転職において面接対策は必須であり対策しない時点で、採用の可能性が下がるといっても過言ではありません。しかし、忙しい中で面接対策を行うのは大変といった声もあります。

本記事では、面接対策をしない場合の問題、必要な対策、時間がない場合にやるべき最低限の対策について解説しています。現在の状況に合わせて必要な情報をご活用ください。

転職面接で対策しないとどうなる?

転職面接の対策をしないまま、本番を迎えてしまうと下記のような問題が起きる可能性があります。

  • 自分をアピールしきれない
  • スムーズな回答ができない
  • 回答に一貫性がない状態になりがち
  • 情報不足が伝わってしまう
  • 面接のマナー違反をしてしまう

それぞれの問題点について、具体的に解説します。

自分をアピールしきれない

自己分析が十分にできていない状態では、自分の強みやスキル、経験をうまく表現できず、アピール不足に終わってしまう可能性があります。また発言に対して自信が持てず、話し終えたあとに面接官の反応から「もっと別の内容を話したほうがよかったかも」と後悔するかもしれません。

採用・不採用は、他の応募者との比較によって決まります。アピール力が弱ければ、他の候補者に埋もれてしまうでしょう。

スムーズな回答ができない

準備不足により、緊張が高まりうまく話せないといったケースも考えられます。カジュアルな面接にも関わらず、ぎこちない会話になってしまうと「コミュニケーションに問題あり」「対応力が低い」とみなされる可能性もあるでしょう。

その場で考えるつもりでも、普段と違う環境では考えがまったくまとまらないことも考えられます。適切な表現ができず、面接官に準備不足を見破られ、入社意欲が低いと判断されるかもしれません。

回答に一貫性がない状態になりがち

その場しのぎで回答してしまうと、回答に矛盾が生じやすくなります。特に前職の退職理由や志望動機、自己PRや自分の長所、短所については、あらかじめ整理し、一貫性を持った回答を用意しておくことで、一貫性のある回答が可能です。

例えば、前職の退職理由が「チーム内で役割分担が適切ではなく、各自が孤立して仕事をする社風に馴染めなかった」にもかかわらず、志望理由を「個人に裁量権が与えられ、自らの力を発揮できる点に魅力を感じた」と答えた場合、面接官は違和感を感じます。志望理由も嘘かもしれないと思われてしまい、評価が下がる要因となるでしょう。

情報不足が伝わってしまう

面接では、志望業界や志望企業に対する質問が行われるケースがあります。しかし、事前研究が不十分な場合「同業他社ではなく、弊社を志望した理由を教えてください」「弊社の強み、弱みについて考えを聞かせてください」などの質問に対して、他の企業でも通用するような回答になる可能性が高いです。

さらに深掘りするような質問に対しても回答できず、「弊社に興味がない」「入社意欲がない」といった印象を与えてしまうでしょう。

面接のマナー違反をしてしまう

面接官によっては、面接時の入退室や話を聞く際の態度、服装を重要視することがあります。スキルや経験は申し分ないとしても、「社風に合わない」「チームの和を乱す」と判断されてしまうと採用は困難です。

「社会人歴が長いから大丈夫」と過信してしまうと、思いがけないところでマナー違反をしてしまい、失礼な人物といった印象を与える可能性があります。面接準備を行い、第三者から客観的意見をもらったうえで対応することが必要です。

転職面接で必要な対策

転職面接の準備の重要性を理解したところで、次は具体的な対策について紹介します。今すぐできることばかりのため、面接まで日がないといった際にもあきらめず対策を行いましょう。

自己分析を徹底する

転職を考え始めた時点で、自己分析を行う人は多いものの、結果を深掘りすれば面接対策にも活かせます。自分の経歴や、過去の職場での学び、培ったスキル、自分の強み、苦手分野などを徹底して分析・整理することで、今後のキャリアビジョンが明確になるはずです。

そのうえで志望企業において、入社後どのような形で活かせるかを具体的に考えてみましょう。回答に対し、面接官に突っ込んだ質問をされた場合に備え、自問自答して回答を掘り下げることも重要です。

業界・企業研究を行う

業界研究の場合、志望業界にもよるものの関連団体、協会の公式サイトを確認すると、最新情報や近年の傾向が理解しやすくなります。同一業界に複数の団体が存在するケースもあるため、細かく調べてみましょう。経済新聞や業界の専門誌などを確認し、自分なりの考えをまとめる方法も効果的です。

企業研究の場合は、公式サイトや採用サイトからビジョンや社風などを読み解きます。企業トップの考え方を知るためには、メディアや書籍の情報が便利です。逆質問に備え、具体的な質問を用意し、関心の高さをPRしましょう。

エントリーシートや履歴書の内容をチェックする

作成した書類に再度目を通し、内容に矛盾がないか、違和感を感じる表現がないかをチェックします。エントリーシートや履歴書の内容と、面接での発言に矛盾が生じないよう、自分が書いた内容を頭に入れておきましょう。

ただし、丸暗記はおすすめしません。あくまで書類に記載した事実をもとに、具体的なエピソードを語り、自己アピールに繋げることが重要です。熱意や意欲は、書類だけでは伝わりません。自分の言葉で思いや考えを語り、表情や声のトーンも含めて、入社したいとの気持ちをアピールしましょう。

面接マナーを確認する

清潔感のある髪型、服装のほか、入退室のマナーや挨拶など、ビジネスマナーについて再度確認しておきます。靴やカバンなどの小物も、汚れなどがないか、前もってチェックしておくと当日焦らずにすみます。笑顔や姿勢のチェックは、鏡の前で行ったり動画に撮ったりすると良いでしょう。

面接時間や企業までの交通手段も、併せて確認しておきましょう。時間帯によっては、渋滞に巻き込まれる可能性もあるため、余裕を持って家を出る時間を決めることが大切です。

面接練習をくり返し行う

模擬面接では、友人・知人、家族、専門家などに面接官役を依頼することで、客観的な意見がもらえます。フィードバックを活用し、改善しましょう。本番に近い環境、服装で行うことで、本番の緊張感を減らす効果も期待できます。

1人で練習する場合は、スマホなどを使い動画で撮影します。話すスピードや声の大きさ、口癖、姿勢、笑顔など、ポイントを絞ってチェックしたうえで、何度も練習しましょう。練習を繰り返し改善が目に見えてわかると、本番での自信にもつながります。

面接対策ができなかったときの対策

入念な事前準備ができればベストですが、状況によっては、十分な面接対策ができないまま本番を迎えるケースも考えられます。その場合は、最低限押さえておくべき対策を取り、面接を乗り越えましょう。

大まかな情報を把握・整理する

時間がないからと情報収集をあきらめてしまうのではなく、企業の基本情報、求める人物像など、資料から大まかなポイントだけでも確認し、自分なりに理解・整理しましょう。特に求める人物像に一致するエピソード、強みは、重要な要素です。応募書類を見直し、矛盾が生じないような回答を整理しておきましょう。

面接の際に、企業研究不足で答えられない場合は、準備不足であることを認め誠実にお詫びすることが大切です。嘘や取り繕いでごまかそうとするのは、逆効果だと理解しておきましょう。

必要最低限の面接マナーを確認する

基本的なビジネスマナーは、直前に詰め込んだとしても、ある程度対応可能です。下記のような面接マナーを心がけるだけでも、面接官の印象は変わります。

  • 入室時にはノック3回
  • 姿勢を正し、面接官と目を合わせてあいさつをする
  • 着席後も姿勢を意識して座る

緊張のなかでも、笑顔を意識することも必要です。スキルや経験も重要ですが「一緒に働きたい」と思われなければ、採用には至りません。

また服装、身だしなみに関しては当日でもできる対応です。清潔感を第一に、服や髪型を選びましょう。

面接対策に不安を感じたら転職サービスを利用しよう

転職面接において対策しないことは、多くのリスクがあります。「事前準備を怠る人=仕事においても準備を軽視する人」とも受け取られかねません。面接の前日・当日だとしても、できる限りの対策をとり、面接に備えましょう。

1人で面接準備をすることに不安を感じるのであれば、転職サービスを活用し、プロの目からフィードバックをもらう方法も効果的です。志望業界、志望企業に入社できるよう、自らのスキルを磨き、転職サービスを積極的に活用することをおすすめします。