求人動向を知ることは、より良い転職先を見つける第一歩といえます。求人数が増える時期は、条件の良い求人と出会うチャンスです。しかし、「求人が増える=採用されやすい」ではない点に注意しましょう。
本記事では、求人が増える具体的な時期と理由、自分に合った仕事を探すポイントについて解説しています。自分にとっての転職ベストタイミングを見極めるために、ぜひ目を通してみてください。
目次
求人数が増える時期は?
求人は年々増加傾向にあるものの、1年間を通して見ると、特定の時期に増加しているケースが多いです。まずは求人の多い時期とその理由について解説します。
1~3月
1〜2月は、新年度に向けた採用計画を立てて動き出す企業が多いです。また、12月に支給されるボーナスを受け取り、年内で退職する人も一定数いるため、不足した人員を補うために求人をかけるケースがあります。
また多くの企業にとって、3月は年度末です。採用関係の予算が余っている場合、積極的に広告を出したり、就職・転職イベントに参加したりするケースも考えられます。年度末は定年退職者や年度末を区切りに退職を申し出る人がいることから、新たな人材確保のため、積極的に求人募集に動く可能性が高いです。
5~6月
ゴールデンウィーク明けから6月にかけて、求人が増える理由として、4月に入社した新入社員や転職者が早期退職した場合の人材補填や、新卒採用が思い通りに進まなかった場合の採用計画の見直しなどが挙げられます。
さらにこの時期は、新入社員教育がひと段落する時期です。業績が好調な企業の場合、業務拡大に向けて、求人を増やす可能性もあります。半期の締めに向けて積極的に新規採用を行う企業も少なくありません。
8~10月
8月、お盆休み明けから企業は採用活動に力を入れ始めます。夏のボーナス支給後に退職した人員の補填、院生や留学生など秋に卒業した人材へのアピールなどもこの時期の採用活動の主な目的です。
また、企業が新しいプロジェクトを立ち上げるタイミングで、必要な人材確保を行うケースがあり、求人数が増える傾向にあります。企業の年間採用計画通りに進んでいない場合は、計画や条件の見直しを行い、新たに募集をかける時期とも言えるでしょう。
「求人数が増える=採用されやすい」とは限らない
求人数の増加は、求職者にとって大きなメリットと感じるかもしれません。しかし、実際は希望する業種・職種への採用難易度にほとんど影響はないでしょう。その理由について2つのポイントを交えて解説します。
ライバルが増える
求人数が増える時期は、他の求職者、転職希望者にとっても狙い目です。少ない求人から自分に合う仕事を探すよりも、増加傾向のタイミングで探したほうが効率よく仕事が見つかると考えるのは、自然なことだと言えます。特に人気企業の求人は、応募者が殺到しやすく、「書類選考のハードルを超えることが困難」「選考に時間がかかる」といったケースもあるでしょう。
一方、企業側の求人募集理由は、大きく分けると「業績拡大のための追加募集」「退職者等の欠員募集」の2種類です。追加募集の場合、しっかりと見極めて良い人材を確保したいと考えるため、求職者に対する目は、かなりシビアです。一般的に求職者が大きく動くタイミングで求人募集するケースが多いでしょう。
欠員募集の場合は、自社の採用締切を優先して動きます。求人数が多い時期かどうかは、それほど重要ではありません。つまり、求人数が増える時期の求職活動は、求職者にとってライバルが増え、競争率が高まる時期と言えます。
ブラック企業に就職してしまうリスクを懸念
「求人数の多さ=企業の質の担保」ではありません。世の中にはホワイト企業や労働環境が良く、自分が求める条件を満たす企業も存在しているはずですが、求人数の多さや多様な条件に目がくらんでしまうと、冷静な判断が難しくなります。
「給料が今の会社より大幅に増える!未経験でも丁寧に教えてくれる!」との言葉だけを鵜呑みにして、企業情報や過去の採用実績などをよく調べないまま応募してしまうのは危険です。記載されていた条件とは全く異なっており、こんなはずではなかったと早期退職の道を選ばざるを得ない可能性もあります。
しかも、短期間での離職は、職歴にとってもマイナスです。次の転職活動において、必ず面接で「なぜこんなに短期間で退職したのか」と問われるでしょう。求人数が多いタイミングだからこそ、条件面だけを鵜呑みにせず、企業を調査したり、信頼できる転職エージェントやダイレクトリクルーティングのサービスなどを活用したりすることが重要です。
自分に合った仕事を探すポイント
転職活動において、自分に合った仕事を探すためには、次の4つのポイントを抑えることが重要です。
- 求人数が多い時期にじっくり吟味する
- 自己分析を徹底する
- キャリアプランを立てる
- 業界・企業研究を怠らない
求人数が多い時期にじっくり吟味する
求人数が多く、在職中の業務やプライベートが多忙ではない時期が理想です。「早く転職しなければ」と焦りが生まれているタイミングでは、求人の質や条件を吟味する余裕がなく、入社後のミスマッチが生まれやすいでしょう。
1人で転職活動を進めている場合は、特に注意が必要です。情報の入手方法が限られているため、選択肢が偏ってしまう可能性があります。
転職エージェントやダイレクトリクルーティングサービス、求人サイト、ハローワークなど、情報の入手先は、できるだけたくさん確保しておきましょう。そのうえで、給与や福利厚生、労働条件等を、丁寧に比較することが重要です。
自己分析を徹底する
これまでの職歴、得たスキルや経験、自分の強み・弱み、長所・短所、仕事に求める価値観、絶対に譲れない条件と妥協可能な条件などを掘り下げておきます。徹底した自己分析を行うことで、履歴書や職務経歴書を作成する際にも役に立つでしょう。
自問自答しても良いですし、友人や家族に協力してもらう方法、インターネット上の性格診断等を活用する方法もあります。また、キャリアアドバイザーなど転職のプロに相談すると、より効率よく自己分析が進められるでしょう。
「絶対にしたくないこと」「(将来的に)やりたいこと」なども、仕事を選ぶうえで重要なポイントです。自分が求める職種や働き方を明確にすることで、自分に合う仕事が見つけやすくなります。
キャリアプランを立てる
給料や福利厚生といった条件以外に、あらかじめ考えておきたいのが「キャリアプラン」です。考え方がわからないという方は、将来像(長期目標)から逆算し、少しずつ組み立ててみましょう。
- 将来像(長期目標)を決める
- 実現に向けて今やるべきことは何か・どのような仕事をするべきか
- 実現するためには、どのような会社に入社するべきか
今の自分のスキルやこれまでの経験を気にせず、本音で考えてみましょう。例えば「IT業界は未経験。パソコンスキルもないが、将来的にエンジニアを目指したい」のであれば、未経験者歓迎のIT業界に入社し、経験を積む方法や、現在の仕事を続けながらオンラインスクールでスキルを高め、まずは副業として仕事を請け負う方法を目指す方法などがあります。
どの方法が正解かは、人によって異なるものです。自分だけのキャリアプランを練り、現実的に仕事探しを進めましょう。
業界・企業研究を怠らない
求人情報だけに目を通すのではなく、社会全体の傾向や業界のトレンド、企業文化など、幅広い視点で情報を得ることが重要です。また、数年ぶりに転職活動を行う場合は、最新情報の入手を心がけましょう。法律や一般的なルールなど、世の中が大きく変化しているためです。
また、自分が知らない職業や企業が誕生しているケースもあります。ニッチな分野やスタートアップ、ベンチャー企業に、自分に合う仕事が潜んでいる可能性も否定できません。企業のサイトや転職サイトだけでなく、セミナー、業界イベントなど、さまざまな方法で情報収集を行いましょう。
事前にリアルな最新情報を得ておくことで、自分の適性と現在のトレンドを掛け合わせた職場と出会いやすくなります。
転職するベストタイミングを見極めよう
求人が増える時期には、一定の規則性があります。ただし、「求人数が増える=採用されやすい」ではないため、求人の多い時期に合わせて自分の転職活動プランを考えることが重要です。
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