テストエンジニアは、IT業界における職種の一つで、システム開発のテスト部分を担います。仕事の内容上、IT業界が未経験でもなることのできる職種として注目されています。
今回は、テストエンジニアの仕事内容や平均年収、将来性などの概要を解説します。テストエンジニアになるために必要なスキルや未経験から目指す方法もご紹介しますので、テストエンジニアへの転職をお考えの方は参考にしてください。
目次
テストエンジニアとは
テストエンジニアは、開発中のシステムに問題がないかを確認するテストを担うITエンジニアです。ここでは、テストエンジニアの仕事内容と平均年収、将来性やキャリアパスを解説します。
テストエンジニアの仕事内容
テストエンジニアの仕事内容は、開発中のソフトウェア製品やサービスに問題がないか、仕様書通りにできているか確認するためのテスト工程を管理、実施することです。
具体的には、次の業務を行います。
- テスト計画の策定
- テストの実施
- テスト結果の分析、
- テスト結果にもとづくレポート作成
- 改善提案
テスト計画では、方針や人員、スケジュール、実施方法などを検討し、設計書を作成します。さらに、設計書をもとにテストを実施し、発見されたバグや考えられるリスクなどを洗い出します。これらをレポート化し、開発チームと共有したうえで、改善提案も行います。
企業によっては、テスターやQAエンジニアとの区別がなく、テストエンジニアとして扱われます。
テストエンジニアの平均年収
ITスキル研究フォーラム(iSRF)発表の「全国スキル調査 2016 スキル調査レポート」によると、品質保証に携わるエンジニアの平均年収は584万円といわれています。テストエンジニアは、一般的な職種に比べて、平均年収は比較的高い職種といえるでしょう。
ただし、企業で重宝されるのは、単にテストができるエンジニアではありません。テストの自動化による業務効率化ができたり、質の高いテスト計画や分析ができたりするかどうかでも年収が大きく異なります。
テストエンジニアの将来性
テストエンジニアの将来性は高いと見込まれています。
近年、AI技術が進化しており、それに伴ってシステム開発の業務を自動化できる部分が増えてきています。そのため、簡単なテスト作業しかできない人は需要がなくなりつつあるのが事実です。
しかし、IT業界は拡大傾向にあります。また、AIには、人の気持ちを汲み取ることが苦手であるなど、不得意とする部分が少なくありません。このようにAIが対応できない部分は一定の需要が見込まれます。そのため、それらをカバーできるスキルを有するテストエンジニアは引き続き必要とされると考えられます。
テストエンジニアのキャリアパス
テストエンジニアのキャリアパスには、主に、以下の3つです。
- プログラマー
- システムエンジニア
- テストコンサルタント
テストエンジニアからのキャリアパスに多いのが、プログラマーやシステムエンジニアです。特にIT未経験でテストエンジニアになった場合はテストエンジニアからプログラマーは入りやすいといわれています。仕事を通じてプログラミングの知識を学ぶことができ、また開発とテストは同時に進行するためプログラマーとして必要なスキルも身についていくからです。
さらに、テストに関する専門知識やスキルを習得することで、テストエンジニアを束ねるテストコンサルタントにステップアップすることも可能です。
テストエンジニアに必要なスキルや知識
テストエンジニアに必要なスキルや知識は、次の3つです。
- テスト技法の知識
- プログラミングスキル
- コストやリスクのマネジメントスキル
それぞれ詳しく解説します。
テスト技法の知識
テストエンジニアに欠かせないのが、テスト技法に関する知識です。テストでは「ブラックボックステスト技法」や「ホワイトボックステスト技法」が用いられるのが一般的なので、これらに関する知識が求められます。また、過去のテスト経験をもとにした経験ベースの技法もあります。
開発するシステムの仕様によってテスト技法は異なるため、テスト技法に関する幅広い知識があると計画段階から関わることのできるテストエンジニアになれるでしょう。
プログラミングスキル
ソフトウェアはプログラミング言語で開発されているため、テストエンジニアにも最低限の知識が求められます。プログラミングスキルがあれば、テストに必要な工程や方法、テスト環境を検討しやすく、効率の良いテストが実施可能です。
また、テストでバグが見つかった場合、ソースコードで原因を特定でき、開発チームへの報告も容易に行えます。このように、プログラミングを理解しておくと、効率的に仕事が進み、仕事の幅も広がりやすくなります。
コストやリスクのマネジメントスキル
システム開発においては、テスト工程に割り当てられる時間やコストが限られています。そのため、コストを含めた、全体をマネジメントする力がテストエンジニアには求められます。
また、テストを実施する目的は、システムに潜むリスクを発見し、対応することです。バグが発生するリスクなども考慮したテスト計画を練る必要があるので、リスク管理も必要です。
コストやリスクのマネジメントスキルを有していれば、プロジェクトを計画的に進められ、リリース後のトラブルを未然に防ぐなどの貢献も期待できるでしょう。
テストエンジニアに向いている人300
テストエンジニアに向いているのは、以下の特徴を有する人です。
- 細かいところまで気づいて仕事ができる人
- 責任感のある人
- 単純作業を得意とする人
ソフトウェアのテストは、開発中のシステムの仕様書の細部を読み込み、すべてのテストケースを洗い出す必要があります。また、テスト工程では、細かな漏れがないようにチェックを進めなければなりません。そのため、細かなところに気づいて仕事ができる人が向いています。
また、テスト計画の内容や進捗を開発チームに共有したり、不具合が生じたときは、責任をもって開発チームに報告する必要があるため、責任感を持って仕事を進められる人が向いています。
地道で単純な仕事ではありますが、システム開発の成功を左右するため責任感を持って取り組むことが大切です。
テストエンジニアへ転職するには
既にITエンジニアとしての就業経験があり、テストエンジニアに転職するには、過去の経験やスキルをアピールすることが大切です。これまで従事した業務やスキルの棚卸を行い、テストエンジニアの業務に活かせる部分を洗い出しましょう。
特に、前職でプログラマーをしていた場合は、プログラミングスキルをアピールできます。これらの経験を活かして、テストエンジニアに関連する資格を取得しておくと、より転職に有利になるでしょう。
また、IT業界に特化したリクルーティングサービスを活用するのもおすすめです。「HUGAN」では、豊富な求人をもとに、転職希望者にマッチする転職先をご紹介しています。条件の良い非公開求人も扱っていますので、ぜひご活用ください。
未経験からテストエンジニアになる方法
未経験からテストエンジニアになる方法もあります。ここでは、代表的な以下の2つの方法をご紹介します。
- テスターとして実務経験を積む
- 資格を取得する
テスターとして実務経験を積む
IT未経験でもテストエンジニアになる方法として、一番容易なのはテスターとして実務経験を積むことです。テスターはテスト計画に沿ってテストを実施するだけの業務なので、未経験でも可能な求人が多いからです。
テスター業務を通じてスタートして実務経験を積めば、システムやソフトウェア、プログラミングに関する知識も深められます。スキルを極めることで、テストエンジニアのキャリアに繋がりやすいでしょう。
資格を取得する
テストエンジニアに有利な資格を取得するのもアピールに不可欠です。一般的なエンジニア職に比べて、テストエンジニアの職種に就くには資格は必須とはいえません。しかし、資格を取得しておくことで、一定程度のスキルや知識があることをアピールできるでしょう。
具体的には、基本情報技術者試験、JSTQB認定テスト技術者資格、IT検証技術者認定試験(IVEC)、ソフトウェア品質技術者資格などの資格が、テストエンジニアに適しています。
また、資格を持っていることで学びに対する姿勢ややる気が評価されることもあります。
必要なスキルを身につけて幅広く活躍できるテストエンジニアになろう
テストエンジニアは、システムやソフトウェアの開発過程において問題がないかをテストする業務を行うエンジニアです。バグをチェックするテスターは高度な知識や経験を必要としないことから、未経験からでもIT業界を目指せる職種として注目されています。
近年のAI技術の発展に伴い、将来的にはAIのできないことをカバーできるテストエンジニアが求められると考えられます。テストエンジニアのキャリアパスとして代表的なのが、プログラマーやシステムエンジニア、テストコンサルタントです。
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