「転職理由をスキルアップと言ってもよいのだろうか」とお悩みの方もいることでしょう。転職理由がスキルアップだと伝えることは、まったく問題ありません。
重要なのは企業側の考えを事前に理解し、ポイントを踏まえたうえで、志望動機や転職理由を伝えることです。本記事では不明点や疑問点を解決し、転職理由を説明できるよう、ポイントや例文と合わせて紹介しています。
目次
転職理由がスキルアップだった場合に企業側が考えること
企業側は転職理由にスキルアップを挙げる求職者について、下記3つのポイントをチェックしています。
- スキルが自社で役立つかどうか
- 転職しなければスキルアップできないものかどうか
- スキルアップしたあとに辞めてしまわないか
それぞれの内容について解説します。
スキルが自社で役立つかどうか
企業は転職希望者が欲しているスキルと、すでに持っている専門知識や技術との相性を確認しています。組み合わせることで、自社の製品やサービスの向上に寄与すると判断された場合、評価が上がるでしょう。
「0からスキルを身につけたい」ではなく、すでに一定レベルのスキルを持っており、即戦力となること、または短期間で必要なスキルを身につけて応用できるかどうかも重要です。業務プロセスの効率化や新しいビジネスチャンスの創出に役立つかどうかも見極められています。
転職しなければスキルアップできないものかどうか
スキルアップを転職理由にする場合、在籍中の職場または前職でのスキルアップが本当に不可能であったかどうかを確認されます。
「新しい知識や技術を学ぶ機会がまったくない」「キャリアの成長が完全に停滞している」と判断されれば、正当な転職理由と受け止められるでしょう。
一方、前職でも自己の努力により身につけられるスキルだと判断された場合、「他責思考がある」「環境を理由に行動しない」とマイナス評価がつく可能性が高いです。
スキルアップしたあとに辞めてしまわないか
企業が従業員に対して教育や研修などの投資を行う目的は、自社に貢献してもらうためです。スキルアップを理由に転職を希望する求職者に対し「新しいスキルを取得したら、すぐに他の企業に転職してしまうのでは」と警戒する可能性があります。
企業は求職者のキャリアプランや長期的なビジョンを確認し、自社で長期的に活躍してくれる意欲があるかどうかを判断します。スキルアップ後、具体的な貢献方法について語ることで、企業の不安を払拭し信頼関係が築けるでしょう。
スキルアップを転職理由にする際のポイント
スキルアップを転職理由として挙げる場合に、注意したいポイントは、下記のとおりです。
- 志望動機と関連性を持たせる
- 今あるスキルのアピールも忘れないようにする
- 転職によってどのようにスキルアップするかを説明する
- 他人のせいにした転職理由は悪印象になるリスクも
- 嘘をつかない
面接での追加質問に備え、チェックしておいてください。
志望動機と関連性を持たせる
スキルアップしたい分野と志望企業の事業内容や求める人材像との関連性を明確にしましょう。具体的に、どのようなスキルを習得し、それをどのように活かしたいのかを伝えることが重要です。
得たスキルは入社後、どのように活かしたいか、企業の事業内容や将来のプロジェクトと関連させて述べることが大切です。また、得たスキルを用いて企業に貢献したいと意欲的な態度を見せることで、転職理由に説得力が増します。
今あるスキルのアピールも忘れないようにする
スキルアップを転職の目的とする場合、すでに一定レベルのスキルを持っていることが前提です。面接官を納得させるためにはこれまでのキャリアで培ったスキルや過去のプロジェクトで達成した成果、特定技術に関する専門知識などを具体的に説明する必要があります。
企業が求めているのは、即戦力の人材です。既存のスキルは、入社後どのように役立つかを説明し、即戦力として貢献できると述べたうえで、スキルアップすることで、さらに力になれると伝えましょう。
転職によってどのようにスキルアップするかを説明する
まずは、志望する企業の教育プログラムや研修制度を把握しておきます。そのうえで、具体的にどのようなスキルの獲得・向上ができるか説明するとよいでしょう。
また、実際の業務内容やプロジェクトを通じて、よりスキルが成長し、貢献できるイメージを面接官に与えることが重要です。
ここで重要となるのは、自らのキャリアパスや成長のビジョンです。会社の環境だけを全面に押し出してしまうと「会社任せでスキルアップをしようとしている」と、受け身な印象を与えてしまいます。
他人のせいにした転職理由は悪印象になるリスクも
仮に事実であったとしても、「直属の上司がスキルアップに意欲的ではなかった」「希望した研修に行かせてもらえなかった」など、他人に責任を押し付けるような転職理由は避けます。
「自己責任を回避している」「当社に入社後、似た問題を起こすのでは」と、マイナスな印象を与える可能性が高いです。あくまで転職理由は、自分の成長やキャリア目標に焦点を当てます。
ポジティブな動機を強調し、仕事に対して意欲的な姿勢を見せましょう。
嘘をつかない
「スキルアップを理由にしたほうが、面接官の印象が良さそう」「ほとんど経験はないが、あると言っておこう」などの嘘や誇張は、面接官にバレるリスクがあります。
面接官は多くの求職者と接しているため、違和感を感じれば、徹底的に回答を深掘りするでしょう。言葉に詰まったり矛盾した回答をしたりすれば、面接官は容赦無く評価を下げます。
仮に内定後であっても、嘘が発覚すると信用を失い、内定取り消しとなる可能性もあります。あくまで事実に基づいた情報を伝えることが大切です。正直で誠実な姿勢を保つことで、入社後も信頼関係を築き、スムーズな業務遂行が可能になります。
転職理由がスキルアップの場合の例文
転職理由を問われることは多く、採用可否を決める重要な質問です。ここでは、転職理由をスキルアップとする場合の、職種別の解答例を紹介します。自分の考えをまとめ、オリジナルの原稿をつくる際に、参考にしてみてください。
営業職の場合
私が転職を決意した理由は、より高い目標に挑戦し、自分の能力を試したいと考えたためです。現在の会社では、既存顧客へのフォローを中心に行い、コミュニケーション能力や提案力を磨いてきました。顧客満足度アンケートでは、全国45支店のなかで、1位を獲得したこともあります。
一方、新規顧客への営業経験はなく、自らの成長のためにも上司に相談しましたが、新規顧客は完全に外注しており、困難であるとの回答でした。
御社の募集要項の中で特に魅力を感じたのは、既存顧客へのフォローから新規営業まで幅広く取り組めるという点です。営業目標達成に向けた戦略的アプローチを学びチーム研修を経て、入社後、貢献できればと思っています。
事務職の場合
私は前職で営業事務として、WordやExcelによる資料作成や電話応対など、5名の営業のサポートを行っておりました。パソコンスキルを高めたいと、休日にスクールに通い◯◯の資格を取得したことで、△△や□□などの業務に活用でき、上司より「以前より20%の時間短縮につながった」と評価をいただきました。
やりがいを持ち取り組んでおりましたが、より自らの力を高めたいと転職を決意し、御社の新規事業である◯◯に魅力を感じ、応募いたしました。私のパソコンスキルを活かしつつ、新規事業に関わり、業務の効率化を目指したいと考えております。
システムエンジニアの場合
私は、前職においてシステムエンジニアとして限られた領域での業務を行ってまいりました。小規模ながら△△のプロジェクトリーダーとして、システム設計に◯年関わり、□□や△△などの問題解決に尽力してきました。しかし、社内再編により規模が縮小し、部署の異動が決定したことから、これまでのスキルを活かしさらにキャリアアップしたいと転職を決めました。
御社が先日発表された新規プロジェクトは、業界最先端の技術であり、私がこれまで関わってきた△△との親和性を強く感じました。私がこれまで培ってきたスキルと、御社の技術者に対するサポートを掛け合わせることで、より幅広い分野において活躍し、貢献したいと考えております。
スキルアップという理由で転職してもいい!
転職理由がスキルアップの場合、志望動機との関連性を高めたり、転職先でのスキルアップについて具体的に語ったりすることが必要です。面接官に「目的はスキルアップのみで、すぐに辞めるのでは」と思われないためにも、入社後の貢献意欲を見せましょう。
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