退職したいけれど、上司や同僚にどうやって伝えればよいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?また、円満退社の定義やコツを知って、揉めることなくスムーズに退職したいとお考えの方もいるでしょう。

今回は円満退社の定義やコツ、退職を伝える際の具体的な例文について紹介します。退職をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

円満退社とは?

会社を辞める際に、社員と会社が揉めることなく契約を解除することを円満退社といいます。双方が不満を持たずに納得した話し合いをおこなうことで、スムーズに退職への手続きを進められるでしょう。ここでは、円満退社に関する3つの疑問を紹介します。

  • 円満退社の基準
  • 円満退社と自然退職の違い
  • 円満退社をするメリット

順番に解説します。

円満退社の基準

円満退社の基準は、以下の2点です。

  • 会社側は退社に合意している
  • 人間関係が良好で揉め事がない

円満退社の基準は、会社と本人が退職の話し合いに合意している状態を指します。一方的に解雇されたり、会社側の合意なしに辞めたりするのは、円満退社の基準に当てはまりません。

また、上司や同僚との関係が良好であることも円満退社の基準です。退職に向けての引き継ぎや退職までにすべき業務などを、快くサポートしてくれるでしょう。明確な基準はありませんが、特にわだかまりがなくスムーズに退職を受け入れてもらえる状態といえます。

円満退社と自然退職の違い

自然退職とは、会社や従業員の意思とは関係なく労働契約を終了することをいいます。企業の就業規則によって自然退職の定義は変わりますが、一般的には休職期間の満了や定年退職などが自然退職です。

一方、円満退社は転職や家族の事情など、自らの意思で退職することをいいます。自主的に退職するか、本人の意思とは関係なく契約が終了するかが、双方の明確な違いになります。

円満退社をするメリット

円満退社には、以下のような3つのメリットがあります。

  • 退職に関する業務がスムーズにできる
  • 退職後も現在の会社の人たちと良好な関係が築ける
  • 気分良く退職できる

退職する時は、有休消化や必要書類の提出、引き継ぎなど、やるべき業務が増えます。円満に話し合いが進めば、会社側も退職に向けて動き始めるため、手続きを滞りなくおこなえます。また前向きな退職であれば、周りからの理解も得られるため、険悪な雰囲気になることなく、これまで通り仕事を進められるでしょう。双方が良い関係性を保てるのが、円満退社のメリットです。

円満退社をするコツ

会社とわだかまりなく、双方が納得した状態で退職するために、以下の5点を実践してみましょう。

  • ポジティブな退職理由を伝える
  • 伝えるタイミングに気を付ける
  • 直属の上司に直接伝える
  • 業務の引き継ぎを責任もって行う
  • 引き止められた場合の対処法を考えておく

順番に解説します。

ポジティブな退職理由を伝える

円満退社をするためには、会社側からも応援されるようなポジティブな退職理由を伝えましょう。「人間関係が悪い」「今の上司と仕事をしたくない」などネガティブな理由は、会社にとって聞き心地の良い内容ではありません。また、会社として改善に努めるから、辞めないで欲しい、と懇願される可能性もあります。

もしネガティブな理由であっても、ポジティブに置き換えて伝えてみてください。「〇〇業界に興味がある」「成長のために〇〇という業務にどうしてもチャレンジしたい」など、前向きな理由であれば会社側も引き止めにくくなります。

伝えるタイミングに気を付ける

円満退社をしたいなら、会社の繁忙期は避けた方がよいでしょう。忙しい時期は業務に手一杯で、話を聞いたり、引き継ぎをしたりする時間が取りにくい状況です。さらに、忙しい時期に人手不足になると、周りへの負担も懸念されます。

忙しい時期に退職を伝えると、自分のことしか考えていない身勝手な人と判断されて、円満退社できない可能性もあります。退職を伝える際は繁忙期を避けた上で、最低でも1ヵ月~2ヵ月前には、退職の旨を伝えましょう。

直属の上司に直接伝える

退職の意思が決まれば、先ずは直属の上司に相談します。とはいえ、唐突に退職届を提出するのはNGです。直接会って話をしましょう。

その際は、突然上司に掛け合うのではなく「相談があるのでお時間を作っていただきたいのですが、ご都合いかがでしょうか?」と、事前にメールなどでアポを取ります。上司の都合に合わせて、別日に時間を作ってもらうのがベストです。

また話をする際は、他の社員が出入りする休憩室は避けて、会議室などなるべく人けの少ない場所を選びましょう。

業務の引き継ぎを責任もって行う

自分が受け持っていた仕事は、責任を持って後任者へ引き継ぎます。引き継ぎを怠ると、会社内の業務に支障が出たり、取引先への対応が遅れたりと、迷惑がかかります。

退職が決まった時点で、後任者への引き継ぎマニュアルを作成したり、担当している案件の進捗状況をまとめたりと、引き継ぎの準備を始めましょう。後任者はもちろん、誰がみてもわかるような資料を用意しておけば、退職後も社員が安心して仕事を進められます。

また、取引先への引き継ぎも欠かせません。退職の旨を伝えた上で、後任者の紹介や退職までの仕事内容を共有し、取引先が今後も円滑に取引できるようにしておきましょう。

引き止められた場合の対処法を考えておく

退職を伝える際には、引き止められる可能性もあります。その際に明確な退職理由を伝えないと、退職を受理されなかったり、退職の手続きが進まなかったりします。

ですが、引き止められた時に「人間関係が嫌だったから」など、ネガティブな理由は伝えないようにしましょう。違う部署への異動を進められるなど、退職が先延ばしになる恐れがあります。

退職理由をあいまいにせず、「新しい分野にチャレンジしたい」「さらなるキャリアアップのため自分を試したい」など、上司や会社の力では改善できない前向きな理由を伝えましょう。

円満退社しやすい退職の伝え方例文

ここからは、実際に円満退社しやすい退職の伝え方についての例文を3つ紹介します。

  • 人間関係や労働環境に不満がある場合
  • 転職や独立したい場合
  • 家庭の事情の場合

一つずつ詳しくみていきましょう。

人間関係や労働環境に不満がある場合

人間関係や労働環境に不満がある場合は、ポジティブに置き換えて伝えることが重要です。

ここでは、仕事のノルマがきつい理由で、退職したいパターンの例文を紹介します。

お忙しいところ、お時間を作っていただきありがとうございます。

日々、目標売り上げ達成に向けて、模索しながら業務を進めてまいりましたが、長時間顧客との時間を割くことが難しい状況にあります。私としましては、顧客一人ひとりに寄り添い、丁寧かつじっくりと商品の良さを伝えたいと感じております。

とはいえ現在、顧客一人ひとりにゆっくり向き合う働き方ができていない状況です。より顧客と近い距離で、寄り添えるような営業活動をしたいと思い、苦渋の決断ではありますが、退職を決意しました。

転職や独立したい場合

転職や独立したいパターンは、自分の成長や新しい分野への挑戦など、前向きな理由を添えると良いでしょう。

お忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございます。

これまで営業職にやりがいを感じながら、日々業務に携わる中で、〇〇の業種に興味が湧き、新しい分野で挑戦したい気持ちが強まりました。自社には私がやりたい分野がないため、チャレンジの実現が難しい状況です。長い時間をかけて悩んだ末、退職を決意いたしました。

家庭の事情の場合

家庭の事情は、包み隠さずそのまま伝えても大丈夫です。ありのままの状況を伝えましょう。

お忙しいところ、お時間を頂戴いたしましてありがとうございます。

この度、実家の母が病気のため入院することになりました。

長期間の入院となる上、他に家族がいないため、私が付き添いをしなくてはならなくなりました。

時短勤務も考えましたが、いつ母の容態が変わるかわからず、皆様にご迷惑がかかる可能性もあります。熟慮いたしました結果、母の看病に専念するために退職することを決断いたしました。

円満退社したいけどできない時の対処法

退職したいけれど、会社側から受け入れてもらえないパターンも考えられます。会社の就業規則にもよりますが、民法627条では、退職の2週間前に退職の旨を会社へ申し入れれば、会社側が受け入れなくても退職できると定められています。

最悪、労働基準監督署に申告したり、弁護士に相談したり、退職代行サービスを利用したりすることも検討しましょう。

円満退社できるようにコツを押さえておこう

円満退社するためには、前向きな理由で退職の意思を伝えたり、引き継ぎを計画的におこなったりと、コツを押さえることが大切です。最低でも1ヵ月~2ヵ月前には退職の旨を伝えて、退職に向けて円滑に物事を進められるようにしましょう。

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