「IT企業に転職するなら、IT資格は必須?」「どのIT資格を取得すればいい?」と悩んでいる方もいることでしょう。自分のキャリアを見据えたうえで、取得する資格を選ぶことが必要です。

本記事では、転職活動でIT資格が役立つシチュエーションに加え、未経験者・実務経験者それぞれにおすすめの資格を紹介しています。

転職活動でIT資格が役立つシチュエーション

転職活動においてIT資格が役立つケースは、大きく「未経験からIT業界への転職」「採用担当者へのアピール」の2つに分かれます。役立つ理由について、具体的に解説します。

未経験からIT業界に転職する場合

IT業界への転職は、基本的に実績のある経験者が優遇されます。しかし、未経験者=不採用ではありません。下記は、IT業界未経験者に対する一般的な採用判断基準です。

  • ポテンシャル
  • コミュニケーションスキル
  • 事務スキル
  • ITに関する知識

未経験者を積極的に採用している企業は、入社後の研修やOJTが充実しているケースが多いです。ただし、いくら入社後に学べる環境が用意されていても、ITに関する知識は、あるに越したことはありません。あらかじめ資格を取得しておくことで、I Tに関する基礎知識を有するアピールとして有効活用できます。

採用担当者に新技術への感度や学習意欲をアピールする場合

IT技術は進化のスピードが非常に速いため、既存の技術や情報はすぐに陳腐化してしまいます。取得する資格にもよりますが、常に最新技術に触れ、感度高くキャッチアップする姿勢をアピールできます。

また、IT技術職は、既存の知識のみでルーティンワークとしてこなせる仕事ではありません。常にネットや書籍などから最新情報を仕入れ、仕事を進めることが多いです。資格保有=勉強熱心、学びへの意欲が高いなどのアピールとしても活用できます。

転職活動以外でIT資格が活躍する場面

IT資格は、資格手当の支給やクライアントから信頼を得られるなど、転職活動以外の場面でも役立つことがあります。

現時点で転職の予定がない方も、IT資格取得のメリットを把握しておくとよいでしょう。具体的な内容とともに解説します。

資格に応じて手当が支給されることがある

内容は各企業により異なりますが、IT業界では資格手当の制度が設けられていることが多いです。国家資格から民間資格まで対象となるIT関連の資格はさまざまで、資格取得祝い金が支給されるケースや毎月数千円から数万円が支給されるケースがあります。

また、IT系資格は、受験料が高額になりがちです。資格取得を支援するため、合格した場合に受験料の一部または全額をキャッシュバックする企業もあります。企業により細かなルールは異なるため、転職先を探す場合は、資格手当にも注目することをおすすめします。

スキルの証明になるため、クライアントから信頼される

IT資格は、ITパスポートのように幅広いIT知識を証明する資格だけでなく、マネジメントや情報セキュリティなど、特定の専門分野に特化した資格も存在します。特定の専門分野で業務を行う場合、資格取得はクライアントに対して「この分野の専門家だ」という信頼感を与えることができます。

企業によって業務の進め方は異なりますが、資格は客観的なスキルの証明として活用できます。自身のアピール材料として効果的です。

未経験からの転職で有利なIT資格4選

IT系の資格とひとことで言っても、種類が豊富です。まずは何から勉強すべきか迷ってしまう人も多いでしょう。未経験からの転職を目指す場合におすすめの資格は、下記の4つです。

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者
  • CCNA
  • Java Silver

それぞれの資格について、詳しく解説していきます。

ITパスポート

ITに関する基礎知識や総合的な知識を習得したい方に向けた国家資格です。ITへの理解を深め、業務を効率的に進めるための「IT力」を証明することができます。

2024年6月の合格率は、IT系社会人51.5%、非IT系社会人55.3%です。社会人の合格率は50%台で推移しており、IT未経験者でも、適切な学習計画と努力によって十分に合格可能です。

基本情報技術者

基本情報技術者は、ITエンジニアを目指すうえで最初の関門、いわば登竜門とも言える資格です。ITにおける戦略立案、システム設計・開発、マネジメントの基礎知識を習得したい方に向けた国家資格で、ITパスポートよりも難易度が高いです。

2023年度の合格率は平均47.1%でした。知名度が高く国家資格であるため、未経験者が取得すれば、学習意欲や基礎知識の習得をアピールできます。

CCNA

ネットワークエンジニアを目指す方に向けたベンダー資格です。ネットワークに関する基礎から応用まで幅広い知識が問われるため、未経験者が取得するには難易度が高いです。

合格率は20〜30%程度と低く、未経験者にとってはハードルが高い資格です。さらに、受験料もアソシエイトレベルで300ドル(2024年8月11日現在 約44,000円)と高額です。しかし、ネットワークエンジニア、インフラエンジニア、サーバーエンジニアといったキャリアを目指すのであれば、CCNAの取得は大きな強みとなるでしょう。

Java Silver

プログラミングを使った開発業務に携わりたい方に向けたベンダー資格です。Javaは数あるプログラミング言語の中でも汎用性が高く、多くの企業で採用されているため、開発初心者にとってJava Silver資格の取得は転職活動において有利に働くでしょう。

1つのプログラミング言語を理解できれば、他の言語の学習にも応用が利くため、開発者としてのキャリアを目指す方にはおすすめの資格です。受験料は37,730円、合格率は非公表ですが、合格ラインは63%です。

IT業界の実務経験者でも転職に役立つIT資格3選

IT業界での実務経験者にとっても、IT資格の取得は自身の知識や学習意欲を証明するうえで役立ちます。キャリアアップを目指す方におすすめの資格を3つ紹介します。

  • ネットワークスペシャリスト
  • ITサービスマネージャ
  • ITストラテジスト

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストは、ネットワーク系最難関の国家資格です。ネットワークシステムの企画設計、構築、運用保守などの業務知識や実践能力が問われます。

令和5年度の合格率は14.3%、合格者の平均年齢は33.5歳です。難易度が高い分、ネットワーク系に絞った転職を検討している人にとっては、有利に働く可能性があります。

ITサービスマネージャ

マネージャーとしてキャリアアップしたい方向けの国家資格です。資格取得により、情報システムの計画立案から設計、運用、評価、プロジェクトチームリーダーとしてのマネジメント力まで、幅広い能力が示せます。

令和5年度の合格率は15.2%、合格者の平均年齢は41.1歳です。信頼性・安全性の高いサービス提供に努める知識やスキルをPRできます。

ITストラテジスト

ITコンサルタントとして、経営層に近いクライアントと相対したい方、企業戦略に基づき積極的にITを活用した企業戦略の策定・提案をしたい方向けの国家資格です。

DXの需要が高まるなか、ITストラテジストを取得し、名刺に印刷することで権威づけに役立てるITコンサルタントもいます。令和5年度の合格率は15.5%、合格者の平均年齢は40.3歳です。

IT業界経験者の転職では資格よりも実務経験が重視される

未経験者、実務経験者ともにIT資格の取得には、それぞれメリットがあります。自分が描くキャリアと一致している資格であれば、知識やスキルだけでなく、面接において語る今後のキャリアにも一貫性を示すことができるでしょう。

しかし、IT業界では資格よりも実務経験が圧倒的に重視される傾向があることも事実です。実際の求人においても「業務システム開発の上流フェーズ(設計工程以上)の経験3年以上」「C++などの言語を使用した開発経験(実務経験3年以上)」などの記載が散見しています。

ただし、未経験歓迎の求人であれば、資格取得はアピールポイントとして有効に働きやすいです。ただ、実務経験者の場合、よほど上位の資格(難易度の高い国家資格など)でない限りは、職務経歴書の内容充実を優先させることをおすすめします。

未経験でIT資格がなくてもエンジニアに転職できる!

IT系の資格取得は、一定の知識やスキルの証明となります。IT未経験者・実務経験者ともに、転職の際に役立つ可能性があるでしょう。しかしその一方で、IT企業においては、資格よりも実務経験や実績を重視する傾向があります。

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