「職場のコミュニティに馴染めない」「周りの人と温度差がある」など、疎外感を感じ、日々悩んでいる方もいることでしょう。しかし疎外感を感じる人には一定の特徴があり、適切な対処により状況が改善する可能性があります。

本記事では「疎外感とは」の基本から、疎外感を感じやすい人の特徴、疎外感を感じたときの対処法について解説しています。

疎外感とは?

疎外感とは「周囲から孤立し、必要とされていない」「排除されていると感じる」といった意味で使用されることが多い言葉です。まずは、疎外感の意味や「孤独感」との違いについて解説します。

疎外感の意味や定義

疎外には、「人を嫌いのけものにする・排除する」といった意味があります。つまり疎外感は「のけものにされている」「周囲から孤立している(させられている)」「必要とされていない」と感じる感覚と言えます。

周囲には大勢人がいるにもかかわらず、社会的・文化的なつながりを感じられず、存在感を喪失する感覚を指すこともあります。

例えば職場で昼休みに自分以外の社員が盛り上がっているが、自分だけ輪に入れないといったシチュエーションでは、疎外感を感じやすいと言えるでしょう。自分と同じ考えの人が周囲にいないといったシチュエーションも同様です。

孤独感との主な違い

「孤独感」も、疎外感に似た印象を受ける言葉です。ただし、孤独は「仲間がいなくてひとりぼっち」「想いを語る相手がいない状態」を指します。孤独感は、周囲に人がいない状態に対して「寂しい」と感じる状態です。

疎外感は、周囲に人がいるにも関わらず心や思考のつながりを感じられない状態であり、孤独感は周囲に人がおらず寂しさを感じている状態を指します。また、疎外感には、人の輪に入りたいとの思いが感じられる一方、孤独感は、必ずしも他者とのつながりや共感を求めているとは言い切れない点も大きな違いです。

疎外感を感じやすい人に共通する特徴

同じ状況に置かれても、疎外感を感じる人・感じない人がいます。疎外感を感じやすい人の共通点は、下記5つです。

  • 自己肯定感が低い
  • 心配性
  • 大人数でいるのが苦手
  • 警戒心が強い
  • 好かれたいと感じている

それぞれの特徴について解説します。

自己肯定感が低い

自分の思考や価値観、好みに自信がなく常日頃から他者と比較する癖がついていたり、自分の意見を無視して他者の意見に合わせたりしている人は、疎外感を感じやすいでしょう。

自己肯定感が低く、自分の能力やスキルを否定しがちな人は、自分を責める傾向が強いです。最終的に「周囲に合わせられない自分が悪い」「自分は普通じゃない」と、自分を追い詰めてしまい、ますます疎外感が強くなるといったループに陥る可能性もあります。

心配性

「こんなことを言って嫌われたらどうしよう」「自分だけがこんな行動をするとおかしいと思われるかも」など、他人の目を気にしすぎる人は、周りが思ったような反応をしてくれないと、疎外感を感じうろたえてしまう可能性があります。

他人の考えや行動は、コントロールできません。もし冷たい反応だったとしても、別の要因である可能性も考えられます。しかし心配性の人は「自分があのとき◯◯と言ったから」と、自分の言葉や行動に原因を求めてしまい、他者との良好な関係構築が難しくなるでしょう。

大人数でいるのが苦手

1対1や少人数であれば、自分を出してのびのびと過ごせるけれど、大人数になると急にどう振る舞っていいかわからなくなる人は、疎外感を感じやすいタイプです。「全員と適度な距離を保たなければいけない。仲良くしなければいけない」など、自分独自のルールにとらわれて苦しんでいる人もいることでしょう。

また、大人数の状態に苦手意識を持つ人は、「自分だけ浮いている」「輪に入れない」などの悩みを抱えやすいと言えます。

警戒心が強い

「自分の周りにはいい人ばかり。みんなのことが大好き!」と、安心して心を開いている状態は、疎外感を感じにくいものです。逆に、「あの人は要注意人物」「以前、傷つくことを言われた」など、周囲に対して強い警戒心を持っている状態であれば、輪に溶け込むことは難しいでしょう。

また、人間関係のトラウマを抱えている人、信じて裏切られた経験のある人なども、人との適切な距離感を保ちにくいため、疎外感を感じやすくなります。

好かれたいと感じている

「好かれたい」「褒められたい」「いい人と思われたい」など、承認欲求が強い人は、その場の雰囲気に合わせようと必死で努力し、行動します。素の自分ではダメだと、別のキャラクターを演じるなどして過剰に人間関係に気を遣う人もいるはずです。

しかし、いくら努力したとしても、毎回、思ったような評価が得られるとは限りません。思ったほど評価が得られない、他者とのつながりを感じられないと言った状態に陥ると、「失敗した」「仲間に入れなくて辛い」と疎外感を感じやすくなるでしょう。

疎外感を感じるときの対処法

疎外感を感じている自分に気づいたら、次のような対処法をとることで、状況が改善する可能性があります。

  • 自分を大切にする
  • 自分に合う人と付き合う
  • 人に対して期待しない
  • コミュニケーション能力を鍛える

取り入れやすい内容からひとつずつ始めてみましょう。

自分を大切にする

疎外感を感じるのであれば、まずは他人ではなく自分に目を向けましょう。自分の感情、好きなこと、ニーズなどを理解し、自分を肯定することが大切です。

もしも「◯◯ができない自分はダメだ」など否定的な感情が浮かんできたとしても、第三者視点で「でも、途中まで頑張ったよね。それに、△△は得意だよね」と、優しい言葉、肯定する言葉を自分にかけてみましょう。最初に自分自身を大切にすることで、他者との関係も良好になりやすいと言えます。

自分に合う人と付き合う

疎外感を感じるコミュニティに自分を合わせるのではなく、自分に合ったコミュニティを見つけることも大切です。自分の価値観や趣味・興味に合う人たちが属するコミュニティを探してみましょう。

リアルで見つけることが難しいのであれば、SNSを活用することもひとつの方法です。コミュニティは、3つほどあれば、仮にひとつ居心地が悪くなったとしても「まだ2つある」と思えます。視点を広げ複数のコミュニティを探してみましょう。疎外感軽減にも役立ちます。

人に対して期待しない

前述したように、疎外感を感じる人は他者の評価に対して反応しやすいケースが多いです。しかし、他者評価は、常に一定とは限りません。評価や反応に過度に依存してしまうと、段々息苦しくなり自分の本音が言えなくなってしまうでしょう。

大切なことは、人からの評価ではなく自分の満足度です。自己満足を最優先にすることで、他人の言葉や行動、反応に左右されず、自分軸を元に判断できるようになるでしょう。

コミュニケーション能力を鍛える

「相手に自分の意見や気持ちがうまく伝わらない」といった状態を改善できれば、疎外感は大きく軽減されます。コミュニケーションスキルは、すぐに身につくものではありませんが、積極的に人との会話、交流を図りスキルアップを目指すことが重要です。

コミュニケーション能力が高まれば、相手が意図すること、求めている内容が理解できるだけでなく、自分の意見や思いもスムーズに伝えることができます。疎外感を感じそうなときも冷静に対処でき、より良い人間関係構築に有効です。

職場で疎外感を感じるなら転職も視野に入れよう

疎外感を感じやすい人には、複数の共通点があります。今、疎外感を感じる環境において苦労しているのであれば、今回紹介した対処法を参考に、自分の考えを変えることもひとつの方法です。

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