エンジニア職の中でもインフラエンジニアは楽すぎると言われることがあります。確かに、ルーティン作業やマニュアル通りに実施する作業が多いのがインフラエンジニアの業務ですが、一部では高度な知識やスキルを求められることも少なくありません。では、インフラエンジニアの仕事は本当に楽なのでしょうか?

今回は、インフラエンジニアは楽すぎと言われる3つの理由をご紹介します。また、インフラエンジニアの具体的な仕事内容や平均年収、将来性、向いている人と向いていない人の違い、目指す方法やキャリアパスもご紹介しますので、転職時の参考にしてください。

インフラエンジニアは楽すぎと言われる理由

インフラエンジニアは楽すぎると言われる主な理由は以下の3つです。

  • マニュアル通りでルーティン作業が多い
  • 固定シフトが多く残業が少ない
  • 高い専門性が不要なので未経験からでも目指しやすい

マニュアル通りでルーティン作業が多い

インフラエンジニアの仕事は、マニュアル化された仕事を徹底的にこなすことが多くなっています。特に多いのが、サーバーやネットワークの監視業務です。

これらの業務には、何らかのトラブルがあっても対応できるようにマニュアルが準備されており、高度な知識は求められません。また、保守管理においても同様にマニュアルが用意されていることが多く、未経験者でもこなしやすいため、一度仕事を覚えれば後は繰り返すだけなので楽だと言われています。

固定シフトが多く残業が少ない

インフラエンジニアが監視するITインフラは、基本的には24時間365日稼働しています。常に誰かが対応できる状態を保つために、多くの現場では、シフト制や交代制が採られています。

シフト制や交代制では退勤時間で後任者と交代できるため、残業が少ないのも特徴です。納期や突発的なトラブルへの対応により残業が多くなりがちな開発系エンジニアと比較すると、ワークライフバランスを大事にしやすい楽な仕事です。

高い専門性が不要なので未経験からでも目指しやすい

開発系のエンジニアは、ゼロからシステムを開発するため、専門的な知識を必要としますが、インフラエンジニアに高い専門性は求められません。

インフラエンジニアは、顧客の要望によってインフラの環境設計や構築を行うのが業務ですが、既存の技術とサーバーやルーター、スイッチなどのIT機器を組み合わせることが多いので、開発エンジニアに求められるような高い専門性は不要です。

そのため未経験からでも任せてもらえる仕事が多く、目指しやすい楽な仕事となっています。

インフラエンジニアとは

インフラエンジニアの仕事が楽すぎるのは先述の通りですが、楽すぎると将来性のある仕事なのか? と戸惑うこともあるでしょう。ここからは、インフラエンジニアの具体的な仕事内容と平均年収、将来性について解説します。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの仕事内容は、主にITインフラの設計やサーバーの構築、運用・保守、監視をすることです。

一般的には、既存のシステムを組み合わせてシステムを構築するため、高度な知識を必要としません。特に、未経験の場合は運用・保守、監視の仕事を任されることが多くなっています。

一方で、経験者や高度な知識、スキルを持ったインフラエンジニアは、システム障害への対応や新技術の導入、インフラの改善提案など信頼性の高いインフラ構築の提供へ向けた業務を担います。

インフラエンジニアの平均年収

求人ボックスが2024年に実施した調査によると、正社員のインフラエンジニアの平均年収は490万円となっており、日本の平均年収より高い水準にあります。

ただし、地域や雇用形態、経験により給与幅があり、ボリュームゾーンは319〜394万円です。また、全体の給与幅は319〜924万円となっています。スキルが身についても1000万以上の高収入は目指せない職種である一方で、未経験からでも経験を積めば安定した収入が期待できます。

インフラエンジニアの将来性

インフラエンジニアの将来性は高いといえます。なぜなら、昨今のクラウドやデジタルトランスフォーメーションなどのIT技術の革新により、ITインフラが拡大する一方で、インフラエンジニアはそれを支える重要な役割を果たしているため、今後も需要が高い仕事と予想されているからです。

後述するように、インフラエンジニアのキャリアパスも多様化しており、スキルアップも目指しやすいのが特徴です。

楽すぎと言われるインフラエンジニアに向いてる人・向いていない人

インフラエンジニアに向いてる人

インフラエンジニアに向いているのは、以下の特徴を持つ人です。

  • 単純作業が好きな人
  • 社会的意義の高い仕事に関わりたい人
  • 緊急時にも臨機応変に対応できる人

インフラエンジニアの携わる監視・保守などの業務は、マニュアル通りに進めれば良く、問題が起きなければ比較的楽な仕事です。そのため、単純作業が好きな人に向いています。また、ITインフラは重要な社会基盤でもあるため、社会的意義の高いやりがいのある仕事に関わりたい人にも向いています。

ただし、何か問題が発生したときは緊急時でも臨機応変に対応する必要があり、責任が大きくプレッシャーもかかるため、責任感がある人に適しています。

インフラエンジニアに向いてない人

インフラエンジニアに向いていない人の特徴は以下の通りです。

  • 忍耐力がない人
  • 他者からの承認欲求が高い人
  • 自分で考えて自由にものを作り出したい人

インフラエンジニアの業務はルーティン作業が多く、単調な仕事を継続的にこなさなければならないため、忍耐力のない人には向いていません。また、インフラを支える縁の下の力持ちのような存在なため、自分の行動の成果が人の喜びに直結しやすい仕事でもありません。そのため、他者からの承認欲求が高い人や自分で自由に創作したい人にも向いていない仕事です。

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアの代表的なキャリアパスは主に以下の職種です。

  • クラウドエンジニア
  •  ITコンサルタント
  • フルスタックエンジニア
  • プロジェクトマネージャー

インフラエンジニアからのキャリアパスとして代表的なのがクラウドエンジニアです。昨今のクラウド技術の進歩に伴い、クラウド構築や保守、運用などの需要が高まっているからです。クラウドエンジニア派にはクラウド構築のスキルセットが求められますが、インフラエンジニアとして培ったネットワークやサーバーなどの知識も同じく必要とされます。

また、これまでの経験に加えて、さらに自発的にスキルや知識を身につけることで、ITコンサルタントやフルスタックエンジニア、プロジェクトマネージャーなども目指しやすいでしょう。

楽すぎと言われるインフラエンジニアのなり方

インフラエンジニアの業務は楽すぎと言われますが、就業するには戦略的に方法を選ぶことが大切です。ここでは、3つのなり方を解説します。

  • ITに関する資格や知識を習得する
  • 未経験可の求人を探す
  • IT業界に特化したリクルーティングサービスを活用する

ITに関する資格や知識を習得する

インフラエンジニアへの転職をスムーズに行いたいのであれば、独学やスクールに通ってIT関連の知識を習得し、資格を取得するのがおすすめです。なぜなら、未経験でも最低限の知識を身につけておく方が仕事がスムーズにできるからです

特に、ITエンジニアの登竜門と呼ばれる「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」などの基本的なIT資格を持っておくと、転職活動時のアピールポイントとなり、意欲を伝えやすくなるでしょう。

未経験可の求人を探す

インフラの監視などの基本的な業務では高度な知識や経験を必要としないため、未経験可の求人が多くあります。そのため、IT業界が未経験であれば、未経験可の求人を足掛かりとしてスキルアップを目指すのも良いでしょう。

ただし、入社当初は簡単な仕事を任されることが少なくありません。将来的なキャリアアップのために、「まずは経験を積む」という意識を念頭に置いて、仕事に臨むことが大切です。

IT業界に特化したリクルーティングサービスを活用する

IT業界に特化したリクルーティングサービスを活用するのも、インフラエンジニアになる方法の一つです。リクルーティングサービスでは、転職サイトに公開されていないような非公開求人や優良求人を取り扱っていることが多いからです。

また、ヒアリングや面接を通じて自己分析を深めることで、自分にマッチした企業を紹介してもらえることも利点です。プロのサポートを受けることで、自分で探すよりも好条件の求人と巡り合える可能性が高まります。

インフラエンジニアは楽すぎると言われるが向き不向きがある仕事

ITインフラの構築や監視・保守を行うインフラエンジニアは、楽すぎると言われる職種の一つです。なぜなら、ゼロからシステムを構築する開発系エンジニアとは異なり、既存のシステムを組み合わせてインフラを構築したり、マニュアルに沿ってインフラの監視・保守を行ったりすれば良いため、複雑な知識やスキルが求められないからです。

ただし、業務では、インフラを下支えするための簡易で単調な作業を担当することが多いため、これらの業務が苦手な方や承認欲求が高い人には向いていないといえます。責任感を持って取り組める方にとっては、やりがいのある仕事となるでしょう。

IT業界への転職をご検討中の方は、IT業界に特化したリクルーティングサービス「HUGAN」のご利用がおすすめです。さまざまなIT企業の求人を取り扱っており、転職支援も行っていますので、より良い転職先を見つけられるでしょう。