SESエンジニアのなかには、なかなか転職できない方も少なくありません。しかし、スキルアップに取り組み、適切な転職活動をおこなえば、十分に転職は可能です。

本記事では、転職できないSESエンジニアの特徴、SESから転職を成功させる方法について解説します。SESエンジニアとして働いていて転職に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

転職できないSESエンジニアの特徴

転職できないSESエンジニアは、以下のような特徴があります。

  • コミュニケーション能力が低い
  • スキルや経験が不足している
  • 下流工程の案件を短いスパンで転々としている

それぞれ詳しく解説します。

コミュニケーション能力が低い

SESエンジニアの中には、コミュニケーション能力が不足するケースが見受けられます。クライアントとの直接的なやり取りが少ない環境で働くことが多いため、コミュニケーションスキルを磨く機会が限られることが原因の一つです。

結果として、自分の意見を明確に伝えたり、相手の意図を正確に汲み取ったりすることが苦手になってしまう場合があります。例えば、プロジェクトの進捗状況を報告する際に、要点を絞って簡潔に伝えられなかったり、クライアントからの要望を誤って解釈してしまい、手戻りが発生してしまったりする問題が起こります。

コミュニケーション能力の低さは、転職活動においても大きな障壁となります。面接では技術力だけでなく、コミュニケーション能力も重要な評価ポイントです。自分の考えを論理的に説明したり、面接官の質問に対して的確に回答したりする能力が求められます。

スキルや経験が不足している

SESエンジニアは、特定の分野に特化したスキルや経験しか積めていないことが多いため、転職活動において苦戦する場合があります。SESの働き方では、1つのプロジェクトで限られた範囲の業務しか経験できないため、幅広いスキルを身につけることが難しいのです。

例えば、長期間にわたってテスト業務やヘルプデスク業務に従事していると、その分野の経験は豊富になりますが、開発や設計などの上流工程の経験は乏しくなります。

しかし、多くの求人では、「〇〇言語での開発経験3年以上」など、特定の分野で一定の経験を求められることが一般的です。そのため、自身のスキルや経験が企業の求める水準に達していないと、転職が難しくなってしまうのです。

下流工程の案件を短いスパンで転々としている

SESエンジニアが下流工程の案件を短いスパンで転々としていると、転職活動で不利になってしまいます。下流工程の案件は、プロジェクトごとに使用言語や業務内容が大きく異なることが多いため、短期間で1つのスキルを深く習得することが難しいのです。

半年や1年など、短いスパンでプロジェクトを転々としていると、技術経歴書には細切れのスキルが羅列されることになります。これでは、1つの分野に対する専門性が希薄だと受け止められかねません。

キャリアアップを目指すなら、1つのの分野に軸足を置いて専門性を追求することが不可欠です。下流工程に携わるのであれば、同じ案件に腰を据えて取り組み、その分野のプロフェッショナルを目指すべきでしょう。

長時間労働で転職やスキルアップに充てる時間がない

SESエンジニアは、長時間労働に悩まされることが少なくありません。残業や休日出勤が多いと、転職について考える時間や、スキルアップのための勉強時間を確保することが難しくなります。

長時間労働を余儀なくされると、転職活動に必要な情報収集や自己分析、面接対策などに十分な時間を割くことができません。新しい技術を学ぶための時間もなく、スキルアップが難しくなる可能性もあります。

結果として長時間労働から抜け出せず、転職やキャリアアップのチャンスを逃してしまう悪循環に陥るのです。

【難易度別】SESから転職できるIT系職種5選

SESエンジニアからの転職は、職種によって難易度が異なります。ここでは、SESエンジニアから転職しやすいIT系職種を、難易度別に5つ紹介します。

  • 【比較的容易】他社SESの上流工程
  • 【やや難関】社内SE、情報システム部門
  • 【やや難関】SIer
  • 【難関】自社開発
  • 【難関】ITコンサル

それぞれ詳しく見ていきましょう。

【比較的容易】他社SESの上流工程

現在のSES企業で、下流工程ばかりを担当していて、キャリアアップを目指している方におすすめなのが他社SESの上流工程への転職です。上流工程は、要件定義や基本設計など、システム開発の上流部分を担当します。

SIerや自社開発への転職は、上流工程の経験がないと難しいですが、他社SESの上流工程であれば、比較的転職しやすいでしょう。上流工程の経験を積むことで、将来的にSIerや自社開発へのキャリアアップも目指せます。

【やや難関】社内SE、情報システム部門

社内SEや情報システム部門(情シス)は、社内のITに関わる幅広い業務を担当します。特定の分野に特化するのではなく、社内のさまざまなIT課題に対応できる能力が求められます。

SESエンジニアの場合、特定分野の専門性は高くても、幅広い知識やスキルを持っていないこともあるでしょう。しかし、社内SEや情シスの求人では、「IT関連の知識がある方」など、スキル要件が緩めに設定されていることも多いのです。

また、社員からの問い合わせ対応やシステムベンダーとの折衝など、コミュニケーション能力が重視されるため、コミュニケーション能力に自信がある方に向いていると言えるでしょう。

【やや難関】SIer

SIerは、システムインテグレーターの略で、客先常駐型でシステム開発をおこなう企業のことです。SIerへの転職は、開発やインフラ構築のスキルが求められるだけでなく、クライアントとの折衝スキルも必要です。

SESエンジニアは、客先に常駐して業務をおこなうことが多いため、お客様目線を持っているという点では、SIerへの転職でアピールできる部分があります。ただし、SIerはSESよりも上流工程を担当することが多いため、開発経験が豊富で専門性の高いエンジニアでないと、転職には努力が必要です。

【難関】自社開発

自社開発は、自社サービスを開発・運用する企業のことです。給与水準が高めに設定されていることが多く、開発系エンジニアに人気の職種です。自社開発企業は、SESのように多重下請け構造ではないため、中間マージンがかからず、エンジニアの給与が高くなる傾向にあります。

その代わり、求められる技術水準も高くなります。SESエンジニアの場合、特定分野での開発経験が長く、専門性が高ければ、自社開発への転職のチャンスはあるでしょう。

【難関】ITコンサル

ITコンサルタントは、クライアントの業務課題を解決するために、ITを活用した提案をおこないます。SIerと似ていますが、ITコンサルタントはより上流の業務を担当し、クライアントのビジネス全体を広い視野で捉え、最適化するために動きます。

また、ITコンサルタントには、高度な提案力が必要です。与えられた業務をこなすだけでなく、クライアントの立場に立って本質的な課題を見極め、最適解を導きます。SESエンジニアの場合、業務を着実にこなす力はあっても、このような提案力は不足しがちなことも多いでしょう。そのため、SESからITコンサルタントへの転職は難易度が高いと言えます。

転職できないと言われるSESから転職を成功させる方法

SESエンジニアからの転職は難しいと言われがちですが、適切な準備と戦略を持てば、十分に成功する可能性はあるでしょう。ここでは、SESから転職を成功させるための具体的な方法として、以下の3つを紹介します。

  • キャリアプランを明確にする
  • キャリアプランに沿ったスキルを磨く
  • ダイレクトリクルーティングを活用する

それぞれ詳しく見ていきます。

キャリアプランを明確にする

転職を成功させるには、自分のキャリアプランを明確にすることが重要です。以下の点を固めておきましょう。

  • どのような企業で働きたいのか
  • SESで達成できていないことは何か
  • 目標を達成するために必要なスキルや経験は何か

自分の強みや弱み、将来のキャリアビジョンを整理することで、転職活動の方向性が定まります。キャリアプランが不明確な場合は、信頼できる人に相談するのもよいでしょう。考えが整理できるため、自分のなりたい姿が見えてくるはずです。

キャリアプランに沿ったスキルを磨く

キャリアプランが明確になったら、次はそれを実現するためのスキルアップに取り組みましょう。自分の強みを伸ばし、弱点を克服することが大切です。

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ダイレクトリクルーティングを活用する

SESの転職には、ダイレクトリクルーティングを活用するのもおすすめです。企業から直接オファーが届くため、SES経験者が抱えがちな「スキルや経験が偏っているのではないか」「自分の市場価値がわからない」といった不安を解消できるからです。

例えば、特定のプロジェクトでしか経験のない技術や経験年数が短いスキルでも、企業によっては高く評価される場合があります。自分の市場価値を把握し、新たな可能性を広げたい方は、ぜひ活用してみてください。

SESでもスキルアップや行動次第で転職できる!

SESエンジニアは、特定分野に特化しがちで、スキルや経験が偏りやすいという特徴があります。また、長時間労働で自己投資の時間が取れず、キャリアアップの障壁となっていることも、SESエンジニアは転職が難しいと言われる原因です。

しかし、SESであっても、計画的にスキルアップに取り組み、適切な転職活動をおこなえば、十分にキャリアアップが可能です。他社SESの上流工程や社内SE、SIerなど、SESエンジニアの経験を活かせる職種は多岐にわたります。

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