“インフラエンジニアは、IT業界において欠かせない存在です。システムやサービスを支える基盤を構築し、維持・管理する重要な役割を担っています。

本記事では、インフラエンジニアの仕事内容や必要なスキル、未経験からインフラエンジニアになるための方法について解説します。

インフラエンジニアとは

インフラエンジニアとは、IT業界において、システムやサービスを支える基盤となるインフラストラクチャを扱うエンジニアのことを指します。

サーバーやネットワーク、ストレージ、データベースなど、ITサービスを提供するために必要不可欠な基盤技術の設計や構築、運用、保守をする専門家です。

以下の視点から、さらに詳しく解説します。

  • インフラエンジニアの仕事内容
  • インフラエンジニアの種類
  • インフラエンジニアの年収
  • インフラエンジニアの将来性

それぞれ見ていきましょう。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの主な仕事は、ITサービスを支える基盤づくりです。仕事内容は多岐にわたりますが、大きく分けると「設計・構築」と「運用・保守」の2つに分類されます。

設計・構築フェーズでは、システムの要件をもとに最適なインフラ環境を設計します。サーバやネットワーク機器の選定、構成の決定、セキュリティ対策の立案などを行い、実際に環境を構築していきます。この上流工程では、技術的な知識だけでなく、業務要件を理解し、コストと性能のバランスを取る力が求められます。

一方、運用・保守フェーズでは、構築したインフラを安定的に稼働させることが目的です。システムの監視やトラブルシューティング、パッチ適用などの日々の運用業務に加え、パフォーマンスの改善やセキュリティ強化、ユーザーからの要望対応なども行います。

インフラエンジニアの種類

インフラエンジニアの種類は下記のとおりです。

種類 役割 主な仕事内容
サーバーエンジニア サーバーの管理 サーバーの選定、設計、構築、テスト、保守、運用
ネットワークエンジニア 企業や組織内のネットワーク設計・構築 ネットワーク機器の選定、設定、保守、運用
セキュリティエンジニア ネットワークやシステムのセキュリティ確保 セキュリティ機器の導入、サイバー攻撃・ウイルス感染対策
クラウドエンジニア クラウドサービスを利用したシステム管理 クラウド環境でのシステム設計、構築、運用
データベースエンジニア データベースの管理 データベースの構築、運用、管理

これらのインフラエンジニアは、それぞれの専門分野で協力し合いながら、企業や組織のITインフラを支えています。

インフラエンジニアの年収

インフラエンジニアの年収は、430万円から600万円程度であり、他のエンジニアよりも比較的高めです。

安定的なシステム運用は業務の効率化や収益の向上に直結するため、その責任の大きさに見合った報酬が得られる傾向にあります。

また、インフラエンジニアは、フリーランスとしての独立や、大企業へのステップアップなども可能です。高い専門性を武器に、複数の企業から案件を受注できれば、さらなる収入アップを目指せます。

インフラエンジニアの将来性

インフラエンジニアの将来性は高いと言えるでしょう。今後も需要は高い状態が続くと予想されます。理由は以下の3点です。

  • クラウドサービスの普及にともなうインフラエンジニア需要の高まり
  • インターネットを介したサービス提供の増加とネットワークインフラの重要性の向上
  • IoTやAIなどの新技術分野でのインフラの必要性の増大

IT業界は、オンプレミスからクラウドへ移行しつつありますが、インフラエンジニアの仕事がなくなることはないでしょう。クラウドでもサーバやネットワークの設計・構築は不可欠だからです。仮想サーバを立ち上げる際も、オンプレミスと同様のスキルが求められます。

インフラエンジニアに求められるスキル

インフラエンジニアには、以下のスキルが求められます。

  • プログラミングやサーバーに関する知識やスキル
  • ネットワークに関する知識やスキル
  • セキュリティーに関する知識やスキル

それぞれ詳しく解説します。

プログラミングやサーバーに関する知識やスキル

インフラエンジニアには、プログラミングやサーバーに関する知識やスキルは必須でしょう。日常業務で自動化処理を行う際に、プログラミングスキルが頻繁に求められるからです。

例えば、サーバーの自動処理を行う際には、シェルスクリプトやPowerShellなどのバッチ系プログラムを多用します。これらのプログラムを動かすためには、Windows系OSのDOSやLinux系のシェルに関する知識が必要です。

また、災害時など故障発生時のサービス復旧を求められることも多いでしょう。サーバーの障害対応やデータ復旧など、緊急時に素早く対処できるスキルが必要とされます。

ネットワークに関する知識やスキル

インフラエンジニアには、ネットワークに関する知識やスキルが欠かせません。ITインフラを扱ううえで、ネットワーク上の問題に素早く対応できる必要があるからです。

トラブルシューティングを効率的に行うには、通信プロトコルやLANなどのネットワークの基礎知識が欠かせません。例えば、OSI参照モデルの各層の役割や、TCP/IPの仕組みを理解していれば、問題の原因を特定しやすくなります。

また、無線LANやVPNなどの技術に関する知識も必要です。リモートワークが普及する中、安全で使いやすいネットワーク環境の提供がますます重要になっています。

セキュリティーに関する知識やスキル

近年ではセキュリティーの重要性が増しているため、インフラエンジニアにはセキュリティーに関する知識やスキルは必須でしょう。

脅威に強いシステムを構築し、維持するには、セキュリティの知識が欠かせません。サイバー攻撃は日々高度化しており、インフラエンジニアはこれらの脅威に対抗できるようにセキュリティ技術を身につける必要があります。

例えば、ファイアウォールの設定やデータの暗号化、アクセス制御などの基本的なセキュリティ対策は必須の知識でしょう。加えて、脆弱性診断やログ分析など、セキュリティ監視に関するスキルも重要です。

インフラエンジニアに関するよくある質問

最後に、インフラエンジニアに関するよくある質問を紹介します。

  • 未経験からインフラエンジニアになるには?
  • インフラエンジニアに向いている人の特徴は?
  • インフラエンジニアで辛いことは?
  • インフラエンジニアのキャリアパスは?

それぞれ詳しく見ていきます。

未経験からインフラエンジニアになるには?

未経験からインフラエンジニアになるには、クラウドに関する知識を身につけておくと企業へのアピールポイントになるでしょう。システムの24時間365日稼働が一般的な現在、人手不足の企業が多く、未経験者歓迎の求人もあります。

インフラエンジニアは需要が高く、常時安定的なシステム稼働を実現するための人材が不足しているのです。また、クラウド技術は比較的新しく、クラウドに精通したエンジニアが少ないことも未経験者にチャンスがある理由と言えるでしょう。

未経験者でも応募可能な求人を紹介してくれる、転職エージェントに相談するのもおすすめです。

インフラエンジニアに向いている人の特徴は?

インフラエンジニアに向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 好奇心旺盛な人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 主体的に考えて動ける人

ITの技術は日々進歩しているため、常に最新の知識や情報を学び続ける必要があります。好奇心旺盛で、新しい技術に興味を持ち、自ら積極的に学べる人は、インフラエンジニアとして活躍できるでしょう。

また、インフラエンジニアの仕事はチームワークで進められるため、関わる人たちと円滑なコミュニケーションを取れる人が向いています。プロジェクトや作業を進める過程では、さまざまな立場の人との連携が欠かせないからです。

さらに、主体的に考えて動ける人は、問題解決能力を発揮しやすいでしょう。インフラエンジニアは、障害対応やトラブルシューティングなど、臨機応変に対処する必要があります。自ら考え行動できる人は、そうした場面で力を発揮できるはずです。

インフラエンジニアで辛いことは?

インフラエンジニアで辛いことは以下のとおりです。

  • 深夜勤務や残業が多い
  • 最新の知識をアップデートするために常に学び続ける必要があること
  • 突発的なトラブルが多い

インフラは常に正常に稼働している必要があるため、急な障害対応を求められることが多く、深夜勤務や残業も少なくありません。

また、インフラエンジニアには、ネットワークやサーバー、セキュリティなど、さまざまな知識・スキルが求められます。IT技術の進歩が早いため、常に勉強し続ける必要があり、時には業務時間外に学習しなければならないこともあります。

さらに、突発的なトラブルが多いのもインフラエンジニアの辛いところです。予期せぬ障害が発生した際には、原因究明や復旧作業に追われ、長時間の作業を強いられることもあるでしょう。

インフラエンジニアのキャリアパスは?

インフラエンジニアの主なキャリアパスは以下のとおりです。

  • スペシャリストとして活躍
  • マネジメント職への昇進
  • ITコンサルタントなどの異業種への転職

まず、特定の分野で高いスキルを持つITスペシャリストとして活躍する道があります。専門性を深めることにより、その分野のエキスパートとして働けるでしょう。

次に、一定の経験を積むとマネジメント職に昇進するケースがあります。開発や保守運用からマネジメント側に回り、チームや部門の管理を任されます。

さらに、ITコンサルタントなどの異業種への転職も選択肢の一つです。インフラエンジニアとしての専門知識を活かし、顧客の課題をヒアリングして提案を行う役割を担います。技術力だけでなく、コミュニケーション能力も重要になってくるでしょう。

関連スキルを身につけてインフラエンジニアを目指そう

インフラエンジニアは、IT業界の発展にともない、今後も需要が高まると予想される職種です。幅広い知識とスキルが求められる一方で、やりがいのある仕事でもあります。学習を積み重ね必要な知識を身につけられれば、未経験からでもインフラエンジニアになるのは十分可能です。

自分の適性や目指すキャリアパスを見極め、着実にスキルアップしていくことが大切です。インフラエンジニアとしてのキャリアに挑戦してみたい方は、HUGANを活用した転職がおすすめです。

HUGANのダイレクトリクルーティングは、企業が抱える採用課題を解決し、若手ポテンシャル採用に特化したサービスです。企業が自ら候補者にアプローチできるプラットフォームを提供し、挑戦意欲のある人材と企業をマッチングさせます。”