30代は転職について悩む方が増えるとともに、企業にとっても欲しい人材が多くなる年代です。マイナビの「転職動向調査2024年版」によると、2023年における30代の転職率は9.8%と過去最高値を記録し、転職市場も活発化しています。

本記事では、30代の転職成功に向けて、転職サイトの選び方や注意点、転職を成功させるコツについて解説します。最新のデータと統計を交えながら、転職サイトを上手に活用して理想のキャリアを実現する方法をご紹介します。

30代のための転職サイト選びのポイント

30代が転職サイトを選ぶ際は、以下の4つのポイントを意識しましょう。

1. 目指す業界に強いサイトを選ぶ

まずはあなたが目指す業界に強い転職サイトを選びましょう。例えば、IT業界に興味があるなら、IT業界に特化した転職サイトを選ぶのがおすすめです。なぜなら、通常の転職サイトには掲載されていないような求人を見つけることができるためです。

通常の転職サイトの場合、幅広い業種や職種の求人情報が掲載されている一方で、専門性のある求人の情報が不足している場合もあります。また、業界のトレンドや専門知識に詳しくない担当者が多く、的確なアドバイスが受けられない可能性があるでしょう。

特定の分野に特化した転職サイトは、業界や職種に精通した会社が運営していることが多く、専門的な知識とネットワークを持っています。求職者のスキルや経験に合った求人を見つけやすいうえに、企業側も積極的に人材を探しているため、マッチングの精度が高くなります。

2. 求人数や求人の質をチェックする

求人数が多いサイトは選択肢が広がるため、自分に合った仕事を見つけやすくなります。さまざまな業種や職種、雇用形態の求人があれば、希望に沿ったポジションを探せる可能性が高まります。

しかし、転職サイトに掲載されている求人は、そのサイトの狙っているターゲット層によって、年収帯・職種・業界・役職・勤務地などが異なります。求人の総数が豊富であっても、30代に向けた求人は少ない可能性があるため注意が必要です。

マイナビの調査では、30代男性の平均年収は430~530万円ほどとなっています。30代のなかには、年収アップを希望する人や平均より年収が高めの人もいるため、年収500~700万円の求人が30代向けであるといえるでしょう。

数が多いだけでなく、求人内容が具体的であることも重要です。例えば、仕事内容や必要スキル、雇用条件だけでなく、会社の文化や雰囲気、福利厚生の詳細が詳しく記載されていれば、応募前に職場の実情をイメージでき、ミスマッチを防げます。

3. 転職サポート機能を確認する

転職サイトの中には、さまざまなサポートを用意しているところもあります。例えば、次のようなサポートが挙げられます。

  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • 模擬面接や想定質問への回答練習など、実践的な面接対策
  • 自己分析やキャリアプランニングのサポート
  • 企業ごとの選考対策情報の提供
  • 年収交渉や入社日調整のアドバイス

内定後のアフターフォローがあるサイトを選ぶのもおすすめです。新しい環境への適応や、さらなるキャリアアップに向けたアドバイスがもらえることで、安心して仕事に臨めるでしょう。

4. 複数の転職サイトを併用する

転職成功のカギは、多くの求人情報に触れることです。最新の調査によると、30代の転職活動では、複数の転職サイトを併用することが強く推奨されています。転職サイトに掲載されている求人には、複数のサイトで掲載されている「一般求人」と、その転職サイトにしか掲載されていない「独占求人」の2種類があります。

転職サイトはいくつ利用しても基本的に費用がかからないので、複数のサイトに登録して多くの求人と出会う機会を増やすことが賢明です。マイナビの「転職活動における行動特性調査」では、30代転職者の求人応募・紹介数の平均値は、男性が17.2件、女性は12.1件と報告されています。十分な選択肢から比較検討することが、よりよい条件での転職につながるでしょう。

30代の転職市場の現状

転職率と転職成功率

マイナビの「転職動向調査2024年版」によると、2023年における30代の転職率は9.8%で、これは過去最高値です。特に20代・30代・40代では新型コロナウイルスの影響前よりも転職率が高まっていることが分かっています。

さらに、「みんなの転職体験談」に投稿された30代の転職者データによると、転職を「成功・やや成功」と答えた30代の人は全体の83%にも上り、5人に4人が「転職は成功だった」と回答しています。これは、30代の転職が決して厳しいものではなく、むしろ成功の可能性が高いことを示しています。

年収の変化

厚生労働省の調査によると、30代前半(30~34歳)の約38.4%、30代後半(35~39歳)の約36.8%が転職によって年収が上がったと回答しています。また、約30%は年収を維持できており、これは将来的なキャリアアップの可能性を示しています。

マイナビの「転職動向調査2024年版」でも、転職後の年収については、年収が上がった割合が全体で39.1%となっており、30代男性の半数近くが転職で年収アップを実現していることが分かっています。

転職理由のトレンド

2023年に転職した30代の転職理由で最も多かったのは「給与が低かった」でした。次いで「会社の将来性、安定性に不安があった」「仕事内容に不満があった」と続きます。全体と比べると30代は「給与が低かった」が高い傾向にあります。これは、30代は20代に比べて配偶者や扶養家族がいる割合が高いため、生活環境の変化によって給与の重要性が高まった人が多いと考えられます。

30代の転職における注意点

30代の転職活動には、いくつかの注意点があります。これらを事前に理解し、対策を講じることで、転職の成功率を高めることができます。

1. 企業は即戦力を求めていることが多い

30代は即戦力を期待されることが多いです。体力的にも気力的にも、パフォーマンスを最大限に発揮できる年代だからです。即戦力とは、入社後すぐに活躍できる能力を持った人材のことです。業界知識や専門スキルはもちろん、問題解決能力やコミュニケーション能力なども重要視されます。

そのため、30代の転職者は、自身の経験やスキルを整理し、どのように企業に貢献できるかを明確にアピールすることが重要です。

2. 年収が下がる可能性もある

30代の転職では、年収が下がるリスクも考慮しなければいけません。マイナビの調査によると、転職で「年収は上がった」が39.1%で「年収は下がった」の20.5%を上回りましたが、約2割は年収ダウンを経験しています。

30代前半が32.3%と年収が減少した割合が高くなっているデータもあり、特に未経験分野への転職では現実的なリスクとして認識しておくべきでしょう。

ただ、年収が低くなることは、かならずしもマイナスではありません。自分のやりたい仕事ができたり、将来のキャリアアップにつながったりする可能性もあるでしょう。

3. 非公開求人は見られない

転職サイトは、基本的に非公開求人が見れません。重要なポジションや急募の求人に応募したいなら、ダイレクトリクルーティングや転職エージェントがおすすめです。

特に、ダイレクトリクルーティングは企業と直接コミュニケーションを取ることができる転職方法です。より深く企業理解を深め、ミスマッチを防ぐことができます。

関連記事:理想の転職のタイミングは?成功するためのポイントを解説

4. 自分で会社と交渉しなければいけない

転職サイトを通じて応募した場合、年収や入社日などの条件交渉は、基本的に自分で行わなければなりません。転職サイトは、自分のペースで転職活動を進められるメリットがありますが、情報収集から内定獲得までの流れを自分で管理する必要があります。

自分でやることに不安を感じる場合、転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントを活用する場合は、担当者が交渉をサポートしてくれます。求人探しから応募、面接設定、条件交渉まで、エージェントが間に入ってくれるため、転職活動の負担が大きく軽減されるでしょう。

30代で転職サイトを活用して転職を成功させるコツ

ここでは、30代で転職サイトを活用して転職を成功させるコツを4つ紹介します。

1. 複数の転職サイトを使用して求人を見つける

複数の転職サイトを利用することで、自分に合った条件の求人を見つけやすくなります。転職サイトごとに、掲載されている求人の特徴や数が異なるためです。

例えば、大手の転職サイトでは幅広い業種や職種の求人が多く掲載されており、特定の業界に特化したサイトでは、業界ならではの専門的な求人が集まります。また、地域密着型の転職サイトを利用することで、地元企業の求人情報を効率よく収集することができます。

このように自分の希望条件に合わせて、複数の転職サイトを組み合わせて使うことが転職を成功させるためのポイントです。マイナビの調査では、30代の転職者の約半数が転職サイトを利用し、これに加えて男性はダイレクトリクルーティング、女性は職業安定所などを併用していることが分かっています。

2. 転職を焦らずにまずは自分の市場価値を把握する

転職を考え始めたら、焦らずに自分自身を見つめ直します。これまでのキャリアを振り返り、自分の強みやアピールポイントを整理しましょう。どのような経験やスキルを持っているのか、どう活かせるのかを明確にしておくと、転職活動がスムーズに進みます。

多くの転職サイトには、年収診断やキャリアタイプ診断などのツールがあります。これらを活用して自分の市場価値を客観的に把握することが大切です。研究結果によると、市場価値を正確に把握している転職者は、面接での自己アピールが明確になり、内定獲得率が高まる傾向があります。

また、現在の会社を辞めたいと思った理由を深く掘り下げてみることも必要です。会社を辞める明確な理由があり、自分のなかで整理がついたときが、転職に適したタイミングといえるでしょう。

関連記事:転職活動で自己分析するメリット3選!具体的なやり方やポイントを紹介

3. 転職サイトと併用してダイレクトリクルーティングも活用する

転職サイトだけでなく、ダイレクトリクルーティングの活用もおすすめです。30代は企業にとって即戦力となる人材であり、企業側から積極的にアプローチされる可能性が高いからです。

転職サイトだけでは、リアルな情報をなかなか手に入れられず、企業が本当に求めている人物像や社風、職場の雰囲気などを十分に把握することはできません。

ダイレクトリクルーティングは人材会社を通すことなく企業の採用担当者と直接コミュニケーションを取れるため、より詳細な情報を得られます。「みんなの転職体験談」の調査によると、転職成功者の約30%がダイレクトリクルーティングを活用しており、特に30代のキャリアアップを目指す転職者に効果的であることが示されています。

4. 転職活動の期間を適切に設定する

厚生労働省の調査によると、30代の3人に1人が、転職活動を始めてから1~3ヶ月の間に転職していることが分かっています。平均的には3ヶ月以内で転職する人が多いようですが、未経験や人気の業界・業種では3ヶ月以上かかることもあります。

マイナビの調査でも、30代に絞ってみると転職活動期間は1~3ヶ月以内が一番多く、4~6ヶ月の期間をかける人は2割前後、7~12ヶ月の1年近いスパンで進めた人はわずかでした。

転職活動の期間を最初から適切に設定し、計画的に進めることが重要です。特に在職中の転職活動では、現職とのバランスを取りながら効率的に活動を進める必要があります。

まとめ:30代の転職は転職サイトを上手に活用しよう

30代の転職では、自分に合った転職サイトを選ぶことが大切です。業界に特化したサイトや、求人数・求人の質が高いサイト、サポート体制が充実しているサイトを選びましょう。

マイナビの調査によると、30代の転職成功率は高く、約40%が年収アップを実現しています。転職を成功させるためには、複数の転職サイトを使って求人を探し、ダイレクトリクルーティングを併用することもおすすめです。ダイレクトリクルーティングを併用することで、より自分に合った転職活動が可能になります。

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