働き方が多様化する現代において、年収やキャリアよりも、ワークライフバランスを重視して転職を決める人は少なくありません。ライフステージの変化に合わせて、ワークライフバランスを変えられる環境をで働くことは、長期的な働きやすさにも繋がります。

そこで今回は、ワークライフバランスを転職で実現する4つの方法について、ワークライフバランスを重視している企業を見抜くポイントや業界の特徴とともに解説します。

ワークライフバランスとは

ワークライフバランスがとれている状態とは、私生活と仕事どちらも充実させるため、結婚や育児・介護などライフステージに合わせた働き方を選択できる状態です。

内閣府は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定し、ワークライフバランスが取れた具体的な状態として、以下の3つを挙げています。

  • 働くことで結婚や育児に対する希望を叶えるための経済的な基盤が確保されている
  • 心身の健康を保ち、家族・友人と過ごす時間を持つ生活が送れる
  • 性別・年齢を問わず、意欲と能力を活かせる労働機会を持てる

こうしたワークライフバランスを軸に、結婚や育児で家族との時間を増やしたいと考え、転職を選択する人も少なくありません。

ワークライフバランス重視の企業を探すポイント

ワークライフバランスを重視している企業を探すポイントは以下の4つです。

  • 実際にワークライフバランスの改善に取り組んでいる
  • ワークライフバランス認定を取得している
  • 口コミや評判をチェックする
  • 求人情報に注目する

それぞれ解説します。

実際にワークライフバランスの改善に取り組んでいる

企業が実施している社内制度から、実際にワークライフバランスの改善にどの程度取り組んでいるか判断できます。例えば、フレックスタイム制度やリモートワーク制度を取り入れている企業は、ワークライフバランスの改善を意識している可能性が高いです。

ただし、実際に制度があっても使用されていなければ、ワークライフバランスが取れた企業とはいえません。転職先の企業を探す際は、育児休暇や介護休暇の取得率、フレックスタイム制度やリモートワーク制度の適用範囲まで確認することがポイントです。

ワークライフバランス認定を取得している

厚生労働省の認定制度を取得している企業は、ワークライフバランスを重要視しているといえるでしょう。ワークライフバランスを図る目的や対象者に合わせて、以下の通り複数の認定制度があります。

ユースエール認定制度 若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な企業を認定
えるぼし認定制度 女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業を認定
くるみん認定制度 子どもたちの健全な育成を支援するための計画目標を達成し、一定の基準を満たした企業を認定

企業はこれらを取得するために、制度毎に課された条件をクリアしています。しかし、実際に働く環境は認定制度の取得から判断が難しいため、気になる点は転職を決める前に企業へ質問してください。

口コミや評判をチェックする

口コミサイトやSNSの企業に関する情報や、転職エージェントから知る情報は企業の実態を知るうえで重要です。転職を希望する企業や職種で働いた経験がある人の評価から、職場環境や実際の働き方を把握できます。

ただし、口コミやSNSの匿名の投稿内容には偏った情報も記載されているため、正確性に欠けるかもしれません。その点、転職エージェントなら他の企業と比較して優良な点だけでなく、企業の課題やネガティブな側面を第三者目線で分析して伝えてくれます。

求人情報に注目する

求人情報に記載されている企業情報を細かくチェックすることも、ワークライフバランスを重視している企業を見抜くポイントです。フレックスタイム制度・リモートワーク制度はもちろんですが、育児休暇や介護休暇・時短勤務を記載しているのは、企業がワークライフバランスを推進している証拠と考えられます。

反対に、労働時間や休日の取り扱いが明確にされていない場合は、転職を希望する段階で企業に質問し、確認しておきましょう。また、企業が掲げるビジョンや価値観から、働きやすさへの取り組みや企業としてのワークライフバランスの優先度を見極められるでしょう。

ワークライフバランスが良いとされる業界

ワークライフバランスが良いとされる業界は以下の3つです。

  • IT企業
  • 金融機関
  • 大手メーカー

それぞれの仕事内容やワークライフバランスが取りやすい理由を解説します。

IT企業

IT企業は働き方の選択肢が多く、今後もワークライフバランスが取りやすくなると考えられる業界です。フレックスタイム制度を導入している企業も多く、職種によっては完全リモートワークも可能です。

多くの企業がデジタル技術と共にビジネスを発展させる現代において、ITに関わる人材の需要はIT企業だけでなく、今後も高まると予想されます。こうした背景からIT企業は、エンジニアをはじめ人材確保を重視すると考えられ、IT業界全体としてワークライフバランスの改善や底上げが期待できます。

金融機関

銀行や保険会社等の金融機関は、正社員の女性比率も高い業界のため、ワークライフバランスが取りやすい業界の一つです。厚生労働省が実施した「令和5年度雇用均等基本調査企業調査」の結果によれば、金融業および保険業の女性正社員・正職員の割合が43.1%と、平均値27.2%の1.5倍と比較的高くなっています。

女性が多い職場では、育児休暇や介護休暇を取得しやすい雰囲気や職場環境の場合が多く、ワークライフバランスを考慮した転職に向いている業界と言えます。

大手メーカー

大手企業の中でもメーカーは、ワークライフバランスが良い企業が多いです。大手企業では勤怠システムを活用し、休暇日数や残業時間を細かく管理しているため、必然的にワークライフバランスが取りやすい環境となっています。

それに加えてメーカーでは、製品の製造から販売まで業務を細分化し、1人当たりに割り当てる業務量と時間を決めています。職種によって突発的な対応が無いとは言えませんが、1日の業務量が見通せる点で、ワークライフバランスを取りやすいと言えるでしょう。

転職でワークライフバランスを実現するためのコツ

転職でワークライフバランスを実現するためのコツを3つ紹介します。

  • 理想とする働き方を言語化する
  • 業務を効率化できるスキルを身につける
  • ワークライフバランスが良い企業を見つける

それぞれ解説します。

理想とする働き方を言語化する

どんな働き方をしたいか言語化することは、理想の働き方に近づくために必要です。自分の求めるワークライフバランスが明確になっていなければ、どんなに企業を探しても転職したい企業は見つかりません。

「家で仕事がしたい」「始業時間に縛られたくない」などの要望を、リモートワーク制度やフレックスタイム制度といった、具体的な転職の選択肢として落とし込みます。自分が選択したい仕事と私生活のバランスを明確にすると、面接で説明する際に希望を伝えやすくなるだけでなく、転職で理想の働き方を実現しやすくなるでしょう。

業務を効率化できるスキルを身につける

理想の働き方への近道は、効率的に業務を遂行するスキルを身につけることです。例えば管理職としての業務効率を上げるなら、チーム全体の作業を円滑に進めるために必要なプロジェクト管理ツールやソフトウェアを活用するスキルを獲得します。

エンジニアならより高度なプログラミングスキルを習得し、反復作業を効率化して時間を節約すれば、私生活を充実させたり新たなスキル獲得に時間を当てるといった選択肢が広がるでしょう。

ワークライフバランスが良い企業を見つける

ワークライフバランスの良い企業を見つければ、最速で理想の働き方を現実にできます。フレックスタイム制度やリモートワークが活用できる企業や、育児休暇・介護休暇の取得率が高い企業はワークライフバランスが整っている可能性が高い企業です。より具体的な職場環境や雰囲気は、ワークライフバランスの認定制度だけでなく、企業の口コミや評判を参考にして従業員の満足度から推測できます。

入社の条件として提示されているスキルで「自分には選択肢が無い」と考えず、中長期的に見て必要なスキルを獲得してから転職をするのも1つの手段です。

ワークライフバランスを転職で実現するならスキル獲得がおススメ

理想のワークライフバランスを転職で実現する、企業と業界の選び方についてご紹介しました。ワークライフバランスは企業だけでなく、そこで働く人たちの意識や業界の風潮から、どの程度まで実現できるかが変わります。いま働いている業界で、理想の働き方ができる企業が見つけられない場合、スキルを身につけワークライフバランスがとりやすい業界へ転職する選択肢もあります。

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