システムエンジニア(SE)は、近年人気の職種です。資格取得が必要なイメージがあるかもしれませんが、就職・転職に資格は必須ではありません。

しかし、資格があるとメリットになる場面は多いです。本記事では、システムエンジニアが資格を取得するメリットと、取得により有利になる資格7選についてご紹介します。

システムエンジニアに資格は必要?

システムエンジニアは、資格がなくても働ける仕事です。資格より、実務経験やスキルが重視されます。まずは、システムエンジニアの仕事と資格がなくても問題ないとされる理由について解説します。

そもそもシステムエンジニアとは

システムエンジニア(SE)は、クライアントの要件を基にシステムの設計、開発、運用を行う技術者です。開発初期に行う要求分析や要件定義、基本設計、詳細設定など主に上流工程を担当します。

システムエンジニアの業務内容は、企業やチームによって多少異なるものの、主にプロジェクト全体の進行を管理し、技術的なアドバイスを提供する役割を担います。クライアントのコミュニケーションを担当するケースも多いです。

資格がなくても問題ない

システムエンジニアとして成功するためには、実務経験と技術スキルが重要です。資格の有無よりも、実際のプロジェクト経験や技術力を示すことで評価されるケースが多いです。特にベンチャー企業やスタートアップ企業に転職する際は、資格よりもプロジェクトの成功事例やポートフォリオが重視される傾向にあります。

ただ、未経験からシステムエンジニアへの転職を目指す場合は、資格も重要です。資格は、最低限の基礎知識と技術を有する証明になります。

システムエンジニアが資格を取得する3つのメリット

システムエンジニアとしての活躍と資格は関係ありません。しかし、資格取得には下記3つのメリットがあります。

  • スキルの証明ができる
  • キャリアアップ・転職のときに役立つ
  • 給与アップ・資格手当の支給につながる

スキルの証明ができる

資格を取得することで、第三者によるスキル認定が行われます。つまり、クライアントや上司に対しても能力を証明できるため、新しいプロジェクトや重要な役割を任されやすくなります。

未経験からの転職の場合、特に「資格=専門知識・技術力」の証明です。ポートフォリオだけではわからない基礎部分のスキルや知識について客観的に示せるため、意欲だけを語る無資格の求職者よりも有利にはたらく可能性が高くなります。

キャリアアップ・転職のときに役立つ

東京ハローワーク公開「2024年7月の職種別有効求人・求職状況」によりますと、エンジニアを含むIT技術関連職の有効求人倍率は、3.19倍です。システムエンジニアも、売り手市場ではあるものの、良い条件の企業を狙うのであれば、競争率は高くなります。

特に大手企業や外資系企業では、資格を持っていることが採用条件や評価基準となることが多いです。また専門職や管理職へのキャリアパスの広がりや、プロジェクトマネージャーやシステムアーキテクトなどさらに高度な役割への挑戦など、資格がキャリアアップにもたらす影響は大きいといえます。

給与アップ・資格手当の支給につながる

積極的に資格取得を推奨している企業の場合、資格の取得費用を全額負担してくれたり、取得することで「資格手当」「報奨金」などが支給されたりするケースもあります。すべての企業が対応している制度ではないものの、追加の収入が得られるメリットは、資格取得へのモチベーションにつながることでしょう。

また給与の交渉の際にも、保有資格は活用できます。客観的な形で自分のスキルを証明したうえで、適切な報酬を求めることが可能です。

取得すると有利なシステムエンジニアの資格7選

システムエンジニアにとって、取得すると有利になる資格を7つ紹介します。どの資格を取得すべきか悩んでいる方は、参考にしてみてください。

  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • システムアーキテクト試験
  • プロジェクトマネージャ試験
  • データベーススペシャリスト試験
  • ネットワークスペシャリスト試験
  • オラクルマスター

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験(FE)は、ITエンジニアの登竜門として位置付けられている資格です。ITの基本的な知識・技術を習得するための国家試験であり、合格率は25%前後です。ITパスポートよりも難易度が高く、現役のシステムエンジニアであっても、試験対策を行わないと不合格となる可能性があります。

新卒や未経験者の場合は、IT業界に入るための足がかりとして、資格を取得すると良いでしょう。実績がない人にとって、基本情報技術者試験は、多くの企業から評価されやすいです。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験(AP)は、基本情報技術者試験の上位資格です。より高度なITスキルを取得できるため、ワンランク上のITエンジニアを目指したい方向けといえます。合格率は20%前後のため、基本情報技術者試験以上に難易度は高めです。

システム開発のプロジェクト管理、技術面に加え、情報セキュリティなど、幅広い分野での知識・応用力が求められます。中堅エンジニアとしてのスキル証明として活用できる資格のため、転職やキャリアアップの際にも活用可能です。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験(SA)は、以前「アプリケーションエンジニア」と呼ばれていた国家資格です。システム全体の設計や構築に関する専門知識を持つことを証明する資格であり、大規模なシステムのアーキテクチャ設計に携わるエンジニア向きの試験内容です。

システムアーキテクト試験の合格率は15%前後と難易度が高く、その理由として、出題形式の種類が多く1日で実施されるため集中力・体力が求められる点が挙げられます。システムアーキテクトとして、プロジェクト全体の技術的リーダーシップを発揮するために必要なスキルの証明になります。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクト管理の専門知識を持つことを証明する資格です。大規模プロジェクトの計画、実行、監視、評価を行うスキルが身に付くため、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアパスを目指すエンジニアにとって、非常に有利となります。

合格率は、13〜15%程度です。高度な知識が問われる内容であり、論述式の試験もあります。未経験者の合格は難易度が高く、経験者であっても計画的な試験勉強が必要です。

データベーススペシャリスト試験

データベースの設計や運用に関する専門知識の証明資格です。大規模データベースの構築や管理に携わるエンジニアに適しています。システムの保守・運用に関しても、データベースの知識は必要です。インフラエンジニアを目指す人にとっても、意味のある資格と言えるでしょう。

難易度は高く、令和5年度のデータベーススペシャリスト試験合格率は18.5%、合格者平均年齢は30.8歳です。合格には、データベースに関する中〜上級レベルの知識と実践能力が必要なため、資格取得によりデータ管理の信頼性が向上し、企業のデータ資産を守る役割を担う機会獲得に役立ちます。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークの設計や運用に関する専門知識を証明する資格です。試験では、企業のネットワークインフラを支える管理者としての専門的な内容を幅広くカバーしているため、実務経験者であっても試験対策が必要です。ネットワークシステムの要件定義、開発運用、保守などに関する知識のほか、情報セキュリティに関する知識に関する問いも出題されます。

令和5年度の試験合格率は14.3%、合格者平均年齢は33.5歳と難易度は高いため、特にネットワーク系エンジニアを目指す人にとっては取得しておくと大きな強みとなるでしょう。

オラクルマスター

オラクルマスターは、オラクルデータベースに関する専門知識の証明となる民間資格です。「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4レベルに分かれており、「Silver」以上は、世界共通資格のため、グローバル企業でのキャリアにも有効活用できます。

オラクルマスターの合格率は、公式に公表されていません。規定の合格率(概ね60%以上)を超える必要があり、上位グレードほど難易度が高いです。オラクルデータベースの管理スキルではあるものの、試験ではデータベースの運用設計に関する幅広い内容が出題されており、データベースを扱う人にとっての登竜門としても活用されています。

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システムエンジニアは資格がなくても問題ない一方、取得により容易にスキルの証明が可能です。特に未経験からシステムエンジニアへの転職を考えている場合、資格は大きな強みとなります。

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