転職に必須といわれる自己分析ですが、たくさんのやり方がありすぎて、どれを選べば良いのかわからず悩んでいる方もいるでしょう。

そこで今回は、自己分析の目的と代表的なやり方を5種類ご紹介します。転職が怖いと感じる5つの原因を解説します。自己分析をする際のポイントも解説しますので、ぜひ転職にお役立てください。

自己分析の目的

自己分析は目的を理解しておくと効果的です。ここでは2つの目的を解説します。

  • 将来のビジョンやキャリアを明確にするため
  • 自分の強みやスキルなどを洗い出すため

将来のビジョンやキャリアを明確にするため

まず、転職を通じて自分がどんな未来を描きたいのか、どんなキャリアを築きたいのかを深く掘り下げましょう。具体的な仕事内容や役職だけでなく、どんな働き方をしたいのか、どんな価値観を大切にしたいのか、どんなスキルを身につけたいのかなど、自分にとっての理想のキャリアを具体的にイメージすることが重要です。

自己分析を通じて自分の価値観や強みを理解すれば、転職先を選ぶ際の軸が明確になり、本当に自分に合った企業や仕事を見つけることができます。また、将来のキャリアプランを立てる上での指針にもなり、目標に向かって着実に進めるでしょう。

自分の強みやスキルなどを洗い出すため

自分の得意なこと、経験を通じて培ってきた能力、実績などを明確にすることも大切です。自己分析を通じて、自分がどんな仕事で成果を上げてきたのか、どんなスキルを活かして問題を解決してきたのか、どんな強みを持っているのかを具体的に把握できます。

これらの情報を整理することで、転職活動において自分の強みを効果的にアピールできるだけでなく、企業が求める人物像と自分の能力を照らし合わせ、ミスマッチを防げます。また、自信を持つことにも繋がり、転職活動全体をポジティブに進められるでしょう。

誰でも簡単にできる自己分析のやり方5選

自己分析にはさまざまなやり方がありますが、ここでは、代表的な5つの方法を具体的にご紹介します。

  • マインドマップ
  • モチベーショングラフ
  • 自分史
  • ジョハリの窓
  • Will・Can・Must

マインドマップ

マインドマップは自分の思考やアイデアを視覚的に整理し、客観的に把握できる手法です。一つのテーマから連想されるキーワードやアイデアを繋げていくことで、思考を自由に広げ、新たな気づきを得ることができます。

また、自分の価値観や考え方を視覚的に整理できるため、自己理解を深めるのに役立ちます。

【やり方】

  1. 紙やホワイトボードなどを用意し、中心にメインテーマを書きます。
  2. メインテーマから連想されるキーワードやアイデアを線で繋げて、放射状に書き出していきます。
  3. 書き出したキーワードやアイデアから、さらに連想されるものを繋げて、どんどん派生させていきましょう。
  4. 色や図形などを活用して、視覚的に分かりやすく整理することもおすすめです。

マインドマップは紙とペンさえあればどこでも手軽に始められるため、自己分析の初心者にもおすすめです。

モチベーショングラフ

モチベーショングラフは、過去に経験した出来事や感情の起伏をグラフ化することで、モチベーションの変動を視覚的に把握できる手法です。

モチベーションが上がった出来事、下がった出来事を分析することで、自分がどのような状況でやる気を感じ、どのような状況でやる気を失うのかを客観的に理解できます。

【やり方】

  1. 横軸に時間を、縦軸にモチベーションの高低をとり、グラフを作成します。
  2. 過去に経験した出来事を時系列順に書き出し、それぞれの出来事におけるモチベーションの高低をグラフ上にプロットします。
  3. グラフの変動が大きい箇所に着目し、モチベーションが大きく変化した原因や、その時の感情、具体的なエピソードなどを深掘りして分析します。

モチベーションの源泉やモチベーションが低下した原因を分析することで、今後のキャリアプランを考えるうえで貴重なヒントを得られます。

自分史

自分史は、自分の人生で経験した出来事を時系列に沿って書き出し、過去の成功体験や失敗体験を振り返ることで、自分自身を深く理解する手法です。

また、自分の強みや弱み、興味や関心を整理し、将来のキャリアプランを考えるうえでの指針を得ることができます。

【やり方】

  1. 幼少期から現在に至るまでの出来事を、時系列順に書き出します。
  2. 各出来事について、なぜその選択をしたのか、どのような感情を抱いたのかなどを振り返りながら、詳細に記述します。
    書き出した出来事の中から、特に印象に残っている出来事や、自分が頑張ったこと、成果を上げたことなどをピックアップし、それらの共通点や相違点を分析します。
  3. ポジティブな出来事だけでなく、ネガティブな出来事も含めて書き出すことが重要です。
  4. 必要に応じて、家族や友人など、信頼できる人に自分史を読んでもらい、客観的な意見や感想を聞くことも有効です。」:箇条書きにし、より具体的な手順を追記します。

自分史を作成・分析することで、自己成長の過程や価値観の変遷を理解し、自分自身を深く見つめ直せます。

ジョハリの窓

ジョハリの窓は、自分自身と他者からの視点を通して、自己理解を深めるためのフレームワークです。自分に関する情報を4つの領域に分類し、それぞれの領域にどのような情報があるかを分析します。

  • 開放の窓:自分と他人が知っている自分
  • 盲点の窓:自分は知らないが他人は知っている自分
  • 秘密の窓:自分は知っているが他人は知らない自分
  • 未知の窓:自分も他人も知らない自分

【やり方】

  1. まず、自分で自分の性格、価値観、行動パターンなどを書き出します。
  2. 次に、友人や家族、同僚など、信頼できる複数の人に、あなたに関するアンケートを実施します。あなたの性格、長所・短所、行動パターンなどについて、率直な意見を書いてもらいましょう。
  3. 集めたアンケート結果と、自分で書き出した内容を比較し、4つの窓に分類します。

ジョハリの窓を活用することで、自分では気づいていなかった強みや弱みを発見したり、他人からどのように見られているかを客観的に把握したりできます。

Will・Can・Must

Will・Can・Must分析は、自分の「やりたいこと(Will)」「できること(Can)」「やるべきこと(Must)」を明確にすることで、キャリアプランや目標設定に役立てる手法です。

【やり方】

  1. Can: 自分ができること、得意なこと、スキル、経験などを書き出します。
  2. Will: 自分がやりたいこと、目標、夢などを書き出します。
  3. Must: 転職市場や社会において、自分に求められていること、必要なスキルや経験などを書き出します。
  4. 3つの要素を比較し、重なる部分やギャップを見つけます。
  5. 重なる部分を活かし、ギャップを埋めるための具体的なアクションプランを考えます。

Will・Can・Must分析を行うことで、自分の強みを活かせる仕事や、目標達成のために必要なスキルアップなどを明確にできます。

自己分析する際のポイント

自己分析を効果的に行うためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。

  • 自己評価に偏らない
  • 定期的に見直す
  • 他人の意見を取り入れる

自己評価に偏らない

人はどうしても自分の良い面に目を向けがちですが、客観的な評価と乖離があると、転職活動においてミスマッチが生じたり、入社後にギャップを感じたりしてしまう可能性があります。

自己評価に偏らないためには、過去の具体的なエピソードや実績を振り返り、客観的なデータに基づいて分析することが重要です。また、自分の弱みや苦手なことも素直に認め、改善点を見つけることも大切です。

定期的に見直す

人は経験や環境の変化によって、価値観やスキル、興味関心が変化していきます。以前は気づかなかった強みや弱点が現れたり、キャリアプランが変わったりすることもあるでしょう。

定期的に自己分析を見直すことで、これらの変化を捉え、自己理解をアップデートできます。転職活動においても、常に自分の最新情報を基に企業選びや自己PRを行うことができ、より納得のいく選択に繋がります。

また、定期的な見直しは、目標達成の進捗を確認し、モチベーションを維持するためにも役立ちます。自己分析を継続的に行うことで、自己成長を実感し、キャリアプランの実現に向けて着実に前進できます。

他人の意見を取り入れる

信頼できる友人や家族、同僚、上司などに、自分の強みや弱み、仕事ぶりについて率直な意見を求めることで、新たな発見につながります。自分では当たり前だと思っていたことが、実は周囲から高く評価される可能性があるでしょう。逆に、自分では気づいていなかった改善点が見つかることもあります。

他人の意見を謙虚に受け止め、自己分析に反映させることで、より多角的で客観的な自己理解に繋がり、転職活動における自己PRや企業選びにも役立ちます。

自己分析をして転職に役立てよう

転職において自己分析は、将来のビジョンやキャリア目標を明確にして、強みやスキルを洗い出す目的で行います。

代表的な方法には、マインドマップやモチベーショングラフ、自分史、ジョハリの窓、Will・Can・Mustがあります。これらの方法を併用しながら自分の強みやスキル、経験を棚卸してキャリアプランの策定に役立てましょう。

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