「AIによってなくなる仕事とは?」「AIと共存できる仕事はあるの?」など、仕事とAIの関係について気になっている方も多いことでしょう。もちろんAIがすべての仕事を奪うわけではありませんが、一部の仕事については将来的な存続が難しいと言われています。
本記事ではAIによってなくなる可能性が高い仕事、低い仕事のほか、AIと共存するためにやるべきことについて詳しく解説しています。
目次
AIによってなくなる可能性が高い仕事5選
AIはデータ分析や学習が得意です。AIの普及により、自動化や効率化が進み将来的になくなる可能性が高いとされる下記5つの仕事について解説します。
- 一般事務
- 銀行員
- スーパーやコンビニの店員
- 運転手
- 警備員
一般事務
文書作成、電話応対、データ入力などの事務は、AIが得意とする分野です。画像認識・音声認識技術も高まっており、AIが対応できる業務は今後さらに広がると考えられます。また、一般事務の業務は、イレギュラーなタスクが発生しにくく、ルーティンワークであることもAIに任せやすい点です。
計算や書類作成などのスピードは、人よりもAIが優れています。さらにヒューマンエラーを起こすこともありません。会社にとっては、人件費の削減にもつながります。
銀行員
銀行の実店舗は、統廃合により減少傾向にあります。昔は、銀行の窓口に行かなければ受けられなかったサービスばかりでした。しかし、今では多くがオンラインサービスへと移り変わり、楽天証券などのネット証券をはじめ、実店舗を持たない金融機関が増加しています。
実店舗を運営しなければ、家賃などの維持費や人件費などのコスト削減も可能です。計算はAIが得意とする分野であり、預貯金の引き出しや振込なども、スマホアプリから行えます。銀行窓口業務は、特にAIによってなくなる可能性が高いといえます。
スーパーやコンビニの店員
すでにセルフレジ、レジ機能搭載のスマートカートなどの普及が進んでいることから、スーパー・コンビニなど小売店へのAI導入はイメージしやすいでしょう。人手不足を補うためにも、今後AIのさらなる活用が進むと考えられます。
在庫管理や発注などの分野においても、AIであれば過去のデータを活用し、適正数を見極めます。天気、来客数、季節などさまざまなデータを活用することは、AIの得意分野です。世の中すべての有人レジがすぐに無人レジになるとは考えにくいものの、今後は減少する仕事といえます。
運転手
「2024年問題によるドライバー不足」「ドライバーの高齢化」など、運転手不足の傾向は年々強くなっています。アメリカや中国では、自動運転自動車の導入・研究が進み、日本でも自動運転レベル3「条件付自動運転車(限定領域)」まで実車化が進んできました。
AIによる自動運転が実現すれば、よそ見や居眠り、逆走などのヒューマンエラーによる事故をなくすことが可能です。精度や技術の向上により、バスやタクシーの運転手の仕事は、AIが担っていく未来が予想されます。
警備員
警備員の業務には、施設警備や雑踏警備、交通誘導、貴重品運搬などさまざまな内容があります。今後AIが担うと予想される警備業務は、施設内やイベント会場の不審者・不審物に対する認識・通知です。
監視カメラ技術自体が進歩しており、さらに人の行動や表情の学習が得意なAIを活用することで、違和感の早期発見に役立ちます。特に夜間警備のように、人にとって負担が大きく人件費も多くかかる分野においては特にAI警備の普及が予想されます。
AIによってなくなる可能性が低い仕事5選
一方、どれだけ技術力が発展してもAIによる対応が難しい仕事も存在します。なくなる可能性の低い仕事は、下記の5つです。
- 介護や介護士
- 教員や保育士
- ITエンジニア
- 営業職
- カウンセラー
理由とともに詳しく紹介します。
介護や介護士
介護の世界においては、身体的なサポートに加え、精神的なサポートや丁寧なコミュニケーションが求められます。現場ではAIやロボットの導入が進みつつあるものの、ロボットが対応できるのは、体位変換や入浴補助、リハビリテーションのサポートに過ぎません。
細かな変化は人の目で見る必要があり、ルーティーンではなく臨機応変な対応が求められるケースが多いです。利用者さんの気持ちを読み取ることも求められるため、介護職、介護士としての仕事は、今後もなくなることはないでしょう。
教員や保育士
教員や保育士は、相手の反応に合わせた言葉や表現が求められる職種です。人を育てる・教えるためには、臨機応変な対応が必要であり、高いコミュニケーション能力が求められます。ルールや知識を教えるだけでなく、心の教育や社会性を身につけさせるといった部分は、人間にしかできないスキルです。
もちろん、雑務処理や授業のサポートといった部分でAIが活用される可能性はあります。しかし、メインの教育業務については、引き続き人間が担っていくことでしょう。
ITエンジニア
ITエンジニアは、AIなどのシステムを構築・保守・運用する仕事です。つまり、AIを活用する側であり、AIの普及に伴いITエンジニアの人材不足は顕著になっています。また、ITエンジニアは顧客の課題解決を目指し、提案や交渉を行います。AIはコードを書くことができても、自ら新しいサービスを生み出すような行動は不可能です。
不具合の解決などのメンテナンスも、人間にしか対応できない分野です。ITエンジニアは必要に応じた意思決定や取捨選択を含め、人間が行うべき業務が多い職種といえます。
営業職
AIが苦手とする行動のひとつに「交渉・説得」があります。営業職は、高度なコミュニケーションスキルが求められるうえ、必要に応じて交渉・説得が求められる仕事です。単に必要な情報を伝えたり、相手の質問に答えたりすればいいというものではありません。
特に「会社の顔」として営業職が活躍するシーンも多く、少しずつ信頼関係を積み重ねるといった役目は、AIが担うことは困難です。ただ、書類作成などのルーティンワークに関しては、AIが担当し、人との対話を人間が担当するなど作業の分担は進むと想定されます。
カウンセラー
カウンセラーは、顧客との対話を通し、気持ちの変化や感情の揺らぎを汲み取るスキルが必要です。相手に必要なアドバイスを行うこともありますが、対応にはマニュアルはありません。こういったコミュニケーションは、AIにとって苦手な分野です。
また「不安や悩みを誰かに聞いてほしい」と感じる人にとって、その「誰か」は、機械ではなく人間であることが多いでしょう。高度なコミュニケーション能力が求められるカウンセラーの仕事は、AIの代替になりにくいといえます。
AIによって新たに生まれる仕事
AIによってなくなる仕事がある一方、AIとの共存により新たに次のような仕事が生まれると言われています。
- サイバー都市アナリスト
- AIプロンプトエンジニア
- データ探偵
サイバー都市アナリストとは、都市が集めたさまざまなデータの統計、把握、分析、セキュリティ管理などを行う責任者です。今後、これらのデータを元に都市開発が進むと言われており、ニーズの高い仕事です。
AIプロンプトエンジニアは、生成AIの回答精度向上を行う仕事です。プロンプトの開発や修正、メンテナンスなどが主な業務であり、今後さらにニーズは高まると推測されます。
データ探偵は、AIによる分析・作成データを元に、コンサルティングを行ったり、新しいアイデアを提案したりする仕事です。AIの得意分野と人間の創意工夫能力を活かした仕事といえます。
AIと共存するためにやるべきこと
世界的なAI活用の流れは、今後ますます加速すると考えられます。仕事においてもAIとの共存は欠かせないものとなるでしょう。そのために、今やるべき下記3つのポイントを解説します。
- AIを活用できるようになる
- AIと共に共存できる仕事に転職する
- AIに負けないスキルを身につける
AIを活用できるようになる
「人手不足」「コスト削減」「社員の業務負担の削減」「生産性向上」などさまざまな理由から、AIの必要性は高まり続けています。AIの得意分野を理解したうえで、AIを活用できる人材を目指しましょう。
例えば、自社企業であればどのようにAIを活用できるのか、提案する側に回ることもひとつの方法です。AIが抽出したデータを分析し、自分なりの提案やアイデアを提出するといった行動ができる人は、AI時代に生き残れる人といえます。
AIと共に共存できる仕事に転職する
現在、AIの普及によりなくなる可能性の高い仕事に就いているのであれば、AIと共存できる仕事に転職することもひとつの方法です。例えば介護職であれば、力仕事はAIロボットに任せ、コミュニケーションなどの対人関係を人間が担当するなど、役割分担ができます。
営業であれば、ルーティンワークはAIに、臨機応変な対応が求められる部分は人間にといった形です。AIとうまく共存するためにはどうすればいいのか、自分に合う仕事と共に考えてみましょう。
AIに負けないスキルを身につける
AIはデータ分析や計算、パターンの識別、ルーティンワークは得意ですが、相手の気持ちを察する、寄り添うなど心の内面への対応スキルは持ち合わせていません。また0から1を生み出すなど、まったく新しい企画・アイデアをつくるなど創造性の必要な業務も苦手です。
言葉だけでなく表情や声のトーンなど、総合的な要素から判断する繊細なコミュニケーションや、創造力・判断力は、人間が得意とするスキルです。AIの技術がどれだけ進歩しても、人間には敵いません。AIに負けないスキルを磨くことは、どのような仕事においても必須です。
AIによってなくなる仕事を理解した上でこれからの仕事を考えよう
AIによってなくなる可能性の高い仕事は、ルーティンワークや判断・創造を求められないものが多いです。世界的な傾向としてAI技術の発展は目覚ましいものがありますが、AIと共存し、生き抜くためにも、AIに負けないスキルを身につけていきましょう。
特にITエンジニアは、AIを生み出す側の立場であり、今後も活躍が期待されます。ITエンジニア、プログラマーなどIT系への転職を目指している方は、ダイレクトリクルーティングサービス「HUGAN」に登録してみませんか。未経験者・経験者ともに、登録は無料です。本気の企業が、あなたの登録を待っています。