないリスク
仕事を覚える意欲があるにも関わらず、仕事を教えてもらえない場合、次のようなリスクが発生します。
- いつまで経っても仕事を覚えられない
- 時間を無駄にしてしまう
- キャリアを積めない
- ストレスを感じてしまう
いつまで経っても仕事を覚えられない
いちいち聞かないと仕事を教えてもらえない状態が続くと、必要な知識や技術が習得できず、業務が進みません。渡されたマニュアル通り進めているつもりでも、過不足がないかどうか、不安を感じてしまうでしょう。
教えてもらっていないことによるミスやトラブルが発生した際にも、自分のせいだと落ち込み、自己評価が下がる可能性もあります。仕事の理解力が高まらないため、日々の業務にも達成感を感じにくくなります。
時間を無駄にしてしまう
いくら「見て覚えろ」と言われても、周囲の様子を見て理解するには限界があります。新たな方法を試行錯誤しようとしても、時間のロスが発生したり、何もやるべきことがない時間が生まれたりと、無駄な時間を過ごす可能性が高いです。
効率的に業務を進められないことにより、チームや部署全体の生産性低下といった問題も発生します。仕事を教えてもらえないことにより発生している問題にも関わらず「給料泥棒」など、心無い陰口を言われるケースも否定できません。
キャリアを積めない
仕事を教えてもらえない環境下では、スキルアップやキャリアアップは困難です。単純作業を繰り返しても、経験が積めず、昇進に不利な状況となるでしょう。この先転職する場合も、業務経験として語れる内容が乏しければ、将来出会う面接官にマイナスな印象を与えてしまいます。
現在のキャリアの停滞は、将来的なキャリアプランにとっても大きな損失です。今だけでなく、将来的な選択肢が狭まることにも注意しましょう。
ストレスを感じてしまう
仕事を教えてもらえない状況が続くことで、自分は何のために会社に来ているのかわからなくなり、焦燥感や不安感が増す可能性があります。そもそもマニュアルを読むだけでは、スキルアップは困難です。
同僚や先輩、他の会社で働く友人などと比較し、会社に貢献していない自分に対し、ストレスを感じてしまうでしょう。精神的な落ち込みから、体調を崩す人もいます。
教えてくれないときの対策
いちいち聞かないと仕事を教えてくれない場合は、下記のように自分にできる対策をとってみましょう。
- 忙しくないタイミングで質問をする
- 質問はできる限りまとめてする
- 状況に応じて質問相手を変える
教わる側の態度や姿勢によって、仕事を教えてくれる可能性もあります。
忙しくないタイミングで質問をする
質問したい相手の業務量や現在の様子をよく観察し、「今、余裕がありそう」「仕事がひと段落した様子」といったタイミングで質問に行きます。質問の際には必ず「質問したいことがあるのですが、お時間よろしいですか」と確認しましょう。
了承してもらった際にも、できるだけ短時間で質問を終えるよう心がけます。また「今は、忙しくて無理」と言われた場合は、いつなら時間をとってもらえるか聞いておくと、次の質問のタイミングが掴みやすくなります。
質問はできる限りまとめてする
仕事上の不明点は、ある程度まとめて整理したうえで、質問に行きます。質問頻度を減らすことで、教育担当者の負担を減らすことが可能です。また、自分なりに考えた内容や調べた内容を踏まえて質問することで、より理解が深まるでしょう。
メモを習慣づけることも、良い方法です。自分がつまずきやすいポイントにも気づきやすくなり、同じ質問を何度も繰り返すこともなくなるでしょう。相手が回答してくれたら「お忙しいところ、丁寧に教えてくださり、ありがとうございます、またよろしくお願いします」と、必ず感謝の言葉を述べましょう。
状況に応じて質問相手を変える
教育担当者が仕事を教えてくれない場合、他の社員や先輩、上司に目を向け、教えてくれそうな人を探すこともひとつの方法です。関係性にもよりますが、担当者に「◯◯に関する質問は、誰にすればよいでしょうか」と質問しても良いでしょう。
チームや部署にこだわらず、質問に答えてくれる可能性のある人を探すことで、問題が解決する可能性があります。与えられた仕事で成果を上げられるよう、自分なりにできることを工夫してみましょう。
ストレスを溜め込む前に転職を検討しよう
いちいち聞かないと仕事を教えてくれない場合、不十分な教育体制や社風、担当者の個人的感情が理由であるケースが多いです。自分なりの対処法を試しても改善が見られず、状況が変わらない場合は、「これ以上この会社にいるのは時間の無駄」と割り切り転職を検討してみましょう。
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