「優秀な人は見切りが早い」といわれることも少なくありません。ただ、納得することはできても、「なぜ見切りが早いのか」と疑問に思う方も多いでしょう。

本記事では、優秀な人は見切りが早いとされる理由を5つ紹介します。見切りをつける企業の特徴や優秀な人が辞めたときの影響なども解説するので、ぜひ参考にしてください。

優秀な人は見切りが早いとされる理由

「優秀な人は見切りが早い」といわれますが、その理由は主に5つあります。

  • 決断力があるから
  • 長期的な視点で判断しているから
  • 常に危機感をもっているから
  • 行動は早い方がよいと考えているから
  • 変化を恐れていないから

ここではそれぞれの理由を解説します。

決断力があるから

優秀な人は情報収集力と分析力に優れ、状況を的確に把握する傾向にあります。そして、自分の目標や価値観に基づき、迅速に判断を下す能力を持っていることが多いです。

例えば、プロジェクトの進捗が遅れていると感じたときでも、問題点を素早く分析し、解決策を提案したり、場合によってはプロジェクトからの撤退を判断したりします。このような決断の早さが、仕事の成功に繋がっているといえるでしょう。

長期的な視点で判断しているから

優秀な人は目先の利益にとらわれず、長期的な視点で物事を判断します。将来のキャリアプランや目標を明確に持ち、実現するために最適な行動を心がけます。

現在の仕事が目標の達成につながらないと判断した場合、たとえ現状が安定していても、思い切って転職や独立などの道を選ぶのが優秀な人の特徴の一つです。

常に危機感をもっているから

優秀な人は現状に満足することなく、常に危機感を持っています。市場の変化や競争の激化など、周囲の状況を常に把握し、リスクを敏感に察知する人が多いです。

例えば、業界の動向や競合他社の状況を常に分析し、自社の競争力が低下していると感じたら、すぐに新たな戦略を立案したり、事業の転換を検討したりします。そのため、現状に問題を感じた場合、早めに見切りをつけ、新たな対策を講じることができるのです。

行動は早い方がよいと考えているから

優秀な人は「行動は早い方がよい」と考えています。変化の激しい現代においては、スピードが重要であり、遅れをとることは大きな損失に繋がると理解しているためです。

具体的には、新しいビジネスチャンスを見つけた場合、すぐに事業計画を立て、実行に移します。また、問題が発生した場合は、迅速に対応して被害を最小限に抑えます。

変化を恐れていないから

優秀な人は変化を恐れるどころか、むしろ積極的に受け入れます。新しい環境や挑戦を成長の機会と捉えるためです。

海外勤務や新規事業への参画など、新たなチャレンジの機会があれば、積極的に挑戦することが多いです。また、転職や独立など大きな変化を伴う決断も、必要とあれば恐れることなく実行に移します。

優秀な人が見切りをつける企業の特徴

優秀な人が見切りをつける企業の特徴を知っておくことで、仕事をし続けるか転職するかを判断できるでしょう。

ここでは4つの特徴を紹介します。

職場環境が悪い

活気があり、互いに協力し合うような良好な職場環境は、従業員のモチベーション向上に不可欠です。逆に、コミュニケーションが不足していたり、協力的でない環境は、優秀な人材を退職へと導く要因となります。

実際に、Googleの「プロジェクト・アリストテレス」では、次のようなデータが報告されています。

サーチ結果によると、心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ、収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2 倍多い、という特徴がありました。

出典:Google re:Work|「効果的なチームとは何か」を知る

例えば、上司や同僚との意思疎通がうまくいかず孤立してしまうような状況や、新しいアイデアや意見を提案しても受け入れられず否定的な反応ばかりが返ってくるような環境では、優秀な人材は自分の能力を発揮できないと感じます。

特に、人間関係の悪化やハラスメントなどは、優秀な人材が早期に見切りをつける大きな理由の一つです。このような環境では、優秀な人材は早急に転職を考えるでしょう。

労働条件が悪い

長時間労働や低賃金など、労働条件に不満を抱える従業員は少なくありません。優秀な人材であればなおさら、自身の能力に見合った待遇を求める傾向が強いです。

「プライベートな時間が確保できない」「サービス残業が常態化している」などの状況では、仕事へのモチベーションも低下してしまいます。また、「給与が低い」「将来の見通しが立たない」といった状況も、優秀な人材の離職を促す要因の一つです。

企業の成長の見込みがない

企業のビジョンや戦略が不明確で、将来性が感じられない場合は、優秀な人材にとって魅力的な職場とは言えません。成長意欲の高い人材は自身の能力を最大限に発揮し、キャリアアップを目指せる環境を求めます。

常に新しい技術やサービスを開発し、変化に対応していくような企業は、優秀な人材にとって魅力的です。しかし、現状維持に固執し革新的な取り組みを行わない企業や、過去の成功体験に囚われ時代の変化に対応できない企業に対しては、将来性に不安を感じることも多いです。

適切な評価が行われていない

従業員の努力や成果を正当に評価することは、モチベーションを維持するために重要です。しかし、評価制度が曖昧であったり、上司の個人的な感情が評価に影響したりするような状況では、従業員の不満が高まり、離職率の上昇に繋がります。

優秀な人材は自身の能力や貢献を正当に評価され、認められることを期待しています。しかし、どれだけ努力しても評価されなかったり、逆に、能力の低い人が不当に高い評価を受けているような状況では、やる気を失い、会社への不信感を抱くようになるでしょう。

優秀な人が辞めたらどうなる?

優秀な人材は、企業にとって貴重な財産です。もし周囲で優秀な人が「退職を検討している」とわかったら、職場の環境に大きな影響が出ることを覚悟しておきましょう。

ここでは優秀な人が辞めたときの影響について解説します。

職場環境がより悪くなる

優秀な人材の退職は、他の社員に大きな影響を与えます。「なぜあの人は辞めてしまったのか?」「この会社に未来はあるのだろうか?」など、不安や疑問を抱く社員が増え、職場全体の士気が低下する可能性があるでしょう。

また、優秀な人材が担っていた役割を残された社員が負担することになり、ほかの従業員のストレスが増加することも考えられます。長時間労働や精神的な負担が増加すると、さらに離職を招き、悪循環に陥る可能性も懸念されます。

生産性が低下してしまう

優秀な人材の退職により、業務プロセスが滞ったり意思決定のスピードが遅くなったりすると、組織全体の生産性が低下する可能性があります。

特に、専門性の高い知識やスキルを持つ人材を失った場合、穴を埋めることは容易ではありません。新しい人材を採用し育成するまでの間、生産性の低下は避けられないでしょう。

企業・チームのモチベーションが下がる

優秀な人材は周囲の社員に良い影響を与え、チーム全体のモチベーションを高める存在です。そのため、退職してしまうと残された社員に大きな失望感を与え、モチベーションの低下に繋がる可能性があります。

また、優秀な人材が会社を去ったという事実は、会社やチームの将来に対する不安や不信感を抱かせることにもなります。「この会社にいても成長できない」「将来性がない」と感じ、他の社員も転職を検討し始めるかもしれません。

転職するか迷っているなら前向きに検討しよう

優秀な人が見切りを付けるのは、彼らが現状に満足せず、常に成長を求めているからです。自身の能力を最大限に発揮し、目標を達成できる環境を求めて、迅速な決断と行動を繰り返します。

もしあなたが、今の会社に疑問を感じているなら、成長のチャンスかもしれません。優秀な人材の特徴を参考に、自身のキャリアプランを見つめ直し、より良い未来を目指しましょう。転職も選択肢の一つとして、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。