近年、AIの開発が急速に進んでいます。その一方で、これまで人が従事してきたいくつかの仕事が、AIの登場でなくなる可能性が高まっています。デジタルにおける変化が激しい現代において、仕事を奪われないために私たちは何ができるのでしょうか。
今回は、AIの概要とAIでなくなるとされている5つの仕事を解説します。AIが進化してもなくならない仕事やAIに仕事を奪われないために実践すべき行動もご紹介していますので、AIの脅威にお悩みの方はぜひお読みください。
目次
AIとは何か?
そもそも、AIとは何なのでしょうか。まずは、AIの概要と、時代の変化について解説します。
AI=人工知能を指す
AI(Artificial Intelligence)は、日本語では人工知能と呼ばれる、人間の知能を模倣したシステムやプログラムのことです。
AIには、主に機械学習、自然言語処理、画像・音声認識など、様々な技術が組み合わさっているのが特徴です。
- 機械学習 データをシステムに学習させて規則性や特徴などを見つけたり判断する技術
- 自然言語処理 人による会話のような言葉を理解し、生成する技術
- 画像・音声認識 画像・音声データを分析し、生成する技術
AI技術が活用される時代が到来
AIに関する開発は従来より行われてきましたが、近年では急速な発達を見せています。その結果、多くの産業でAI技術が導入されており、業務の効率化が進んでいます。
実際にPWCが実施した「2022年AI予測」によると、日本国内の企業でAIを導入している割合は、約53%に上りました。
私たちの日常生活でも、スマートフォンや家庭用ロボットなどで広く活用されるなど、さまざまな分野にAI技術が浸透しています。
AIでなくなる仕事5選
AIでなくなる仕事の代表例が以下の5つです。
- 事務
- 銀行員
- コンビニ店員
- タクシー運転手
- Webライター
なぜなくなる可能性が高いのか、理由もあわせて解説します。
事務
事務仕事は、AIでなくなる可能性が最も高い仕事です。なぜなら、データ入力や管理、表計算、文書作成などの単純な定型業務が多いため、AIによる自動化が進む可能性が高いからです。
最近では、電話応対なども自動音声が行っているケースもあります。このような背景から、ジムに関連する求人数は減少傾向が続いています。
また、留意したいのが、一般事務に限らず、貿易事務や経理といった業務もAIでなくなる可能性が高い点です。例えば、経理であれば、自動処理を行ってくれるアプリケーションなども登場しています。
銀行員
銀行員もAIでなくなる仕事の一つです。銀行業務の中でも、特に窓口業務や事務処理がAIにより効率化されています。また、ロボットによる自動取引やカスタマーサービスのAI化も進行中です。
近年、実店舗を持たないネット銀行やネット証券などが増えており、実店舗は閉店を余儀なくされています。店舗運営には、人件費だけでなく賃料や光熱費などもかかるためです。
実際に、大手メガバンクでは、最大5,000名以上の新卒採用を行っていましたが、現在では1,000人程度と大幅に減少しています。
コンビニ店員
コンビニやスーパーの店員も、AIでなくなる可能性が高い仕事です。自動レジや無人店舗の導入が進んでおり、コンビニ業界での仕事自体が減少する恐れがあります。
例えば、AIはデータに基づくルール検出が得意なため、天候にあわせた発注などを人間よりも効率的に行えます。
また、実店舗においても、商品の在庫管理、注文、会計の自動化、ロボットによる清掃など、AIを活用した業務効率化が推進されているのが実情です。
タクシー運転手
タクシーや鉄道の運転手も、AIの導入によって求人が減りつつあります。なぜなら、自動運転技術が進化して精度が向上し、さまざまな企業で導入され始めているためです。
この状態が続けば、タクシー業界での需要が変化する可能性が高くなるでしょう。すでに一部の地域で自動運転タクシーが実用化されています。
AIの活用により渋滞を避けながら目的地まで最短でたどり着けるだけでなく、スピードの出し過ぎやよそ見といったヒューマンエラーによる事故を削減できています。運用が成功すれば、取り組みは全国へと広がっていくでしょう。
Webライター
WebライターもAIでなくなる可能性の高い仕事です。実際に、コンテンツ生成AIの発展により、基本的な記事作成が自動化されるケースが増えています。
例えば、文章生成に長けたAIとして代表的なのがChatGPTです。チャットで対話をしながらリサーチや翻訳、文章生成が行えるため、ライター業界でも取り入れられる機会が増えつつあります。
単純な情報提供に特化したライティングは、今後ますますAIに取って代わられる可能性があるでしょう。
AIでなくならないとされる仕事3選
AIでなくならないとされる代表的な仕事は以下の3つです。
- 教員
- 医療従事者
- ITエンジニア
教員
教師や保育士などの仕事はAIでなくならないとされています。なぜなら、教育や指導は人間特有の感情や理解が必要であり、AIには代替できない部分が多いからです。
また、成長段階にいる生徒は、対話や個別指導を受けることが成長につながるため、教員がは重要な役割を果たします。
生徒側にとっても、教員の表情を読み取ることで感情を理解したり、対話の経験を積むことで他の生徒とコミュニケーションを取れるようになったりするため、AIでは対応しきれない業務といえます。
医療従事者
医療従事者もAIでなくなる仕事からは除外できます。なぜなら、医師や看護師は業務にあたって、患者とコミュニケーションをとることが不可欠で、診断には高度な専門知識と経験、見極める力が求められるからです。
医療業界において、AIは画像分析やカルテの電子化、介護ロボットなどの補助的な役割を果たします。しかし、そもそも医療業界では人手不足が課題となっており、AIが登場しても、患者に寄り添って状態を把握できる医師や看護師の役割は重要です。
ITエンジニア
AIの開発や運用には専門的な知識が必要であり、ITエンジニアなど技術者の需要は高い状態が続いています。特に、システム、インフラ構築に関する高度なスキルを有するITエンジニアはかけがえのない存在です。
また、日々新しい技術が発展する分野であるため、新しいシステムや技術を常に学び続けることが求められています。AIはデータ処理が得意なため、コーディングなどの下流工程を担当することができるでしょう。しかし、感覚や経験をもとにさまざまな知識や技術を用いてクライアントの課題を解決する仕事は、現状のAIには難しいといえます。
AIに仕事を奪われないためにすべき行動
AIで仕事がなくなる可能性がある場合でも、奪われないためにできる行動があります。ここでは、以下の2つの対策をご紹介します。
- スキルアップを目指す
- 専門知識・技術が必要な仕事に転職する
スキルアップを目指す
AIに仕事を奪われないためにすべき行動の一つが、スキルアップを目指すことです。AIに取って代わられない、人ならではのスキルや知識を身につけることが重要です。
仕事で用いる基本的なスキルや技術、知識習得に加えて、複合的なスキルを学ぶなどの行動をとりましょう。
定期的に自己研鑽を行い、強みはさらに伸ばし、弱みは改善できるよう努力を続けてください。業界の最新動向を把握することも大切です。
専門知識・技術が必要な仕事に転職する
専門知識や技術が求められる仕事に転職するのも有効です。AIが代替できない職種にシフトすることで、将来のリスクを減少させられるからです。
例えば、ITエンジニアをしているのであれば、AI開発分野に転職することで、他のITエンジニアとの差異化を図れます。特定の専門分野でのスキルを磨くことで、競争力を高めることが可能です。
また、AIに代替できない人ならではのコミュニケーションスキルを活かせる営業やマーケティングなどへの転職も有効でしょう。
今後も需要のある仕事に転職しよう
AIの発展に伴い、転職市場にも変化が出ています。例えば、事務や銀行員などは業務がAIによって自動化されることも多く、人員削減が相次いでいます。
一方で,AIが苦手とする感情処理や複合的な知識を活用した業務は依然としてなくならないとされています。例えば、生徒と向き合う教員や患者に寄り添う医師や看護師といった医療従事者は今後もなくならないとされています。
また、AI開発・運用はそもそも人手不足であり、ITエンジニアもAIでなくならないといわれています。
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