面接では、最近気になるニュースについて質問されることがあります。あらかじめ回答を準備しておくことで、スムーズな対応が可能です。
本記事では回答のコツと例文、さらにニュースの選び方についてわかりやすく解説します。質問の意図を理解したうえで、自己PRにつなげる回答作成にお役立てください。
目次
「最近のニュース」を面接で聞くのはなぜ?
企業が転職の面接において「最近のニュース」を質問する理由は、主に次の3つです。
- どのような人物なのか把握したい
- 物事を言語化する能力の確認
- 世の中に関心があるのか知りたい
質問の意図を理解し、適切な回答を準備するために、各理由について解説します。
どのような人物なのか把握したい
採用担当者は、ニュースの内容から求職者の価値観や興味の方向性を把握しようとしています。ニュースにはさまざまなジャンルがあり、基本的にはどれを選んでも不正解ではありません。そのため、選んだ理由やニュースに対する解釈には、人柄が表れます。
入社後の仕事との相性や既存社員との相性、意欲的に仕事に取り組むタイプかどうかなど、さまざまな角度から人物像を確認するための質問です。人物像により深く迫る質問をされる可能性もあるため、万全の準備をしておきましょう。
物事を言語化する能力の確認
ニュースの内容を正しく理解するためには、一定の知識力と理解力が必要です。さらに、自分の言葉で説明するためには、言語化能力が求められます。他人の意見を自分の意見のように語ったり、表面的な理解だけで感想を述べたりした場合、追加の質問で突っ込まれた際に適切な返答ができず、準備不足を指摘されてしまうでしょう。
ただし、特別な意見を述べる必要はありません。あくまで自分が理解し、自分なりの意見を述べることが重要です。
世の中に関心があるのか知りたい
ビジネスの世界において「情報」は非常に価値のあるものです。特に、流行はビジネスチャンスを得るきっかけにもなり得ます。その分、移り変わりも激しく、常に最新情報を追いかけることは容易ではありません。
面接当日の朝のニュースについて語る必要はありませんが、1年以上前に話題になったニュースを例に出してしまうと、情報感度が低いと判断されてしまうでしょう。世の中に関心がない=仕事にも意欲的ではない、と受け止められるリスクがあります。
最近のニュースを面接で答えるときのコツ
最近のニュースについて面接で伝える際には、「順番」「自分の考え」の2つを意識すると効果的です。話すことに自信がない方も、コツを掴むだけで面接官に与える印象を大きく変えることができます。
ニュースを伝える順番を工夫する
ニュースを伝える際には、次の4ステップを心がけると面接官に伝わりやすくなります。
- ニュースのテーマと内容(要約)
- ニュースを取り上げた理由
- 自分の考え・感想
- (可能であれば)自分の行動・学びの活用方法
面接官が知っていると思われるニュースであっても、最初に説明が必要です。また、最後は選んだニュースに基づき、今後自分がどのような行動を取るのか、具体的に語れるとより良いでしょう。
また、解答後には、面接官から追加質問がある可能性が高いです。あらかじめいくつか質問を想定し回答を用意しておくと焦らずにすみます。
ニュースと共に自分の考えを伝える
ニュースの要約も大切ですが、単に事実を説明するだけでは、積極的なアピールにはつながりません。あなた自身の具体的な考えや感想を述べることが重要です。
さらに、志望する業界や企業との関連性があればなお良いでしょう。例えば選んだニュースが「物価上昇」、志望企業が「BtoCメーカー」の場合、販売価格の値上がりに伴う付加価値をつけ、消費者から選ばれる商品開発を目指したいといった回答が考えられます。
【例文】最近のニュースを面接でたずねられたときの回答例
ここからは最近のニュースに関する面接での回答を、どのように作成すればいいかお悩みの方向けに、3つのニュースの例文を紹介します。
- AI技術に関する例文
- リモートワークに関する例文
- 電子決済に関する例文
例文を参考に、自分なりの回答を作成してみてください。
AI技術に関する例文
私が気になったのは、総務省とKDDIが日本語に特化した生成AIの共同研究をスタートしたニュースです。私自身日頃から生成AIを使用する機会が多いものの、外国語が基本であり、細かなニュアンスの相違が課題だと感じていました。
日本語に特化した生成AIが実用化されれば、業務の効率化や新規アイデアの創出、人手不足解消など、さまざまなメリットがあると感じます。生成A Iの可能性は限りなく、私自身も入社後は、生成A Iを活用して新たなサービスを生み出し、会社に貢献したいです。
リモートワークに関する例文
最近気になったニュースは、2022年3月に新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が解除されて以降、減り続けてきたリモートワークの割合が、2024年4月の最新調査で初めて増加した点です。今回の結果の理由には、個人の判断で出社・テレワークを選択できるようになったことが挙げられていました。
テレワークには、情報漏洩の危険性やコミュニケーションの取りにくさなど課題があるなか、仕事と家庭の両立や既存の通勤時間を資格取得の時間に費やせるなど、メリットもあると感じます。私自身も、入社後は、業務効率を高めるため、出社・テレワークの両方を活用できればと思っています。
電子決済に関する例文
最近注目したニュースは、2024年5月に熊本県内の路線バス・鉄道事業者が全国交通系ICカードの廃止を決めたことです。私が普段よく利用する店でも電子決済が使える店が増えており、一消費者としては便利だと思います。しかし、今回の熊本の例では機器の更新コストが導入時に比べて1.5倍になっているとのことで、事業者側の負担の大きさを感じました。
それでも、私は電子決済サービスには、将来性があると感じています。そのため、入社後は、更新コストを低額で抑えられるような新規制のある電子決済サービスの作成に関わりたいです。
面接向けの最近のニュースの選び方
面接をスムーズに進めるために意識したい「最近のニュース」の選び方は、次の3点です。
- 面接を受ける企業に関わるニュースを選ぶ
- 面接に適さないジャンルを避ける
- ニュースは1年以内のものに絞る
面接を受ける企業に関わるニュースを選ぶ
IT業界への面接の場合はAIやクラウドサービス、広告業界であれば宣伝方法に関する法律の規制など、志望する企業に合わせたニュース選定が重要です。ただし、面接官は業界の専門家であるため、基本的な知識を踏まえたうえで、具体的なニュースを取り上げましょう。
また、業界に関係するニュースであっても、ネガティブな要素を含むものや業界再編などの内容は避けたほうが無難です。マイナーなテーマも、面接官に理解してもらえない可能性があるため、選ばないことをおすすめします。
面接に適さないジャンルを避ける
面接に適さないジャンルのニュースは、下記のとおりです。
- 宗教
- 思想
- 政治
- 芸能
- プライベート
理由として、自己PRに結びつけにくいことや、面接官との共有が難しいことが挙げられます。厚生労働省は、採用選考において宗教、支持政党、思想について配慮すべき事項としています。つまり、自ら宗教や政治について話すことはタブーではないものの、面接官としては評価に困るため避けたほうが無難です。
ニュースは1年以内のものに絞る
「最近のニュース」をたずねられている以上、少なくとも1年以内のニュースから選びましょう。時系列で説明するために、1年以上前のデータを話したうえで、最新情報の話を行うぶんには問題ありません。
また、情報源は日本経済新聞をはじめとした新聞社やNHKなどのマスメディアなど、信頼のおけるものを選択します。個人のサイトやSNSの情報を鵜呑みにして話すと、情報リテラシーの低さを疑われるリスクもあります。
最近のニュースを知って面接対策をしよう
面接官は人物像の把握や言語化能力・情報収集能力の確認、世の中への関心の高さを把握するために、最近のニュースを問うかたちで質問を行います。質問の意図を汲み取り、事前に最近のニュースにまつわる情報を収集し、準備しておくことで、面接官の期待値を超える回答ができるでしょう。
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