資格を履歴書に書こうとして、書き方について悩んだ経験のある方も多いことでしょう。資格欄に書く際には、名称、年号、記載する順番、複数の資格の優先順位など、いくつものポイントが存在します。ポイントを押さえることで、見やすくアピールにも効果的な履歴書が完成可能です。
本記事では、資格を履歴書に書くときの注意点やポイントについてわかりやすく解説しています。
目次
履歴書に資格を書くときのポイント
履歴書に資格を書くときには、一定のルールが存在します。採用担当者に「常識に欠ける」と判断されないためにも、下記5つのポイントを押さえておきましょう。
- 正式名称で記載する
- 取得年月日の順に記載する
- 年号の書き方を統一する
- 取得・合格・修了などの書き分けをする
- 最後に「以上」と記載して締める
正式名称で記載する
普段は略称で呼ぶことが多い資格であっても、履歴書には必ず正式名称で記載します。例えば、簿記の場合、日本商工会会議所主催の「日商簿記」、全国商業高等学校協会主催の「全商簿記」、全国経理教育協会主催の「全経簿記」があるため、「簿記2級」だけではどの資格か判断がつきません。
一般的な資格であれば、インターネットの公式サイトに正式名称が記載されています。あいまいな記憶のまま記載せず、必ず確認しましょう。資格を正式名称で書くことは、採用担当者が正確に資格を確認できるようにするための配慮とも言えます。
取得年月日の順に記載する
資格を書く場合、最初に運転免許、その後は、取得順にもっとも古い資格から時系列に沿う書き方が一般的です。取得年月日や発行年月日を確認し、年だけでなく月までしっかりと記載することで、履歴書自体の信頼性が増します。
ただ、時系列に書く方法はあくまで一例です。特にアピールしたい資格、応募職種との関連性が高い資格がある場合は、優先的に書いても良いでしょう。特にアピールなどの目的がない場合は、時系列が無難です。思いつくままに書いたと受け取られかねません。
年号の書き方を統一する
資格取得の日付は、和暦・西暦、どちらを選んでも構いません。ただし、必ず履歴書内で統一することが大切です。学歴は西暦、資格取得は和暦など異なる種類が混在してしまうと、読みにくい書類との印象を与えます。
せっかく丁寧に履歴書を作成したとしても「雑」「細かな部分への配慮が欠けている」と、思われかねません。提出前には、年号の書き方が統一できているかどうかを確認しましょう。
取得・合格・修了などの書き分けをする
資格を書く場合は、資格の正式名称を書いた後に「取得」「合格」「修了」「認定」などをつけることが基本です。基本的には1文字分のスペースを空け「普通自動車免許 取得」のように書きます。
一般的には、免許証などが交付されるものは「取得」、一定の基準を満たすことで得られるもの(検定など)は「合格」、研修を終えた場合は「修了」、カリキュラム受講後の認定を受けた場合は「認定」などのルールがあり、正しい表記を選ぶことが重要です。
最後に「以上」と記載して締める
アピールしたい資格の名称をすべて書いたあとは、改行し右詰めで「以上」と記載します。「以上」と書くことで改ざん、書き足し、削除などを防ぐ目的があります。記載により履歴書全体のフォーマットが整い、見やすくなる点もメリットです。
「以上」の記載がなくても、即不採用と判断されることはないでしょう。ただし、「注意力に欠ける」「ルールを無視している」と判断されるリスクもあるため、書き忘れないよう注意が必要です。
【資格別】履歴書の資格の書き方
保有する資格によって、履歴書への記載方法は異なります。ここでは、下記4種類の一般的な資格について、具体的な書き方とともに解説します。
- 運転免許
- 業種・職種に必要な資格
- 語学系の資格
- 勉強中・取得予定の資格
運転免許
自動車運転免許は、正式名称で記載します。例えば、普通免許の場合は、普通自動車第一種運転免許です。下記に第一種運転免許の資格一例と正式名称を記載しました。
略称 | 正式名称 |
普通 | 普通自動車第一種運転免許 |
準中型 | 準中型第一種自動車運転免許 |
中型 | 中型第一種自動車運転免許 |
大型 | 大型自動車第一種運転免許 |
原付 | 原動機付自転車運転免許 |
なお、オートマチック限定免許の場合は、普通自動車第一種運転免許(AT限定)と記載します。「オートマチック限定」「オートマ限定」とも言いますが、表記は「AT限定」が無難です。
業種・職種に必要な資格
採用担当者は、記載されている資格の内容、取得時期を見て評価します。志望業種・職種に関連する資格は、特に優先的に記入しておきましょう。資格取得後、業務で役に立った、実際に活用しているといったエピソードは、職務経歴書等も活用し積極的にアピールするとより効果的です。
仕事に直接関係のない資格であっても、資格欄に余裕があり、学習意欲などをアピールできるものであれば、書いても構いません。
語学系の資格
TOEICや英検など、語学力をアピールできる資格の場合、必ず正式名称で記載します。また点数や級も忘れず書きましょう。TOEICの場合は、「TOEIC Listening&Reading Test ◯点 取得」、英検の場合は、「実用英語技能検定△級 合格」と書きます。
語学系の資格には、有効期限はありません。しかし、取得時期が古いと、現在の語学力が判断しにくいため、2年を目処に再受験し、最新のスキルを記載することをおすすめします。勉強意欲のアピールとしても有効です。
勉強中・取得予定の資格
資格欄は、現在勉強中の資格や取得予定の資格のアピールとしても活用できます。実際に試験勉強をしているのであれば「ITパスポート試験 勉強中(◯年□月受験予定)」「基本情報技術者試験 合格を目指し勉強中」のように記載可能です。
また、すでに基本情報技術者試験に合格している人が、上位資格である「応用情報技術者試験」合格に向けて勉強している場合などは、積極的に記載しましょう。スキルアップに向けた努力を行っており、成長意欲が高い人材といった高い評価を得やすくなるでしょう。
履歴書に資格を書くときの注意点
履歴書に資格を書くときには、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
- 資格の有効期限を確認する
- 書ききれない場合は優先度が高いものを記載する
- 仕事に関係なくても難易度が高い資格は書く
- 資格がない場合は「特になし」と記載する
ほんの少しの工夫が、面接官に与える印象を変える可能性があります。
資格の有効期限を確認する
資格のなかには、決められた年月ごとに更新が必要なものがあります。例えば、普通自動車第一種運転免許、普通自動車第二種運転免許、第一種電気工事士免状、普通ボイラー溶接士免許、認定介護福祉士などがその一例です。
有効期限が切れている資格は、記載できません。履歴書に記載する前に、有効期限が切れていないかどうかを確認しましょう。資格の名称のあとに「◯年△月更新予定」などと記載し、今後も更新予定であることを書いておくとよりわかりやすいでしょう。
書ききれない場合は優先度が高いものを記載する
これまでに取得した資格の数が多く、履歴書の欄に書き切れない場合は、応募職種との関連性が高い資格を優先して記載しましょう。入社後に活用できそうな資格や、自己アピールに使える資格などを選ぶことをおすすめします。
そのほか、資格欄が大きいタイプの履歴書を購入したり、職務経歴書を活用し、資格を羅列したりする方法もあります。これまでに取得した資格をすべて書き出したあと、優先順位を考えててみましょう。
仕事に関係なくても難易度が高い資格は書く
志望企業や職種に直接関連しない資格だとしても、取得の難易度が高い資格は、アピールとして役立ちます。例えば英語が不要な職種であっても「TOEIC900点以上」など、目を惹くスキルを記載しておくと、「努力家」「自己管理能力が高い」と、プラス評価を受けやすくなるでしょう。
ただし、いくら難易度が高くても趣味の資格の場合は、記載しないほうが無難です。どうしても書きたい場合は「趣味・特技」の欄に書きましょう。
資格がない場合は「特になし」と記載する
記載できる資格がない場合も、空欄は避けます。記載漏れや不注意と思われる可能性があるため、必ず「特になし」と記載しましょう。
何か書きたいからといって、取得・合格していない資格を書くことはNGです。証明証などの提示を求められればすぐに嘘だとバレますし、仮にバレずに採用に至ったとしても、スキル不足などが原因で発覚し、経歴詐称、懲戒免職となる可能性もあります。
資格を記載したいと思うのであれば、資格取得を目指し「勉強中」と書くことをおすすめします。
転職に有利となる資格を書いて転職活動を成功させよう
履歴書に資格を書く場合は、正式名称での記載、年号の統一などの基本ルールを意識し、志望業界や職種と関連性の高い資格から順番に記載することをおすすめします。
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