「夜勤はすべてがおかしくなる」という言葉を耳にしたことがある方もいることでしょう。夜勤は稼げる一方、体と精神に悪影響を及ぼす働き方です。長く続けることでデメリットの方が大きくなってしまうでしょう。

本記事では夜勤はすべてがおかしくなると言われる理由や夜勤向きの人の特徴、夜勤を辞めるメリットについて説明しています。

夜勤はすべてがおかしくなるのはなぜ?

夜勤には「稼げる」「夜型人間に最適」などのメリットがある一方、夜勤はすべてがおかしくなる、人生が終わるなどとの言葉もあります。その理由は、主に下記の4つです。

  • 睡眠不足になる
  • 体調を崩しやすくなる
  • 精神がおかしくなる
  • 人間関係が変わる

具体的内容について、それぞれ説明します。

睡眠不足になる

夜勤はすべてがおかしくなると言われるのは、昼夜逆転生活により生活リズムが乱れ、睡眠不足になるためです。厚生労働省「e-ヘルスネット」では、人には体内時計があること、活動する昼間には脳の温度が高くなり、夜間に熱が下がることでスムーズに就寝できるとの記載があります。

また睡眠促進作用のあるメラトニンは、明るい光の元では分泌されません。夜に働き昼間に眠る夜勤では、体内時計のリズムが崩れ、睡眠の質が悪化したり眠れなくなったりする可能性が高まります。

体調を崩しやすくなる

夜勤の場合、仕事を終えた早朝から遊びに出かけることが難しく、ストレスが溜まりやすくなります。暴飲暴食でストレスを解消しようとして、体調を崩すリスクもあります。

前述したように夜に光を浴びていると、メラトニンがうまく分泌されません。ホルモンバランスが乱れることで、女性であれば生理周期が乱れたり不妊の原因にもなったりするでしょう。また男女問わずイライラしたりやる気を失ったりといった症状も出やすくなります。

2007年には、国際がん研究機関(IARC)が体内時計と睡眠時間帯の乱れにより、がんを含む心身異常の原因になる可能性が高いことを発表しました。つまり夜勤は、がんのリスクを高める働き方と言えます。

精神がおかしくなる

夜勤を続けることで、昼間に日光を浴びる機会が減少します。幸せホルモンとも呼ばれている「セロトニン」を分泌することができず、精神的に追い詰められたり精神不安定な状態になったりする可能性が高まります。

精神的な余裕がなくなれば、些細なことでイライラしてしまいます。周囲からは「人が変わった」「性格が悪くなった」などと言われ距離をとられるでしょう。また、睡眠不足や質の悪い睡眠が続くことで、体調不良になったり、注意力や記憶力が下がったりと、日常生活に支障が出る可能性もあります。

人間関係が変わる

夜勤は、周囲の家族や友人と生活リズムが変わるため孤独になりがちです。コミュニケーション不足により、精神的に辛くなったり眠れなくなったりする方もいることでしょう。これまで培ってきた人間関係が大きく変わってしまうことから「夜勤はすべてがおかしくなる」と言われる可能性があります。

職場でも誰とも話さない、家に帰ってきたら寝るだけ、友人とは生活リズムが合わずに出かけることもないといった状態では、社会的孤立が深まり心身ともにダメージを受けてしまうでしょう。

夜勤に向いている人の特徴

夜勤の問題点やデメリットについて説明しましたが、実際には日勤よりも夜勤向きの人も存在します。下記は、夜勤に向いている人の4つのポイントです。

  • 夜型の生活に慣れている人
  • 収入を上げたい人
  • 通勤ラッシュが苦手な人
  • 自己管理が得意な人

自分は夜勤向きかどうか、チェックしてみてください。

夜型の生活に慣れている人

すでに今、夕方に起きて夜中に活動している人、夜勤の仕事を続けている人など、夜型の生活に慣れている人は、夜勤を選んだとしてもストレスを感じにくい可能性があります。早起きが苦手な人にとっては、夜勤は天職かもしれません。

しかし、人間は本来、朝に起きて昼間に活動し、夜は眠る生き物です。「自分は夜型だから問題ない」と思っていたとしても、体調を崩すリスクはゼロではありません。夜勤は心身に負担をかけると理解したうえで、仕事を選ぶことが大切です。

収入を上げたい人

労働基準法第37条では、午後10時から午前5時までの間に働く場合を「深夜勤務」と位置付けています。企業は、この時間に働く労働者に対し、通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金を支払う義務があります。

通常の時給が1,000円の場合、深夜勤務時の時給は1,250円です。夜勤かつ残業があれば、さらに残業手当(25%増)が発生します。さまざまな手当がつくことで、さらに高収入が見込めるでしょう。夜勤は稼ぎたい人にとっては、ベストな働き方と言えます。

通勤ラッシュが苦手な人

日勤の仕事の場合、通勤ラッシュを避けるには、会社の徒歩圏内に住む、リモートワークなど出勤のない方法を選ぶなどの方法があります。しかし、職種や住む場所が限られるため、現実的ではありません。

しかし夜勤であれば、会社員が帰宅する時間帯に出社し、出社する時間帯に帰宅するため、通勤ラッシュに巻き込まれる可能性は低くなります。電車だけでなく車での通勤の場合も、道路が空いていてスムーズに通勤できるでしょう。

自己管理が得意な人

夜勤は健康上のデメリットが多い働き方ですが、自己管理力が高く体調管理が得意な人は、デメリットを最小限に抑えて働くことが可能です。例えば、栄養バランスを意識した食事や昼間でも騒音や光に惑わされずに眠れる場所の確保または環境に左右されず深い眠りに入れる体質などを持ち合わせている人は、意欲的に働ける可能性があります。

また、1人で過ごす時間も楽しめる人など、友人と出かけるタイミングが合わなくてもプライベートを充実させられる人も夜勤向きです。

夜勤を辞めるメリット

夜勤に向いている人も、向いていない人も、夜勤は多少なりとも心身に影響を及ぼす働き方です。最後に夜勤を辞めた場合の下記4つのメリットについて紹介します。

  • 生活リズムが整う
  • 仕事と家庭の両立ができる
  • プライベートが充実する
  • メンタルが安定する

生活リズムが整う

夜勤を辞めると、昼間は仕事や遊び、夜は睡眠といった形で生活リズムが整います。毎晩決まった時間に眠り、適切な睡眠時間を確保することで、睡眠の質も高まるでしょう。

特に夜勤と日勤の2交代制の仕事であれば、生活リズムを無理に変える必要があり、大きなストレスになります。一方、日勤のみの仕事であれば、規則正しい生活を送ることができ、体調不良になるリスクも大幅に下がるはずです。朝の光を浴びて起きる生活をすることで、気持ちよく1日をスタートできるでしょう。

仕事と家庭の両立ができる

夜勤の日は、昼間に眠らなければ体力が持ちません。しかし昼間は、買い物や掃除、洗濯などやるべき家事があり、すべてを睡眠時間に充てるわけにはいきません。銀行や市役所など、昼間にしか行けない場所もあります。

睡眠時間を削って家のことをしてしまうと、睡眠不足や十分に疲労が回復していないなどの理由で、夜勤の仕事に影響が出てしまうでしょう。一方、日勤であれば家庭と仕事の両立が可能です。ワークライフバランスを重視した働き方をしたい場合は、夜勤を辞めることもひとつの方法です。

プライベートが充実する

夜勤を辞めて日勤にすると、同じく日勤で働く人と予定が合わせやすくなります。家族や友達と過ごす時間が十分に確保できるため、プライベートが充実するでしょう。予定が合わせやすくなるため、旅行に行くことも可能です。

遊びの誘いを断り続けて交友関係を失う心配もありません。1人で過ごす時間も良いものですが、仲の良い人たちと過ごす時間も特別です。良い交友関係は、人生の満足度を高めてくれるでしょう。

メンタルが安定する

夜勤を辞めて家族や友人など好きな人との交流機会が増えることで精神的にも満たされ、穏やかな日々が過ごせるでしょう。また朝起きてカーテンを開け、朝日を浴びることで「セロトニン」が分泌されやすくなります。

セロトニンの分泌量が増えれば、ポジティブ思考、ストレス解消といった効果も期待できます。自分を過剰に卑下したり人と比較して落ち込んだりすることがなくなり、メンタルの安定にもつながるでしょう。

夜勤で体がおかしくなる前に転職しよう

夜勤はすべてがおかしくなる可能性の高い働き方です。「夜型」「通勤ラッシュを避けたい」など夜勤に向いているタイプの方も存在しますが、心身に負担をかける働き方であることは間違いありません。夜勤を続けて心身を壊す前に、ダイレクトリクルーティング「HUGAN」に登録し、自分に合った仕事に転職してみませんか。

「HUGAN」では若手ポテンシャル採用にも力を入れています。「経験が少ない」という方も、まずはお気軽にご登録ください。思いがけない企業からのオファーが届き、きっと驚くことでしょう。