面接時に長所を聞かれる理由として「自己分析ができているか」「企業との相性は良いか」などが挙げられます。いくら高いスキルがあったとしても、正しく長所を伝えられなければ不採用となる可能性が高いです。

本記事では、面接で長所を質問される意図や長所を考える際に役立つポイントと注意事項について解説します。転職成功に向けて、参考にしてください。

面接で長所を聞く4つの意図とは

面接の定番である長所の質問には、次の4つの意図が隠されています。

  • 自己分析ができているか把握したい
  • 企業へのマッチ度が知りたい
  • 入社後に活躍できる人材か判断したい
  • どのような人物なのか知りたい

それぞれの内容について解説します。

自己分析ができているか把握したい

長所を説明するためには、自分を客観的に捉える力が必要です。自己分析を行い自分の強みを理解している人は、仕事においても自分が果たすべき役割を理解し、動くと考えられます。

また企業側も正確にスキルや強みを把握できるため、入社後のイメージが湧きやすい、成果が出やすいといったメリットがあります。

企業へのマッチ度が知りたい

例えば社内起業家のような高い行動力を求めている企業に対し、協調性がありサブリーダーとしての適性が高い求職者の適性は高くありません。仮に入社したとしても、力が発揮できず、早期退職につながる可能性があります。

早期退職は、企業、応募者共に避けたい事態です。長所の質問を通して、自社の社風や方針と応募者の個性がどれだけ合っているかを事前に把握しておくことで、ミスマッチが防げます。

入社後に活躍できる人材か判断したい

長所は「協調性がある」「コミュニケーション能力が高い」「個人での作業が得意」など、人によって異なります。入社後の人間関係や想定している業務との適性は重要です。

企業は入社後に活躍できる人材かどうかを判断するため、長所と具体的なエピソードを把握したがっています。

どのような人物なのか知りたい

単純に応募者の人柄を知りたいとの思いから生まれた質問の可能性もあります。例えば、テキパキと働き、人前に出ることを楽しむ人とマイペースにコツコツと物事を進め、縁の下の力持ち的なことを好む人がいるとしましょう。

この2人は、それぞれ仕事の適性も異なります。人となりや人柄を把握し、仕事での働き方の見通しを立てたいと考える企業も存在します。

面接で長所を答える5つのポイント

面接で長所を答える際、面接官に自分をより理解してもらうためには、次の5つのポイントが重要です。

  • 結論となる長所から伝える
  • 長所に気づいたエピソードを伝える
  • 長所とそのほかの話に一貫性を持たせる
  • 仕事にどう活かせるのか伝える
  • 自分らしい表現を心がける

それぞれの内容を解説します。

結論となる長所から伝える

面接は、短時間での勝負です。結論ファーストで話すことで、自分の話が伝わりやすくなります。端的に長所を述べたあと、長所だと気づいたきっかけや理由などの具体的なエピソードを添えましょう。

長所に対する説得力が増し、相手が納得しやすくなります。これは面接だけでなく、プレゼンにも使える手法です。

長所に気づいたエピソードを伝える

いくら簡潔に長所を述べても、裏付けるエピソードがなければ面接官の心には響きません。逆にエピソードが多すぎても「言いたいことがまとまっていない」「自己分析ができてない」と、マイナスに捉えられる可能性があります。

長所にまつわるエピソードを1つに絞り、行動や成果を具体的に述べましょう。

長所とそのほかの話に一貫性を持たせる

面接では長所だけでなく短所や強み、自己PRについてなど、さまざまな質問が行われます。話した内容と矛盾しないよう、一貫性を持たせた回答を心がけましょう。

長所が「協調性」であれば、自己PRの際にも、社内外の人と一緒に成功させたプロジェクトについて話すといったイメージです。ここでちぐはぐな印象を与えてしまうと「自己分析不足」「信ぴょう性に欠ける」と判断されてしまいます。

仕事にどう活かせるのか伝える

長所を話す際には、できるだけ応募企業が求めているスキルや人物像と関連づけましょう。長所をどのように業務に活かしたいのかといった視点から、考えを述べていきます。

いくつも長所がある場合は、業務との関連性が高いものやアピールしやすいものを優先的に選ぶと効果的です。長所が協調性であればチームでの作業、柔軟性の高さの場合は、接客業や営業でスキルを活かしたいといった形で考えてみましょう。

自分らしい表現を心がける

Web上にはいくつも長所の見本例が掲載されていますが、そのまま使用することは避けましょう。「どこかで聞いたことのある回答」は、面接官の心に響きません。

表現方法を変えたり、他の応募者と被りにくいエピソードを選んだりと、自分らしさが伝わるような工夫を取り入れましょう。類語辞典を使って言い換える、比喩を使うなどの方法もあります。

長所を伝えるときの3つの注意点

いくら長所の選び方が正しくても、伝え方を間違ってしまうと、面接官の心には響きません。長所を伝える際の注意点は、次の3つです。

  • 長所が成果につながったエピソードがない
  • 抽象的な長所を回答しない
  • 仕事に活かせない長所を回答しない

長所が成果につながったエピソードがない

どれほど素晴らしい長所だとしても、理由が弱いもの、成果を語れないものは避けましょう。「上司や親に言われたから」「自分がそう思ったから」などの理由だけでは、説得力に欠けます。

具体的に何らかの成果につながったエピソードと共に語れる長所を選びましょう。ここでの成果とは「前年比売上◯%を達成」「指名の増加」「作業時間の短縮」などを意味します。

抽象的な長所を回答しない

「誰にでも親切」「気配り上手」といった抽象的な長所は、できるだけ避けましょう。面接官から見た際に、長所を具体的に業務に活かせるイメージが湧きにくいためです。

人柄は十分に伝わりますが、それだけでは採用につながりにくい可能性があります。客観的な裏付けや実績が語れない長所は、避けたほうが無難です。

仕事に活かせない長所を回答しない

「家族思いです」「大食いが得意です」などの仕事と関連性の低い長所は、質問の意図を汲めていないと判断される可能性があります。業務との関連性の低い長所は避けてください。

また、企業、業界ごとに求める人材の特徴は異なります。ミスマッチによる不採用を避けるため、求められている人材の特徴に合う長所を選びましょう。

長所を探す4つのコツ

長所は、本来見つけにくいものではありません。長所が見つからないとお悩みの場合は、次の4つのコツを参考にしてください。

  • 過去のエピソードを整理し自己分析する
  • 前職の経験から探る
  • 周囲の人に長所を聞いてみる
  • 短所を言い換えて長所に変える

具体的な方法を解説します。

過去のエピソードを整理し自己分析する

学生時代や転職前の仕事など、過去の経験を思い出してみましょう。印象に残っているエピソードの中から、成功体験や何らかの成果を出した内容を書き出します。

成功できた理由は?なぜ成果が出せたのか?など、理由を掘り下げることで、共通点に気づくことでしょう。ここで出てきた共通のキーワードや行動は、自分の長所として使える可能性が高いです。

前職の経験から探る

前職で学んだこと、人から評価されたこと、実績を上げたことから長所を見つける方法です。例えば「販売ノルマ達成」であれば、精神力や忍耐力、計画性などが鍛えられたことでしょう。

「チームリーダーとしてプロジェクトを成功させた」であれば、コミュニケーション能力や問題解決能力、リーダーシップなどの長所がPRできます。

周囲の人に長所を聞いてみる

自分の長所が見つけられないときは、家族や友人、知人、同僚など、周囲の人に聞いてみましょう。第三者の視点だからこそ、新たな長所が見つかる可能性があります。「自分の長所を決めるのは恥ずかしい」「自信がない」と考えている人にも効果的な方法です。

ただし、面接官には「人に言われたから」という理由だけでなく、具体的なエピソードを添えて伝えるようにしましょう。

短所を言い換えて長所に変える

すでに短所が思いついている状態であれば、短所を言い換えて長所に変える方法が効果的です。例えば、短所が「頑固」であれば、長所は「意志が強い」、短所が「楽観的」であれば、長所は「前向き、ポジティブ」と言い換えられます。

長所と短所は表裏一体です。また、面接の際に話す内容にも一貫性が出ます。

転職時の面接対策はHUGANがおすすめ

転職の面接で長所を伝える際には、結論ファーストが重要です。具体的なエピソードと共に、長所をどうやって仕事に活かしたいか、積極的にアピールしましょう。

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