転職活動中「面接」「面談」の2つの言葉の違いについて、悩んだ経験のある方もいることでしょう。面接と面談はそれぞれ目的や形式、進行方向が異なります。意味を理解し、その場にあった振る舞いをすることが大切です。
本記事では面接と面談の違いについて、定義を元に、目的や形式、進行方向の他、面談・面接を成功させるための方法について解説します。
目次
面接と面談の違いとは
面接と面談は似ている言葉ですが、もっとも大きな違いは「合否判定の有無」です。面接と面談では、準備すべき内容も異なります。まずは面接、面談それぞれの定義について押さえておきましょう。
面接の定義
面接とは、就職や進学、資格試験などの選考過程で実施されるものです。選考者と応募者の対話を通して、適性やスキル、コミュニケーション能力、学力などが評価されます。
また転職面接においても、必ず合否が発表されます。企業主導で進み、企業が質問し求職者が答える流れが一般的です。マナーや態度、服装なども合否判定に影響を与えるため、面談と比べると求職者側の発言や服装の自由度も低いと言えます。
面談の定義
面談とは、情報の共有やコミュニケーションのひとつとして実施される対話です。転職に関する面談では、仕事内容の説明や入社前に親睦を深めるために行われるケースがあります。また応募前に「カジュアル面談」の形で気軽に交流を深め、入社後のミスマッチを防ぐといった取り組みを行う企業もあります。
他にも、上司と部下、先輩と後輩など非公式なコミュニケーションの場としても面談は行われています。キャリア相談や担当業務の進捗確認など、面談の場で話す内容は幅広い点が特徴です。
面接の主な特徴
面接は選考の一部であり、応募は求職者の意思ですが、基本的に企業側に主導権があります。まずは面接の主な特徴について、目的、形式、進行方法の3つの観点から詳しく説明します。
目的
企業側の面接における主な目的は、応募者の能力や適性の評価です。質問に対する回答から、スキルや人柄を深掘りし、自社に適した人材かどうかをチェックしています。
履歴書や職務経歴書といった書類審査だけでは、企業文化との相性や、入社後所属するチームとの相性の判断は困難です。入社後のミスマッチによる早期退職を防ぐためにも、面接にてコミュニケーションを取ることは、お互いにとって必要な作業と言えます。
形式
面接には、面接官と求職者の1対1または複数の面接官と求職者1人で行う個人面接と、求職者が複数人で行うグループ面接、Web会議ツールを使用して行うオンライン面接があります。
面接では志望動機や前職の退職理由など特定の質問が行われるケースが一般的です。また、オンライン面接の場合、求職者は交通費や移動時間がかからないメリットがある一方、慣れるまでは画面越しのコミュニケーションに苦労するケースも考えられます。
進行方法
面接では、アイスブレイクののち、自社や求人内容の紹介、求職者の自己PRと進み、面接官から求職者に対し、複数の質問が行われる流れが一般的です。志望動機やこれまでに培ってきたスキル、仕事において何を大切にしているかといった質問のほか、自分の長所や短所、趣味など、質問内容は多岐に渡ります。
面接の最後に、求職者に対し「何か質問はありますか」と問いかけるケースもあるため、あらかじめ逆質問の内容を考えておくとスムーズです。
面談の主な特徴
一方、面談は合否を決める場ではなく、相互理解を深めるための場です。企業側と求職者が対等な立場で話すことで、より深く相手を理解できます。ここでは、面談の目的、形式、進行方法について解説します。
目的
転職時の面談は、応募の前段階や入社前の時点で、相互理解を深めるために実施されます。キャリアの相談や業務に対するフィードバックに対しても使用される言葉であり、合否を決める意図はありません。
面談は、信頼関係を深めるためのコミュニケーションの場として、活用されています。一定のマナーは必要ですが、比較的ざっくばらんに本音で話すことも許されています。相手に敬意を持ちつつ、気になることをいろいろ質問してみましょう。
形式
面談は、面接に比べリラックスした雰囲気のなかで実施されるケースが多いです。会社の会議室等だけでなく、場合によっては外部のカフェなどで行われることもあります。基本的には1対1の形式ですが、先輩社員を含めて小規模なグループで実施されるケースもあるでしょう。
「オンライン面談」の場合は、面接と同様、交通費や移動時間が不要になるメリットがあります。また「カジュアル面談」は、求人に応募する前段階でも参加可能です。求職者にとっては、よりリアルな声が聞けるチャンスです。
進行方法
面談の進行では、面談の内容が採用選考に影響を及ぼさないことや面談の目的説明が行われることが一般的です。担当者と求職者がお互いに自己紹介をしたり、質問・意見交換を気軽に楽しんだりできる雰囲気があります。
最後に今後の選考フローについて説明が行われるケースもあるものの、応募を強制する意図はありません。また、面談によって議題を決めて話すケースと、「ざっくばらんに話そう」といった形で議題を決めずに実施されるケースがあります。
面接を成功させる方法
転職活動において面接は、採用・不採用が決まる重要な場面です。成功に近づくための、次の2つのポイントについて解説します。
- 自己紹介・自己PRが重要となる
- 面接官が求める回答を意識する
自己紹介・自己PRが重要となる
面接では、面接官の質問に対してわかりやすく的確な回答が求められます。その場で考えて答えることは難しいため、あらかじめ自己分析を行い、自分の強みや適性、アピールポイントを深掘りしておく必要があるでしょう。
特に「自己紹介」「志望動機」など、必ず問われる質問については、丁寧な事前準備が効果的です。自分のスキルや性格と、企業ニーズを結びつけたうえで、的確なアピールにつなげましょう。また、回答に対しては、面接官から追加で質問される可能性があります。慌てずに済むように、回答を準備しておきましょう。
面接官が求める回答を意識する
あらかじめ、志望企業の文化や価値観、ビジョンを調べておき、面接官が求める人物像を把握しておきましょう。具体的なイメージが湧かない場合は、社員インタビューや社外活動などを参考にすると理解力が高まります。
次に「積極性」「協調性」などのキーワードを探します。面接では、キーワードと自分の価値観や経験が一致する回答が効果的です。エピソードは、具体的であればあるほど面接官の心に響くものです。数字やデータなどを入れ、信憑性のある回答を目指しましょう。
面談を成功させる方法
面談は、前述したように合否を決める場ではありません。しかし「聞きたかったことをすべて質問し、理解を深める」「自分のことを知ってもらう」といった点をクリアできれば、成功と言えます。
面談成功のために必要な、下記2つのポイントについて説明します。
- 質問したいことを整理して相談する
- お互いの理解を深められるよう努める
質問したいことを整理して相談する
面談は、面接とは異なり、気になることや疑問、悩み、不明点などを自由に質問できる貴重な場です。面談によってはあらかじめ目的が設定されているケースもあるため、目的を理解したうえで、当日の質問について整理しておきましょう。
面談も、担当者が貴重な時間を費やしてくれていることに変わりはありません。せっかくの機会を無駄にしないためにも、事前準備は必要です。また、自分で質問内容を整理していくなかで、新たな気づきや発見が生まれる可能性もあります。有意義な情報交換を目指し、入念に準備しておきましょう。
お互いの理解を深められるよう努める
面談は自分だけが一方的に話すのではなく、相手の話を聞く場でもあります。例え、自分とは異なる意見や感想が返ってきたとしても、否定したり拒絶したりすることは避けましょう。相手の意見を尊重する姿勢は、社会人として働く際に必要なスキルです。
また丁寧なコミュニケーションを取ることは、信頼関係構築にもつながります。入社前の面談であれば、今後一緒に働くことになる可能性もあるため、リラックスしながらも気を抜かず、積極的に対話を楽しみましょう。
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転職活動においては、面接、面談の違いを理解し、適切な行動をとることが求められます。カジュアル面談等を有効活用することで、入社後のミスマッチが防げるでしょう。
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