正社員と契約社員の大きな違いは、雇用の形態や条件です。しかし実際には、それぞれメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルや希望する働き方に合わせて選ぶと良いでしょう。

本記事では正社員と契約社員の違い、それぞれのメリット・デメリットと向いている人、よくある質問について解説しています。特徴の違いを理解し、自分に合った働き方を選びましょう。

正社員と契約社員の違いは?

正社員と契約社員の大きな違いは、雇用形態と雇用期間です。まずは正社員、契約社員それぞれの定義と働き方、雇用条件の違いについて、押さえておきましょう。

正社員とは

法律上「正社員」の定義はありません。派遣社員ではなく、雇用期間の定めがない(無期雇用)労働者を正社員とカテゴライズすることが一般的です。一度入社すれば、雇用期間の更新に関する話が出ることはなく、基本的に定年まで働き続けられます。

一般的な企業では、正社員に対し「さまざまなキャリアを積んでほしい」「将来的に会社の幹部を目指してほしい」と考えるケースが多く、業務内容の幅広さも特徴のひとつです。

契約社員とは

契約社員は、名前のとおり契約期間が決まっている労働者です。有期契約労働者ともいいます。1回の契約での雇用期間は、最長3年ですが、なかには「3ヶ月」「半年」「1年」など、3年以内の契約となるケースがあります。

契約時点で業務内容が固定されており、自分の得意な業務だけを担当することが可能です。契約期間満了後は、再度「契約社員」として雇用契約を結び直す場合や、正社員として登用される場合など、企業によって異なります。

それぞれの雇用条件の違い

正社員はスキルアップのため、責任のある業務を任される一方、契約社員は雇用契約時の業務範囲を超える仕事は行う必要がないなど、正社員と契約社員では、雇用条件が異なります。

例えば正社員の場合は、フルタイムが基本です。しかし、契約社員はフルタイム以外に、短時間勤務や週に数日の勤務など、多様な働き方があります。また正社員は昇給あり、ボーナス支給が一般的ですが、契約社員の場合、昇給なし・ボーナスなしといったケースも多いです。交通費や資格手当、家賃補助などの各種手当に関しても、正社員と契約社員では支給条件が異なるケースがあります。

条件は会社によって異なるため、契約社員として働く場合は、事前に確認しておきましょう。

正社員のメリット・デメリット

正社員は無期雇用であり、会社の業績悪化などよほどのことがない限り定年まで働き続けられるメリットがあります。一方、幅広い業務を任されたり、引っ越しを伴う転勤を命じられたりと、会社の都合によって動くシーンが多いといったデメリットも存在します。

正社員への転職を考えている方向けに、メリット・デメリットを解説します。

正社員のメリット

正社員として働くメリットは、次のとおりです。

  • 雇用が安定している
  • 正規雇用としての社会的信用がある
  • ボーナスや福利厚生が充実している傾向がある
  • 出世や昇給のチャンスが存在する

正社員は無期雇用のため、雇用・収入ともに長期安定が期待できます。社会的信用が高いため、住宅ローンやクレジットカードの審査にも有利です。会社として社員の人材育成に力を入れているケースが多く、契約社員に比べ、出世や昇給、研修などのチャンスが多いでしょう。同様にボーナスや福利厚生も、契約社員に比べると充実している傾向があります。

正社員のデメリット

正社員のデメリットとして、自由度の低さがあります。

  • 人事異動で希望が通らないことがある
  • プライベートを優先しにくい
  • 副業禁止の会社がある
  • 全国転勤のある会社が存在する
  • 人間関係が固定される

正社員の場合、業務範囲が広いぶん、自分が希望する仕事ができるとは限りません。仕事よりプライベートを優先することも難しく、副業NG、実質拒否できない転勤の話を持ちかけられるといったケースもあります。

また安定の裏返しではあるものの、人間関係は固定されがちです。苦手な上司や同僚が周囲にいたとしても、どちらかが退職・異動するまで関係性が続きます。

契約社員のメリット・デメリット

契約社員は有期雇用かつ、働き方の自由度が高いため、プライベートと両立しやすいメリットがあります。一方、給与面では正社員と比べて低いケースが多い点はデメリットと感じられるでしょう。

契約社員のメリット・デメリットについて、詳しく解説します。

契約社員のメリット

契約社員のメリットは、自由度の高さとスキルを活かした働き方ができる点です。

  • プライベートの時間を大切にできる
  • 転勤や人事異動がない
  • 自分のスキルを活かした業務ができる
  • 正社員登用の可能性がある

契約社員は、フルタイム以外にも週4、残業なしなどさまざまな働き方が可能です。転勤や人事異動がなく、雇用契約を結んだ時点で共有している業務・働き方以外を強制されることはありません。

また一定期間の勤務後、お互いの同意があれば正社員登用の道が開かれている企業もあります。

契約社員のデメリット

契約社員のデメリットは、主に収入面です。

  • 正社員に比べると年収が低め
  • 出世やキャリアアップが困難
  • 退職金が支給されないケースもある

契約社員は、年齢や勤続年数に応じた昇給が行われないケースが多く、年収が低くなりがちです。退職金やボーナスが支給されない、支給されても正社員とは金額が異なるなどのケースもあります。

契約社員が担当するのは、契約範囲内の業務のみです。そのため、仕事を通じたキャリアアップや出世も厳しいでしょう。

正社員に向いている人の特徴

正社員に向いている人の特徴は、次のとおりです。

  • 昇給、キャリアアップを希望する人
  • 安定した生活を望む人
  • 同じ会社に長く勤めたい人
  • 充実した福利厚生を求める人

正社員は、リストラや解雇、自らの申し出がなければ、定年まで同じ会社で働けます。安定した環境で働きたい方や、人間関係の変化を望まない方にとって、正社員は最適な働き方と言えるでしょう。

また、責任ある仕事を任される機会も多いです。キャリアアップや出世の道も開かれており、やりがいを感じやすくなります。さらに女性の場合、出産や育児などのライフイベントを経ても働き続けたい場合は、正社員を選ぶと産休や育休、時短勤務などの制度の恩恵を受けやすくなります。

契約社員に向いている人の特徴

契約社員に向いている人の特徴は、次のとおりです。

  • ワークライフバランスを整えたい人
  • スキルを活かし専門的な仕事をしたい人
  • 目標に向かって経験を積みたい人
  • 決められた仕事をコツコツとこなしたい人

契約社員の場合、雇用契約を結ぶ時点で勤務時間や業務内容が確定します。残業なしの仕事を選ぶこともでき、仕事とプライベートの両立が可能です。自分のスキルを活かした業務や、同じ仕事をコツコツと続けたい方にとって、働きやすい雇用形態といえます。

また、雇用期間満了の時点で、契約を更新せず円満退職する選択肢もあるため「いろいろな職場で経験を積みたい」という方にもおすすめです。

契約社員や正社員についてのよくある質問

契約社員と正社員について、気になることや不明点がある方も多いことでしょう。ここではよくある質問と回答について、わかりやすく解説しています。

契約社員から正社員になるためには?

契約社員から正社員を目指す場合、「正社員登用制度」のある会社に就職し、正社員と同様またはそれ以上の能力を身につける方法があります。ただし、制度の内容は「就労年数」「実績」「上司の推薦」「別途試験あり」など、企業によってさまざまです。

また制度はあるものの、登用実績がないケースもあるため、必ず事前に確認しておきましょう。正社員登用制度がない会社に勤めている場合は、スキルやキャリアを活かして転職し、正社員になる方法もあります。

企業はなぜ契約社員を求めているの?

企業が契約社員を求める理由として、一時的な人手不足の解消と人件費の削減が挙げられます。契約社員は短期雇用が可能なため、繁忙期のみ補充できます。また、正社員に比べ、ボーナスや昇給が抑えられることから、コストもかかりません。

ただ、正社員登用制度が存在し、採用実績がある企業は、「契約社員として働く姿を見て、優秀な人材を見極めたい」と考えているケースがあります。この場合は、面接の時点で正社員を希望している旨を伝え、アピールしておくことも重要です。

契約社員と正社員の面接内容は同じ?

契約社員と正社員の面接内容に、大きな違いはありません。求められるビジネスマナーや、面接に臨む際の身だしなみも同じです。一次面接ではSPI試験や筆記試験、二次面接では人事、最終面接では役員など担当や内容を変えて、選考が進むケースが多いでしょう。

質問内容も、志望動機や自己PR、転職理由など基本的に同じです。ただ、契約社員などの非正規雇用から正社員を目指す場合の面接では「なぜ正社員になろうと思ったのか」と質問される可能性があります。面接官を納得させる理由を考えておきましょう。

働く前に正社員と契約社員の特徴をよく理解しておこう

正社員と契約社員の大きな違いは、契約期間です。そのほか、給与やボーナス、福利厚生、自由度など、正社員と契約社員ではさまざまな違いがあります。実際に働く前にメリット・デメリットを理解し、自分に合う働き方を考えてみましょう。

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